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ローラン・コンテの『Entre les murs』が61回目のカンヌ映画祭のパルム・ドール。87年、モーリス・ピアラの『Sous le soleil de Satan』が取ってからなんと21年ぶり。開催国の名誉挽回 !
『愛の賛歌』のマリオン・コティヤールがアカデミー主演女優賞を取るし、『Bienvenue chez les ch’tis』が仏映画史上最高のヒットになるし、2008年はフランス映画の当たり年だ。

さて受賞作『Entre les murs』は、パリ20区の中学校に赴任した若い教師と、反抗的な4年生(13歳~14歳)の生徒たちとの“戦い”の物語。審査委員全員一致で決まったそうで、審査委員長、ショーン・ペンは「アメージング!」と繰り返し、目が潤んでいたという噂も。

ドキュメンタリーすれすれのこの作品は、教師役だけが俳優で、生徒たちはみんなシロウト、初めて映画出演を体験した。
パルム・ドールを授与するために現れたのは、ロバート・デニーロ。さすがに会場がどよめいた。映画初出演の子供たちにとってデニーロからパルム・ドールを渡される感激はいかに!

“Entre les murs”は、“壁の間”“閉じ込められて”という意味だけど、イギリスのプレスは“the class”と訳していた。フランスでは10月に公開になる。

61回カンヌ映画祭特別賞は『Un conte de Noel/クリスマス物語』のカトリーヌ・ドヌーヴ、『Exchange』監督のクリント・イーストウッド、映画界の長老(?)2人が受賞。
カンヌ映画祭公式サイトはこちらです。
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噂のサブレを食べてみた。

sable

フランスの子供は(大人も)スーパーに並んでいる甘いクッキーやサブレをよく食べる。私も子供たちのおやつによく買う。すこし前から静かなブームになっているのが、ミッシェル&オーギュスタンの“丸くて美味しい”プチサブレ・シリーズ。人気の理由は新鮮・厳選の自然素材を使っていて、保存料・添加物が入っていない。それと丸いサブレが6つ入った立方体の箱が可愛くて、おやつにちょうどいいサイズだからではないかと思う。フランス人って、大きい箱をペロリとひと箱食べちゃうものね。これだと食べすぎない。厳選素材だけに高めのこのサブレは大人の女性にもウケているようだ。モノプリ、ボン・マルシェのグラン・エピスリー、ラファイエット・グルメなど、クオリティを売りにしたスーパーで売られている。

2003年、ミッシェル&オーギュスタンは突然脱サラを決め、ネクタイの代わりにエプロンをしめ、パティスリーの本を読みまくり、それぞれのおばあちゃんにも手伝わせて秘密のレシピを見つけ出した。3種類(塩バター、チョコチップ、バニラ)でスタートしたプチサブレ、今ではアーモンドとヘーゼルナッツ入り、そば粉、キャラメルシュガー、オレンジの花など種類が沢山。あまり甘くなく、固めの歯ざわり、素朴な味だ。塩味も登場。私が今、味見しているのは唐辛子入り、お酒のおつまみに良さそう!

さて、パトリックという知人が、日本に向けたオンライン・ショップ、アマギーズを立ち上げた。品物が見る見るうちに増えて、大したもんだ。1周年記念だそう。ミッシェル&オーギュスタンのサブレも売っている。

日本はクッキーというと有名メーカーの“クッキー詰め合わせ”が思い浮かぶけど、このサブレ、日本でもウケるだろうか・・・?

2008年バカロレア

site bac

今年、バカロレアの筆記試験は6月16日~20日。
文学バカロレアの場合、哲学4時間、地理・歴史4時間、第一第二外国語各3時間、文学2時間がこの5日間に振り分けられる。

哲学の試験は、題が出てそれについて自分の論理を展開する。今までの模試では、『仕事は人間にとって生活手段以外の意味を持つか?』とか『無意識の存在を証明できるか?』とか、親まで頭を抱えたくなるような題だった。
自分の独断や偏見を4時間かかって綴るだけなら、口の減らないフランス人はできるかもしれない。でもここでは、労働や無意識に関する考え方の変遷や、代表的人物(マルクスとかフロイト)の見解も説明しなければならない。哲学はバックの中で一番頭の痛い科目だ。

筆記試験に先立って、オプション科目の口頭試験が、5月14日にあった。
息子のジュリアンは日本語で、彼の親友はラテン語だった。
日本語の試験は、5つテキストが提案されていて、その中のひとつを試験管が選び、読ませて質問するという形式。
テキストは、フランス人留学生の日記、相撲の歴史、昔話(かさ地蔵)、コーヒーの働き、友達をエイズでなくした女子大生の手紙の5つで、なかなかバラエティ豊か。
ジュリアンは『相撲の歴史』にあたり、「相撲は日本人にとってどんな意味を持つか、他のスポーツと比較して答えよ」という質問だったそう。テキストには書かれていない、日本についてジェネラルな知識を必要とする質問。
「なんて答えたの?」と尋ねても、はぐらかして答えないので、結果がお楽しみ・・・

ラテン語の口頭試験を受けた友達は「試験管は優しかった。6年間、やっかいな言語を勉強してきたことを評価して、点を取らせようとしてくれた」
息子は2年でラテン語を投げ出した。「どの外国語でも文法を覚えるのが面倒、でも外国の人をコミュニケーションができるという楽しみがある。ラテン語は面倒なだけで、誰とも話せない」という理由。でもイタリア語やスペイン語などラテンルーツの言語を学ぶには役に立つ。日本人にとっての漢文、という位置づけだ。
オプション試験が終わると、本番の筆記まで1ヶ月。”最後の直線距離”なんだけど、ジュリアンからはその緊張感が全然感じられない。
上は「2008年BAC、これが出る」とヤマをかけているサイト。
bac

大学入学資格試験。日本では各大学に固有の入学試験があるけど、フランスでは全国共通の試験、バカロレアがあって、合格点に達すればどこかの大学に入れる。と、簡単にいうとこうなんだけど、実はこれほど簡単ではない、ということが最近、判明してきた。自分の息子があと1ヶ月で、この試験を受けるからだ。

まずバカロレアには一般・テクノロジー・プロフェッショネルの3種類ある。技術屋やアーティスト、家具作り、服やアクセサリーデザイン・・・などに進む人以外は一般バカロレアを受ける。受験生の約53%がこの「一般」を受ける。

「一般」には、サイエンス・文学・社会経済の3種類があり、それぞれ試験科目と採点係数(Coefficient)が違う。
サイエンスバカロレア(“バック S”と省略される)は日本の理数系で、数学、物理・化学、自然科学などがメイン。そこに全部のバックに共通のフランス語(つまり国語)、歴史、哲学、外国語(2つ)が加わる。バックSでは理数系の科目の採点係数が高く、6掛けから8掛け。つまり理数系で平均以上いけば、歴史や外国語でドジっても受かるようになっている。

つぎがバックLと呼ばれる文学バカロレア。哲学の係数が7掛けと高く、フランス語、外国語も他のバックより重要視される。オプションでラテン語、第3外国語、数学などを選ぶ。息子は日本語のオプションをとっている。

バックESと呼ばれる社会経済バックは、経済学、社会学、そしてなぜか数学が重要視される。でもバックESは採点係数がどんぐりの背比べで、おしなべて平均以上取らなくてはいけない。

以上3つのバカロレアの受験者の比率は、息子の高校でSが70%、ESが20%、Lが10%とサイエンスバックが圧倒的に多い。これはSが「つぶしがきく」からだそうで全国的な傾向。女の子でもSを選ぶ人が多いのは驚きだ。
(続きは明日)

150周年のイベント

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2008年は日仏友好150周年、ジュエリーブランド、ブシュロンの創立150周年でもある。後者は、記念のイベントとして英・仏・日本語のブログ・コンテストを企画していて、その説明会がヴァンドーム広場の本店であった。集まったのはイベント企画会社やブログ・エージェンシー、そしてブロガーの人たち。私は日本部門の審査員になったので招待状をもらった。

最初にメゾンの担当者から「今夜のメニュー」が説明される:8人ずつ3つのグループに分かれ、『貴石の鑑定法について』『オート・ジョアイユリー』『ジュエリーのデッサン』について勉強していただきます。順番にこの3つのアトリエに参加してください。全部終わったら、シャンパンが用意されています。
3科目、お勉強しないとシャンパンにはありつけないというわけ。

まず、貴石の鑑定法は、ブシュロンで20年以上、貴石の買い付けをやっているムッシューが解説してくれる。まず「貴石と呼ばれる石はいくつありますか?」という質問。「60?」「そんなにない、20?」・・・正解はダイアモンド、エメラルド、サファイア、ルビーの4つだけ!彼は大きさやカットの違う4つの貴石を見せて、その優劣を説明してくれる。実は、どれも同じに見えるんだけど・・・「一年に何kg貴石を買いますか?」という質問に「1kgにも達さないことが多いけど、初めて5kg近くあるエメラルドの塊を買った」。指輪が何百個できる?

次はオート・ジョアイユリー。1点もののオーダーメイドジュエリーが何点も登場して、触ったり、試したり、値段を聞いたりできる快適なアトリエ。男性まで、シャツの襟をはだけてダイアモンドのネックレスを試していた。

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「このまま帰ろうかしら・・・」

最後はデッサンのアトリエ。4ツ切りくらいの画用紙にブシュロン得意の動物リングのデッサンが並んでいる:ハリネズミ、フクロウ、カメレオン、カエル、カメ、こうもり・・・この中の2つを組み合わせて想像上の動物のリングをデザインせよ。時間は20分。
ブティックの上にある図書室と呼ばれる部屋はシーンと静まり、鉛筆を動かす音だけ。試験会場みたいだ。私はハリネズミとフクロウを合体させた。子供の絵みたい!出来上がったデッサンを持って帰ろうとしたら没収された。恥は残したくなかったのに。

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みんながアトリエを終了したのが10時近く。たくさん学んだあとのシャンパンはまた格別!
しかし、ブログ・コンテストがどのように行われるか、まだよく理解していない私。



プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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