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Category : 子供・猫・家族

おせっかいで涙もろい

娘のバンドデシネが発売になってから1か月ちょっと。フランスの出版社の面倒見の良さにはびっくりする。
名もない駆け出しなのに(だからこそ?)版元のプレスが奔走し、早朝のFrance Cultureの番組に出て、ELLE 、les Inrocks(ロック雑誌として始まり、今は総合カルチャー誌) Lire(文芸誌)に書評が載り、

ELLE

その度に私は近所のキオスクに駆け付け、キオスクのオジサンに「何かあったの?」と不思議がられる。
ほんとに雑誌を買わなくなっているからだ。この前買ったのはデヴィッド・ボウイが死んだときではない?

レピュブリックの近くの書店でサイン会も企画してくれた。私のセーター着てる!

mon premier rêve en japonais

来てくれたのは親戚、美術学校時代の友達だけど、娘のゴッドファザーと親戚の一人がそれぞれ5冊ずつ買ってくれた。
クリスマスのプレゼントにするんだって。

私は出先で本屋を見かけると必ず入って、バンドデシネ・コーナーをチェックするようになった。
娘の本を置いていない書店は「選択が悪い」と、ブラックリストに加えられる。

置いていても場所が悪いと、

mon premier rêve en japonais

目立つようにし・・・

mon premier rêve en japonais

・・・と私も販売促進に加担しているけど、日本に比べて、版元のアフターケアが人間的で、しっかりしている。
日本では、本が次から次へと大量生産され、出ては忘れられる。

とにかく何か出る度に私は涙ぐみ、

mamanpleure1.jpg

娘はそれをマンガにして喜んでいる。


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『日本語で見た初めての夢』

まさか私の話ではない。
8月21日に発売になった娘の初バンドデシネのタイトルです。

Mon premier reve en japonais

自分が小さかった頃、日本という2分の1のルーツをどう生きたか、というお話。

娘が生まれた時、私は日本の家族から断絶され、何年か帰国しなかった。
娘は私や、6歳年上の兄貴から聞く話で、日本の実家や家族を想像する。
お兄ちゃんとボクシングをし、日本語の先生の頭に消しゴムのカスを振りかける、一見逞しく育っていく娘。
でもアタマの隅に、
「ママンが家族と仲たがいしたのは自分のせいじゃないか」
「ママンが日本に帰って2度と戻ってこなかったらどうしよう」という心配がいつもあった。

夜寝るとき毎晩のように、私は日本の昔話を話して聞かせた。『浦島太郎』『鶴女房』『鉢担ぎ姫』・・・
でもよく考えると、日本の昔話の結末は往々にして哀しく怖いのだ。
その結果、夜になると、娘の部屋には昔話の登場人物や、会ったことのない日本の家族が現れるようになる。

日常はモノクロのマンガタッチで、
Mon premier reve en japonais

日本の昔話や夢の世界はカラーで描いている。

Mon premier reve en japonais


これは娘がエスティエンヌ美術学校の卒業制作で作ったもの。
口頭試問の試験官のひとりが、バンドデシネ出版社Futuropolisの編集者で、出版が決まったというラッキー。

初めて読んだときは滂沱、までいかないけど涙が出た。
当時の娘の不安や罪悪感を十分わかってやれなかった、という自責と、
こういう形で表現することで日本と折り合えてよかった、という安心。

今、子供たちは2つの母国、2つのカルチャーを持ったことをチャンスと思っているようだ。
先日パリでお会いした読者のお嬢さんが「ハーフではなくダブルと呼んでほしい」と言われたそうだ。名言!

”ダブル”の方、そのご両親だけでなく、多くの方に読んでいただけたら嬉しいです・・・と親バカの宣伝になりましたけど。


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親の宿命

廊下に娘のショートパンツとTシャツが脱ぎ捨ててある。セミの抜け殻みたいに。
「またやられた!」
私のクローゼットをかき回し、何か着ていった証拠だ。

IMG_20190729_121650.jpg

証拠を消さないとこが可愛いとはいえるけど。
外で私の服を着た娘に出会うとびっくりする。

娘は誰に似たのか、バストもヒップあり8の字型。だから入らない服も(幸い)あるけど、私より似合う服もあって腹立たしい。
とくにシャツは、胸の厚みがある娘のほうが断然似合う。3Dと2Dの違い。

私の部屋で次々試して、
「それは時々貸してあげる」
「ニットで伸びるからダメ」
バストが違うのでファスナーが上まで閉まらないのもある。
あまり着ない服だから「ファスナーを変えて、背中デコルテにしちゃえば?」
と言うと、「まあ、いずれそうするわ」
“いずれ”とは私が死んでから?・・・と思うのは決して被害妄想ではない。
すごく大事にしているYSLのトレンチがあり、
「それはダメ」というと、ため息をついて、
「110歳まで待つってこと?」
「 ナニ、110歳って?!あたしが110まで生きるっての?」
「だってあなた、よく動くし、ちゃんと食べるし・・・長生きしそうじゃない」

息子が小さい頃、夫が乗っていたBMWを、
「死んだらぼくにくれる?」
「いいよ」
その後、私に「いつ死ぬの?」とはさすがに聞けなかったらしく、
「ねぇ、パパ元気?」
「元気よ、どーして?」
「別に・・・」
父子の”約束”を知らなかった私は、息子ががっかりする訳がわからなかった。
まったく、ひとりもひとりも・・・


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春告げ猫

地上階のうちの窓にも日が差すようになり、猫たちが光を求めて右往左往はじめると、ああ春分が近いんだ、と。

「オーイ!ここに日が差してる」

タマ、リュリュ

早速、寝椅子(段ボール箱の蓋)登場。
「ナンだ、お前も来るのか?」

タマ、リュリュ

よく場所取りの喧嘩になる。リュリュはこっちに避難。

タマ、リュリュ

太陽に当たりたい、は動物の本能なのだ。
冬が長くて灰色のパリで、太陽が出るとカフェのテラス席が取り合いになるのも、動物の本能でしょうね。

紫外線(UVB)はビタミンDの合成を促進し、くる病やかっけ、骨粗鬆症(骨の密度が減る)の予防になる、のは知っていたけど、
-血圧を下げる
-いくつかの皮膚炎を改善する
-免疫を強化する
-目の疲れを癒す・・・などなど恩恵がある。
逆に太陽の欠乏は鬱を招く(季節鬱)。私は3年間、地下室がオフィスで、冬は確かに滅入った。

日本では毛嫌いされ(されすぎ)ているけど、程よく太陽に当たるのは身体にいいんだ、と猫に教えられる。
フランス人のガンガン焼き方は非常識だけど、足して2で割るとちょうど良さそうだ。

そのフランスでも日焼けサロンはどんどん姿を消している。なんでもメラノーマ(ほくろの癌)の43%はマシンによる急速な日焼けが原因だそうで、サロン禁止にはなっていないけど、基準が厳しくなった。例えば若い人のマシン日焼けが危険なので、18歳未満お断り。
と同時に、紫外線に当たりすぎると皮膚ガンの危険、ガンにならなくても皮膚の老化を早める、という知識(ジョーシキ?)が行き渡り始め、2009年には2万人を数えた日焼けサロン従業員が、今は半分になったとか。

皮膚の老化を早める、という情報は届いていないらしく、うちの猫たちは太陽を求めて今日も走り回っている。


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ブルーライトと網膜

「網膜に穴?」
「そう、たくさん穴が開いてるんだって」と眼医者から帰ってきた娘。
「網膜剥離と違うのね?」
「違うみたい。先生が最初になんて言ったと思う?」
「なんて?」
「Merde !」

網膜裂孔。穴を塞ぐため娘はレーザー光凝固をすることになった。
網膜剥離で2度レーザーをした私が「不快だけど痛くないって。それに数分で終わる」といくら言っても、ネットで恐ろしい体験談ばかり読んで怖がっている。
「大体、あなたの年で穴が開くってのは、ブルーライトの見すぎよ」
この子は動画やテレビシリーズまで携帯で観るし、絵の修正も全部PCでやっている。レザーを怖がっているクセに画面を減らす気配は全くない。

「ブルーライトが脳と身体に及ぼす害」の図:スマートフォンのブルーライトは睡眠を乱し、記憶力を落とし、網膜を傷つける・・・

lumière-1

「目が霞んで帰れないかも」と言うので、当日ついていった。先生にちゃんと言ってもらわなくちゃ。

20年来、家族全員が通っている眼科のシロ先生は定年退職を2回伸ばし、ついにこの3月末でリタイアすることになった。
伸ばしたのは後任が見つからなかったせい。一般医でも専門医でも、若い医師が自分の医院を持ちたがらないらしい。
責任が重すぎる、経費がかかりすぎる、と、あちこちで休暇中の医師の“代理”をしている。結局、シロ先生も後任が見つからず、35年間にわたるおびただしい患者データはすべて近くの眼科医院に送られた。

その日が医院閉鎖前最後のレザー治療なので、狭い待合室にはレーザー待ちの患者さんが10人。平均年齢(娘を除いて)70歳。事前に瞳孔を開く目薬を3回さすので、
「アタシ、2回したかしら?忘れちゃった」
「手が震えてさせない!」
「みなさん、レザーの前にお金を払ってください」と看護婦さん。
「なんだ、タダじゃないのか?」
と騒々しい。
娘の番になり、10分くらいして先生とともに現れた。
「お嬢さんのはブルーライトとは関係ありません」
横で娘がニンマリ笑う。
「そんな!この子がどんな生活してるかご存知ないでしょう?」
「網膜裂孔や剥離には色々な原因があって、お嬢さんのは、言ってみれば“製造上の欠陥”」
「 セイジョウジョーの欠陥?!」
「文句があるなら製造元(つまり親)に言いなさいね。はい、次の方」
満足げな娘と懐疑的な私を残し、先生は再びレザーに戻って行った。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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