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Category : フランスの男と女
と言ったのはわたしではありません。4月末のアンケート調査によると、約10人に1人(11%)が、一緒に籠っている彼(女)に愛想をつかしている。
そのうち7%は「一時的に別居したい」「再び隔離になったら一緒に籠りたくない」。4%は「決定的に別れたい」!
「こいつとはもう暮らせない」と感じるのは女性のほうが多く(13%)、理由は、家事や子供の世話の負担が、圧倒的に女性にかかっているから。

隔離とカップル

それはウチも一緒だ。夫は昨日から真鍮のオブジェや電気スタンドを磨いていて「忙しい」と言っている。
スタンドがピカピカになるのは喜ばしいけど、それで「家事を手伝う時間がない」という理屈になるのだ。
つまり、自分のやりたいことしかやらない。お風呂の掃除して、というと途端に機嫌が悪くなる。

今、営業が全然できない、つまり収入ゼロの不動産屋がけっこう楽観的なのはこのせいだ。
「隔離後に離婚や別居が増えますから、今まで住んでいたアパルトマンを解約して(または売って)2つ借りる(または買う)ことになります」
と、ニュースのインタビューを受けた不動産屋の女性。
「それにベビーブームも来るでしょうから、子供部屋のあるもっと広いところに引っ越そう、というカップルも増えるはず。ホッホ」

しかし。アンケートによると、予想されたほどのベビーブームはなさそうだ。
隔離になってから「やりたくない」「やってない」という人が44%。隔離前(26%)よりずっと増えた。

好きな相手でも24時間一緒にいて、他の人に会えないとストレスになり、それが2か月も続けば一触即発になるんでしょうね。
うちも些細なことから大喧嘩が勃発する。どっちかがドアをバタンと閉めて出ていき(でも、外出許可証を忘れて戻って来るので、さらに腹が立つ)どこか歩き回って、頭を冷やして帰ってくる、というパターン。
隔離とカップル生活は全く相容れない、ということ。
「2度とアンタの顔は見たくない」などの捨て台詞に、「2度とアンタと籠りたくない」が新しく加わった。
あといーくつ寝ると5月11日・・・


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を起こしているというニュースを聞いて、「でもあの人たち、既に閉じ込められてるわけだから何も変わらないじゃない?」

ヒステリーの原因は人口密度。
フランスの刑務所のオーバーブッキングは前から問題になっていて、6万1000人収容可能なとこへ7万人入っている。
コロナ感染の危険はムショの外より大だ。

この写真で見ると、そんなに密集してないけど。

フランスの刑務所、オーバーブッキング
photo:le Parisien

中国の刑務所では500人感染したというし、雑居房では1mの間隔なんて守れないだろう。

加えて感染予防のため面会禁止になったので、あちこちの刑務所で暴動、までは行かなくても騒ぎがあったそうだ。
検事や弁護士からも「大幅に出所させないと危ない」の声が上がり、中には、
「全員外出禁止になって、少しは受刑者の心境がわかるだろう」
という弁護士も。それはちょっと本末転倒じゃない。悪いことしなけりゃいいわけだから。

さて法相ニコル・ベルーベは、
-刑期の残りが2か月以内の受刑者を早めに出所させる。ただしテロ、夫婦間暴力の受刑者など危険人物は除く。
-これから軽い罪で入る人たちに待ってもらう(喜んで待つでしょう)
で、人口を5000人減らす方針。それも即刻。

夫婦間暴力と言えば、外出禁止以後増えている、というのは驚くに当たらない。
中国では外出禁止中に夫婦間暴力が2~3倍に増えたそうだ。
ところがSOS電話(3919)の数は半分近くに減っている。これは「暴力夫がそばにいるので電話がかけられない」から。
なるほど。犯人と一緒に監禁されているわけだ。恐ろしい。


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日本語の生徒さんのひとり、イザベルは全くゼロから日本語を始めた。
つまり、ひらがなから覚えるわけだから、「あいうえお」の表を目の前において、ひとつひとつ探しながら読む。
忍耐強い人だ。

「犬を連れてきていい?」というので、「猫がどう反応するかわからないけど、いいわよ」

すごく大人しい柴犬の雌。何見てるの?

ジューン

なるほど。リュリュは1時間半、この場所で待機していた。

リュリュ

イザベルはAppleの社員で、夢は日本のAppleで働くこと。
エライ!夢は大きく持て、だ。

でもどうしてそんなに日本なのか、というと旅行で行ったときの印象が強烈だったから。
「初めて日本に行ったときは、お金がなかったからChina Airで行ったの。そしたら成田に着いた時スーツケースがない!上海に忘れてきたっていうの。仕方なくAirbnbに行ったけど、着替えも化粧ポーチもなくて泣けてきた」

Airbnbにシャンプーがあったけど、「緑色で髪が緑色になったらヤダと思って」近くの美容院に行く。
美容院のご主人は英語が話せたんで、スーツケースのことを話したら、心配して空港に電話してくれたり、夜は池袋に連れていってくれてご飯をご馳走してくれた。
その美容院は家族経営でおじいちゃん、おばあちゃんもみんなに親切。
「2日後、大阪に発つ直前にスーツケースが届いたの。別れるときみんな涙ぐむくらい仲良くなった」

さて大阪。イザベルは観光地より地元の人がいるところに行きたくて、居酒屋に入った。
真ん中に厨房があり-つまりオープンキッチン-その周りを大きなカウンターが囲んでいる。
殆ど満席のカウンターに「ちょっとつめてくださーい」とお店の人が場所を作ってくれた。
さて何を食べようか、と見回すと、
「手書きの紙きれが下がっていて、それが全部漢字!最初、お店のお守りかと思ったら、それがメニューなの」
途方に暮れていると、カウンターの対面にいた女の子の3人づれがさかんに手招きしてる。
「それに気づいたお客さんたちが全員立ち上がって、私が彼女たちの隣に座れるようにひとつずつズレてくれたの。ウソみたいでしょ!」
3人の女子は英語が話せたので、無事にご飯を食べ、
「その中のひとりがなんと大阪のAppleストアに勤めてたの。運命的な出会いよ」

彼女はその翌年また日本に行き、美容院ファミリーと3人の女子と再会し、より仲良くなる。
「だからどうしても日本語が話せるようになって日本に住みたいの」

ナタンやイザベルのように旅行で行った日本に魅了されて「住みたい」と思うフランス人が、けっこういるみたい。
すばらしい。


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恋愛も消費社会・・・

東駅で電車を待っていたとき、私の前に16~17歳の女子2人が座っていた。チュニジアまたはモロッコ系。
彼女たちのたわいのない話を聞くともなく聞いていたら、若い男子が通りかかった。
「Salut !(やぁ!)」「Salut」
知ってる子にばったり出会ったのかと思ったら、
「可愛いね、君の06教えて」と男子。06は携帯番号のこと。
「いいよ、じゃまず君の教えて。送るから」
「ナディアだね、はじめまして!ぼくマリック。じゃまたね!」
「またね!」
はじめまして?初対面なんだ。

この早さ、簡単さにびっくりして娘に話すと、
「今の若い子はそうよ」とオバサンのようなセリフ。
この前も、どう見てもハタチ前の女の子がFace bookにきわどい写真(胸の谷間とか)を載せているのを私に見せ、
「ったく最近のガキは何考えてんだか」とぼやいていた。

即決で決めるナディア&マリックはTinderの出会い方なんだ、と後日気づく。
位置情報を使ったマッチング出会いアプリTinder。

マッチング出会いアプリTinder
image:lesinrocks.com

アルゴリズムがマッチングの可能性ありと選び出す候補者たちから、好みなら右スワイプ、ボツなら左スワイプ。
お互いに気に入ればチャットできて、位置情報があるからすぐに会うこともできる。

『L’amour sous algorithme/アルゴリズム下の恋愛』という小説を書いた女性作家が、
「気に入らなければ捨ててすぐに次の候補を探す、恋愛も消費社会」とラジオで話していたのを思い出す。

たしかに、気に入れば「Wish list」に入れながら次々に飛ばしていくとこは、プレタのオンラインショップを見るのに似ている(私はやりだすと止まらなくなるので点数が多いと寝られない)。

でも相手をそうやって決めるのは、夢がないというか外見重視すぎというか・・・恋愛というより“欲望の消費社会”に近い気がする。


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小泉進次郎氏と滝川クリステルさんのことだけど、この組み合わせがフランスにはかなりいる。
ただしフランスの場合、アナウンサー兼ジャーナリスト。切り口や突っ込み方が買われて、政治&時事バラエティ番組を司会している女性が多い。

年齢の上から行くと、ベルナール・クシュネルとクリスティーヌ・オクラン。

政治家とアナウンサーのカップル
photo:Abaca

クシュネルはNGO“国境なき医師団”“世界の医療団”の創立者のひとりで、自らもお医者さん。
ミッテラン大統領時代の保健相、サルコジ大統領時代の外務相。
ベルギー人のクリスティーヌ・オクランは、1988年、女性では史上2人目の「20時のニュースキャスター」(Antenne2 、現在のFrance2)となり、法外なサラリー(12万フラン+5.5万フランの経費)が物議をかもしたがモノともせず、次々と政治討論や時事番組をプロデュース&司会。ルックスの通りシャープできつそうだけど“フレンチドクター”を魅了した。

忘れてはならないDSKことドミニク・ストロス=カンとアンヌ・サンクレール。

政治家とアナウンサーのカップル
photo:Ladepeche

アンヌ・サンクレールは、87年から10年間、『7sur7』という政治討論番組の花形キャスターで、「妻にしたい女性1位」になった。
番組で出会った社会党政治家のDSKと出会い一緒になる。
IMF専務理事だったDSKは2012年の大統領選で、左派最有力候補だったのに、NYのホテルでの性的暴行容疑で逮捕され、政治家生命を絶たれた。間もなくアンヌ・サンクレールにも愛想をつかされた。

まだ記憶に新しいオランド元大統領とヴァレリー・トリールヴァイレール。

政治家とアナウンサーのカップル
photo:Abaca

彼女は雑誌の政治記事編集者を経て、2005年にできた新チャンネル、Direct 8の政治番組の司会。
オランドとの関係はその前、2000年から始まっていた。
2012年、フランソワ・オランドが大統領になると、彼女はファーストレディと呼ばれるのを拒み、アメリカのメディアから“ファースト・ガールフレンド”と呼ばれる。
オランドは間もなく新しいガールフレンド、ジュリー・ガイエの元に走った。ヴァレリー・トリールヴァイレールはエリゼ宮を去り、復讐本を著すが、オランド中傷に満ちた内容で非難される。

・・・と、すぐ浮かぶのだけでも、この倍くらい政治家&アナウンサーのカップルがいる。やっぱり出会い易いんでしょうね。
これらの女性たちに共通するのは、みんな野心家。政治家のマダムになってもキャリアを貫いている。
滝川クリステルさんも自分のキャリアを大切にする人に見えるけど、どんなマダムになるでしょうか?


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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