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Category : フランスの男と女
映画の話ではありません。
久しぶりに会ったマリーの開口一番。
彼女とジャン=ルイのカップルとは長年の友人で、よく一緒に年越しをした。
3年前も大晦日に誘ったら「身体の調子が悪くて今年は行けない」とジャン=ルイ。
「疲れて疲れてしょうがない。一日中寝てたいくらいだ」
「じゃ具合良くなったら電話して。日本酒、とっておくから」
ジャン=ルイは日本酒が好きで、前の年は料理用のお酒まで飲んでいた。

でも良くなるどころか、年が明けて白血病とわかり、すぐ入院し、お見舞いに行く間もなくジャン=ルイは亡くなった。
一番気が合っていた男友達を失くして大きなショックだったけど、マリーの喪失感は巨大だった。
2人には子供がなく、すごく仲のいい夫婦だったから。
そのマリーを支えたのがパックだ。2人が子供のように可愛がっていたスコッチテリア。

借りてきた写真だけどパックに似ている。Puckは『真夏の夜の夢』に出てくる妖精の名前。

スコッチテリア
animal-zukan.jp

ああ、パックには長生きしてほしい。
「何歳なの?」
「15歳」
「歳よりずっと若く見える」
「みんなにそう言われるの」

そのパックが今年の5月末、心臓疾患で亡くなってしまった。
「すごく暑いのに散歩に行くって言うから連れていったら、公園の階段の前で動けなくなったの。いつもは駆け上がるのに。だから抱いてうちに帰ったの。獣医さんに診せたら『この犬、蒼白だ』って言うのよ。黒い犬のどこが蒼白なのよ!と思ったら、歯茎でわかるんだって。歯茎が白いと血液の循環が悪い証拠なんだって」
パックは獣医さんのところから帰る車の中で亡くなった。
「ちゃんと呼吸できないみたいで、獣医さんのとこに戻ろうとしたの。そしたらパックが突然顔を上げて、わたしの目をじっと見て、遠吠えみたいな声を出して、そして死んじゃったの」
「動物って人間より、自分の死ぬ時がわかるんだろうね」とわたし。

わたしの黒猫アナイスは、子宮がんが肺に転移して安楽死を選ぶしかなかった。
獣医さんのところに連れていこうとしたとき、籠に入りたがらなかった。わたしの決心もついていなかった。
数週間後、息子が「これ以上苦しむのは可哀そう」と言い出し、決心がついたとき、アナイスは大人しく籠に入った。
彼女も、もうダメだと感じたんだろう。

マリーは、こういうことを話して泣いたり笑ったりできる友人。夫には通じない。猫が寝ていると背中をなでるくらい“進歩”したけど、アナイスが死んだとき、わたしが大泣きしたんで「びっくり仰天した」だって。全く。

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ボーリュー/Beaulieuの駅にドミニックが迎えに来てくれた。
アパルトマンまで歩いて10分くらいだけど、スーツケースがあるうえ、上り坂だからありがたい。
コートダジュールのあちこちの貸しアパルトマンを仕切っているドミニックと知り合ったのは8年前。
カーニュ・シュル・メールで2回、ボーリューで4回、後にも先にも1度だけカンヌ映画祭に呼ばれたときも、彼がスチュディオを見つけてくれた。
アパルトマンに着くと、扉を開けてくれたのは若い女性。
「ボクの連れ合いを紹介します」
お人形のように可愛い女性で、誰かに似てない?・・・“リカちゃん”だ!
ラメが入ったロングのワンピースを着ていて、Tシャツ・バミューダのドミニックと対照的。

数年前、やっぱり“ぼくの連れ合い”と紹介されたことなかったっけ?7-8歳の息子さんも一緒だった。
その時の女性はもうちょっと年上で印象も違ったけど・・・仕事がエステティシャンと言っていたから若返ったのかしら?
「一度、お会いした・・・」と言いかけたら、
「いや、あの時とはとは違う人」とドミニック。「前に会ったのは息子の母親」
子供がいて別れた場合、モト妻(夫)のことを「子供の母(父)親」という呼び方をする。”連れ合い”だったエステティシャンの女性は“息子の母親”となり、今はこの“リカちゃん”と一緒に暮らしているらしい。なかなかやるわね。

東欧のアクセントがあると思ったら、リカちゃんはセルビア人。ドミニックは40歳は過ぎているから、かなりの歳の差だ。
コートダジュールにはロシア人も多いけど東欧も少なくない。さらに東欧の女性は、キラキラした服が好きみたい。と一般化しては悪いけど、サルサのクラスにいた2人のポーランド人もキラキラしていた。

ロシア人と言えば、今年はコロナのせいで入国禁止。沖に停泊しているロシア客船も、スーパーで買占めする大柄なロシア料理人もいないわけだ。
「でもパリジャンが多い」とドミニック。
ハハ、パリの人間はお高い、口ウルサイ、と地方都市では好かれていないのだ。

翌朝、海岸に行ってみると、右隣の家族は英語、左隣はドイツ語、背後からはハンガリー語(多分)と国際的。
いつもはたくさんいるイタリア人の姿はない。

コートダジュール、ボーリュー

ナポリにお里帰りしている八百屋のエルザおばさんに聞いたら、
「今年はみんな国から出ないいんだよ。その代わり、ドイツ人、オーストリア人がわんさか」
何処も同じ。


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田舎の隣人カップルは歳が35離れている。エマニュエル&ブリジット・マクロンも敵わない。
でもお隣さんは逆、旦那のジャンが35歳上だ。
コートジボワールのアビジャンに赴任していたジャンが、ハタチそこそこの美しい女性、クリスティーヌを連れて帰ってきたときは、村の住人がたまげ、「アフリカから若い女性を誘拐してきた」と噂した。
そうだろうね。シャンパーニュ地方の人たちはアラブ人差別があり、その他の余所者もあまり好きじゃない。
わたしも最初はずいぶんジロジロ見られたもんだ。

アフリカでひと財産成したジャンは定年より早く退職。周囲の荒れ果てた家を次々に買い取り、

こういうボロ屋↓

IMG_20200726_115619.jpg

クリスティーヌと共に改装し、シャンブルドットや貸しアパートに生まれ変わらせる。
プロの職人の手は殆ど借りず、大工・左官業を2人でこなし、Le bon coin(何でも売り買いのポータルサイト)で家具を調達。
Elle Maisonに出してもいいくらい素敵な住居に変身させた。

かっての大きな納屋に、今は4世帯住んでいる。左の階段も自分たちで造った。

IMG_20200726_115333.jpg

herblot_etage.jpg

バカンス先のモロッコで買い、トラックで運んだベッドとリネン。

herblot3.jpg

人口200人の村に需要があるの?と思われるだろうが、近くの町で働く人や、ブドウ収穫の季節労働者が借りて、アパートは繁盛している。シャンブルドットはシャンパンのカーヴ巡りをする旅行者が泊まる。

ところが75歳を過ぎた頃から、ジャンの体力がガタっと落ち(当然)歩くのもシンドクなってきた。
今まで何でも2人でやってきたのに、クリスティーヌだけがアパートの管理や買い物に行くようになると「若い男に取られるんじゃないか」という不安が生まれた。
ジャンはほぼ一日中、テレビの前のソファに寝ているので、妄想が膨らむ時間はたっぷりある。
クリスティーヌとわたしが家の前で立ち話をしているときも、カーテンの陰から見張るジャンの姿。
「夜、TVシリーズを観るのが楽しみなのに、一緒に寝ないとダメなの」
夜中に2回、トイレで目覚めると助け起こさなくてはならない。
「それはまだいいの。ずっと監視されてるのが耐えられない。息が詰まりそう」
アパートを何軒も持ち裕福だけど自由がない“黄金の檻”。
カップルは歳が離れているほど、晩年が難しいと言うけど本当だわね。

娘と2人でクリスティーヌ救出案を練っている。
「愛人を作って、アパートを掃除に行くときに落ち合う」
「うーん、小さい村だからすぐ噂になる」
「じゃトロワ(50㎞離れた大きな街)で会う」
「ジャンが出してくれない。自分も一緒に行くって言うわよ」
・・・と救出案は目下、壁にぶち当たっている。


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と言ったのはわたしではありません。4月末のアンケート調査によると、約10人に1人(11%)が、一緒に籠っている彼(女)に愛想をつかしている。
そのうち7%は「一時的に別居したい」「再び隔離になったら一緒に籠りたくない」。4%は「決定的に別れたい」!
「こいつとはもう暮らせない」と感じるのは女性のほうが多く(13%)、理由は、家事や子供の世話の負担が、圧倒的に女性にかかっているから。

隔離とカップル

それはウチも一緒だ。夫は昨日から真鍮のオブジェや電気スタンドを磨いていて「忙しい」と言っている。
スタンドがピカピカになるのは喜ばしいけど、それで「家事を手伝う時間がない」という理屈になるのだ。
つまり、自分のやりたいことしかやらない。お風呂の掃除して、というと途端に機嫌が悪くなる。

今、営業が全然できない、つまり収入ゼロの不動産屋がけっこう楽観的なのはこのせいだ。
「隔離後に離婚や別居が増えますから、今まで住んでいたアパルトマンを解約して(または売って)2つ借りる(または買う)ことになります」
と、ニュースのインタビューを受けた不動産屋の女性。
「それにベビーブームも来るでしょうから、子供部屋のあるもっと広いところに引っ越そう、というカップルも増えるはず。ホッホ」

しかし。アンケートによると、予想されたほどのベビーブームはなさそうだ。
隔離になってから「やりたくない」「やってない」という人が44%。隔離前(26%)よりずっと増えた。

好きな相手でも24時間一緒にいて、他の人に会えないとストレスになり、それが2か月も続けば一触即発になるんでしょうね。
うちも些細なことから大喧嘩が勃発する。どっちかがドアをバタンと閉めて出ていき(でも、外出許可証を忘れて戻って来るので、さらに腹が立つ)どこか歩き回って、頭を冷やして帰ってくる、というパターン。
隔離とカップル生活は全く相容れない、ということ。
「2度とアンタの顔は見たくない」などの捨て台詞に、「2度とアンタと籠りたくない」が新しく加わった。
あといーくつ寝ると5月11日・・・


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を起こしているというニュースを聞いて、「でもあの人たち、既に閉じ込められてるわけだから何も変わらないじゃない?」

ヒステリーの原因は人口密度。
フランスの刑務所のオーバーブッキングは前から問題になっていて、6万1000人収容可能なとこへ7万人入っている。
コロナ感染の危険はムショの外より大だ。

この写真で見ると、そんなに密集してないけど。

フランスの刑務所、オーバーブッキング
photo:le Parisien

中国の刑務所では500人感染したというし、雑居房では1mの間隔なんて守れないだろう。

加えて感染予防のため面会禁止になったので、あちこちの刑務所で暴動、までは行かなくても騒ぎがあったそうだ。
検事や弁護士からも「大幅に出所させないと危ない」の声が上がり、中には、
「全員外出禁止になって、少しは受刑者の心境がわかるだろう」
という弁護士も。それはちょっと本末転倒じゃない。悪いことしなけりゃいいわけだから。

さて法相ニコル・ベルーベは、
-刑期の残りが2か月以内の受刑者を早めに出所させる。ただしテロ、夫婦間暴力の受刑者など危険人物は除く。
-これから軽い罪で入る人たちに待ってもらう(喜んで待つでしょう)
で、人口を5000人減らす方針。それも即刻。

夫婦間暴力と言えば、外出禁止以後増えている、というのは驚くに当たらない。
中国では外出禁止中に夫婦間暴力が2~3倍に増えたそうだ。
ところがSOS電話(3919)の数は半分近くに減っている。これは「暴力夫がそばにいるので電話がかけられない」から。
なるほど。犯人と一緒に監禁されているわけだ。恐ろしい。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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