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Category : 子供・猫・家族

ネズの番

鋭い鳴き声で目が覚めた。猫はあんな声を出さない、犬でもない。まさか・・・
鳴き声だけじゃなくて猫たちの走り回る音が聞こえ飛び起きると、果たしてリュリュが何者かを廊下の隅に追い詰めたところ。
金属的な鳴き声はその動物が発していた。ハツカネズミ(souris)よりでかくて、色も黒い気がする。

攻撃の前線にいるのはリュリュ(さすがモト野良猫)、タマはその背後に控えて眺めているだけ。
リュリュが前足で捕えようとしたとき、その黒ネズミは石の壁を駆けのぼった。
おお!そんなこともできるのね。でも上ったところで天井に穴はないから逃げられない。
猫たちは悔しそう。しかしネズミはあっけなく落下した。

この戦いはしばらく続きそうに見える。第一、私ひとりでは捕まえられないし、寝室のドアをきっちり閉めて頭からお布団を被った。

翌朝、リュリュは階下のソファの前で見張りにつき、タマは興味を失ったようだ。
夫に話すと「ドブネズミ(Rat !)は鳴くっていうよ」と恐ろしいことをいう。
娘にも「黒くて大きいドブネズミ」の見張りを頼んで出かけたら「鳴き声を聞いた」という不吉なメッセージが届いた。

夜、日本語の生徒さんイザベルがいるときに、近くで鋭い鳴き声がして2人とも飛び上がった。
ネズミはCDプレーヤーとスピーカーの後ろに逃げ込んでいる。
「あたしが捕まえてあげる」とイザベル。なんと頼もしい!
彼女は紙袋をスピーカーの前に開き、「ホラ、こっちにお出で!」
犬じゃないんだから(イザベルは犬を飼っている)来るわけないじゃない。
24時間、猫2匹の爪から生き延びた狡猾なネズミなのだ。袋にチーズのかけらを入れてみたけどその手には乗らない。
「ドブネズミ?大きい?」
「ううん、小さいハツカネズミ」
「??」
「黒い?」
「ううん、グレイ」
「・・・」
2メートルほど離れてハラハラしていたら、ネズミは隠れ家から走り出て部屋を横切り(確かに小さいハツカネズミであった)ソファの下に逃げ込んだ。
リュリュが見張りの部署についたので、しばらくは出てこないであろうと。
「ネズミ捕りおいたら?」とイザベルは帰って行った。

これはイヤだけど・・・(誰が捨てる?)
piege-a-souris 4

生け捕りにするなネズミ捕りもある。でも大人しく入るかね?
piege-a-souris2 (2)

「黒くて大きいドブネズミだって!」「ネズミとなるとオーバーなんだから!」と家族からバカにされたことは言うまでもなく。


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マリモの世話係

日本に発つ前夜に息子が、
「これは特別に君に託したい」
この子は昔から人に頼むのが上手だった。
「特別に」と言われると、自分が選ばれたみたいな気持ちになって、こっちがお礼を言いそうになる。
同じようなセリフで植物を預かった夫も誇らしげだ。主客転倒。

わたしが“託された”のは小さいジャムの瓶に入った、
「何コレ?」
「マリモ」

マリモ

マリモと言えば、北海道の阿寒湖!懐かしい名前だ。

でもマリモってもっと大きくなかった?
「少しずつ大きくなるんだって」
「どこでもらったの?」
「マレーシアで買ったんだ。10ユーロくらいで」
彼がマレーシアに行ったのは1年以上前だ。
「それから大きくなったの?」
「多分少し」

世話は一か月に一度水を取り換え、取り替えた後しばらく蓋を開けておくこと。
「水を取り換える度にぼくを思い出してよ」
一か月に一度!母親って生き物はね・・・と顔をみると、息子もジョーダンだよ、とニタニタ笑っていた。

・・・というわけで、マリモの小瓶はスノーボールのコレクションに仲間入り。
日本のネットで見たら「水は一週間に一度換えてください」だって。
私が預かったのと同じ大きさ(直径1㎝くらい)は500円前後なので、10ユーロ(約1200円)はぼったくりじゃない?
しかしほんとに大きくなるのかね・・・


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日本へ片道チケット

息子が約1年の予定で日本に発っていった。
出発前の1週間は引っ越し(いない間、アパルトマンを人に貸すので)掃除、荷造り、そして連日のように送別会で走り回り、引っ越し荷物は当然うちに来るので、居間は足の踏み場もない状態になった。

選り分ける時間がなくて全部運び込んだので、うちで「これはエマユス*」「これは捨てる」。
プラスチックボックスのひとつを開けたら「ギャー!」
マフラーやセーターが虫に食いまくられ、しかも虫が生息している。即、箱ごとゴミ箱!
数年前から息子のセーターが虫に食われるので防虫剤を渡していたけど、一方で虫を育ててたのね。全く世話はない。

猫たちはさっそくスーツケースへ!

リュリュ&タマ

「寂しくなるわね」何人から言われたけど、あまりピンとこなかった。
長期で日本に行くのを彼がとても喜んでいたから。
出発前の慌ただしさのせいもある。

飛行機が飛び立って10時間後に「もうすぐ台北に着く?」とEVA airのフライトインフォメーションを見た。
地図で見るパリと日本の距離に「ああ、遠くに行ったんだ」と私は初めてブルーになった。
自分が行き来するときには距離なんて考えない。だからすごく主観的な距離なのだ。

「寂しさ」は概して思いがけない時にやってくるもんだ。娘がアングレームに引っ越したときは、夥しいメイク用品がなくなってスッキリした浴室を見たときだった。
戻ってきたので再びメイク用品だらけになっているけど。

*Emmaus/エマユスはピエール神父が作ったアソシエーション。使わなくなったものを持ち込むと、それを売って貧困救済の資金にしている。


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猫を隠せ!

その晩、初めて会うカップルを夕食にお呼びしていて、私はオーソブッコの仕上げをしていた。
そばで携帯を見ていた息子に、「ちょっとソースの味みてよ」とスプーンを差し出したら、
「ギャッ!ウソー!!」
「何が?」
「ご主人、猫アレルギーだって!」
えええええ!

猫は家族と勝手に思っているので、食べ物の好き嫌いだけ聞いて、猫の好き嫌いは聞きもしなかった。

時間は7時50分。残すところ10分!
息子はすぐに掃除機を引っ張り出し、床はもちろん、ソファや椅子にもかけ始める。猫のいる家は毛だらけで、そんなことをしても焼け石に水、というけど。
猫たちはキャッツフードのお皿とともに娘の部屋に閉じ込められた。

2人が到着し、アペリティフの間、ご主人はクシャミひとつしなかったので、ひとまずホッ。
食卓では、カップルは離して男女交互にするので、私の隣がご主人。オーソブッコを食べているとき、私の膝に手を置く人がいる。ハッとして見ると、
「リュリュ!」
このウチは元アトリエだったのを改造しているので、部屋と部屋の間に窓があったりするけど、
「アンタ、どーやって !?」
と、浴室とキッチンの間の窓を見ると、そこにはタマが悠然と座っているではない!
隣の客人は猫を見ても慌てず騒がず、クシャミもせず ・・・再び2匹を閉じ込めて事なきをえた。

・・・この話を猫好きの友人にしたら、
「あたしの知人に猫大好きだけどアレルギーの人がいて、Rexという種を飼ってるの。しかも4匹も!猫アレルギーでも大丈夫な唯一の猫なんだって。でもすごく醜いのよ」

醜い猫など存在するのかとネットで見たら、なるほど。特に飼いたいとは思わないわね。

レックス/Rex

Rexさんには悪いけど・・・


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おせっかいで涙もろい

娘のバンドデシネが発売になってから1か月ちょっと。フランスの出版社の面倒見の良さにはびっくりする。
名もない駆け出しなのに(だからこそ?)版元のプレスが奔走し、早朝のFrance Cultureの番組に出て、ELLE 、les Inrocks(ロック雑誌として始まり、今は総合カルチャー誌) Lire(文芸誌)に書評が載り、

ELLE

その度に私は近所のキオスクに駆け付け、キオスクのオジサンに「何かあったの?」と不思議がられる。
ほんとに雑誌を買わなくなっているからだ。この前買ったのはデヴィッド・ボウイが死んだときではない?

レピュブリックの近くの書店でサイン会も企画してくれた。私のセーター着てる!

mon premier rêve en japonais

来てくれたのは親戚、美術学校時代の友達だけど、娘のゴッドファザーと親戚の一人がそれぞれ5冊ずつ買ってくれた。
クリスマスのプレゼントにするんだって。

私は出先で本屋を見かけると必ず入って、バンドデシネ・コーナーをチェックするようになった。
娘の本を置いていない書店は「選択が悪い」と、ブラックリストに加えられる。

置いていても場所が悪いと、

mon premier rêve en japonais

目立つようにし・・・

mon premier rêve en japonais

・・・と私も販売促進に加担しているけど、日本に比べて、版元のアフターケアが人間的で、しっかりしている。
日本では、本が次から次へと大量生産され、出ては忘れられる。

とにかく何か出る度に私は涙ぐみ、

mamanpleure1.jpg

娘はそれをマンガにして喜んでいる。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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