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マスクのせいで・・・

行きつけのヘアサロンが2週間の夏休みに入ると聞いて、大変、駆けつけなくては!
カットもしたいけど、3か月染めていないから根元の白髪が目立つ。
「もう少しでアニエス・ヴァルダみたい」と娘に言われ、緊急事態と察した。

ヌーヴェル・ヴァーグを代表する監督、写真家のアニエス・ヴァルダは去年の春亡くなった。
このツートン染めの発想は、根元白髪だろうか?

アニエス・ヴァルダ
photo:allociné

オーナーのパトリスは食いしん坊で面白い人、朝市でもよく出会い、仲良くなった。

若い女性と2人でやっているこじんまりとしたサロン。

Mateis Coiffure

行くと、一昨年のソルドで買ったサンダルを褒めてくれて、
「君はいつもエレガントだ」
ハハ、さすが客商売、お世辞がうまいわね。
「ほんとだって、みんなが言ってる」
「みんなって誰?」
「僕と・・・ナディアと・・・」マスクの中で口ごもる。
ナディアはパトリスの彼女だ。“みんな”って若干2人じゃない。
小さいとき「みんな持ってるから買って!」と母親にねだり、
「みんなって誰?」と聞かれて返事に詰まったのを思い出した。

パトリスには、うちのと年齢が同じくらいの子供が2人いるので、いつも近況を聞いてくれる。
「息子さんは東京だよね。娘さんは?カミーユだっけ?お宅にいるの?」
「そう、今、2冊目のBD(バンドデシネ=漫画)をやってる」
と言ったら、びっくりしてハサミを取り落としそうになった。
「え?カミーユいくつ?」
「23になったとこ」
「23で、すごい!」
ここまで会話はかみ合っていたけど、
「で、父親は?」
「ちちおや?!」
「2人目のべべの・・・」
ヤダー!BD(ベーデー)とべべを聞き間違ったのね、と大笑い。
マスクのせいで最近よくある聞き間違え。危うく孫2人になるとこだった。


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田舎の週末:猫とハエ

わたしが田舎にいた2日間、ソーシスは顔を見せなかった。数日早く来ていた夫は、
「最初の晩遅くにやってきた。キャッツフードをやったけどあんまりお腹空いてないみたいだった」
金曜と土曜の晩、遅くまで待ったけど現れなかった。
「1か月近く来なかったんでむくれてるんだろう」
「・・・と言うより可愛がってくれる家を見つけたんじゃない?」

隔離中から娘とこの家に懐き、朝から晩までうちで過ごしていたソーシス。娘がいたら現れたかもしれない。

IMG_20200625_093043.jpg

ソーシスが来ないと、他の野良猫も姿を見せない。わたしたちは頻繁には来ないし、のら猫たちがよそに“棲み処”を見つけたのは安心すべきことだ。でも寂しい・・・

田舎で鬱陶しいのはハエの数だ。台所にはいつも30匹(数えたわけではないけど)くらいブンブン飛び回っている。
食べ物だけでなく腕や脚に止まり、脚の上でセックスする大胆なカップルもいる。
「見た目はいやだけどこれが一番効く」と従妹がいうハエ取りをうちも購入した。

天井から吊るすと次々にハエが糊付けになる(既に数匹貼りついているの、見えますか?)
犠牲者の数が増えると「あそこは危ない」と思うのか、寄り付かなくなるので新しいのに取り換える。

IMG_20200725_190704.jpg

一番ハエが集まるのが調理台の近くなので、ランプシェードからハエ取りをぶら下げ、料理していたら「ギャッ」自分が糊付けになってしまった。
一緒に来ていた友人に剥がすのを手伝ってもらったけど、髪や耳がベタベタ、どころかハエの死体もくっついてきた。
ミイラ取りがミイラに・・・最悪。
原始的なハエ取りの接着力はすごくて、ハエたちに同情を感じてしまったほど。


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田舎の隣人カップルは歳が35離れている。エマニュエル&ブリジット・マクロンも敵わない。
でもお隣さんは逆、旦那のジャンが35歳上だ。
コートジボワールのアビジャンに赴任していたジャンが、ハタチそこそこの美しい女性、クリスティーヌを連れて帰ってきたときは、村の住人がたまげ、「アフリカから若い女性を誘拐してきた」と噂した。
そうだろうね。シャンパーニュ地方の人たちはアラブ人差別があり、その他の余所者もあまり好きじゃない。
わたしも最初はずいぶんジロジロ見られたもんだ。

アフリカでひと財産成したジャンは定年より早く退職。周囲の荒れ果てた家を次々に買い取り、

こういうボロ屋↓

IMG_20200726_115619.jpg

クリスティーヌと共に改装し、シャンブルドットや貸しアパートに生まれ変わらせる。
プロの職人の手は殆ど借りず、大工・左官業を2人でこなし、Le bon coin(何でも売り買いのポータルサイト)で家具を調達。
Elle Maisonに出してもいいくらい素敵な住居に変身させた。

かっての大きな納屋に、今は4世帯住んでいる。左の階段も自分たちで造った。

IMG_20200726_115333.jpg

herblot_etage.jpg

バカンス先のモロッコで買い、トラックで運んだベッドとリネン。

herblot3.jpg

人口200人の村に需要があるの?と思われるだろうが、近くの町で働く人や、ブドウ収穫の季節労働者が借りて、アパートは繁盛している。シャンブルドットはシャンパンのカーヴ巡りをする旅行者が泊まる。

ところが75歳を過ぎた頃から、ジャンの体力がガタっと落ち(当然)歩くのもシンドクなってきた。
今まで何でも2人でやってきたのに、クリスティーヌだけがアパートの管理や買い物に行くようになると「若い男に取られるんじゃないか」という不安が生まれた。
ジャンはほぼ一日中、テレビの前のソファに寝ているので、妄想が膨らむ時間はたっぷりある。
クリスティーヌとわたしが家の前で立ち話をしているときも、カーテンの陰から見張るジャンの姿。
「夜、TVシリーズを観るのが楽しみなのに、一緒に寝ないとダメなの」
夜中に2回、トイレで目覚めると助け起こさなくてはならない。
「それはまだいいの。ずっと監視されてるのが耐えられない。息が詰まりそう」
アパートを何軒も持ち裕福だけど自由がない“黄金の檻”。
カップルは歳が離れているほど、晩年が難しいと言うけど本当だわね。

娘と2人でクリスティーヌ救出案を練っている。
「愛人を作って、アパートを掃除に行くときに落ち合う」
「うーん、小さい村だからすぐ噂になる」
「じゃトロワ(50㎞離れた大きな街)で会う」
「ジャンが出してくれない。自分も一緒に行くって言うわよ」
・・・と救出案は目下、壁にぶち当たっている。


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マスクを巡る光景

「すごい光景を見ちゃった」と娘が怒りながら帰ってきた。
彼女が友達とメトロのホームに着くと、RATPの安全監視員3人が目を光らせていた。
そこへマスクをしていないフランス女性。監視員のひとりが、
「マスクしてください」
「あ、すみません」
女性がバッグからマスクを取り出したとき、監視員たちが駆け出した。その先にはマスクをしていない黒人男性。
彼は突進してくる監視員の姿を見てホームから走り去ろうとしたけど、取り押さえられ、
「3人で組み敷いたの。顔を地面に押さえつけて!」
何か盗んだわけでも、人に怪我させたわけでもなく、たかがマスク。
「みんなショックで、見ていたおばあさんと子供は泣いていた」と娘。
「それでその男性、どうなったの?」
「遅刻するんで最後まで見られなかった」
135€の罰金は間違いないけど、まるで凶悪犯のように3人で組み伏せるなんて、人権問題だ。
「名誉棄損で訴えるべき!」とわたし。

娘の話はまだ先があった。その後、乗り換えた線では車両の中に安全監視員がいて、
「マスクを顎に下げているアラブ系の男を見つけて、引っ立てて次の駅で降ろしたの」
彼も135€。

「マスクしてください」「すみません」とは何と違う扱い。
まさに警官の人種差別暴力が問題になっているのに、信じられない。甚だしき権力乱用。

もうひとつ信じられない話は、セーヌ河岸。

セーヌ河岸
photo:Liberation

密着して戯れている若者たちを見て、ラジオのジャーナリストが、
「君たち、マスクもしないでアブナイじゃないか」と言うと、
「秋にまた隔離になるかもしれないから、今のうちに愉しまなくちゃ」というお答え。
それ、論理が逆でしょうが!再び隔離にならないために「マスク」「ソーシャル・ディスタンス」と騒いでいるのに。
彼らは罹っても症状が出なくて、他人にばら撒くのだ。
まったくどいつもこいつも・・・


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服よりアート、アニエスb

うちの階上に引っ越してきた女性が「自転車置き場のこと、義理の息子さんに聞いたんですけど…」
「ギリノムスコ?!」
・・・ああ、将来、義理の息子になるかもしれない男子のことですね。
彼が、自転車を物置に入れているのを見て、自分の自転車も入れたいと思ったらしいけど、あれは公共の物置じゃなくて、うちの家財道具が入っているのよ。残念でした。

“義理の息子になるかもしれない男子”はティボーと言って、パリのボザールの最終学年。
「画家で食っていけるわけがない」と夫は娘カップルに懐疑的、と言うより、誰を持ってきても「娘には相応しくない」という父親バカの典型かもしれない。

でもティボーが2018年、アニエスb賞を取ってから評価が少し変わってきた。
元から芸術メセナで有名なアニエスbは、ボザール学生を奨学金や賞で援助するアソシエーションAmis des Beaux Artsの会長をしている。だけでなく、学生や若い画家の作品を集めて、本社内で展示したり、Tシャツの図柄にしたり。
本業のプレタは息子に任せ、アートに力を入れていて、2月にはLa fab (Fondation Agnèsb)がオープンした。

13区の、ミッテラン大図書館やMK2(シネマ・コンプレックス)がある一画 。

la fab アニエスb

アニエスbがコレクションした現代アートの常設展。
名前を知っているのはジョン=ミシェル・バスキア、写真家のナン・ゴールディンくらいだ。
フランスで最初にバスキアを買ったのがアニエスbなんですって。

la fab アニエスb

ピンクの蜘蛛の巣が張った自動車。愉快な異様さで目立っていた。

la fab アニエスb

テンポラリー展は『Moins de 30ans!!/30歳以下!!』。その殆どがパリやストラスブールのボザール学生の作品。

la fab アニエスb

ここに“義理の息子になるかもしれない”ティボーの作品が3点。
『おばあちゃんのあごひげを抜いてあげている弟』 暖かい関係が伝わってくる。彼は家族や友達をモデルにすることが多い。

la fab アニエスb

ティボーと同じアトリエにいる女子学生の作品。光と影がとてもいい感じ。

la fab アニエスb

1時間もあれば全部見れる大きさは週末の午後にちょうどいい。
買いやすい値段(2000~1万ユーロくらい)の若いアーティストの絵画を買う人はけっこういて、ティボーの絵も1枚売れていた。
スイスから来た女性で、嬉しそうに抱えて帰って行ったとか。
ふつうギャラリーは50%取るけど、『30歳以下展』は奨励のため40%。「30にしてもよかったのに」とわたし。

夫はこの展覧会を見てから「画家で食っていけるわけがない」はやめて、「アーティストのカップルは上手くいかん」になった。

la fab Agnèsb
Place Jean Michel Basquia
火-土、11h-19h
入場料4€
Moins de 30ans!!は8月1日まで

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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