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Category : 映画

海岸ウォッチング

「バカンスどこに行くの?」と聞かれ、
「ボーリュー」と言うと、「ああ、あそこは美しい」という答えがよく返ってくる。

Beaulieu sur mer=海辺の美しい場所、だから反射的に「美しい」というみたいで、その人が本当にボーリューを知っているかは別問題だ。
人口3700の小さな町で、駅の横に大きなスーパーがあり、山側に古びたホテル、ピザ屋、あまり入る気がしないプレタのブティックなどが並ぶ。
「美しい」という形容詞はすぐ浮かばないけど、カンヌやモナコのようにブリンブリン(見せびらかしモード)でなくて感じがいい。

この小さな海岸町がニュースになったのは、マクロン大統領が中国の習近平との会談をここで行ったときだ。
ルノートルの会議・パーティ場が使われた。

ボーリュー

ボーリュー、マクロン
photo:paris match

さて蟻の入江に私は寝そべって、ロバート・ケネディ暗殺のミステリーを読みながら、時々周囲の人間を観察している(だからけっこう忙しい)。
みんな、日本人がぶっ飛ぶくらいガンガン焼いている。日焼けすると引き締まって見える、元気そうになるから。
私は焼いても平気な肌だったけど、数年前、パリに帰ったら、シミができていた。ヤバい。年のせい?
以来、脚は日向に、顔は日陰にし、コーダリーのラディアンスセラムを使っている。シミ防止に効くみたいで現状維持。その上にクラランスのSpray solaire 50+というのをつける。身体にもたっぷり。

この女性、よく見るとビキニの上に小さなタトゥー。この場所にタトゥーしている女性が多い。

ボーリュー海岸

そこへ現れた家族、3児の母は腕にびっしり、パラソル立てにいそしんでいるお父さんもお揃いのタトゥー。
娘たちはさすがにまだだ。
彼女(彼)の名前を彫って、別れたあと消すのに苦労する人が多いそうだ。

コートダジュール海岸

フランス人の36%がタトゥーをしているそうで、一番多いのはイタリアで2人に1人。
日本では刺青=ヤクザ、暴力団、のイメージがあって、タトゥー、刺青のある人を禁止している温泉やプールがかなりある、と聞くのでこの人たち、拒否されるってこと?
2020年オリンピックに外国客がたくさんやってきて、温泉にもプールにも入れないとなると・・・少し緩和したほうがいいんじゃないでしょうか。


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子供と観るアニメ

(というと、小さい子供がいるみたいだけど)
「さまつなふかくていようそ、ってどういう意味?」
「些末な不確定要素 !? うーん、それは・・・」
「りょうじょくされたって?」
「凌辱っていうのは・・・」
「てめえぶっ殺すぞ!」
「!?アンタ、何みてんの?」
「『ハンターXハンター』に決まってるでしょ!」

Netflixで見つけて文字通りハマっていて、
「ママン、ちょっと見て!この格闘シーンすごいんだから、キャー!腕がもげちゃった!」
と、興味のない格闘シーンを無理やり見せられる。
『テラスハウス、軽井沢』はけっこう面白くて一緒に観たけど。

ネットで見たら1998年に連載開始とあるから随分息の長いマンガ+アニメ、フランスでもファンが多いらしい。ナレーション部分はすごく文学的で「些末な不確定要素」なんて言葉が出てくる。
主題歌を覚えて歌っている娘に「あなた、おいくつ?」と言いたい。

でもアニメは好きなんで『Toy Story4』は子供(大供?)2人と観に行った。

Toy story4

『Toy Story1』は好きで何度観ただろう?
息子は小さい時、ピトゥというクマのぬいぐるみといつも一緒で、ピトゥなしでは眠れなかった。耳がもげかけたり、片目が取れたりして、慣れない裁縫をしたもんだ。
ある日、そのピトゥが押し入れの奥に突っ込まれているのを見て、ああ、お役目終了なのね、とピトゥが可愛そうになった。
だから、オモチャ側の言い分という視点は画期的だ。

『4』は私には面白く、笑って、最後にほろり、とまさに製作者の思うツボだったけど、息子は「3でやめとくべきだった」
私はその3を見逃したみたい。
「すごくいいファイナルだったのに、もうひと稼ぎできそうと作ったんだろう。確かに面白いよ、でもちょっと搾りかすっぽい」

でも安物のぬいぐるみコンビ(ブルーと黄色の)なんか、

Toy story4
images:allociné

声優がキーガン=マイケル・キーとジョーダン・ピール(『ゲットアウト』『アス』の監督)コンビですごく可笑しかった。
子供と一緒にアニメなんて久しぶり。「あなた、おいくつ?」と言われそうだけどけど。


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映画ザッピング:最後で泣く

ネヴァダの草原、野生の馬が群れている。
寝そべっていた馬が突然ピンと耳を立てて起き上がる。人間が感知できない音か気配に気づいたのだ。
数秒後にヘリコプターの音が聞こえてくる。馬の群れはヘリから逃げようと駆け出す。自由で美しい馬たちのギャロップ。しかしその先には囲いができていて、馬たちは追い込まれる。

ネヴァダの刑務所では野生の馬、ムスタングの調教を受刑者の《社会復帰プログラム》に組み込んでいた。
調教された馬は、競売にかけられ国境警備隊や警察に引き取られていく。

受刑者のロマンは人間関係を一切拒絶し、面会に来た娘にさえ「もう2度と来るな」と。

映画『Nevada/ネヴァダ』マティアス・スーナールツ

怒りや後悔を自分の中に閉じ込め、それは突然、暴力になって噴出する。
刑務所の教育者は野生馬の調教にロマンを加えた。とりわけ手懐けにくい馬を与えられ、性格の似た人間と馬の戦いが始まる。

映画『Nevada/ネヴァダ』マティアス・スーナールツ


ネヴァダの刑務所で実際に行われていることをもとにした『Nevada/ネヴァダ』(原題は『The Mustang』)

映画『Nevada/ネヴァダ』マティアス・スーナールツ

堂々とした体躯に甘いマスク、寡黙で何を考えているか読めない元殺人犯がはまり役、マティアス・スーナールツのために作られたような物語だ。
馬を調教するうちに、自分でコントロールできなかった感情も調教していく。
土色の荒野と馬、オレンジの囚人服、常に警戒していないと生き延びられない刑務所の暮らし・・・シンプルなシナリオだけど引き込まれる。女性監督なのね、びっくり。

私は猫で十分で馬を飼おうとは思わないけど、物言わぬ動物には愛おしさを感じて、最後で泣いた。
でもこのシーンではない。

映画『Nevada/ネヴァダ』マティアス・スーナールツ
photos:allociné

NEVADA
監督:ロール・ド・クレモン=トネール
主演:マティアス・スーナールツ、ジェイソン・ミッチェル、ブルース・ダーン他
1時間36分
フランスで上映中(お早めに)


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脱帽!『パラサイト』

湿っぽい地下室に親子4人が折り重なって暮らすキテク一家。
部屋の壁には内職で作るピザの箱が積み上げられ、窓の前は通行人の立ちションコーナーになっている。
運転手の父親は失業中、母も目下仕事がなく、息子はもう学校が続けられない。一家心中してもおかしくない状況なのに、キテク一家は仲が良く、機嫌もいい。

『パラサイト』ボン・ジュノ監督

ある日、息子ギウに美味しい話が舞い込む:富豪の娘の家庭教師をやらないか。
パーク一家のモダン&ミニマルな邸宅に着くと家政婦が迎え、シックでいかにも良家風の母親が現れる。
疑うことを知らない母親はギウをすぐ信頼し、末息子が「幽霊を見てから情緒不安定になった」と嘆く。
「そういえばアメリカでアートテラピーを学んだ知人がいます」とギウ。
”知人”は妹。キテク一家は金儲けのチャンスを嗅ぎ取るのに長けているのだ。

『パラサイト』ボン・ジュノ監督

カンヌ映画祭でパルムドールをとったポン・ジュノの『Parasite/パラサイト』

『パラサイト』ボン・ジュノ監督
photos:allocinés

ユーモラスに貧しい“一家”を描く出だしは、去年のパルムドール『万引き家族』を思わせる。
でも『パラサイト』は後半、富裕層VS貧困層の社会派スリラーになっていく(だからこれ以上言えない)。

人間や社会が、意識の奥や地下に押し込めている“見せたくない部分”を、シンボルの形で暴き、ユーモア、風刺、サスペンス、ヴァイオレンス・・・の多岐にわたるジャンルをまとめていくボン・ジュノの手腕にただ唖然。

ボン・ジュノ監督は『おそらく、海外の観客はこの作品を100%理解することはできないだろう。この作品はあまりにも韓国的で、韓国の観客が見てようやく理解できるディティールが散りばめられている。』
と語ったというけど、いえいえ!テーマは国境を越え、深い余韻を残す。
パリでは封切り(6月5日)直後、満席で観れず、次の回もすでに満席だったほど。3週間経った今でも週末は殆ど満席。20分前に着いて正解だった。絶対のお奨めです。

Parasite
ボン・ジュノ監督作品
主演: ソン・ガンボ、イ・ソンジュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク
2時間12分
フランスで公開中

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ゾンビの存在、信じる?

1962年、ハイチ。道を歩いていた男が崩れるように倒れ、死亡する。死因はテトロドトキシン、フグの毒。
男はすぐに埋葬されるが、翌晩掘り返され、解毒剤を与えられ、奴隷としてサトウキビ畑に送られる。彼の名前はクレルヴィス・ナルシス。
50年後、パリ近郊サン・ドニの寄宿女子校。1811年、ナポレオン1世に作られた、レジオンドヌール受賞者の子供や孫を受け入れている高校だ。みんな制服で、リボンの憲章をたすき掛けにしている。

寄宿制のメリサ(右)とファニー

Zombi Child/ゾンビ・チャイルド

メリサはハイチ出身、両親は2010年の大地震で亡くなり、叔母に引き取られた。
叔母はブードゥー教の巫女で、死者と交信できる。彼女のお祖父さんは、《もとゾンビ》として有名になり、いくつもの研究の対象になったクレルヴィス・ナルシスだ。
女子たちはこの話をゾッとしながら半信半疑で聞く。

Zombi Child/ゾンビ・チャイルド

しかし叶わぬ恋に苦しむファニーは、妄想を取り払ってもらおうとメリサの叔母に会いに行く。
ベルトラン・ボネロの『Zombi Child』 
日本では『メゾン、ある娼館の記憶』(2011)、『Saint Laurent/サンローラン』(2014)が公開されている。

Zombi Child/ゾンビ・チャイルド

クレルヴィス・ナルシスは実在した人物で、“埋葬”されてから18年後に“帰還”した。
彼の話によると、遺産相続が原因で兄からフグ毒を盛られ、仮死状態になったところで埋葬された。全身麻痺で声を出すことも動くこともできなかったが、棺に土がかけられる音は聞こえていた。翌晩、掘り返され、奴隷になった。2年後に解放されたが、また殺されるのが怖くて兄が死ぬまで放浪していた・・・

元ゾンビ、クレルヴィス・ナルシス

ハイチでは、生と死の間に宙ぶらりん状態のゾンビが毎年1000人くらい目撃されているという。信じるか信じないかは別として、クレルヴィスが“脱ゾンビ”して戻ってきたのは本当で、ボネロはこの実話をもとに作品を作った。

クレルヴィスが深夜に森や廃墟を彷徨う場面が幻想的なハイチと、

Zombi Child/ゾンビ・チャイルド
photos: allociné

今日のパリの寄宿学校が交互に描かれる。
女子高生たちの会話や聞いている曲(Dasmo)はそれっぽいけど、一緒に行った娘に言わせると
「あれは大人が考える若い子の会話で、ディティールが違う。Dasmoをみんなで歌っちゃうとこなんか滅茶ウソっぽい」そうですよ、ボネロさん!
ホラー映画というほど怖くないけど、ハイチのゾンビ製造はリアルに不気味、レジオンドヌール子孫の寄宿校の存在も私は知らなかったので「ええ!」という発見の多い映画。
しかし。死んだ人が蘇生するのはあるけど、その後、口はきけず思考能力もなく、マイケル・ジャクソンのダンスのように前かがみになって歩いている、そんなこと医学的にありうるんだろうか?
《自称元ゾンビ》にDNA鑑定をしたら赤の他人だった、という話もあるし。
死者と近いと言われるブードゥー教から生まれた幻想と思いたい。だって本当にゾンビがいあたら怖すぎる・・・

Zombi Child
ベルトラン・ボネロ監督作品
主演:ルイーズ・ラベック、ウィスランダ・ルイマ他
1時間43分
フランスで上映中


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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