Category : パリ雑記

失敗は成功の母?

土曜日の午後。映画観に行かない?と娘を誘ったら、
「うん」
「何がいい?」
「ココ」
「どこ?」
ああ、ピクサーのアニメ『Coco』ね(邦題は『リメンバー・ミー』)それにしよう!
午後4時過ぎだというのにまだパジャマだった娘は急いでメイクして着替えて出かけた。

2か月半前に公開になったアニメだから誰もいないだろうと思ったら大間違いで、満席。
がっかりした私は他の映画を探したけど、娘は「ココを観るという心構えで来たから、他の映画を観る準備はできていない」
レアールにいるんだから、お店を見ようということで一致した。のはいいけど、土曜日の午後のForum des Halles/フォロム・デアル(シャレではない)は新宿駅のような混み方で、前に進むのだけで疲れる。アイライナーを探していたんでセフォラに行ったら、質問しようにも店員さんはいない、欲しい製品は品切れ。次にZARAに入ったら試着室は長蛇の列。

映画を観そこない、アイライナーも試着もダメでガックリ。どっかに座ってお茶を飲もう、でもとにかくここから出たい。
表に出て、巨大なフォラムを振り返ったら、ひとつの町のようで美しい。

フォルム・デアル

改造に何年かかったか忘れたけど、ショッピングモールが流行りにくいパリで、フォロム・デアルは稀な成功例だ。

前を見れば夕暮れの空を背にサントゥスタッシュ教会。

eglise.jpg

新と旧が隣り合ったなかなか素敵な眺めだった。
賑やかな通りを、私たちはポンピドーセンター近くまで歩いて「すごくヘルシーで抹茶ラテもある」と娘が宣伝するEXKI/エクスキに入る。
なるほどクリーンで、店員さんたちが感じよく、色々なボリュームサラダ、スープ、タルト・・・とメニューがえらく豊富。

エクスキ

キャロットケーキ(真ん中の奥)とライム入りグリーンティでひと休み。

エクスキ

その後、バスに乗らずに歩いて帰ろうと言う娘に従い、スタスタ歩いていたら、イタリアのメイクブランドKIKOがあった。閉店間際のお店はセフォラと違って誰もいない。
「アイライナー6.95ユーロ!どうしてこんなに安いの?ふつうこの2倍か3倍じゃない」と懐疑的になる私に、
「他のブランドがどうしてあんなに高いのかって疑問を持つべき」
なるほど。娘はリップペンシルを買った。
結局、前半の“失敗”を取り戻した母と娘・・・


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アパルトマン物語2

そのディディエは、入居者の出入りがあったり、苦情が出たりするとパリにやってくる。先日うちを出たら、若い女性といる彼にばったり。
「あ、Takako、こちら新しく住人になるxxさん」
xxさんを見ると、アラ、映画で見たことがある。
「お顔に見覚えがありますけど」と言うと、にっこり笑って、
「ええ、女優です」
「Takakoは長く住んでるから、わからないことがあったら聞いて」とディディエ。
自分の仕事、押しつけないでよ・・・

帰ってから、あの女優さん、どこで見たっけ?と記憶を辿ったら、マイウェンの『Mon roi/私の王様』、オゾンの『彼は秘密の女友達』に出ていたイジルド・ル・ベスコ。

イジルド・ル・ベスコ
photo:paris match

マイウェンの妹だ。確かに似てる。

マイウェン
photo:gala.fr

「ふーん」と興味なさそうに娘。
「どっちも観てない」と息子。
「王様?ルイ何世の話だ?」と夫。話にならん。

数日後、立派な自転車を押しながら帰ってくるイジルドさんに声をかけられた。
「あの、昨日、義理の息子さんに聞いたんですけど・・・」
「ギリノムスコ?!」
あ、娘のボーイフレンドのこと?
「まだそこまで行ってないですけど、それで?」
彼女は、“義理息子”が自転車を物置に入れるのを目撃し、自分のも置かせてもらえないか?と聞いたところ、私に聞けと言われたそうだ。
“娘のボーイフレンド”は日曜日にレストラン宅配のバイトをしていて、週末だけ自転車をうちの物置に入れている。
「あそこ、自転車置き場じゃなくて、段ボールが積み重なってる物置なんです。お役に立てなくて悪いけど」
20年前に引っ越したときの段ボールがそのまま置いてあるのだ。恐ろしいことに。
「みんな中庭に置いているけど、今まで盗まれたって話は聞いてませんよ」
「あ、そうなんだ。あの例えば長期で留守にするときは置かせてもらえますか?」
「ええ、その時はご相談ください」

以来、彼女は自転車を鉄策にワイヤー錠でつないでいる。
「あの電動自転車は高い。2000ユーロ以上するヤツだ」と夫。少し前から電動自転車を欲しがっているんで詳しい。
物置に置かせてくれ、と言われた話をすると、
「最近、家主組合から『自転車を中庭に放置するな』とお達しがあったらしい」
「お金取れば?一日5ユーロとか」と冗談半分に息子。

数日後、彼女が小学生くらいの男の子2人を連れて帰って来るのに出会った。
へぇー子供がいるんだ。子供の父親と別れて、一週間交代なんだろうか?
なんだかほんとに管理人のオバサンぽくなってきた・・・


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アパルトマン物語

私の住む建物にアパルトマンとスチュディオを3つも持っているディディエ、3つとも貸して自分は南仏に住んでいる優雅な方だ。
私たちが越してきた20年前はここに住んでいて、住居人組合の代表者をしていた。水漏れがあると彼に文句を言えたし、夏には中庭でアペリティフをして仲良くしていた。

“マレ最後の娼婦”と言われた60歳近いミッシェルが、スチュディオのひとつを仕事場にしていたのもその時代。
管理人のオバサンと言われていた子供たちは、数年後に真相を知り、
「掃除とか全然しないんでヘンだと思った!」
「ミニスカートに網タイツも怪しかった」

そのミッシェルが60歳で定年退職し“仕事場”を売りに出した。細長いワンルームにシャワーとキチネットの15㎡。マレの地価が高騰する前、破格の値段で「お子さんが大きくなったときにいかが?」と勧められたけど。
「”お子さん”が大きくなったら、もう少し離れたとこに住みたいんじゃない?」
「それにスチュディオの前歴にちょっと抵抗あり・・・」と私たちが話しているうちにディディエがさっさと買ってしまった。
壁のペンキを塗りなおし、家具付き(大体、この狭さだと家具もたかが知れている)で家賃600ユーロ。
今ではアノンスを出すと2日で100人の希望者、という人気物件になっている。儲ける人はタイミングを逃さないのだ。

さて20年の間に、仲良くしていた子供連れ夫婦は離婚して去り、小さいスチュディオにひとりで住んでいた人たちはカップルになって去り、ご老人は亡くなり、ディディエはすべて貸して南仏に引っ越し・・・気が付くと一番の古株になっていた。おかげで私は“東洋人の管理人のオバサン”に間違えられたりする。

新しい持ち主の殆どは、自分は他所に住み、Airbnbに登録しているので、毎週のように外国人旅行者がスーツケースを引きずってやってくる(まだ日本人にはお目にかからない)。困るのはゴミを所かまわず捨てたり、夜中まで音楽をガンガンかけて騒ぐこと。
一度ならず、パジャマの上からコートを着て文句を言いに・・・でも行く前に何語で文句を言えばいいんだろう?
「英語で言えばいいじゃん」と娘。
「今、英語で怒鳴ったけど、効き目ないのよ」
「発音悪いからじゃない」
「うるさい!イタリア語で『静かに!』って何て言うの?」
「知るか。ネットで調べたら?」

住人をみんな知っていて、「カナヅチ貸してくれる?」「うちのネコ、お邪魔してません?」などと言っていた頃が懐かしい。


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金曜の朝、セーヌ河の水位はオステルリッツ駅の地点で5.6mに達した。Vigicrue(増水予防ネットワーク)は土曜日に6.2mに達すると予言、警視庁は6mとやや楽観的。だったけど、正午にはVigicrueも6mに下げた。

パリ市内では浸水や避難は出ていないけど、ヴァル・ド・マルヌでは395人が避難、パリ近郊と遠距離郊外の1000世帯で停電している。
うちはマレで、しかも地上階。マレは沼地という意味でもともと湿地だから「やばくない?」と言うと、友達が「パリは大丈夫。セーヌがパリに入る前で洪水になるから」
パリを護るために、郊外を洪水にする・・・セーヌの水位が上がる度に流れるこの噂は、科学的には根拠がない。じゃただの都市伝説?というとそうでもないらしい。
「パリ郊外を洪水にするため、誰かが密かに水門を開けているわけではない。しかし、パリが洪水になったら被害は法外な額、何十億ユーロに上る」と、セーヌ河保護協会の会長で、議員のイヴ・ジェゴ氏。
パリの地下が浸水した場合、被害額は30~300憶ユーロ。メトロの復興作業に4~5年。旅行業界は惨憺、外国企業は他の都市に引っ越して2度と戻って来ない・・・
また、パリは地面はコンクリートだらけで雨水を吸い取ってくれる土が少ないから、勢いセーヌに流れ込む。
「だから可能な時は、パリ周囲の農村エリアで洪水にする防止対策が敷かれている」
なるほど。

2016年6月の増水の時「あと10年は起こらない」という話だったけど、地球の温暖化で、この現象が繰り返される恐れ、と言われている。「地球の温暖化はデマだ」と言い続けている大統領がいるけど。

わー!ここは公園だったのに

セーヌ川増水

川船レストランに人影はなく、セーヌ川遊覧船バトー・ムーシュも欠航になっている。

セーヌ川増水

こちらは有名な1910年の氾濫

1910年のセーヌ河氾濫

えっ!ここrue de Bac?

1910年のセーヌ河氾濫
photo:prefecture

セーヌの増水の影響で、RERのC線が31日まで不通になり、ルーヴルやオルセーは下の階にある美術品を避難、川船の持ち主たちは船が河岸に乗り上げないか心配している。

もうひとつの弊害がネズミ、うちの猫が捕まえてくる小さなネズミではなくrat/ドブネズミ!
彼らの棲み処が浸水して、ドブネズミたちが外に出てくるので「道でネズミに出会う機会が多くなる」
ギャーッ!
 「と言ってもネズミが増えるわけではない。逆に、増水は齧歯類にとって致命的になりえるので、結果的にネズミ人口(?)は減る可能性がある」と衛生&安全の専門家。
それを先に言ってよ!

金曜日の夜は雨も止み、帰り道に通ったカフェやバーは賑やかだった。

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希望は捨てず・・・

“迷える小包”を読まれて、「やっぱりフランスの郵便局はねぇ・・・」と思われるかもしれないけど、どっこい信用できるのだ。
会社から毎週郵便物を日本に送っているけど、紛失したのはこの10年で2件か3件。Carte pro/プロ・カードという優先カードを持っているので、年末の長蛇の列も突破できるし、私はこの国の郵便サービスをかなり評価している。

だから希望は捨てず、また待たされ、また同じセリフを聞くのか、とうんざりしながら再度電話をした。
「その小包はサン・ルイ島のタバコ屋に着いています」
おお、郵便局がタバコ屋に変身したことを知っているのね!でもそこにはもう行ってみたって。
「いつ行きました?」
「うーん・・・週末が入ったから4日か5日前」
「その後に着いています」
「!?」
つまり一旦着いた後どこかを彷徨って舞い戻ったってこと?
数日は行く時間がなく、やっと土曜の夜、
「小包探しに行ってくる」というと、
「開いてるの?」と夫。
「タバコ屋兼カフェだから開いてるにきまってる」

果たして開いていたけど、中国オジサンは
「郵便物?それは月曜日じゃないとできない」
「どーして?」
「だって郵便局のネットワークが正午に閉まるから、調べらんない」
今度は自分に「アホか!」という番だ。ちょっと考えれば当然だ。小包への執念で(!)私の思考は鈍っている・・・ただのオッチョコチョイなのかもしれないけど。
オジサンはがっくりする私の肩を叩き「また来なさい」

週明け。大雨の降る中、私は再びサン・ルイ島に向かう。2度あることは3度ある?いや、あのてきぱきした中国オジサンには何か希望を抱かせるものがある。3度目の正直。
オジサンの前にはタバコや宝くじを買う人が既に5人いたけど、彼はあっという間に片付け、私の不在届通知を見て、
「バスティーユって書いてある」
私も字は読めるのよ、と言いそうになるのを呑み込み、こうこうこういうわけで、再びここに着いたらしい、と説明すると、奥に探しに行った。
小包を持って出てきたオジサンを、私は抱きしめそうになった。送り主はイラストレーターの田中英樹さん、娘が東京で研修した時の先生だ。小包には12月29日に投函され、記録的なスピードで1月3日に配達され、その後20日間もパリでたらい回しになっていた。

帰りにポン・マリーを渡ったら、アララ、連日の雨でセーヌが大変なことになっている。
水に浸かった木・・・足が冷たいでしょ?

セーヌ川氾濫?

河岸に降りていく道も水に浸かっている。

セーヌ川氾濫?

小包には抹茶キットカットや抹茶ラテなど娘が好きなお菓子と、田中さんの作品集が入っていた。感激。
娘が大喜びしたのは言うまでもない。中に入っていた手紙を声を出して読み、「ホラ、日本語忘れてないよ!」 と、お菓子を全部持ち去ろうとする。ちょっと、捜索したのは私なんだから、少しコミッションちょうだいよ!


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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