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Category : ニュース

卑劣なストラスブルグ・テロ陰謀説

11日、ストラスブルグのマルシェ・ド・ノエルで銃撃テロ(3人死亡、5人重傷)があった直後、

ストラスブルグ・テロ
photo:le point

ジレ・ジョーヌのFacebookで始まった陰謀説(théories de complot):
「マクロンと政府は故意にテロを起こし、緊急事態を発動してジレ・ジョーヌの革命を阻止しようとしている」
「政府が計画したことはみんな知っている」
「タイミング良すぎ。マクロンにとっては有難いテロ」

アンタたち正気?
デモを阻止するため、政府がテロを自作自演したっていうの?
死者まで出して?

テロがある度に陰謀説は出る(9.11まで!)。
“陰謀説家”は「すべてを疑ってかかるのが好き。証拠が少ないほど陰謀説の可能性が出る」そうだけど、ジレ・ジョーヌから、テロ直後に出たのは悪質。犠牲者への配慮がなさすぎ。

教育相は「卑劣な行為がある度、それに加わろうとする卑劣な人間がいる」「犠牲者の家族のことを、フランスと世界にとって重大なことが起きたということを考えろ」

「媒体は何であれ、間違った、または嘘のニュースを公開、流布、転載し、国家秩序を乱す」は犯罪になっていて、45.000ユーロ(約620万円)の罰金刑。
卑劣で無責任な陰謀説を流した奴らを取り締まって、罰金を払わせたい、と思うけど、FacebookやTwitterは仮名が多いし捕まえるのは難しそうだ。

テロの後、土曜日のデモを取りやめるように政府は促している。テロの犯人は捕まっていないので、警官、CRS(国家機動隊)、軍隊まで駆り出されている。治安部隊の人数だって限りがあるからデモの警備は人出不足になる(と書いた後で犯人は見つかり銃殺されたと)。
それでもジレ・ジョーヌは「予定通りやる」(ストラスブルグのみ中止)。
月曜のマクロン大統領の“歩み寄り“も「不十分」。

ジレ・ジョーヌさんたち、ちょっと考えてみてよ:フランスだって不景気で失業者数は多い。すでに3回の土曜日ストでデパートやブティックは大損害。レストランやホテルの観光業にも被害が出ている。ストを続ければ、リストラや倒産が出て、経済はもっと厳しくなり、国民の生活はもっとラクじゃなくなる。自分たちの脚を引っ張るようなことしてると思わない?


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ずっと沈黙を守っていたエマニュエル・マクロンが20時のニュースでついに口を開く。
既に来年1月1日に決まっていた燃料税引き上げは取りやめ(約40憶ユーロの“儲けそこない”)、それでも鎮まらないジレ・ジョーヌにどんな条件を出してくるか?と週末から待ちに待たれていた。

マクロン、ジレ・ジョーヌ

13分間の演説で:
〇SMIC(最低賃金)受給者に月額+100ユーロ
〇残業手当を無課税に。
〇2000ユーロ以下の年金受給者にCSG(国民保険と失業保険に融資するための源泉徴収)免除。
・・・とかなりの歩み寄り。

一方、ジレ・ジョーヌの要求していたISF(富裕者税)の回復はノン。
理由は、富裕者が税率の低い国に引っ越すのを食い止め(有名どころではLVMH社長ベルナール・アルノー、ジェラール・ドパルデュー、ちょうど1年前に亡くなったジョニー・アリデー・・・)彼らが国内で投資するのを促そう、というもの。
理屈はわかるけど、外国に逃げ出そうとする大金持ちに「税金安くするから行かないで」というのもヘンな気がする。
個人的には燃料税取り消し分をISF回復でチャラにしたら?と思ったんですが。

マクロンの演説を聞いたジレ・ジョーヌたちの反応は「前進だ」「不十分」に別れる。
とくに《SMIC受給者に毎月+100ユーロ》は、「SMIC(最低賃金)よりちょっと高いサラリーをもらってるけど生活が苦しい人はどうなる?」
インタビュアーにマイクを向けられたジレ・ジョーヌは「不十分」派が多かったけど、ニュースの切り取り方を鵜呑みにはできない。

でもこれらの提案を3週間前にしていたらデモを鎮められていたし、お店壊し、車に放火も避けられたのではと思ってしまう。
なんでもっと早く言わなかったの、マクロンさん。
演説の中で「私の言葉が傷つけたこともある」と反省の色も見せた。

上の3つの“歩み寄り”は来年初めから実施され、ざっと見積もっても80~100憶ユーロかかるという。
ラジオに出てきた右派の議員は「一体そのお金はどこから出てくるんでしょうか?」
私もまったく同じ疑問。どっかを削らないと捻出できないのではない?
フランス語で「ピエールを脱がせてポールに着せる」という表現があるけど、脱がされるのは誰か?


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ジレ・ジョーヌの抗議の強さに、政府は5日、燃料税引き上げの“モラトリアム”を発表した:1月1日に予定されていた引き上げを6カ月延ばす。
これを聞いて、ジレ・ジョーヌの多くはせせら笑った。6か月の執行猶予があるだけで結果は同じじゃないか。

彼らの怒りが鎮まらないのは、マクロン大統領が出てこないせいもある。
12月1日、マクロンはブエノスアイレスのG20に出席していて、催涙弾で霞んだシャンゼリゼの光景をテレビで観た。
「あなた、国が大変なことになっているのに、ここにいていいんですか?」と言われたかとどうか知らないけど。

国に戻ったマクロンは月曜朝、主要大臣を招集して、この“6カ月のモラトリアム”が決められたが、矢面に立って発表したのは首相のエデュアール・フィリップだ。

トレードマーク「2日の無精ひげ」が4日くらいになってない?無理もない・・・

エデュアール・フィリップ首相
photo:Ouest France

デモ隊が叫ぶのは「マクロン辞めろ!」
マクロンの表情も険しくなってきた。

マクロン、ジレ・ジョーヌ
photo:Ouest France

庶民には「上から目線」で、金持ちを優遇するマクロン政策が抗議の的になっているのだ。
「マクロンはクラスの優等生しか対象にしていない。でもクラスにはふつうの生徒もいるし、落第生もいる」とジレ・ジョーヌの代表者のひとり。マクロンは富める者と富めない者(大多数)の溝を深くしてしまった、ということ。
右派中道のフランソワ・バイルーは「国民の反対を押し切って統治することはできない」
元首相フランソワ・カズヌーヴ(社会党)は「国民の声を聞くことは、弱体化することではない」

これらの忠告に、そしてモラトリアムでは鎮まらないジレ・ジョーヌに、6日、政府はついに燃料税引き上げ取り消しを決める。
この取り消しは、国にとって約40億ユーロ(約6500億円!)の“儲けそこない”になるという。

ISF(Impôt de solidalité sur la fortune=富裕者の財産にかかる税)廃止も、源泉徴収導入も決行したマクロンが初めて折れた。
それでもジレ・ジョーヌは8日のストを諦めない。
折れるのが遅すぎた。矢面に立って、ジレ・ジョーヌの抗議に直面すべきだった。グズグズしている間に怒りは沸点に達してしまった。

フィリップ首相は「例外的な警戒態勢にする」と言っているけど・・・デモは「表現の自由」で認められている権利だ。
問題はアグレッシヴな極右派、極左派、常習犯の“壊し屋”。彼らがデモを利用して猛威を振るうのを、何とか阻止できないもんだろうか?


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ブランドショップのウィンドウを壊してなだれ込む壊し屋たち、凱旋門には落書き、中の博物館滅茶苦茶に・・・12月1日のジレ・ジョーヌの暴れ方はどこかの国の内戦の光景を見るようだ。11月17日の一回目デモから激しさを増すばかりの抗議集団に、驚愕、怒り、恥を感じた人は多いはず。主張は何であれ、あの暴力は許せない。

落書きは洗えば落ちるけど、洗う人だって大変だ。

ジレ・ジョーヌ、シャンゼリゼ

博物館のマリアンヌ像は無残な顔に。

ジレ・ジョーヌ、シャンゼリゼ

ところが週明けに出たアンケート結果は意外:72%の国民がジレ・ジョーヌを(まだ)支持している。
ただし支持者の81%が暴力はいけない、19%が暴力を認める。
アンケート回答者全体では85%が暴力反対。
回答者の90%が「政府はこの抗議に対処する能力がなかった」
と答えている。

ジレ・ジョーヌに火をつけた燃料税の引き上げは、環境政策の一環だ。「これ以上税金を上げられたら月が越せない」という彼らの言い分に、マクロンは「環境汚染をいかに食い止めるか」で答えている。
「月の終わりが問題なんだ、地球の終わりの話をしていない」「エコノミーの訴えなのにエコロジーで答えるな」とジレ・ジョーヌは更に怒る。
サルコジでもオランドでも生活は変わらず積もった不満が、マクロンで爆発したのは、彼が“富裕層の大統領”、更に“都会派”のイメージだからだ。
サルコジだって富裕層が好きだった?確かに。でも政治家が長い彼は「社会保障にすげえお金を使ってる」とか、失業者の青年に「道を渡れば仕事が見つかる」なんて“失言”をしなかった。

労働者が中心のジレ・ジョーヌの怒りが富裕層に向かっているのはデモコースの選び方でも明らかだ。
これまで労働組合のデモはレピュブリック広場→バスティーユ広場が定番だったのに、今回はシャンゼリゼ、クレベール、リヴォリ通り・・・つまりフランス版モノポリーで高い道ばっかり選んでいる。

400人近い逮捕者の平均的プロフィルは30歳から45歳、地方在住者。
車がなくては仕事にならずパンも買いに行けない田舎に住む人たちにとって、燃料費値上げがどれほど切実か「アンタ達にはわかっていない」というパリへのメッセージ(パリはフランスじゃないと言われる所以)、「エリートで銀行家だったアンタには永久にわからない、辞任しろ」というマクロンへのメッセージなのだ。

ジレ・ジョーヌは今週の土曜日にもデモを予定している。政府が燃料税の引き上げを諦めるとは思えないけど、何か歩み寄りを見せないと怒りは収まりそうにない。


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先週の土曜からフランス全土で道を封鎖して抗議しているGilet Jaune/黄色いヴェスト。
エンジン用燃料の値上げ-ディーゼル燃料22%、ガソリン14%値上げ-に抗議して、男性2人がfacebookで呼びかけたのが始まり。道路工事や故障修理中の人の安全のための蛍光イエローのヴェストをシンボルにして、17日の土曜日、あちこちの道路を封鎖した。参加者は28万人と言われる。

発煙筒も黄色でコーディネート!

Gilets jaunes/黄色いヴェスト 抗議デモ

Gilets jaunes/黄色いヴェスト 抗議デモ

燃料費値上げは、Co2排出量が多いディーゼル車をジワジワと締め出そうとする意図で、その代わり車(より大気汚染の少ない)を買い替える人に補助金を提案している。

パリ市長アンヌ・イダルゴはパリから車を締め出す、というミッション・インポッシブルを考え、来年7月から13年以上のディーゼル車禁止を決めた。パリを走れなくなる車は79万台に上る。

都会に住んでいると車の必要性を感じないけど(第一、私は免許を持っていないので必要を感じてもどうしようもない)車しか移動手段がない田舎が多い。抗議者の大半は毎日の生活に車が必要不可欠な人たち、「車がないとパンも買えない」人たちだ。

例えば、日曜の朝市の商店主たちはトラックに商品を積んで、パリから1~1時間半の地方からやってくる。燃料費が上がればチーズや野菜の値段にも影響するに違いない。

黄色いヴェストたちの抗議は購買力の低下、富裕者を優遇するマクロンの政治に発展し、「マクロン辞めろ」のスローガンになる。
1週間後の今日は、地方からも黄色いヴェストがやってきて約8000人がシャンゼリゼ大通りで警官・憲兵と衝突。
火炎瓶、催涙弾、車壊し・・・燃料費が上がればマジに困る人たちの抗議が説得力を失うヴァイオレントなデモになる。このデモを利用した極右、極左が混じっていた。

Gilets jaunes/黄色いヴェスト 抗議デモ シャンゼリゼ大通り
photo:Reuter

昨日、カール・ラガフェルドがイリュミネーション点灯した”世界で一番美しい通り”がこんなことに・・・

gilets jaunes champs elysees2
photo:AFP

労働組合の組織的・計画的デモや集会と違い、自発的な抗議運動なので、許可を取っていない場合も多い。
先週の土曜日、急病の子供を車で病院に連れて行こうとしている母親が、突然現れた黄色いヴェストの集団にびっくりし、人身事故を起こした。
「子供が急病なだけでパニックになってるのに、この母親かわいそう」と同情すると、
「君なら3人は轢き殺していた」と夫。
話の趣旨を変えないで欲しい。

この全国的な抗議にマクロン大統領がすぐ返答しないので(火曜日にすると言っている)テンションは高まるばかり。
就任後最大の危機・・・前にも”最大の危機”がなかったけ?


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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