FC2ブログ
Category : 子供・猫・家族

春告げ猫

地上階のうちの窓にも日が差すようになり、猫たちが光を求めて右往左往はじめると、ああ春分が近いんだ、と。

「オーイ!ここに日が差してる」

タマ、リュリュ

早速、寝椅子(段ボール箱の蓋)登場。
「ナンだ、お前も来るのか?」

タマ、リュリュ

よく場所取りの喧嘩になる。リュリュはこっちに避難。

タマ、リュリュ

太陽に当たりたい、は動物の本能なのだ。
冬が長くて灰色のパリで、太陽が出るとカフェのテラス席が取り合いになるのも、動物の本能でしょうね。

紫外線(UVB)はビタミンDの合成を促進し、くる病やかっけ、骨粗鬆症(骨の密度が減る)の予防になる、のは知っていたけど、
-血圧を下げる
-いくつかの皮膚炎を改善する
-免疫を強化する
-目の疲れを癒す・・・などなど恩恵がある。
逆に太陽の欠乏は鬱を招く(季節鬱)。私は3年間、地下室がオフィスで、冬は確かに滅入った。

日本では毛嫌いされ(されすぎ)ているけど、程よく太陽に当たるのは身体にいいんだ、と猫に教えられる。
フランス人のガンガン焼き方は非常識だけど、足して2で割るとちょうど良さそうだ。

そのフランスでも日焼けサロンはどんどん姿を消している。なんでもメラノーマ(ほくろの癌)の43%はマシンによる急速な日焼けが原因だそうで、サロン禁止にはなっていないけど、基準が厳しくなった。例えば若い人のマシン日焼けが危険なので、18歳未満お断り。
と同時に、紫外線に当たりすぎると皮膚ガンの危険、ガンにならなくても皮膚の老化を早める、という知識(ジョーシキ?)が行き渡り始め、2009年には2万人を数えた日焼けサロン従業員が、今は半分になったとか。

皮膚の老化を早める、という情報は届いていないらしく、うちの猫たちは太陽を求めて今日も走り回っている。


ランキングに参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村



スポンサーサイト

ブルーライトと網膜

「網膜に穴?」
「そう、たくさん穴が開いてるんだって」と眼医者から帰ってきた娘。
「網膜剥離と違うのね?」
「違うみたい。先生が最初になんて言ったと思う?」
「なんて?」
「Merde !」

網膜裂孔。穴を塞ぐため娘はレーザー光凝固をすることになった。
網膜剥離で2度レーザーをした私が「不快だけど痛くないって。それに数分で終わる」といくら言っても、ネットで恐ろしい体験談ばかり読んで怖がっている。
「大体、あなたの年で穴が開くってのは、ブルーライトの見すぎよ」
この子は動画やテレビシリーズまで携帯で観るし、絵の修正も全部PCでやっている。レザーを怖がっているクセに画面を減らす気配は全くない。

「ブルーライトが脳と身体に及ぼす害」の図:スマートフォンのブルーライトは睡眠を乱し、記憶力を落とし、網膜を傷つける・・・

lumière-1

「目が霞んで帰れないかも」と言うので、当日ついていった。先生にちゃんと言ってもらわなくちゃ。

20年来、家族全員が通っている眼科のシロ先生は定年退職を2回伸ばし、ついにこの3月末でリタイアすることになった。
伸ばしたのは後任が見つからなかったせい。一般医でも専門医でも、若い医師が自分の医院を持ちたがらないらしい。
責任が重すぎる、経費がかかりすぎる、と、あちこちで休暇中の医師の“代理”をしている。結局、シロ先生も後任が見つからず、35年間にわたるおびただしい患者データはすべて近くの眼科医院に送られた。

その日が医院閉鎖前最後のレザー治療なので、狭い待合室にはレーザー待ちの患者さんが10人。平均年齢(娘を除いて)70歳。事前に瞳孔を開く目薬を3回さすので、
「アタシ、2回したかしら?忘れちゃった」
「手が震えてさせない!」
「みなさん、レザーの前にお金を払ってください」と看護婦さん。
「なんだ、タダじゃないのか?」
と騒々しい。
娘の番になり、10分くらいして先生とともに現れた。
「お嬢さんのはブルーライトとは関係ありません」
横で娘がニンマリ笑う。
「そんな!この子がどんな生活してるかご存知ないでしょう?」
「網膜裂孔や剥離には色々な原因があって、お嬢さんのは、言ってみれば“製造上の欠陥”」
「 セイジョウジョーの欠陥?!」
「文句があるなら製造元(つまり親)に言いなさいね。はい、次の方」
満足げな娘と懐疑的な私を残し、先生は再びレザーに戻って行った。


ランキングに参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村


「ムスメさん帰ってきてにぎやかになったでしょ」と友達。
「それが“なりすぎ”たのよ」
娘が戻って来ると、彼女のボーイフレンドも“うちで暮らす”ようになった。経済力のない2人だから、選択肢は、うちか彼のうちしかない。彼の家は郊外で、「遠すぎる」と娘がなかなか行かないので、自然とうちになった。
つき合って2年になるその男子は、パリのボザールに通っていて、なかなかいい子。
最初は「ハタチの恋が続くはずがない」と思っていたけど、ますます仲が良くて、最近「もしかしたら・・・」と思うようになった。

そこまでは予想していたけど、もう一人、娘の親友が転がり込んできた。
住んでいたアパルトマンを追い出され「別のが見つかるまで泊まらせて!」
両親は彼女が小さい時に離婚、母親とは上手く行かず、父親は若い女性と一緒になり子供を作り、別れてまた他の女性と子供を作り、また別れて他の・・・を繰り返している。
・・・という境遇なのにグレることもなく可愛い性格、1年前からレストランで働いている。
だからイヤとは言えず、うちはユースホステルのようになった。
「今夜、うちでご飯食べる人は?」
「まだわかんない」
「アタシ、肉は食べないの」(知るか!)
「お風呂、誰が入ってるの ?! もう1時間になる!」
「〇×よ、次はあたしの番なんだから」(私はどうなる!)
「ボク、7時ごろ帰るけど、誰かいる?」
「ところで誰が鍵持ってるの?あの鍵、高いんだからなくしたら罰金よ!」

猫たちは静かな場所を探して彷徨った。
タマは窓辺で瞑想に耽り・・・

タマ

リュリュ!落ちるよ!

リュリュ

「アパルトマンが見つかるまで」という親友の子は本気で探している気配もなく、見学にも行かず。娘に聞くと「望みが高すぎて見つかるはずがない」という絶望的な意見。
確かにパリは高い、高すぎる。うちの隣のステュディオが14㎡で600ユーロ。娘がアングレームでクラスメート2人と借りていたアパルトマンは120㎡で850ユーロと夢のような家賃だ。
でもこの“同居”に一番困っていたのは娘だろうね。本の作業していても、おしゃべりにやってくる。イラつくけどむげにはできない。よく、同居するには友達より少し距離がわる人とのほうが上手く行く、と言われる訳だ。

結局“1週間か10日”が3か月住んでいた。
来たときはベジタリアンで、豆腐とキノアのサラダなど食べていたが、次第に私たちが食べているものを羨ましそうに見るようになり、「同じものが食べたい」と言い出し、ステーキでもハンバーグでもパクパク食べるようになった。

「じゃアパルトマン見つかったの?」と友達。
「ううん、叔母さんのうちに一部屋空いたんだって」
というわけで、やや静かな生活が戻ったのだ。


ランキングに参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村



20歳の決断

「え!あなたのムスメ、パリに戻ってきたの?」
「そう」
「アングレームの学校、やめちゃったの!どーして ??」

去年の暮、深夜に娘が電話してきた。事故でもあった ?!とドキッとしたけど、電話の理由は「どうしたらいいかわからない」
話はさらにその1年前に遡る。パリの美術学校の卒業制作に彼女はバンドデシネの本を作った。
『Mon premier rêve en japonais/初めての日本語の夢』

mon premier reve en japonais560

子供時代、彼女にとって日本がどういう存在だったかをマンガタッチで描いた部分と、夜、私が読んで聞かせた日本の昔話のイラストが交互になり、親バカをうんと差し引いても「よくできてる!」本だ。
と同時に、親が気づかないとこで子供は考え、悩んでいたことを思い知らされた。

卒業制作の審査委員の中に、バンドデシネ出版社の編集者がいて-審査委員は先生だけでなく第三者が混じっている-娘の本を「うちで出したい」。耳を疑うような話に娘は(親も)有頂天になった。
卒業制作は横長で作ったので、縦長の判型に直さなくてはならない。吹き出しやテキストももう少し読みやすく、など作業にかなり時間がかかる。
その時、すでにアングレームのボザールに行くことが決まっていたので、
「急がないから作業は自分のリズムでやってくれていい」と編集者。

ところが学校が始まってみると、課題制作に終われ、友達とアパルトマン暮らしだから、買い物、ご飯づくり、掃除、洗濯に「すっごく時間がかかる」。週末パリに帰ってくればボーイフレンドや友達に会うのに忙しく、あっという間に1年が経ってしまった。
そして不安になった。このままだと学校と家事で本の作業は進まない。編集者だっていつまでも待ってくれるわけじゃない。
それで夜中の3時に電話してきた。
「ママンがあたしだったらどうする?」
「20歳で本が出版されるって大変なことなのよ。このチャンスを逃したら一生後悔する。どんどん新しいイラストレーターが生まれるから、グズグズしてたら編集者に忘れられちゃう」
「だから?」
「学校やめなさい」
「でもディプローム・・・」
「もうひとつ持ってるじゃない。イラストレーターは絵次第よ。本とディプロームを天秤にかけたら、私なら迷わない」
翌朝、夫に話したら彼も同意見だった。
「イラストレーターにディプロームは必要ない」
この人は夜中に救急医が来ても、猫がハトを捕まえてきて大騒ぎになっても目を覚まさない。

・・・というわけで、去年の暮れから娘はパリに戻り、横長の絵を縦長にすべく描き足したり、描き直したりしている。
「母親が『学校やめろ』って言ったの!」と時々呆れられるけど、“二兎追う者一兎を得ず”はフランス語でも全く同じ表現なのだ。


ランキングに参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村



ひとりぼっちのハリネズミが手紙を書いた。
「親愛なるどうぶつたちへ。ぼくの家にあそびにくるよう、キミたちを招待します。でも誰も来なくても大丈夫です。」
朝日新聞の天声人語に引用されていたテレヘン著『ハリネズミの願い』。

『ハリネズミの願い』
おお!読んでみたい。

それにしてもネズミ(ハリネズミもネズミの一種として)は、日常では忌み嫌われるのに(私も大騒ぎする)童話の世界では愛すべき主人公として登場する。

棲み処と食べ物だけでは満足せず“他の何か”を探しているのはルーマ・ゴッデンの『ねずみ女房』。
鳥かごに入れられたキジバトの話を聞くことで外の世界を知る。

『ねずみ女房』

『こねずみデジレのふたつの家』ドゥボス著・拙訳)は、親が離婚して二つの家を行ったり来たりする子ネズミのお話。
フクロウに教えられて木に登り、世界の広さに驚き、二つの家の“近さ”に安心する。

そしてこの『ハリネズミの願い』のハリネズミは-引用によると-ひとりぼっちで友達が欲しい一方、ハリが誰かを傷つけないか心配する。ハリは同時に傷つけられないための自己防衛でもある。

天声人語は『ハリネズミの孤独は、意外とありふれたものかもしれない』
たしかに。手紙を出そうか出すまいか、という行きつ戻りつは誰でも経験があるのでは。
そしてこう結んでいる。
『孤独の象徴として「心の殻」という言葉が使われる。多くの場合、破るべき、壊すべきものとして。しかし、つらいときに逃げ込める小さな殻は、持っておいた方がいい。無心になれる音楽でも、繰り返し読んだマンガでもいい。いつでも閉じて、開くことのできる柔らかい殻を』
この文にいたく共感し、息子のハリー・ポッターを思い出した。
娘が生まれてからしばらく帰国せず、数年ぶりで息子とふたりで東京に行った。彼は中学一年生。
時間があると、もう読み通したハリー・ポッターの文庫を取り出して読んでいた。
久しぶりの日本で戸惑っているのを感じ、「あの本が港なんだ」と思って眺めた。

今は社会人の息子は、もう”港”が要らないだろうか?
いや、いくつになっても帰っていく本や映画は持っていたい気がする。


ランキングに参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村



プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

カレンダー
03 | 2019/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
最近の記事
カテゴリー
おすすめ書籍
RSSフィード
おすすめコスメ
フランスに行くなら
プロヴァンスの田舎町をまわる1日
アーカイブ