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田舎の日曜日

シャンパーニュ地方の小さな駅に着くと、憲兵が5人、出口に並んでいた。やだ、身分証明書を忘れてきた、と一瞬ビビったけど、私は完全無視された。少し離れて観察していると、“白人男性”が調べられている。
一足先に田舎に着いていた夫が迎えに来た。憲兵の話をすると、
「囚人の脱走だろ」
10㎞離れた村にある刑務所から、時々脱走するんだそうだ。
物騒な話をよそに、のどかな風景。木はまだ裸だけど、春の色。

Spoy、田舎の春

庭仕事を始めた夫に「手伝おうか?」
私は“緑の手”を持っていないので断られると期待したら、
「じゃ、枯れてる枝を半分に切って」

Spoy、田舎の春

「枯れてる枝って全部枯れてるじゃない」
「今に蘇る」
ホントかね。手袋をし、長靴に履き替え、携帯の音楽をつけて切り始める。
「これ、コスモスじゃなかった?」
「知らない」
男たちが、バラ以外の花の名前を知らないのは何処も同じ。

切ったぜ!

Spoy、田舎の春

枯れ枝の中に隠れていた・・・

Spoy、田舎の春

次はリンゴの木。

Spoy、田舎の春

「枝の、三つ目の芽まで残して切って」
「ミッツメノメ?せっかく伸びたのに可愛そう・・・」
「切らないと葉ばっかりで実が生らないんだ」
と言われて心を鬼にして全部切った。
庭のリンゴは見かけは不細工で、甘みの少ない“営業用”じゃない味。
夫が子供の頃はもっと盛大にリンゴの木があって、義父はシードルを作っていたそうだ。

私が切ったんだから沢山実をつけてくれ!

Spoy、田舎の春


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8月の長い週末:フォアグラとカモの町

「すごく美しい町」「絶対行くべき」と言われたサルラはフィジャックから150㎞の町。
朝市があるから間に合うように、と早起き(8時半!)したら、雨降りだった。今年の夏、私は雨女だ。

サルラ-正確にはサルラ・ラ・カネダ/Sarlat la Canéda-は、ペリゴール地方、正確にはペリゴール・ノワールの町。
ペリゴールと言えばトリュフ、フォアグラ、カモ・・・13世紀の建物もある旧市街は確かに美しいけど、バカンス客が溢れ、朝市はフォアグラとカモだらけ。どっちも好きじゃない私はどーする?

サルラの旧市街

サルラ朝市 フォアグラ、カモ

フォアグラやカモのコンフィは真空パックと缶詰もある。子供たちに買おうと思ったけど、真空パックは要冷蔵、缶詰はパリにもあるので諦める。
飴色の液体はクルミのオイル。エンダイヴやマッシュルームのサラダに美味しいというので買った。料理には使えない(加熱しちゃいけないってこと)そう。

サルラ朝市 フォアグラ、カモ

「この辺一帯に可愛そうなカモたちが飼われてるのね」と言ったら、「アメリカ人みたいな発言をするな」とジャン=ルイ。
身動きのできないカプセルホテルみたいな檻に入れられ、チューブでエサを流し込まれる・・・拷問じゃない。
日本の鵜飼いの鵜は、首に巻かれた紐のせいで、アユを呑み込めない。鵜匠はそれを吐き出させてアユ漁をする。
日本の鵜とフォアグラになるカモとどっちかになれ、と言われたら、私は迷わず「ウ!」と答える。

市場を取り囲むレストランは揃って、フォアグラ、カモの足のコンフィ+ジャガイモのサルラデーズというメニュー。カモの脂で薄切りのジャガイモをソテーしたポム・サルラデーズは子供たちの大好物。“サルラの”という形容詞だったのね。

パリはパリジャン、パリジェンヌ。リヨンはリヨネ、リヨネーズ、ニースはニソワ、ニソワーズ。町の形容詞形はそこの住民を表す単語でもある。クイズにもよく出るのが「モナコの住民は?」「モナコワ?」「はずれ!」正解はモネガスク/Monégasque。

フォアグラ、メロン、カモのコンフィ、ジャガイモのサルラデーズ、カベクー(チーズ)と地元名産オンパレードの一皿が15ユーロ(安い!)デザートの名物はクルミのケーキ。

ペリゴール料理

つまり恐ろしく高カロリーなものを食べているのに、この地方の人たちは太っていない。これぞフレンチ・パラドックス。


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フィジャックにはシャトー・ヴィギエ/Château Viguierというお城がある。
2008年、ロト(宝くじ)で1000万ユーロ(約11.5億円!)を当てた男性が、700万ユーロでこのお城を買い、改装工事をして4つ星高級ホテルをオープンした。部屋は当時で299ユーロ~699ユーロ。


シャトー・ヴィギエ、フィジャック

シャトー・ヴィギエ、フィジャック

この男性、ダヴィッド・フェーヴルは、ホテル業はシロウトで、「高いクオリティとおもてなしを提供すればお客は来る」と信じていた。場所がパリでもニースでもなく、フィジャックということを忘れていた。サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼者たちの多くは、ジットと呼ばれる簡素な宿泊所に泊まり、フランス人はケチだ、ということを忘れていた。

結果、ホテルはガラガラ・・・フェーヴルさんは外国人をターゲットにすべきことに気づき、NY、東京、モスクワの旅行サロンに赴き、ネット上での宣伝にもお金をかける。「日本人が大勢来た」そうだけど(本当かな)長くは続かなかった。客室稼働率は最高で25%(自称)。
2010年、2年足らずでホテルは扉を閉め、売りに出された。売値は790万ユーロ。
しかし、2年間の間、フェーヴルさんは、“この町で高級ホテル経営は失敗する”を実証したようなもの。買い手はつかない。値段は少しずつ下がり、2016年、半分以下の320万ユーロに。でもまだ売れていない。1000万ユーロの残りはとっくに底をついているだろうに・・・

突然、巨額の富を手にし、通りがかったお城に“一目惚れ”すると、こういうことになる。
市場からの帰り道、義妹が「ほら、あれがシャトー・ヴィギエのオーナーの車よ」と言うので、振り返ると、とんでもないペインティングをした赤いクリオ。残念ながら、フェーヴルさんの顔は見えなかった。


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8月の長い週末:フィジャック

フィジャックは、南西フランス、ロット県にあり、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路にある町(ピレネー山脈を越えて、キリスト教の聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラに至る巡礼。フランスだけではなく、世界中から巡礼者が通過する)。
パリから車で8時間かけてやってきたのは、巡礼者と一緒に歩くためでは全くなく、義弟夫妻に会うため、彼らが始めたションブル・ドット(民宿)を訪ねるためだ。

夫の弟、ジャン=ルイは、もと弁護士。有能だったのに、遊び好きで稼いだお金を全部使ってしまい、税金を払わなかったりして、弁護士を辞め(させられ)、ドーヴィルの近くでクラブを経営を始めたが、飲みすぎと過労(夜更かし)で黄疸になった。

独身で、“正規の彼女”は数年ごとに変わり、並行して一時的な恋人もいた。ある夏など、2人の彼女に、同じ日にバカンスに発つ約束をして、出発当日、実家に隠れるはめに。お母さんが「さあ、どこにいるんでしょうね・・・」と電話応対をさせられた。

50歳のとき、かって弁護したコルシカ女性(未亡人)と一緒になり、パリにコルシカ料理のレストランを開く。プラザ・アテネにいた料理人をシェフにして料理は美味しく、開店翌年にはミシュランにも掲載されたのに・・・従業員の雇いすぎ(つまり、働かなすぎ)で大赤字になり閉店。
2年前、フィジャックに家を買って、ションブル・ドットを始めた。もと弁護士だから口が達者で、話が面白く、サービス精神があって接客業には向いている。しっかり者のコルシカ・マダムが同じ失敗を繰り返さないように目を光らせ、今度はうまく行っている。

セレ河のほとり、13世紀から15世紀の建物が多い。人口1万人の町、フィジャック

フィジャック

“民宿”という名称が似合わない立派な民宿。4階建て400平米の建物を38万ユーロで買った、という信じられない話。パリでは20平米のスチュディオの値段だ。

フィジャック、ションブル・ドット

最上階の部屋はバスタブが部屋の中にある。カップル向き。一泊朝食つき85ユーロ。

フィジャック、ションブル・ドット

この風景を見ながらお風呂に入れる!

フィジャック、ションブル・ドット


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8月の長い週末:ベルリン VS パリ

その大きさ:ベルリンは、どこまで行っても、“ここは郊外に違いない”という風景になっても、まだ市内だ。パリの8倍の面積、と聞いて納得。東京がパリの7倍と言われるから、初めて負けた。

メトロ&電車:改札というものがない!駅構内に入り、そのまますーっと電車に乗れてしまう。みんな月間とか年間パスを持っているってこと。持っていなくても乗れるから、それだけ無賃乗車が少ないってこと?信頼関係の国・・日本みたい。
パリでこれができるだろうか?パリ郊外でバスに乗ってチケットを買おうとしたら、運転手さんにびっくりされたことがあった。
旅行者は一日か一週間の周遊券を買い、最初にのるときタイムレコーダーで日時を入れる。グルグル回っているRingという線があって、右回りか左回りか確かめて乗らなくては。山手線のベルリン版。

道中ビール:ビール瓶を持ってメトロ&電車に乗ってくる人が多い。特に若い男子。時々一口ずつ飲んでいる。ぬるくなって美味しくないだろうに。余計な心配。彼らはアルコール依存症ではなく-確かにそうは見えない健康的な若者たち-“道中のビール”という習慣なんだって。酔いつぶれている人はひとりもいなかった。

電車で出会ったバチェロレットパーティ(独身さよならパーティ)の一行。ポンッとシャンパンを開けて飲んでいた。結婚するのは誰だ?
ベルリン電車

自転車:歩道に自転車レーンがあり、かなりのスピードで自転車がぶっ飛んでくる。よく見ると、地面に自転車の絵、でも慣れないと危ない。2度、危うく正面衝突しそうになった。

信号:ドイツ人は信号を守る。車が来ないんで赤で渡ろうとしたら、隣にいたおじさんに叱られた。よく考えると、こっちがふつうであった。

食べ物:ドイツと言えばソーセージ、シュークルート・・・夫は以前来たとき(壁ができる以前)の思い出、ヴァイスヴルストというソーセージを食べたいとうわ言のように言っていたけど、ドイツ料理のお店はどこにもない。イタリアン、フレンチ、メキシカン、日本、中華、オーストラリアン(カンガルーのステーキ!)、アルゼンチン(肉料理)、ギリシャ・・・となんでもあるのに、ドイツだけない。仕方なく私たちはイタリアンとか中華を食べた。食費はパリに比べて安い。一皿の量が1.5~2倍くらいある。

失われたソーセージを求めて。見かけはブーダンブランに似ているヴァイスヴルスト。

ドイツ ソーセージ


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから20年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書2冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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