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Category : 子供・猫・家族

誕生日の涙

昨日はわたしの誕生日だったんだけど、家族のほぼみんなが忘れていて、朝からむくれていた。
隔離中に娘と夫の誕生日があり、わたしのはウェイティングリストの3番目とはいえ、「おめでとう」くらい言ってよ!

そこへ親しい友達から、
「たかこ
わたしの大切なパックが昨日、心臓まひで亡くなりました。2週間具合が悪そうで、心配していたけど、とうとう・・・
あなた、いつもパックは元気?って聞いてくれたから、わたしがどんなに落ち込んでるか分かってくれると思って。
ジャン=ルイが逝ってから、パックに助けられて生きてきた気がします。
マリー」
というメールが来た。
マリーの夫、ジャン=ルイは2年前、白血病で急死した。
ジャン=ルイとは同じオフィスにいたこともあって、とても仲良しで、いつも大晦日の夜はうちで一緒に過ごす約束をしていた。
2年前の大晦日の前日、
「めちゃくちゃ疲れて一日ベッドにいる日もあるんだ。マリーも調子がよくなくて明日は行けそうもない。年が明けてから会おう」
と電話があり、
「じゃ、好きな日本酒一本とっとくわね」
と話したのが最後になった。

彼らは子供がいなく、マリーはスコッチテリアのパックと思い出の詰まった家に残された。
パックは死なないで欲しい、とマリーに会う度に祈ったものだ。

パックと聞くと「お刺身パック」とか連想してしまうけど、『真夏の夜の夢』に出てくる妖精の名前でPuckと綴る。
chien ecossais
だからメールを読んで涙が止まらなくなった。

わたしの泣きはらした目を見て、娘は「誕生日を忘れたせい?!」と勘違いして、慌てて東京の兄貴に電話し、息子が「おめでとう!」と電話してきた。涙の副産物。
その後、サルサのコーチや、いつも誕生日によんでいる友達が電話してくれて(「家族が忘れてた?けしからん!」)「むくれ」は解消したけど。パックを失くしたマリーの心境を思うと、黒猫アナイスが逝ったときの喪失感に重なり、一日涙が出た。

アナイス

真夏のような太陽に浮かれる休日(ペンテコステ)とは裏腹の・・・セ・ラ・ヴィ。


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隔離を喜んだ猫と花

隔離になる前から友達と夫の実家に行っていた娘は、そのまま田舎で籠った。
親戚や近所の人たちは「パリからウィルスを持ってきたかも」と、誰も家に近づかなかった。
「遠くから手を振るだけ。完全な孤立よ」
近づいてきたのは猫。出ていくと逃げるけど、キャッツフードを外に置くとなくなっている。
そのうち、中の一匹が、ドアの敷居まで挨拶に来るようになり、1か月後には撫ぜるとグルグル言うようになった。

saucisse0_450.jpg

「野良猫を手懐けたのよ!すごいでしょ」
わたしの娘だもの、驚くに当たらない。
猫は雌でSaucisse (ソーセージ)と命名され、今では毎朝、庭側のベランダまでやってくるんだって。

saucisse450.jpg

遊ぼうよ・・・

saucisse2_450.jpg

「あんまり仲良くなると別れるのがつらいし、Saucisseが可哀そう」とわたし。
一瞬、パリに連れてくることを考えたけど、タマ(娘の猫)が嫉妬で病気になるよね。

誰かが田舎に2か月もいるなんて初めてのこと。庭の桜やバラ、観客がいると咲き甲斐があるというもの。

田舎のバラ

田舎のバラ

田舎の桜

パリのタマとリュリュも、いつも誰か家にいるので喜んでいた。
隔離の最初の頃は隣同士で寝ていたけど、

タマ&リュリュ、隔離

「1m離れないと危ないじゃないか!」

タマ&リュリュ、隔離

ソーシャルディスタンスを守るようになった。

タマ&リュリュ、隔離

フランス人の35%は「まだ外に出たくない」そうだけど、明日から世界はどうなるのかなぁ。


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74歳で再婚?

親戚のマリー・フランスと電話するたびに「いつ来るのよ」と言われ、生返事をしていた。
シャンパーニュ地方の冬は湿気がある寒さであまり行きたい場所ではないけど、従妹には会いたい。
娘と夫が1週間行っているので、2日間だけ付き合うことにした。

着いた時は雨模様だったけど、翌日は太陽が出た。お天気がいいと田舎は別人のように魅力的になる。
まだ冬枯れの景色だけど。

spoy 21_02_20

マリー・フランスは夫の従弟ジャン=ピエールの奥さん、ジャン=ピエールは3年前に他界し、プールのある大きな家にひとりで暮らしている。
マリー・フランスは18歳の時からジャン=ピエールが好きだった。でも彼は、村のミス・コンテストで優勝した女性と結婚して子供2人を作り、離婚。他の男には目もくれず独身を通してきたマリー・フランスと、50歳過ぎてから再婚した。
30年待って一緒に暮らしたのは17年。大酒飲みのジャン=ピエールは肝臓がんで亡くなった。

翌日、晩ごはんを食べに来て、「『そろそろ再婚したら?』とまわりがうるさくなってきたのよ」とマリー・フランス。
彼女は74歳だけど、ヘアスタイルをしょっちゅう変えお洒落。フランス人にしては珍しく、年よりずっと若く見える。
「したいの?」とわたし
うーん・・・と従妹は考え込む。

思い出のある家にひとりでいたくなくて、彼女は村が企画するツアーによく参加する。去年はスペインに行き、年末年始はアルデッシュの「3泊年越しツアー」に行った。
「ツアーには知り合いや友達もいて、ひとりじゃないけど・・・でもひとりなのよ」
それ、わかる!
「ダンスタイムになるとひとりになっちゃう。ジャン=ピエールはダンスが上手かったから、つい踊りたくなるの」

「〇×が離婚してひとりだ」とか「〇〇は奥さんを失くしてからパートナーを探している」と薦められるけど、
「〇×も〇〇もタイプじゃない」と笑い、
「それに誰かと一緒に暮らすのはもうシンドイ。一緒に週末過ごすとか、旅行に行くパートナーがいたらねぇ・・・」
「じゃ出会いサイトだ」「Meeticに登録したら?」と3人(夫、娘、わたし)が異口同音に叫び、思わず顔を見合わせる。あら、あなたも経験あるの?
とにかく。私たちの周囲には(まじめな)出会いサイトで出会い長続きしているカップルが何組もいる。

「でも登録するとき、大きな家やブドウ畑のことは書いちゃダメよ」と言うと、
「どうして?」と夫。
「だってお金目当ての男が寄ってくるじゃない。お金じゃなくてマリー・フランスを好きになる人を見つけなくちゃ!」
と夜更けまでしゃべって笑った。
帰るときマリー・フランスが「今度、いつ来るの?」
言われるうちが花。重い腰を上げて来てよかった。


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“その時”考えること

「このまま死ぬんじゃないかとか、死ぬのが怖いとは全然思わなかった」と夫。
「?」
「頭の中は真っ白で、ただ呼吸することだけを考えた」
「動物的本能?」
「そう、サバイバル本能」
闘病のときアドレナリンが分泌されるのも、動物の闘争&防御の状態と一緒だ。

生き延びた夫は退院できた。
先生に「今日出ますか?明日にしますか?」と聞かれたそうだ。
それはあなたが決めることでしょう、と言いそうになるのを飲み込み、
「明日までいたら何が変わりますか?」
「何も変わりません。薬を病院で飲むかうちで飲むかの違いだけです」
と言うので、そんなら一日でも早く帰りたい。
「ティラノザウルスを食べさせられるのはもうごめんだ」

さようなら、お世話になりました!

pitie entree

私たちが一番心配したのは“肺の腫瘍”だった。
気管支炎だけであれだけ水が溜まるか?と集中治療室のお医者さんもその可能性をほのめかせていた。
あらゆる角度からのレントゲンでその疑いも晴れ、どっと安心した。

2週間で(入院前も3-4日寝込んでいたから)脚の筋肉は落ち、足元がフラフラしていた。
「君には随分心配と世話をかけたね」と珍しく殊勝なことを言い、そのお礼として何をくれたかというと気管支炎!
お医者に行ったら、「副鼻腔炎(sinusite)も併発してますね」
悪寒、咳、鼻、頭痛で私が寝込む番だ。

電話してきた会計士に言いつけたら、
「男はみんなそうだ」(この人、けっこうマッチョだ)
次に電話してきた義弟に言いつけたら、
「彼は自分が持っているすべてのものを君にあげたんだ」
「・・・・」
さすがモト弁護士。今はシャンブル・ドット経営だけど、続けていたらよかったのに・・・

P.S.お見舞いのコメントをありがとうございます。励まされました!


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呼吸は回復、部屋は格下げ

宇宙ステーションに似たEole(風の神アイオロス)は1年前にできたばかりで、主に蘇生医療の病棟。
医療最先端!という顔をしている。

réanimaion pitie

この近未来引き出しのような装置は点滴用。一段ずつ点滴の薬がプログラムされている。

réanimation pitie2
images: youtubu

病室には入れ代わり立ち代わり誰か入ってきて、水を飲むため夫が一瞬マスクを外しただけでベルが鳴り響く。
どこもピカピカで新しく、ブルーの“白衣”を来たお医者さんたちも溌溂としている。
面会は家族だけ。でも24時間可能だ。

無事に“蘇った”夫は、集中治療室(soins intensifs)から継続治療(soins continus)に移される。
部屋は小さくなり、マスクはふつうっぽくなって、スターウォーズ・ファンの彼はちょっとがっかりしたみたい(!)。
でも「みんな親切、食事も病院にしては“食べられる”」
大晦日の晩は「フォアグラ、サーモンの包み焼、イル・フロッタントが出た」。
2日間、殆ど何も食べなかったけど、美味しいものがあると食べるのね。

利尿剤のせいで口が乾くので、うちから持っていくのはナシや蜜柑、ブドウ。
手足がむくんだとき利尿剤を飲むけど、肺の水もオシッコで出すとは知らなかった。

金曜日、心臓循環器病棟に引っ越す、と電話があった。
行ってみると古びた建物で、部屋もボロい。つまり病状が回復するにつれて、部屋は格下げになっていく。
テレビは有料。蘇生病棟ではテレビが無料だったけど観る元気がなかった。
ナイフやフォークはプラスティックで、食事は不味く、
「昨日はティラノザウルスが出た」
「?!」
パサパサの鶏肉で手をつけなかった。プレートを下げに来た看護婦さんに、
「これを食べられた人はいるのか?と聞いたら、3人ほど食べた、という返事だった」
ユーモアが戻ってきて何よりです。

ふつう病棟に来ると、医療器具も古く、予算の足りなさは明らかだ。
フィリップ首相は2020年から3年間、15憶ユーロの追加予算と低サラリーの看護婦、看護助手にボーナスを約束したけど、病院側は満足しなかった。15憶ユーロ÷3=5憶ユーロをいくつの公共病院で分けるんだろうか?焼け石に水らしい。

「Eoleは良かった・・・」と言うので、ちょっと、それはないでしょ、病状が良くなったのを喜ばなくちゃ!


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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