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日本へ片道チケット

息子が約1年の予定で日本に発っていった。
出発前の1週間は引っ越し(いない間、アパルトマンを人に貸すので)掃除、荷造り、そして連日のように送別会で走り回り、引っ越し荷物は当然うちに来るので、居間は足の踏み場もない状態になった。

選り分ける時間がなくて全部運び込んだので、うちで「これはエマユス」「これは捨てる」。
プラスチックボックスのひとつを開けたら「ギャー!」
マフラーやセーターが虫に食いまくられ、しかも虫が生息している。即、箱ごとゴミ箱!
数年前から息子のセーターが虫に食われるので防虫剤を渡していたけど、一方で虫を育ててたのね。全く世話はない。

猫たちはすぐスーツケースへ!

リュリュ&タマ

「寂しくなるわね」何人から言われたけど、あまりピンとこなかった。
長期で日本に行くのを彼がとても喜んでいたから。
出発前の慌ただしさのせいもある。

飛行機が飛び立って10時間後に「もうすぐ台北に着く?」とEVA airのフライトインフォメーションを見た。
地図で見るパリと日本の距離に「ああ、遠くに行ったんだ」と私は初めてブルーになった。
自分が行き来するときには距離なんて考えない。だからすごく主観的な距離なのだ。

「寂しさ」は概して思いがけない時にやってくるもんだ。娘がアングレームに引っ越したときは、夥しいメイク用品がなくなってスッキリした浴室を見たときだった。
戻ってきたので再びメイク用品だらけになっているけど。


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猫を隠せ!

その晩、初めて会うカップルを夕食にお呼びしていて、私はオーソブッコの仕上げをしていた。
そばで携帯を見ていた息子に、「ちょっとソースの味みてよ」とスプーンを差し出したら、
「ギャッ!ウソー!!」
「何が?」
「ご主人、猫アレルギーだって!」
えええええ!

猫は家族と勝手に思っているので、食べ物の好き嫌いだけ聞いて、猫の好き嫌いは聞きもしなかった。

時間は7時50分。残すところ10分!
息子はすぐに掃除機を引っ張り出し、床はもちろん、ソファや椅子にもかけ始める。猫のいる家は毛だらけで、そんなことをしても焼け石に水、というけど。
猫たちはキャッツフードのお皿とともに娘の部屋に閉じ込められた。

2人が到着し、アペリティフの間、ご主人はクシャミひとつしなかったので、ひとまずホッ。
食卓では、カップルは離して男女交互にするので、私の隣がご主人。オーソブッコを食べているとき、私の膝に手を置く人がいる。ハッとして見ると、
「リュリュ!」
このウチは元アトリエだったのを改造しているので、部屋と部屋の間に窓があったりするけど、
「アンタ、どーやって !?」
と、浴室とキッチンの間の窓を見ると、そこにはタマが悠然と座っているではない!
隣の客人は猫を見ても慌てず騒がず、クシャミもせず ・・・再び2匹を閉じ込めて事なきをえた。

・・・この話を猫好きの友人にしたら、
「あたしの知人に猫大好きだけどアレルギーの人がいて、Rexという種を飼ってるの。しかも4匹も!猫アレルギーでも大丈夫な唯一の猫なんだって。でもすごく醜いのよ」

醜い猫など存在するのかとネットで見たら、なるほど。特に飼いたいとは思わないわね。

レックス/Rex

Rexさんには悪いけど・・・


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ナント一家惨殺犯人は・・・

「グザヴィエ・デュポン・ドゥリゴネス、ついに逮捕!」のニュースは金曜日の夕方。
この長ったらしい名前の男は、2011年4月、ナントで妻と子供4人を殺害し自宅の庭に埋めた疑いで、国際指名手配になっていた。

ナント一家惨殺事件
photo:parisiens

「なんと8年半逃走していたドゥリゴネスがグラスゴーの空港で逮捕されました!」とキャスターも興奮、ラジオはすぐに特集番組になる。
逮捕の状況は、ドゥリゴネスがパリのシャルルドゴール空港からグラスゴー行きの飛行機に乗る、という告発があり、パリ警察は空港に向かったけど間に合わず、すぐにスコットランド警察に通報。ドゥリゴネスはグラスゴー空港で待ち構えていた現地の警察に逮捕され、指紋が一致した。
盗んだらしきパスポート(ギイ・Jの名前)で「何度か整形手術をした模様です」。

さらに当時の事件を振り返り、犯罪学者や“ナント一家惨殺事件”について本を書いたジャーナリストがインタビューされ、
「自殺説も有力だったけど、私は生きていると信じていた」と得意げだった。
・・・という特集番組を私は最後まで聞いてしまった。

自分がWHOの医師と家族に偽り続け、ウソがばれたときに妻、子供、自分の両親を殺害したのはジャン=クロード・ロマン
ドゥリゴネスは相次いで事業に失敗し、夥しい借金があるのを家族に隠していた。事件の前に「もう自殺か集団自殺しかない」というメールを友人に送っていた。
どちらも、秘密やウソがバレそうになった時だ。ルース・レンデルの名著『ローフィールド館の惨殺』もそうだものね。

翌日の土曜日、“念のため”DNA鑑定、とフランスの警察がグラスゴーに向かい・・・なんと人違いだったことが判明。
まず夜半に電話してきたギイ・J氏の隣人の証言、
「J氏は30年来の隣人でドゥリゴネスであるわけがない」で仏警察は疑いを持った。
DNA鑑定でその疑いは事実になったんだけど、原因は指紋の判定がフランスとスコットランドの警察で違うこと:フランスは12点の特徴一致、スコットランドは3点一致!

24時間、一家惨殺犯人と間違えられたギイさんは、スコットランド女性が奥さんのリタイアした男性。顔がちょっと似ていたらしい。
それを「何度か整形手術をした模様です」だなんて!
スコットランド警察のアバウトさとメディアの先走りの結果。
グザヴィエ・デュポン・ドゥリゴネスはこのニュースを見ていたに違いない・・・


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朝市物語:サドマゾ関係?

やたら陽気なエルザおばさんは人気があって、誕生日に花束を持ってくるオジサンもいるくらい。
長い間、私は常連客のひとりに過ぎなかった。仲良くなったのは5-6年前からだ。

きかっけはシイタケ?
シイタケが大好きなエルザは、キノコ類のソテーを作ると、台所でシイタケだけ寄りだして食べてしまう。
食卓に持っていくと「なぜシイタケ入ってないの?」と家族に文句を言われる、と聞いて「え?あなたも?」
私も同じことをするからだ。

でもきっかけなんかなくて、段々に仲良くなったのかもしれない。
細いグリーンアスパラは茹でないでそのまま炒めるとか、ズッキーニでもナスでも色の薄いほうが美味しいとか教えてもらった。

夏休みにナポリに帰ると必ずお土産を持ってきてくれる:パスタやリゾット、自家製のアーティチョークのマリネ、ビターオレンジのリキュール・・・
お返しに、クリスマスにはチョコレートを「店員さんとみんなで食べて」と持っていくと、ハイハイと言いながら、さっさと自分のバッグに入れてしまう。

IMG_20191010_125250.jpg

もともと思ったことをすぐ口に出す人だけど、親しくなってから更にダイレクトになった。
「フェンネルはどこ?」
「ホラ、そこにあるだろ」
「そこってどこよ」
「アンタ、どこに目つけてんの?!」
「・・・・」
お勘定が20ユーロだったときは、
「あっちこっち走り回らせて-屋台が広いので店員さんたちは端から端まで行き来する-これだけかい!」
それでも通い続けるんだから、「あたしはマゾよ」と言ったら嬉しそうに笑っていた。


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朝市物語:エルザおばさん

毎週日曜日、エルザおばさんの八百屋に通うようになって・・・もう20年以上になる。

エルザおばさんはイタリア人。ナポリで教職を取り(「当時はみんな先生になりたがったのよ」)パリに遊びに来たとき、フランス男子と恋に落ち、そのまま居ついてしまった。
先生を諦め、青果市場で働きだし、やがて朝市の八百屋のおかみさんになる。
小柄でコロコロしていて、アニメに出てくる妖精みたい。大きな屋台には若い売り子さんが8人いるけど、一番走り回っているのはエルザおばさんだ。

パリ朝市 バスティーユ

朝市の商店の人たちは、トンデモナイ時間に起きるので、
「何時に起きるの?」と聞くと、
「10時」
なんだ、週末の私と変わりないじゃん、と一瞬思ったけど、
「夜の10時!?」
しっかり“朝ごはん”を食べ、トラックに野菜果物を積み(「これに時間がかかるのよ」)郊外の“野菜倉庫”を出発。
まず13区のオーギュスト・ブランキ/Augusto Blanqui の朝市に着くのが午前3時。
彼女はご主人と分担して2つの朝市に出しているのだ。最初の朝市で、荷の半分とご主人を降ろし、バスティーユに向かう。

野菜や果物をきれいに並べるのも時間がかかるけど、手書きの値段付けも大変な作業。
品数が多いほど時間がかかるのは私にだってわかるけど、「2時間じゃ終わらない」そうだ。

パリ朝市 バスティーユ

「準備が終わると若いモンは一杯飲みに行く」とエルザおばさん。
一杯飲む、というからにはコーヒーじゃない。
そして最初のお客が現れるのが7時半頃、というからもうちょっと寝ていても大丈夫な気がするけど、それは寝起きの悪い私の発想であろう。
とにかく、私が朝市に赴く昼近くには、12時間以上仕事をしていることになる。
たまに早く行くと、
「アンタ、ベッドから落ちたのかい?」
「・・・・」
まあ、からかいたくもなるだろうね。

エルザおばさんの八百屋ではイタリアのトマト、白や黄色のズッキーニ、縞々ナスなど南の野菜が美味しくて安い。

パリ朝市 バスティーユ

ギュスト/Gustoというイタリア産トマト。
ちょっと高い(1㎏、約5ユーロ。日本に比べれば安い)けど、サラダにするならコレ。

イタリアトマト、ギュスト

20年も通っていればさすがお得意さん扱い(!)、いつも何か-おまけというよりプレゼントを-くれる。
最近はずっと苺のパック。娘の友達が「このウチ、いつも苺があるね」と言ってったけど、実は買ったことがないのだ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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