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Category : グルメ・レシピ

足し算料理 VS 引き算料理

翌日25日の昼は、義妹のパートナー、ミシェルがChapon aux morillesを作る。
“フェットの翌日”は、朝寝坊して、好きなときに軽く食べたいところだけど、作ってくれるんだから文句は言えない。

シャポンは、肉が柔らかくなるよう去勢した雄鶏だ。普通の鶏の2倍くらいある。
Morille/アミガサ茸は、100g70ユーロ~の珍重なキノコ。春に生えるので乾燥モリーユが出回っている。

シワシワであまり美味しそうな外見ではない。
ある時「この保湿クリーム、シワ防止にいいんだって」と友達に言ったら、「あたしの顔がモリーユ茸みたいだって言うの!?」と憤慨された。

attention-morilles.jpg

時々手伝いながら、ミシェルの料理を観察していた。
まず雄鶏1羽を解体(これが大変)。
厚手の大鍋に玉ねぎのみじん切りを炒め、そこに解体した鶏を入れる。
ざっと焼き色がついたら、全体に小麦粉を振りかけ、なじませ、ノイリープラットを入れ、チキンブイヨンを注ぐ。

つまり、他の肉類の煮込みと変わらない手順なんだけど、ミシェルのレシピは、油の入れ方がハンパじゃない。
使い始めたばかりのサラダオイルの瓶が一挙に3分の2になった。
と同時の、キッチンの作業台は粉と油と野菜くずでグチャグチャ。彼は“料理をしながら片付ける”タイプかと思いきや、人は見かけによらない。誰が片付けるのよ?
ブーケガルニとセロリの茎を加え、蓋をして1時間15分。
しばらくするとノイリープラットと鶏と香味野菜が一体となったいい匂いがしてきた。
その間、ぬるま湯で戻しておいたアミガサ茸に取り掛かる。
アッと言うほどの量のバターをフライパンに入れ、アミガサ茸を炒め、ポルトワインを注ぐ。
それを大鍋に合体し、さらに生クリームをひと瓶。
所要時間3時間半。

拝借した写真。このシャポンはオーヴンで焼いたと思われる。

chapon-aux-morilles-et-vin-jaune.jpg
photo:femme actuelle

鶏は柔らかく美味、ソースは非常に濃厚。個人的には、クリームを入れる前に味見したソースの方が好きだった。
「なんか違う。ノイリープラットやポルトの味もしない」とミシェルが首を傾げるので、
「生クリームが多かった?」と言ってみたら、
「そうだ、それだ!」
美味しいんだけど、ソースがそれぞれの素材の味に勝ってしまう。そして、はっきり言って重い。
その晩はみんなお腹が空かなかった。

ミシェルのレシピは一時代前の足し算料理だ。近年は、ヘルシー志向&日本人シェフの台頭で、素材の味を生かす引き算料理になっている。
子供の頃、割烹着姿で台所に立つ叔母を見るのが好きだった。和え物のソースやすり胡麻を惜しげもなく捨てるので、
「なぜ入れちゃわないの?」と聞いたら、
「味のバランスが崩れるから」と言われたのを思い出した。


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お義父さんが生きていた頃は、子羊の脚ローストがノエルの定番だった。
蝶ネクタイをした義父がそれを切り分ける。付け合わせは白インゲンの煮込み。
それが何年も続いた。のでわたしは、素材は同じ、料理法を変え、子羊のナヴァラン(煮込み)にする。

材料(6人分)
子羊の肩肉1.2㎏
ニンニク3かけ
玉ねぎ1/2個
ニンジン3本
カブ6~8個
小玉ねぎ(ピカール)20~30個
ジャガイモ(ラット種があれば最高)600~800g
グリーンアスパラ(ピカール)600g(一袋)
小麦粉大匙3
ブイヨン(チキンかビーフ)2個
ブーケガルニ(タイム、ローリエ、パセリ) 、クスクスのスパイス(好みで)
コンセントレートトマト(70gの缶詰)1

①厚手の煮込み用鍋にオリーブオイルを入れ、2つ切にしたニンニク、みじん切り玉ねぎを入れ2分くらい炒めてる。
そこへ2口大くらいに切った子羊を入れ、表面が色づくまで炒める。

②小麦粉を全体に振りかけ、肉をひっくり返してなじませる。
700ccのお湯で溶いたブイヨンを注ぎ、ブーケガルニを入れ、蓋をして約1時間(ここまでを前日にやっておくとラクです)。

③その間に野菜を用意:ニンジンはニンジングラッセにするように切り、カブは大きさにより2つか4つに切る(丁寧に面取りしたのに誰も気づかなかった)。グリーンアスパラ(ピカール)はややアルデンテに茹で、塩を振り、2つに切っておく。

④鍋にニンジンと蕪、小玉ねぎを(冷凍のままでも大丈夫)を加え、肉が十分柔らかくなるまで、2時間くらい煮込む。

⑤ジャガイモはラット種なら皮を剥かず2つ切り、その他の種は皮を剥き一口大に切り、塩、パプリカ、サラダオイル少々を振りかけ、オーヴンで約1時間。

⑥鍋にコンセントレートトマトを加え、アスパラガスを入れ、15分くらい煮て出来上がり。

写真を撮り忘れたので拝借。このレシピのようにグリンピースも入れても。

子羊のナヴァラン
photo:femme actuelle

*クスクス用スパイス(ナツメグ、シナモン、ジンジャー、クローヴのミックス)を入れるレシピもある。その場合、小麦粉と一緒に振りかける。
*ジャガイモは鍋に入れて一緒に煮る人が多い。ラット種は小さくて皮むきが面倒なのでオーヴンにしました。
*前日に最後まで作った場合(そのほうが味が染みて美味しい)は鍋ごと冷蔵庫に入れたほうがいい。

羊の肉の匂いが気になる、という方にはこのナヴァランをお奨め。羊自体が嫌いな場合、煮込み用子牛肉でも美味しくできます。

撮るのを忘れなかったアペリティフ:ミニピーマンのファルシ(ツナ&エシャロット&マヨネーズ、シェーヴルチーズ)、娘の自信作、ソーセージのパイ皮包み、オーヴン焼き)

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隔離料理:ポトフ―

大鍋に肉の塊と野菜を入れて火にかけておけばポトフ―ができる、と思っていたのは間違いだった。
肉は柔らかくならず、野菜は煮えすぎという結果になる。

まず肉選びが大切。ポトフ―に使うのは赤い矢印の部分
後ろ足のGîte(ジット)
前足のMacreuse(マクルーズ)、 Paleron(パルロン)、 Basse côte(バスコット)
そしてJeu de bœuf頬肉

牛肉の部位

値段は頬肉が約19€/kg、それ以外は15-16€/kg。煮込み用の牛肉は高くない。

この中でMacreuse(マクルーズ)はブッフ・ブルギニヨンやチリコンカルネには向いているけど、ポトフ―にするとちょっとパサつく。ので、わたしはそれ以外の部分と頬肉(外れがない)を半々にする。
他の煮込み同様、ポトフ―も翌日、翌々日がより美味しいので多めに買う。

材料(3-4人分で2回分):今回はPaleron(パルロン)と頬肉、計1.2㎏
ポワロ葱4本
ニンジン(太目)6本
カブ6個(フランスのカブはBoule d’orがホッコリ美味しい)
ジャガイモ(シャルロット、ローズヴァルトなど煮くずれしにくい種)
ビーフブイヨン1.5個、塩

①煮込み鍋(クルーゼとか)に肉の塊、ヒタヒタの水、ブイヨン、葱の青い部分、(あれば)タイムを入れ、中火にかけること約2時間。

②火を止めてからしばらく置くと、表面に白い脂が浮く(暖房が効きすぎていると白くならないので、冷蔵庫に入れる手もある)。この脂、取りたくない人は取らなくてもいいけど、夫が体重過剰なので、わたしは7割くらい取る。

③野菜の皮をむく。鍋にまずニンジンを入れて30-40分煮続ける。ニンジンは肉を柔らかくするそうです。
次にポワロ葱を入れ、さらに30-40分(野菜の個人差があるので、時間は目安。楊枝を刺してアルデンテで止める)

④このあたりで鍋が満員になるので、ニンジン、葱を取り出し、スープの味を見て、塩を足し、カブ、ジャガイモを入れる。煮え方が均一なように同じくらいの大きさに切る。カブ、ジャガイモは煮え方が早い。

⑤ニンジン、葱を鍋に戻し、足りなければ水を足し、20分くらい火にかけて止める。そのまま一夜置く。

⑥翌日食べる前に30分くらい火にかける。

わたしのポトフ―に一番似ている、借りてきた写真

ポトフ―
photo:kilometre0

・・・と、料理も人間関係と同じく、手間をかけると美味しくなる。
ポトフ―の煮汁が残ったら冷凍しておいて、ポタージュやロールキャベツに入れると美味。
外出禁止の今こそ作りたい料理、お試しください!


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ザ・お弁当とレストラン救済

隔離中に家族の誕生日が3つ、祝えないまま過ぎた。
いつもなら3回別々にやるところだけど、世の中同様、うちもコロナの影響で収入減なので1回にまとめようということになった。
隔離中からひたすら食べたかったのがお寿司、なのでKAWAMOTOのお寿司を取ろう!
電話したら、「お寿司にするような魚がまだ手に入らないんです」
ガクッ
ほかのお寿司屋(主に中国系)はさっさとお寿司を売っているのに、やっぱり選択基準が高いのね。
「鮭と海老だけでいいって言われるフランス人もいるけど、それじゃちょっとねぇ」
うーん、ちょっとねぇ。
「それで、お持ち帰りはお弁当のみにしてるんです」
お弁当の中身は、茄子の味噌田楽、鶏のから揚げ、鮭の照り焼き、野菜の煮物・・・に生魚なしのちらし寿司がつくと聞いて、「おお!」
「若いのが2人いるんですけどボリュームは?」と聞くと、
「それがワタシでもお腹いっぱいになるんです」とマダム・カワモト。小柄で細いのに、自分が大食漢の代表みたいなセリフが可笑しい。

夫が持ち帰ったお弁当は、電話で聞いたのよりバラエティがあって、
牛肉の叩き、鴨、ポテトサラダ、白身魚のフライにはタルタルソースが添えられ、野菜の煮物には菊芋も入っている。

パリ Kawamoto お弁当

色々なものを一口ずつ味わえる幸せは日本料理しかない。全部美味しかったし、若いもんも堪能していた。

このお弁当は17€という良心的な値段。この日、オペラにいたので他店のお弁当の値段をちらっと見たら、ご飯にトンカツのようなシンプル弁当が14-15ユーロ。カワモトさん、もう少し上げてもいいんじゃないですか?

デザートはAkiのショートケーキ。「フレジエでしょ?」というフランス人に、あなた全然わかってないわね、と言いたい。スポンジケーキとホイップクリームのこの軽さ!は全く別物。

パリのショートケーキ

今のところ、パリ、イル・ド・フランスのレストランはテラス席のみ。ところがお天気が悪くて肌寒くて、なかなか埋まらない。
レストラン協会は22日からの店内もオープン許可を1週間早めてくれ、と懇願している。
明日の夜、マクロンが発表する第三次デコンフィヌマン/隔離解除でそれも明らかになるはずだ。

「でもねぇ店内許可になっても、テーブル間隔1mじゃ採算取れませんよ」とマダム・カワモト。
お店のあるロケット通りは歩道が狭く、“テラスには”2人用のテーブルひとつしか出せないのだ。

レストランの25%、4件に1件が潰れると言われている。お気に入りの店が25%に入らないように「持ち帰り」をして応援しましょう!


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新しいレストランの形?

フィリップ首相が「フランス人はバカンスに行けます」と発表した直後、SNCF(フランス国鉄)やバカンス村の予約が急増した。
教会や礼拝所も間もなく許可になるという。
政府は「ピークは去りつつある」という情報と、再開しなければ大変な経済危機になるという確信を持っているということだ。

それでも開け渋っているのがレストラン&カフェ。
「緑ゾーンの地域で6月2日から開店を検討する」そうだけど、レストラン&カフェがひしめくのはパリだ。
パリに多い、テーブルが接近した小さいレストランは4㎡にお客一人なんて言われたらやっていけない。
「歩道まで(無料で)テーブルを出していいことにする」とパリ市 。でも歩道がすごく狭い場合もあるでしょ・・・

隔離中に車や服が買えなかった人は、今から買うだろうけど、レストランは「2か月行けなかったから、2か月分食べよう」ということにはならない。損失は取り戻せない。

レストランを開け始めた国ではどうしてるかというと:
ドイツのシャポー・フリット(フランドポテト帽子)。冗談かと思ったけど、ほんとにやっているの?
個人的にはこれを被ってまで行きたいとは思わない。

新しいレストランの形
photo:demotivateur.fr

アムステルダムでは2人用のビニールハウスが登場したそうだ。海岸ならいいけど、都市部では難しい。
セーヌ河岸でできるかも。

新しいレストランの形

フランスは、Christophe Gernigonというデザイナーがプレクシグラスの釣り鐘を提案。

新しいレストランの形
photo: Christophe Gernigon

これならマスクも外せるし、見た目も美しく、“一緒に食事”が可能になるけど、この釣り鐘を天井からいくつもぶら下げるのはお金がかかりそう。

現実では、開店許可を待ちつつ、テイクアウトできるお店が増えてきた。

新しいレストランの形

何が食べたいか?と聞かれれば迷わず「お寿司!」。東京の息子が行ったお寿司屋さんの写真に身悶えした。
でも叶うまでまだ時間がかかりそうですね・・・


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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