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Category : パリ雑記

2020年のパリ市長は誰?

Ifop(Institut française de l’opinion public/フランス世論研究所)の電話アンケート。
「5分しかかかりません」「じゃいいですよ」
質問は2020年パリ市長選の候補者たちについて。10人以上の候補者の名前が挙げられ「知ってる、知らない」を答える。

殆ど知らない。
知っているのはバンジャマン・グリヴォー41歳。

パリ市長候補 バンジャマン・グリヴォー
photo:LCI

エドゥアール・フィリップ内閣のスポークスマン。社会党の地方議員、ドミニック・ストロスカーン(性的暴行事件で失墜した社会党の大統領候補)の協力者でもあった。2015年からエマニュエル・マクロン陣営で、党の創立に関わった。
市長選に全力投球するため、最近スポークスマンを辞任。マクロンはまた一人、要人を失ったことに。

ラシダ・ダティ54歳。元法相、2008年からパリ7区市長。

パリ市長候補 ラシダ・ダティ
photo:lemonde

モロッコ移民の父親、アルジェリア人の母親、子供11人の次女。移民のサクセスストーリーの象徴で、ニコラ・サルコジのお気に入り。ブランド好き。去年から、このボトックス顔になった。

アンヌ・イダルゴ59。現パリ市長。

現パリ市長 アンヌ・イダルゴ
photo:le parisien

立候補はまだ表明していないけど、「出ない」とも言っていない。かなり評判が悪い。
パリから車を締め出そうとしていて(できるわけないでしょ)その一環で、パリ中心部の広場(レピュブリック、バスティーユ、ナシオン)を大改造している。バスティーユはもう何か月も掘り返して、歩道が信じられないくらい広くなりつつある。

バスティーユ広場工事

背景に見えるのがバスティーユのオペラ座

バスティーユ広場工事

イダルゴ市長はそこに花や緑があって、子供たちがスケートボードで遊んでいる、みたいなイメージなんだろうけど、勢い車道がうんと狭くなるので一日中渋滞している。
渋滞にイライラしたドライバーは信号無視しようとするので渡る時危なくてしょうがない。その上、自転車は「歩行者がいない時に限り信号無視していい」ことになり、当然「歩行者がいない時に限り」という条件はぶっとぶので、かなりのスピードの自転車が歩行者めがけて突っ込んでくる。
住民以外で怒っているのはRATP。この改造計画でバスが広場を一周できなくなる。延長した歩道の一部が、中央の”7月の塔”と地続きになるからだ。
去年の夏からパリ市庁に「ちょっと待った!」と訴えているのに返事がなく、工事は着々と進んでいる。

話をアンケートに戻して、この3人の印象を「すごくいい・けっこういい・けっこう悪い・すごく悪い」から選べと言う。
「それしか選択肢がないんですか?」とアタシ。「“ふつう”とか“無関心”はないの?」
「ないです」
というので、“けっこういい”と“けっこう悪い”になった。
「誰に投票するつもりですか?」はデフォルトでバンジャマン・グリヴォー。
質問はほかにもあって電話を切ったとき15分が経過していた。

2日後、ラジオのニュースで「2020年のパリ市長選についてIfopのアンケート結果では・・・」
バンジャマン・グリヴォーがトップだ。アタシの一票も入ってる!
でも特に彼を支持しているというわけではないのだ。個人的にはベルトラン・ドラノエ前市長が一番良かった。


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週末に友達夫婦のうちに夕食に行った。30年来の付き合いで彼らのグルメな食習慣は知り尽くしていると思っていたら、ミネラルウォーターの銘柄が変わっていた。エスプレッソマシンがなくなっていた。
「ネスレ製品、ボイコットしてるのよ」と友人妻。

ネスレが発展途上国(主に東南アジア)に乳児用粉ミルクを売り、1977年から不買運動が始まったのは有名だが、アフリカではまだ悪徳商法が続いている、と彼女。
毎年、世界中で150万人の新生児が粉ミルクのせいで死亡している、という事実にOMS(世界保健機関、英語でWHO)とUNICEFは驚いた。
ネスレの粉ミルク年商額は130憶ユーロ。ブルキナファソとトーゴの医療機関の15%には、毎年プロモーション用の粉ミルクが無料で送られてくる。
アフリカでは“欧米のライフスタイルに倣おう”というCMが多く、欧米から輸入されるものはなんでも高級だ。
母親が母乳で育てようと哺乳瓶を与えようと、子供の知的能力に何ら差がないのは科学的に証明されている。
“質より量”を選び、3か月目から哺乳瓶で育った息子と、「もう出ない!」というまで母乳を希望した娘に知能の違いは感じられない。
だから粉ミルク自体に非はないんだけど、問題は、アフリカ住民の経済的状況が欧米のそれのそれと違うという点。
貧困層は粉ミルクを水で薄めすぎるため、栄養失調で抵抗力がなく感染性の病気に罹り・・・多くは死亡する。

さらにサハラ以南のアフリカ住民の半数は飲料水がない生活をしている。
飲料水は遠くまで汲みに行くか、買わなくてはならない。

nestle afrique

それができない場合、粉ミルクを汚染された川の水で薄める・・・結果は推して知るべし。
アフリカの粉ミルクが“毒入りプレゼント”と言われる訳。

一方、母親は母乳を与えている間は非常に妊娠しにくい。排卵に必要なホルモンに授乳が影響するせいだ。
「粉ミルクに切り替えたアフリカ女性は次々に妊娠して、子供5人も養えない!ということになるのよ」と友人妻。

その日から、私もネスレ・ボイコットに参加することにした。キャピタリズムもここまでくると犯罪だ。
しかし、世界最大の食品・飲料会社ネスレはこれだけのメーカーを傘下に持ち、

ネスレ製品ボイコット

今後、このリストを持ってスーパーに行かなくちゃ・・・


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最後の授業

ナタン君は4月の初めから3か月日本に行く。
そのために段ボール会社で6カ月バイトしてお金を溜め、クリスマスプレゼントも「全部キャッシュでもらった」
Dokodemo」という日本留学支援サイトで東京の日本語学校の3か月コースに登録し、シェアハウスも見つけ準備万端。


dokodemo 日本留学支援サイト

1年半前、沈黙のほうが長かった会話もずいぶん続くようになった。
最後の授業で敬語の基本を教えたら、
「自分が“なさいます”と言ったらジョークになる?」
「なるなる」
「“召し上がりますか?”に願望を入れることができる?」
「入れてみて」
「召し上がりたいですか?」
「スバらしい!」
今は大学にも行っていないしバイトもしていないので、一日中日本語のアニメを観たり、『みんなの日本語』の総復習をしているそうで、上達するわけだ。
「お父さんとお母さんは何て言ってるの?」
「なんで日本なんだって」
「遠すぎる?」
「そう、日本で女の人に会ったらコワイって」
この文章だと日本人女性が恐ろしいみたいけど、「日本で女の人に出会って帰ってこなくなったら」を心配しているらしい。
「その場合は“コワイ”じゃなくて“シンパイしてる”」
「はい、シンパイしてる」
授業の終わりにナタン君はリュックからワインの瓶を取り出した。2010年のボルドーグラ―ヴ。
「お礼です」
「?!」
「ほんとにありがとうございます」
思いがけなくて、言葉に詰まる。
「帰ったら話を聞かせてね」
と別れたときの気持ちは、何年も前に初めて息子を日本に送り出したときのと似ているような気がした。


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エルメス傘の修理はハウマッチ?

お店を買ったのはいいけど、お客は少ない(繁盛してたら売らないものね)
それに21世紀に傘修理なんて・・・
「そこでホームページを作った。当時、私は先駆者だった」
ヨーロッパ唯一の傘の修理職人というレアさが注目され、テレビにも出演。彼のユーモラスなキャラがウケて、
「日本のテレビにも出たよ。『もったいない』という番組」
次第に外国からも傘が送られてくるようになった。

アトリエに案内してあげよう、とティエリーさん。細い階段を上ると、傘の骨や持ち手や留め具や、修理を待つ傘が溢れている。

peps atelier1

ちょうどエルメスの傘が修理を待ってた。
エルメスにはバッグ修理人はいるだろうけど傘修理はいないから、彼のところに委託される。
生地は厚手コットン、渋いオレンジ、ステッキの持ち手。傘だってエスメスだと700ユーロ近いから修理したくもなるだろう。
ティエリーは傘を広げ、情け容赦なく骨を折って総取り替え。

エルメス傘

その間も階下にお客が来ると、細くて急な階段を駆け下りていく。よく落ちないね・・・
開閉を試してから、持ち手を付けなおし、ニスを塗る。15分ほどで傘は元通りになった。
「この傘の修理はいくらですか?」と聞くと「エスメスだって他のブランドと一緒」。じゃ50ユーロ?
ティエリーははっきり答えなかった。企業秘密?

エルメス傘

傘の修理を頼むお客のプロフィルは?と聞くと、
「うーん、特にプロフィルはないけど、年齢層は高め。30代が一番若いかね。そういえばこの前、100歳のおばあさんが傘を持ってきた」
「アタシは100歳ですよ」と自慢げに言うおばあさんと入れ違いに“バービーみたいに綺麗なマダム”が入ってきた(“バービーみたい”は決して誉め言葉ではないけど)。今のご婦人100歳なんだって、と言うと、
「アラ、アタシはいくつに見えます?」とバービー。
「ご婦人の年なんか・・・」とティエリーが言うと、
「80歳!でもまだイケますでしょ」とニッコリ。

「60~65にしか見えなかった。ほんとに“まだイケます”だった」
質のいいものを買って、修理に出して長く使う習慣は、この年代の人たちで終わってしまうんだろうか?
でもH&Mのスローガン「See now buy now(そして翌年には捨てる)」は消費者団体から叩かれていたし、Retoucherと呼ばれる服直し屋はパリのどの地区にもある。
ティエリーのような職業と、おばあさんたちのエスプリが引き継がれていってほしい、と私は思うけど。


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傘修理はエコロジー!

「この前、持ち手が取れた傘の修理をお願いしましたよね。新しい持ち手が22ユーロだったでしょ。夫に話したら『それなら新しい傘が買える』って」
「22ユーロの傘はすぐ壊れて捨てる。お金払って環境汚染してるってこと」
はあ、なるほど。帰ったら言って聞かせよう。

150万本。フランス(だけ)で毎年捨てられる傘の数。
ちょっとの雨では傘をささず、子供や若い子は傘を使わないこの国でこの数。
安いビニール傘が氾濫する日本では何百万本が捨てられているだろう?
ビニールやポリエステル、金具は地面を汚染する。
壊れた傘を捨てずに修理するのが、エコロジーな行為とは気づかなかった。
私は靴も修理するのが好きで、最年長は30年前のフランソワ・ヴィヨンのブーツ。ブランドはもうなくなってしまったからコレクターものになった。
自慢はさておき。
ヨーロッパで唯一の傘修理屋さん、ティエリー・ミエ氏に興味を引かれてまた訪ねて行った。
アトリエ・ブティックはパリで一番古いパッサージュ、Passage de l’Ancre/錨のパッサージュにある。
1637年、初めての辻馬車会社が登場したのがこのパッサージュだ。

パッサージュ・ドゥ・ランクル/passage de l'Ancre

カラフルな傘が溢れる小さい店で、ティエリーさんは年間約1万本の傘を修理する。
一見、気難しそうだけど実はそうでもない。笑顔が可愛い。

傘修理ティエリー・ミエさん

傘が好きだったわけでも、親の職業を継いだわけでもない。
彼はEcole Boulle/エコール・ブールという造形芸術の学校に4年間通い、家具メーカーRoche Bobois に就職(「仕事を見つけるのが簡単な時代だったね」)。家具チェック、販売員、そして仕入れ総責任まで上った。
「給料はよかったけど、15年経って同じことをやるのに退屈して辞めた」
もったいない・・・
潔く辞めたはいいけど、なかなか仕事が見つからず、たまたま傘修理屋が後継者を探しているのを知って会いに行く。
傘修理の経験なんてない。
「傘の修理を教える学校なんてないでしょ。みんな独学」

傘修理屋さんはティエリーにごく基本だけ教え、「君は手先が器用だ。私より上手い」
Ecole Boulleでは、版画、家具作り、彫金、製本などアート/工芸を一通り教えるので、お世辞ではなかったはず。
こうしてアトリエブティックが彼のものになる。2003年のこと(続く)


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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