長谷川たかこのパリのふつうの生活
気になるニュース、お薦めの映画、
おかしな友達、子供の暮らし・・・
パリのふつうの日常
中年猫の欝について
DATE : 2009-11-24-Tue Comment 0
若く元気な子猫がやってきてから、背中の毛が抜け出し円形脱毛症になったアナイス
獣医に連れていく暇も勇気もなく、気休めにアロエ軟膏を塗ってやっていたが、円形は大きくなるばかり。
皮膚病かもしれないし、伝染するかもしれない。とうとう獣医に予約を取って連れていくことにした。
一日延ばしにしていたのは、アナイスを籠に入れるのがひと騒動だから。
今朝も夫・息子・私の3人がかりで−ひとりは軍手までして−挑んだが、猫の抵抗は激しく、息子は負傷し、
「無理だ!」「睡眠薬、飲ませるしかない」と諦めた。

ふと見ると、子猫のほうが籠に入って遊んでいる。
「せっかく予約取ったんだから、タマを予防接種に連れていこう!」
この画期的な考えはもちろん私。

予防接種のあと、獣医さんにアナイスの脱毛症の話をした。
「そのアナイスは、子猫に飛びかかったりしないんですか?」
「全然、子猫のほうは遊んでほしくて追いかけるけど、アナイスは逃げ回ってます」

なんでつきまとうのよ!
CIMG5975.jpg

「なるほど。相手に向かう攻撃性が自分の中に向かっているんですね。円形脱毛症は精神的なもの、子猫によるストレスと嫉妬からですね」
精神安定剤をもらって帰る。一日半錠、8週間!

それから食べ物。猫は一日10回〜15回食べる動物なんだそう(朝と晩の2回、なんて言ったのは誰だ?)
アナイスはお腹が空けば台所に現れ、そこにはいつもキャッツフードが置かれ、なければ通りがかりの人にニャオと言えばもらえていた。一回の量はほんの少し。
ところが子猫が人の残したものまで全部平らげるので、デブになったら困ると、最近は食べ物を置かないようにしていた。
今まで10回食べていたのが、突然回数が減って、それも欝の原因になったらしい。人間だってなるかも。
「子猫がデブっても仕方ない。今まで通り、食べ物をおきっぱなしにしてください」

毛足が長いので隠れているけど、しっかりハゲている。
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つまり猫は一日の3分の2は寝ていて、一日10回ご飯を食べていい生き物なのだ。
それで欝になるなんて!


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ティエリ・アンリの“神の手”
DATE : 2009-11-22-Sun Comment 0
今週、フランスで一番騒がれたニュースではない?サッカーはまるでオンチの私までが興味を持ったくらい。
18日の2010年ワールドカップの選出を決める予選(W杯欧州予選プレーオフ・セカンドレグ、と正式には言うらしい)のフランスvsアイルランド戦、アイルランドが1点入れて、フランスが焦っていたとき、ティエリ・アンリがついにシュートを決め、その直前に手でボールを触っちゃったのだ。
審判はこれを見逃し、フランスはW杯出場資格を得る。

触った瞬間
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もちろんアイルランドは黙ってはいない。反則勝ちだとして再試合を要求してきたが、FIFAはそれを却下。

コーチのレイモン・ドメネクは「試合では審判の判断が絶対だ。審判も人間だから間違うことはある。今回はフランスに有利に間違えたけど、逆の例も何度もあった」

スポーツ相のラマ・ヤド(政界の美しき反逆児)は審判の判断を支持。

rama_yade_portrait_reference.jpg

サルコジ大統領まで意見を求められた。
「私はスーパー大統領と言われるけど(ホント?)そこまでは関与できない。審判の判断に任せる」

ところが!世論は違っていた。
「ティエリ・アンリはその場で『あ、触っちゃった!』と審判に言うべきだった。そうしていたら公正なプレーヤーとして株を上げていた」
「クレームのついた選出で、ヨハネスバーグには行きたくない」
など、清い意見が多く、ティエリ・アンリはプレッシャーに苦しみ「一番フェアな解決策は再試合だろう」と言い出した。

thierry-henry.jpg

「ティエリ・アンリの“神の手”」という表現は、1986年、マラドナがW杯の準々決勝で、手で触ってゴールを決めたとき、「神の手」という言葉が生まれたそうだ。

そのマラドナはアンリに「君の今の辛さはよくわかる。がんばれ」というメッセージを送っている。
さて21日に、アイルランドFIFAは再試合要求を下ろし、一応丸く収まった。

サッカーは美しい。引退前のジダンが、薄くなった後頭部を見せながらボールを追いかける姿には見とれた。

でもスポーツは-特に球技は-苦手。
息子とサッカーゲームをしたとき、意外にもゴールを決めて、
「やった!私も捨てたもんじゃない!」と飛び上がったら、
「それ、敵のゴールだよ」
それ以来、遊んでもらえない。

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リヨンで消えた現金輸送車の現金の行方
DATE : 2009-11-20-Fri Comment 0
リヨンで現金護送車が1100万ユーロ(約15億円)とともに行方不明になり、運転していた警備員、トニ・ミュスランが指名手配になったことを、興奮ぎみに書いたのは11月7日のこと。

これだけの大金を、誰にも危害を加えず、単独犯(共犯者が浮かんでこない)でくすねた人は前例がないそう。彼は「世紀の銀行強盗」と名づけられ、ネット上で人気が上昇し、ファンクラブまでできてしまった。

ところが、数日後パーキングに乗り捨てられたレンタカーから900万ユーロが発見され、車を借りたのがトニ・ミュスランであることがわかった。
不可解な行動。よく計算したら、これから生きていくのに1100万ユーロもいらないことがわかったので、必要なだけとって返したとか?

返したお金、これで12億円・・・
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お金の大半は戻ったけど、トニ・ミュスラン本人は見つからない。
彼はユーゴスラヴィア出身なので、警察はそっちのほうを集中して探していた。
いくら出身地でも、まっずぐおウチに帰るだろか・・・と思っていたら、突然、モナコで自首してきたのだ。こうなると、応援していたファンクラブも訳がわからなくなり、ブーイングに転じる。

別れた元妻が
「自首したんだから、それだけでもエライじゃないですか」とコメント。
トニ・ミュスランを雇っていた警備会社は、
「背後にマフィア組織がいるかと思ったら、単独犯らしいので、ほっとしました」

自首したのはいいけど、何を聞いても黙秘で、残りの200万ユーロがどこにあるのかまだわかっていない。
やっぱりマフィアが操ってて、口を割ると殺す、と脅されているんじゃない?

夏からハマって立て続けに読んでいるジョン・グリシャムの推理小説には、横領したお金を持って逃げ回るストーリーがよくあるけど、逃走を続けるのはかなりシンドイ仕事のようだ。
たった11日間で根を上げて、やつれた顔で自首してきたというトニさん。ファンたちがっかりするのもわかるような気がする。


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“神の館”に入院する
DATE : 2009-11-17-Tue Comment 0
Hotel Dieu、オテル・デュー。
訳せば神の館。神は人を救い癒すので、転じて病院。
なるほど。美しい名称ではないか。
シテ島にあるこのオテル・デュー病院に友達が入院しているのでお見舞いに行った。

中世の僧院を思わせる古い建物は、651年に当時のパリ司教によって建てられたパリで一番古い病院。
ルネッサンス期までパリ唯一の病院だったそう。
ノートルダム寺院のはす向かいという観光地のど真ん中にありながら、中はひっそりとして人も少なく、ますます中世を舞台にした映画のようだ。

中央に大きな中庭があり、左右に回廊がある。中庭の奥に、突然ウルトラマンのような銅像が立っている。
何アレ?古い色合いの風景をシュールにしている。

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人っ子ひとりいない回廊。長いスカートのシスターなんかが似合いそうだ。

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花壇もある。
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呼吸器系の手術をした友達は、「モルヒネのせいでずっと吐き気してマイッタ」という。
痛み止めにモルヒネの点滴、は日本でもするだろうが、ここでは患者さんが点滴のスイッチを持たされている。スイッチを押すとモルヒネが注入される仕組みだ。
「つまり打ち放題ってこと?」
「まぁね」
「痛みと吐き気とどっちが我慢できないの?」
「うーん、難しいところだね。一日何も喉を通らないってのも辛い」
「じゃ、スイッチ押すの減らしたら?」
サガンは、自動車事故にあって入院したとき薬中になったというじゃない。

「でも食欲があっても食事は不味いよ」と隣のベッドのオジサン。
このだだっ広い病院には調理場がなく、食事は14区にあるHopital Cochin、コッシャン病院から運ばれてくるそう。
「昨日なんて、インゲンとジャガイモだけで肉がなかった」
つまり付け合せだけが運ばれてきたってこと。コッシャンの患者さんが主菜を全部食べちゃったんだろうか。フランス人ならやりかねない。

友達がミネラルウォーター買ってきて、というので地下の売店に行ったらもう閉まっていた。
外に出ると、お土産物屋しかない観光地。クレープを売っているカフェを見つけて小さなミネラルウォーターを1本買うと「ハイ、2ユーロ60」
「はっ?」耳を疑った。
スーパーでは6本パックで2ユーロ20くらいだ。アナタ、6倍以上で売ってるわけ?

パリで一番高い水を持って病室に帰りながら、健康が一番大事、と思った。
早く良くなってまた一緒にご飯を食べようよ。

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子猫の出現と円形脱毛症
DATE : 2009-11-14-Sat Comment 0
娘が子猫が生まれたうちを探して周り、アビシニアンとのハーフを連れてきたことは2週間前に書いた(猫に興味のない方はすっ飛ばしてください。)

可愛い雄猫で、私たちはすぐに魅せられたが、問題は、6年間ひとりっ子としてやりたい放題やっていた雌猫、アナイスとの関係である。

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最初アナイスは、同じ動物だとは理解していない様子、と言っても、手玉に取って遊んだことのあるネズミとも違うので、非常に警戒していた。
身体は4倍くらいある彼女のほうが逃げ出す始末。

一方タマ(と名づけられた)は一緒に遊びたくて追いかけ、アナイスがすやすやと眠っているのを邪魔したり、残したご飯を食べちゃったりと気に障る言動が多い。

なんでわざわざここに来て寝るわけ?
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子猫というのは文句なく圧倒的に可愛い。アナイスの公式飼い主である息子までが、帰ってくると「おータマタマ」と抱き上げて可愛がる。

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「アンタの猫じゃない。嫉妬したら可愛そうでしょ」
「だってタマのほうで僕が好きなんだもん。僕のせいじゃない」と相変わらずの屁理屈。

共同生活を始めて10日ほど経ったとき、普段は猫に興味がない夫が、
「アナイスの背中見たか?」
一部、毛が抜けて地肌が見えているのは私も気づいていたけど、ただの皮膚病かと思っていた。
「もしかしてタマと関係ある?」
「その可能性大だ」と夫。
さすが、フロイトの国に生まれた人は慧眼というか考えすぎというか。
「でもアナイスを精神分析に連れていくわけにはいかないじゃん」
「そりゃそうだが・・・」

そこで夫は息子を呼びつけ、
「タマとあんまりイチャイチャするんじゃない!6年来の彼女をふって若い男に走るようなもんだ」と、ワケのわからないお説教をしている。

気のせいか次第に大きくなる円形脱毛症を見るたび、アナイスが気の毒になる。わがままに穏やかに流れていた中年猫の日常が、突然かき乱された・・・
期待した年の差カップル形成は今のところ難しそうだ。


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