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Category : ニュース
フランスではマスクが圧倒的に不足していて、コロナ最前線の医療関係者にさえ行き渡っていない。
「超緊急に必要だ。武器なしで兵士を前線に送ることはできない
とフランス医師同盟のプレジデント(なかなかうまいことを言う)。

医療関係者は最優先だけど、警官、薬局や食料品の従業員も、
「マスクなしでは怖くて仕事ができない!」
と抗議が炎上し、土曜日、健康相のオリヴィエ・ヴェロンが、
「2憶5000万枚のマスクを注文した。数週間で届く」

アニエス・ビュザンのパリ市長選出馬で、バトンタッチされたオリヴィエ・ヴェロンは神経科医。ビュザンもお医者さん(血液学)。

健康相 オリヴィエ・ヴェロン
photo:LCI

「なんで今頃!」と怒ったのは医師同盟だけではない。
2か月前、いや3か月前に注文すべきだった。
実は緊急に備えて「国のストック」マスクがあるそうだ(そんなこと早く言ってよ)。ストック数は目下8600万枚、うち500万枚が強力なFFPT2という。
「(注文マスクが届くまで)これを病院、開業医、老人介護者に優先的に支給する」
今の状態だと週に2400万枚が必要で、ストックは4日間も持たない計算だ。

「マスクをストックしている自治体や企業があるはずだ」と医師同盟。
「地方議会選挙投票のため膨大なマスクが用意された。2次投票が延期になったからその分がある。買いだめをした企業もあるはず。医療関係者に提供して欲しい」
という呼びかけたら、北フランスの町の市庁舎の屋根裏から3万枚、某企業の倉庫から1800枚・・・と“偶然のように”あちこちからマスクが出てきた。言ってみるもんだわね。
一方、LVMH社長ベルナール・アルノーは「中国の生産者に頼んで1000万枚のマスクを供給する」
ノートルダム寺院再建の寄付のときもそうだったけど、超富豪の企業がやると、なんだか売名行為のように聞こえてしまう。悪いけど・・・
まぁこれで薬屋さんでマスクが買えるようになれば一安心だ。

現在の薬局。「体温計なし、マスクなし、消毒ジェルなし、手袋なし」の貼り紙

フランス、マスク不足
photo:LP

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コロナ治療薬、臨床テスト始まる

日本の感染者数、死者数は少なすぎる感じがするけど、日本人は握手しない、(挨拶代わりの)キスしない、清潔好き、なのでその結果かもしれない。
一方、フランス人(特に男性)に頻繁に手を洗わせるのは至難の業。
夫なんか手は一度洗えば清潔、と思っているらしく、食卓に直行してくる。
「手、洗って」と言うと、
「だって今日は外に出ていない」とムッとするのだ。
「あの歳で習慣は変えられないから見張るしかない」と娘。

パリを脱出してブルターニュや南仏で「隔離生活」をしている人たち(セカンドハウスを持っているんだからリッチ層だ)は、
「どうやら隔離とバカンスを混同しているようです」とニュースキャスター。
海岸でくっつき合って日光浴している人たち、複数で散歩している人たちが映った。
ニース市長は怒ってプロムナード・デ・ザングレを閉鎖した。
言うことをきかない子供からオモチャを取り上げるみたい。
その上、ニースをはじめコートダジュールの数都市で夜間の「couvre-feu/外出禁止令」が出た。
マクロン大統領が繰り返し言っていたように、わたしたちは”戦時中”なのだ。

ニース、プロムナード・デ・ザングレ閉鎖
photo:LaPresse.ca

隔離して感染者を増やさないようにする一方、コロナ治療薬の臨床テストが20日に始まった。

コロナ治療薬、臨床テスト
photo:AFP

フランスが率先して、ヨーロッパで計3200人の感染者(うちフランスは800人)を4つのグループに分け、
①グループにはエイズのアンチウィルスKaletraを投与。

②グループはKaletra+インターフェロン(病原体の体内侵入に反応して細胞が分泌するタンパク質)

エボラ治療薬として開発されたRemdesivir/レムデシビルを投与。この薬はアメリカから届くのを待っているのでテスト開始が少し遅れる。

④すべての対照実験と同様にプラセボ(薬の成分は入っていない偽薬)を投与。ただし他の感染者(テストに参加していない)と同じ肺疾患の治療薬や酸素呼吸は続けられる。

「例えば③グループの投薬で効果があったら、他のグループの患者が文句を言うんじゃない?」
「そうなったら全員、効果的な薬に切り替えるだろう」と夫。
逆に悪化した場合はもっと深刻だ・・・
でも患者さんの同意を得て実験するわけだから。まぁシロウトが余計な心配してもしょうがない。
結果が待たれる!


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コロナ:ウソとホント

ラジオFranceinfoで毎日、救急医が視聴者の質問に答えるコーナーがあって、なかなか役に立つ。
例えば、
コロナ感染者の吸うタバコの煙を吸って、感染することがあるか?
まさか・・・と思ったけど、医師の答えは「あり得る」。

固形せっけんより液体せっけんを使った方がいい?
これも「ウィ」
理由は、固形せっけんは複数の人が使う(ひとり暮らしを除いて)。感染している人が手を洗ったあとにウィルスが残っている可能性がある。コロナウィルスは湿った表面の上でより長く生き延びる。

ドアの取っ手を消毒する必要があるか?
これも「ウィ」 。
コロナウィルスは銅(真鍮)の上で4時間、カートン上で24時間、プラスチック、ステンレス上で3日間生き延びると言われる。
ただし感染力は時間が経つうちに失われる。

うちの猫に触るのは危険か?
「ノン」(ホッ)。飼っている動物が媒体になった例はない。
確かアメリカで犬が感染したというニュースを聞いた気がするけど、あれは夢だったのか?

一番の気がかりはマスクの効用だ。
フランスでは感染者以外、マスクをする必要はない、と繰り返し言ったいるけど、信じがたい。
感染者がウィルスをばら撒かないために有効なら、感染していない人の予防にも有効なはず。だって一方通行のマスクなんてないでしょ。日本ではみんなしてるし。
東京にいる息子と話したら「それはフランスでマスクが足りないからじゃないか?」
「!?」
そんな簡単なことに気づかなかったのは私だけかも。
フランスでは医師・看護婦に十分なマスクがないから一般の人には「必要ない」と言っているわけ?
本当に感染予防になるというmasque ffp2 3mは目下どこでも品切れになっている。
masque-de-protection-ffp2-3m-p-320432-450x450.jpg
これ以外のマスクは役に立たない、ということか?
でもマスクをしていると安心する。不穏な日々、精神的な効果も大切だ。

目下、息子は東京、娘は友達と田舎、夫とわたしはパリ、と3か所に別れている。
「飛行機3機に乗り別れているようなもんで安心だ」と夫。

みなさん、どうぞ気をつけて。前代未聞の世界的伝染が一日も早く収まるように願うばかり・・・


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カフェがなければ公園に行く人達

カフェ、レストラン、映画館、“国民の生活に不可欠でない”商店が閉鎖され、「握手しない・キスしない・人と人との間隔は1m」というお達しが出た翌日は、不穏な空気をよそに青空の日曜。

カフェは閉まり、

フランス、コロナウィルス、隔離

いつも人が溢れているフラン・ブルジョア通りは閑散、一見、お達しは守られているように見えたけど。

フランス、コロナウィルス、隔離

公園やセーヌ河岸にはカップルやグループがくっつき合い、キスも握手も横行している。

フランス、コロナウィルス、隔離

ニースのプロムナード・デ・ザングレも人出だったそうだ。

全体主義精神の中国人にできたことがフランス人にはできないのだ。
無頓着なのか、事の重大さが分かっていないのか、反抗的なのか、その全部か・・・イタリア人だって我慢してるでしょ。
そういう私も友達を夕食に呼んだから大きなことは言えない。

街頭インタビューで「怖がらずいつもと同じように生活したい」と堂々と言っている人もいた。
連続テロのとき、よく聞いたセリフだけど場合が違うでしょ。

それでマクロン大統領が月曜日、再び20時のニュースに出てくることになった。
「指示は守られず、朝市や公園に人が溢れていました」
シュン。
「だから感染抑止態勢を強化しなくてはなりません」
最低2週間の外出禁止。食糧調達、通院、テレワークが不可能な人の通勤を除く。守らなかった人は処罰。
そしてシェンゲン圏外の渡航禁止、30日間。つまり日本へは行けなくなる。

マクロンは「confinement/隔離」という言葉をあえて使おうとしなかった。でも事実上、隔離だ。
演説後、ニュース解説者が「なぜでしょう?国民を怖がらせないための配慮でしょうか」

でもカフェが閉まれば、公園で同じようなことをする国民だ。場所が問題じゃなく、人が接近するのが危ないのに。
少し怖がらせないとみんな言うこときかないじゃない?


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世界の終わりの前の最後の食事!

マクロン大統領の「全学校休校」から48時間後に、フランスはコロナウィルス第3段階に突入し、フィリップ首相が、
「すべてのカフェ、レストラン、クラブ、映画館、商店を14日の午前零時をもって閉鎖」を発表した。

いつもより怖い顔のフィリップ首相。この人、あご髭がメッシュになってるのね。

コロナウィルス、第3段階
photo: rfi:fr

友達夫婦が夕食に来るので、ラジオを聞きながらご飯を作っていた私は、文字通り飛び上がった。
商店も閉鎖!? 今、冷蔵庫と冷凍庫にあるもので何日食い繋げるだろうか?
すぐネットで見たら、
「国民の日常生活に不可欠でない公共の場所」が閉鎖。
不可欠な食料品店、朝市、薬屋、銀行、ガソリンスタンド、タバコ屋は開けていい。ホッ。

この決定の発端は、ここ3日で感染者倍増したこと(目下、計4499人、死者91人)。
さらにフィリップ首相が外に出たら、カフェには人が一杯で、頭を突き合わせておしゃべりしているではないか。
「必然の用事以外出かけるな」というお達しをフランス人が護っていない!と断固たる措置になった。

感染を食い止めるに正しい判断、ではあるけど、「ついに!」というショックはありますね・・・
夕食を作りながら、友達は果たして来るだろうか?
というのも、友達妻が心配して、
「明日どうする?私たちはともかく、ダンナたちが危なくない?」と電話してきた。
彼女のダンナもかなり年上で持病持ちなのだ。
「ウチは大丈夫だけど、あなたたちがいいように決めて」
「あなた、どうする?」と友達妻が夫に聞いている。
「僕は行きたい」
「じゃ、キスなし、握手なしで来てよ」
「何、持っていく?」
「ポーランドのウォッカ・・・ハハ、ジョーダンよ。白ワイン」
ということになっていた。

20時過ぎに2人はやってきた。
「世界の終わりの前の最後の食事!」と笑いながら。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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