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盗聴器から予期せぬ事実

「母親がぼけていて、度々ゆすられたり強要されて人にお金をあげている」ことを証明しようと仕掛けた盗聴器の会話から、予期せぬことが発覚した:現労働相のエリック・ヴァルトの奥さんが、リリアンヌ・ベタンクールの財産管理をやっている。
エリック・ヴァルトは昨年まで予算相で、政府の政党UMPの経理担当でもある。
一言でいうと、政府がリリアンヌ・ベタンクールの“申告忘れ”や“財産隠し”を助けていた、という疑惑だ。
その上、ベタンクールがUMPに献金していたこともバレた。

エリック・ヴァルトとその妻
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母と娘の財産争いから、政府にとって致命的なスキャンダルに発展。
野党はすぐこれに飛びついて、VERTS(緑の党)のノエル・マメールは「国家の頂点にいるイカサマ師たち」と罵り、社会党もヴァルトの辞任を要求している。
エリック・ヴァルトはマダム・ベタンクールが「5万人いる献金者の一人」であることは認めたが、その他の疑惑は全否定。
「咎められるようなことは何もしていない」
この暴露で、ベタンクールの財産管理を辞任した奥さん、フロランス・ヴァルトについては、
「彼女は自分の仕事を真面目にやっていた。この事件の犠牲者だ」

しかし、ベタンクールがスイスの口座に7800万ユーロを隠していたことや、セイシェルのアロス島(5億ユーロ)が彼女の名義で、申告漏れになっていたことが次々に発覚する。
「そんな島は聞いたことがない、どこにあるのかも知らない」とヴァルト。
その昔、日本では「記憶にありません」というのが流行ったっけ。

さてこの困った渦中に、サルコジは“不況下の国民と団結を強めるために”自分の給料を下げ、7月14日恒例のエリゼ宮ガーデンパーティを中止すると発表した。ほかのニュースを発表して、スキャンダルから目を逸らせようとする、よくある手だわね。

一方87歳のリリアンヌ・ベタンクールは、心労で寝込んでいるとか。無理もない。


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大富豪・愛人・盗聴器・・・

事実は小説より奇なり。推理小説よりずっと面白いスキャンダルだ:
リリアンヌ・ベタンクールはロレアルの相続人で、その財産は世界長者番付17位、140億ユーロ(ここまでゼロが多くなると計算に自信がないが、1兆6800億円)。
87歳という年齢は(いくらロレアルでも)隠せないが、ご覧の通りエレガントでまだ魅力だ。

Liliane-Bettencourt.jpg

彼女にはフランソワ=マリー・バニエという25歳年下の愛人がいる。写真家で著書もある。
この愛人にリリアンヌ・ベタンクールが800万ユーロ(9億6000万円)貢いだのを娘フランソワーズが知り、母親が耄碌しているのにつけこんだとしてバニエ氏を訴えた。1年半前のこと。
母のほうは「私は全然ぼけてなんかいない。自分の意思でプレゼントした」と主張、傍目にもぼけているようには見えないのだ。
娘と、母の愛人バニエ

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公判が7月1日から始まろうというとき、娘が、母宅の会話を盗聴したCD 28枚を裁判所に提出した。
2009年5月から1年間、盗聴器を仕掛けて録音したもので、「母がぼけていて、度々ゆすられたり強要されてお金を-特に愛人バニエに-あげていることの証拠」としてだ。

盗聴されていたヌイイーのリリアンヌ邸
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財産をめぐる諍いは珍しくないけど、その桁外れの額と、母と娘が公に争うことで注目されていた。
盗聴器は、娘の執拗さと敵意をさらに浮き彫りにする。
140億ユーロもあるんだから、母親が人生の黄昏時に最後の愛人に貢いだっていいじゃない!
娘は今年60歳。生きている間、利子だけでも超贅沢ができるお金があるんだから・・・

反面、税金もすごいはず。裁判に向けて、リリアンヌと愛人の財産を調べていた税務署は、スイスに隠し預金7800万ユーロがあることを嗅ぎ付けた。さらに彼女名義のセイシェル島の島(5億ユーロ)も申告漏れになっているのが発覚した。

・・・あんまりゼロの多い金額を書いていたら、頭痛がしてきました。この続きはまた書きます。


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本来は、ビジネスクラスに改装されたエアバスA310-3009(右)で、シャルル・ドゴール空港に着く予定だったフランス代表チーム。急遽変更され、ローコストのEuro Airpostという、聞いたことのない航空会社のボーイング(左)でブルジェ空港に到着、報道陣から逃げるように別の飛行機や車で去っていったとか。
サルコジ大統領に会見を申し込んだティエリー・アンリはまっずぐエリゼ宮へ。何が話されたかは極秘だ。

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南アとの試合に負けたとき、ドメネク監督が南アの監督と握手しなかったことは、アネルカの暴言以上に批難されているし(この親にしてこの子あり・・・)、選手たちが練習ボイコット直前に、「ボイコットしないほうがいい」と主張する少数派と口論になり、殴り合いになりそうになったこともバレて、風当たり強くなるばかりだ。

不満をぶつけようとブルジェ空港で待ち受けていたファンの一人は、
「選手たちはいいクラブのいい環境でプレイし、目から火が出る月収を取り、スター扱いされ、国をあげての応援で南アに発っていったのに、このザマは何だ。吐き気がする」

ところで、一体いくら稼いでいるんだろう・・・?
筆頭はポルトガルのクリスティアーノ・ロナウド、25歳で月収108万3000ユーロ(約1億2000万円)。

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この額はサルコジ大統領の月収の47倍。
手取り月収1500ユーロの平均的フランス人がコツコツ56年かかって稼ぐ金額だ。
フランク・リベリーはバイエルン・ミュンヘンの契約更新で年収1000万ユーロ(約12億円)。
ティエリー・アンリは月収60万ユーロ(6600万円)。

この額は、CM出演料やキャラクター商品の印税を入れない、純粋サラリーだ。
選手たちの多くは、“恵まれない”地区でスカウトされたサッカー少年で、20歳そこそこで超高額の給料を取るようになった人たち。金銭感覚や価値観がおかしくなるのは当然といえば当然だ。

「大人の身体に子供の精神、大臣の給料」
という一ファンの言葉はすごく当たっている。

ワッ今、日本がデンマークに勝った!

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というのが22日の雰囲気だった。もうこれ以上、世界に恥をさらすな・・・

フランス選手の態度について意見を求められたジネディーヌ・ジダンは、アネルカ追放に抗議した練習ボイコットを批判。
「自分がキャプテンだったとき、監督が決めたチーム構成に口出しをしたことはなかった。指揮官の決定に選手が介入するべきではない」そして、「この件を忘れるためには対南アの試合に勝つしかない」・・・余談ですが、そのジダンの顔に私は見とれたわね。目が綺麗で、2mmの“無精ひげ”がかっこいい。

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一方、選手たちと話した健康・スポーツ相のロズリーヌ・バシュロは、「これからはすべてが今までとは違ってくる」
つまり今度の事件は根が深くて忘れられるものではない、と深刻な表情で語っていた。

試合当日の朝行われたアンケートで、「フランスは負ける」と答えた人が95%。
この惨憺たる結果は“選手のせい”と答えた人が、“監督のせい”と答えた人を少し上回る。
でも勝ち負け以上に、超高額の収入を得て頭でっかちになり、スポーツへの尊厳を忘れた選手たちへの怒り。
さらに中道派のフランソワ・バイルウはじめ、お金第一ですべてがお金に追従するフランス社会のせい、と政治・社会問題に発展している。

結果はご存知の通り。“多分最後”のpeut-êtreが試合半ばで落ちた。神風が吹くことを祈ったファンたちもしらけた顔。「力を尽くして戦って負けた」のではない、後味の悪い敗北だ。

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昨日のQUICKに次いで、フランス選手をテレビCMに使っていた銀行CREDIT AGRICOLEも、イメージダウンにしかならない、とCM放映をストップ。
“おうちに帰って”も監督と選手たちには厳しい批難が待ち受けている・・・


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サッカーファンではないし、ルールだってよくわかっていないけど、日本とフランスが出る試合は観る、くらいの興味はある。
今回のフランスチームのまとまりのなさと醜態は、ファンじゃなくてもウンザリだ。

対メキシコ戦で、バラバラのプレーで2-0で敗れ-選手一人一人のエゴが強すぎてチームとしてまとまれない、とはジダンのコメント-その上、この試合のハーフタイムで、ニコラ・アネルカが、レイモン・ドメネクを凄いセリフで罵った。
文字通り訳すと「オカマ掘られてこい、卑劣な娼婦の息子め!」
念のため、ドメネクは娼婦の息子ではなく、これは極めつけの侮辱言葉だ。
日本語でこれに相当する罵り文句なんてあるだろうか。

その上、アネルカがドメネクに謝るのを拒んだため、チームから除外され、フランスに送り返されることに。

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その後の記者会見で、キャプテンのパトリス・エヴラが、
「問題はアネルカの暴言ではなく(?!)、それをメディアにばらした裏切り者がチームの中にいることだ」と発言。小学生の喧嘩(先生に言いつけたヤツは誰だ?!)みたいなことになってきて、さらに日曜日に予定されていた練習を選手全員がボイコット。アネルカの左遷に抗議してだ。

・・・ということを当然世界中のジャーナリストが書き立て、とうとうもう一人のニコラ(サルコジ)も、国の恥、と黙っていられなくなった。。大統領の要請で、スポーツ相ロズリーヌ・バシュロは予定より滞在を延ばして、火曜日の南アとの試合まで残り、フランスチームに「尊厳と責任感」を思い出させるとか。

このスキャンダルで、ニコラ・アネルカが出ているハンバーガーチェーンQUICKのCM(ワールドカップ特別編、いくらもらったことやら・・・)は打ち切りになる。

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こういう批難ごうごうの中で、最後のチャンスを賭けた明日の試合。選手たちのプレッシャーはいかに・・・
勝ち負けはともかく、少なくとも尊厳のある試合をして欲しいもんだ。


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暇なのは美徳?

日本語教授法の研修で、実際のクラスを見学した。
先週、見学したクラスは男性4人、女性1人、今回は男性6人のクラス(女性は2人いるけど欠席!)。
日本語を習いたい人は男性のほうが多いってこと?フランス語を習う日本人は圧倒的に女性が多いが、日本語がその逆だったら面白い。調べてみよう。

このクラスの6人の男性は30代1人、50代1人、あとは20代。20代のうち2人はオタクっぽい。
今年の一月に「あいうえお」から習い始めた初心者たちだ。
最初にディクテ(いっしょにお酒をのみませんか?ええ、のみましょう)をやり、その後は、絵や写真を見ながら、形容詞の復習をする。
高い、大きい、遠い・・・などを「い形容詞」と呼び、きれいな、有名な、ひまな・・・を「な形容詞」と呼ぶ。
後者は「形容動詞」と学校で習ったけど、形容詞なのか動詞なのかわからないまま、これまで生きてきた。
「な形容詞」のほうがずっとわかりやすい。

例えば桜の写真:さくらはきれいです。銀座の写真:にぎやかです・・・まではみんなの意見が一致するが、次はジョニー・アリディの写真。先生が「ハンサムですか?」と尋ねると、ぷっと吹き出すヤツまでいて、「有名ですが、ハンサムじゃありません」(賛成)
サルコジの写真では「わるいです」という発言があり、「よくありません」「ときどきいいです」という人もいて政治論議になりそうだ。

そのあとに、形容詞をひとつずつ書いたカードが配られて、それを「ポジティヴ」「ネガティヴ」「どちらでもない」のグループに分けなさい、というのをやった。
研修生も手伝ってあげてください、といわれ、生徒さんの間を回って分け方を観察すると・・・「高い(金額が)」をネガティヴに入れている。
「でもサラリーが高い、はポジティヴなことじゃない?」というと、うーん、という顔になり、
「日本人とフランス人ではお金に関する考え方が違う」と言い出す。
「ひまな」をポジティヴに入れている人が多い。

分け終わったあと先生が黒板に書いていき、果たして、
「え?高いのはよくないことですか?」
「高いカメラ、高いアパート・・・よくないです」と誰かが答え、うんうんとみんなうなずく。
「自分で高いカメラを買うのはネガティヴだけど、人から高いカメラをもらうのはポジティヴでしょう?」
と先生がいうと、みんなそうだそうだと賛成する(ケチ!)。
日本人やアメリカ人だったら自分で高いカメラや自動車を買うのは、経済力があるってことでポジティヴと思うんでは?
この辺り、考え方の違いが出て面白い。

「ひまな」はみんながポジティヴ、「忙しい」はネガティヴだ。
「でも『忙しい』ってことは仕事がたくさんあるからで、いいことじゃない?」と先生。
誰も賛成しない。うつむいてニヤニヤしている。
仕事を必要悪と思っている(人が多い)フランス気質と、仕事は美徳の日本気質のコントラストがくっきり。

でも『忙しい』という字は“人を亡ぼす”と書くから、元来よくないことだったんだろう。忙しすぎると、人は大切なことを忘れていく気がする・・・もうすぐバカンスだ!


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明日の運命と下着の関係

3ヶ月ぶりで事務所に行った。
まだarrêt maladieという、仕事をしてはいけない身分だけど、会計士からコレコレの書類を探して来いといわれたのだ。
事務所はチュイルリー公園から5分という好ロケーションだけど、6階でエレベーターなし。元気なときでも疲れる階段を、一歩ずつ10分くらいかけて上る。

夕刻で誰もいない部屋の私の机には、うっすら埃をかぶったキーボード、請求書や書類、ガムの箱、送られてきたコスメの試供品・・・私が出て行ったときのままの姿。
2月末の金曜日、休暇の前の日、机の上をざっと片付けながら、1週間後にはここに戻ってきて、いつものように仕事を続けることを疑わなかった。

明日、何があるかわからない・・・
まだ西日の射す机の前で、しばし哲学的になるワタシ。

・・・ということを、帰ってから娘に話したら、
「あたしもそう感じた」
私が怪我をした翌日、借りたステュディオを引き払いに夫とスキー場に戻ったとき、
「コーヒーカップや果物が、朝、出たときのまんま。お昼には戻ってきてテレビを観ながらご飯を食べると思っていたのに」

そうだよね、人間、一瞬先は何があるかわからない。じゃどうすればいいの・・・?
「下着はいつもきれいなのをつけていたほうがいい」
およそ哲学的でないセリフが私の頭をよぎる。

病院に担ぎ込まれたとき、痛くて脱がせられなくて「下着を切りますよ」とお医者さんに言われた。
「どうぞ切ってください」と答えつつ、「どんな下着を着てたっけ?洗いざらしのあのボディだったらヤバイ・・・」と一瞬思ったのを思い出す。
毎日を大事に過ごす、のはもちろんだけど、下着のことまで気をつけなければならない。女は大変だ。


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違法滞在・強制送還・サルコジ・・・・

2067年。60歳くらいの女性が思い出を語るところから映画は始まる。
「あれはたしか2009年のこと。私は小学生で、当時は同じ年齢の子供を集めた30人くらいのクラスで勉強していたの・・・アラ、当時の大統領は誰だったかしら?」

時は2009年に戻り、ここはパリ18区。
ブレーズ、ミレナ、クラウディオ、アリ、ユーセフはCM2(小学校の最終学年)の仲良し5人組、これにブレーズの妹アリスが加わって、いつも一緒に行動している。ある日、ユーセフの両親が不法滞在であることがバレて、一家は強制送還されてしまう。
サルコジの「不法滞在者27000人を年内に送還」というお達しで、バシバシ摘発が行われているのだ。
ミレナはチェチェン人で母親はやはり不法滞在者、ブレーズたちはミレナを摘発の手から護ることにする。
「今から僕たちとずっと一緒にいること。君は僕の“妹”だ」とブレーズ、実はミレナに恋心を抱いている。

右からブレーズ、ミレナ、小さいアリスがすごく可愛くて利発。

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ブレーズとアリスの母親(ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ)は、ミレナを自分のうちに一時引き取ることにする。
母親の了解を得て、バカンスもブレーズ一家と一緒に過ごすミレナ。
自然の中を駆け回り、川で泳ぎ、寝る前にとりとめもなくおしゃべりする・・・初めての体験する“夏休み”。
ミレナは幸せだ。「あたしだけ幸せで、お母さんに悪い」と思うくらい。
でもパリに戻ると、不法滞在者摘発はさらに強化されていて、子供たちは“地下に潜る”ことを決める・・・

ロマン・グーピルの新作『Les mains en l’air』(手を上げろ)はこんな物語。

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政治的メッセージがある作品なのに、子供たちの視点で描かれているのでお伽噺のようだ。両親の離婚をテーマにした『ユキとニナ』も子供の目で語られていてお伽噺っぽかった。
こっちは政治的お伽噺・・・でも、ストレートな批判はなく、それだけに、冒頭の女性(60年後のミレナ)のセリフ「大統領は誰だったかしら?」が示唆的だ。そして、母親役が大統領の義姉(すなわちカーラ・ブルーニのお姉さん)という点だ。偶然か、意図的なのか・・・
子供たちが圧倒的にいい。一途で逞しく、可愛く、悪賢い。
と同時に、うちの娘も親の見ていないところで何をやっていることやら・・・とため息が出る。

彼らが篭城している地下室に、ネズミが現れる。うちに出る小さいsourisの5倍はありそうな本格的ratだ。その巨大ネズミが眠っているミレナの頭の上を歩く。目を覚まして金切り声を上げると思いきや、ミレナはにっこり笑って横に寝ているブレーズを起こしてネズミさんを撫ぜ撫ぜしたりするのだ。子供はエライ。

ヴァレリア・ブルーニ=テデスキはあまり好きな女優ではなかったけど、あまり考えず母性本能で動くこの母親役は良かった。
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パリの学校にも移民は多い。子供たちは、違う文化や風習や宗教があることを肌で感じ、それを尊重したり批判することを覚えていくのだ。

『Les mains en l'air』
ロマン・グーピル監督。公開中。

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嫉妬深いのは欠点か?

友達のマルクに久しぶりに会ったら、3年一緒にいた彼女と別れたという。
その彼女は-私は会ったことはなかったけど-すごく嫉妬深いという話を聞いていた。
マルクは、 通称“Kiné(キネ)”と呼ばれる Kinésithérapeute(マッサージ師)。嫉妬深い女にとっては厄介な商売だ。
その上、2人のアパルトマンがマルクの診療所の向かいの建物にあり、おまけに彼女はうちで仕事をするイラストレーター。
窓から診療所の入り口をチラチラ見張っていて、夜帰ると、
「あのマダム、今日はやけに長くいたけど何故?」とか
「入り口でずっとおしゃべりしていたあの女は何者?」と尋問されるという。
それを聞いただけで「あなた、マゾ?そんな女、やめちゃったら」と言いそうになった。
でも嫉妬深い女が好きな男も少なくないからね・・・

彼はダイヴィングが趣味で、時々エジプトの紅海まで潜りに行く。彼女は頻繁に電話してきて、「どうして一日中、ケータイ切ってたの?!」と詰問するんだって。海に潜っているとき携帯が取れないことくらい私にだって知っている。

それでも続いていた2人が、どうして別れることになったかというと、「チョーカーの紐が原因なんだ」とマルク。
「彼女が自分でチョーカーを作るというんで、一緒にアクセサリー屋に行った。黒いサテンの紐を買おうとしたんで、隣にあった革の紐を『これもいいじゃない?』と見せたんだ。結局彼女はサテンのを買って、店を出たとき、『その女は誰よ』って詰め寄るんだ」
「どの女?」
「だろ?ボクも何のことかわからなかった。そしたら『革のチョーカーをしている女は誰なのよ!』」
「それはスゴイ!」

マルクのモト彼女はイタリア人だけど、概して南に下るほど嫉妬深いようだ。
義弟の彼女はコルシカ出身で、やっぱり監視の目を光らせていたけど、ついに一緒にレストランを開いた。これで一日中、見張っていられるというわけだ。でも義弟にとって、嫉妬は愛情の表れ、満更でもなさそうだ。


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嫌なリハビリと楽しいリハビリ

リハビリは、脚に電極を通して筋肉を刺激する、というのをやっている。
脚が攣った感覚が続き(つまりかなり不快)、私の意志に反してぴくぴく動いたりする。
その昔、中学でカエルに同じようなことやらなかったっけ?
それ以外は「歩きなさい」と言われる。
「ゆっくり、両足に重心をかけるように、50m歩いたら座って休む・・・」とリハビリの先生。
言うは易し。パリの道に50m置きに椅子があるはずはなく、排気ガスの中を歩くのもナンだし、楽しくないとお散歩も続かないから・・・そうだ、デパートに行こう!
一番近いのはBHVだけど、あのデパートは日曜大工専門店というイメージがあって、セクシーさに欠ける。お洒落なゲイの集まる地区だけに、メンズ館は充実しているけど、女性にとっては「フライパンが足りないから買いに行こう」というデパートだ。

そこで選ばれたのがボン・マルシェ。人が少ないし、バス1本で往復できる。
地元のブルジョアが多く、奥さんの買い物に付き合わされて退屈しまくっている夫たちも多いので、あちこちに椅子がある・・・
ま、長々と理由を説明するまでもなく、好きなデパートってことだ。

2階(日本の3階)の展覧会場で、Ellen Von Unwerth(エレン・ヴォン アンワース)が映画スターを撮った写真展をやっている。
ドイツ人のヴォン アンワースは、10年間モデルをやってから“カメラの逆側”に回り、VOGUE やVANITY FAIRのモードページを担当。クローディア・シフェールを発見したのも彼女だそう。

薄暗がりの会場にスポットで浮き上がる女優たち。レッドカーペットでニッコリしてポーズとは違い、女優たちが、切り取られた一瞬の中で“演じている”写真だ。モノクロのがいい。
中でも一番美しい(私には)レティシア・カスタ。清純なセクシー。

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濃厚な美しさ、モニカ・ベルッティ。

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ルウ・ドワイヨン。これだけ胸がなくても生きていける、と希望を与える。彼女に比べたら私だってグラマーだ。

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ペネロペ・クルス。小悪魔的。

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貫禄のカトリーヌ・ドヌーヴ。今はもっと横幅があるから、数年前の写真?
いつもこういうイメージなんで、他の顔(タバコを片手に台所でジャガイモ剥いているとことか)も見せて欲しい。
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と、楽しく“リハビリ”ができました。
夜。「そんなに遠く(?)まで行ったのか?!」と驚く夫。
「だってリハビリの先生に言われたんだもの」
「ボン・マルシェまで行けって先生が言ったのか?」
「ま、そういうこと」

この展覧会は6月19日まで。


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パリのバスで出会う変な人たち

松葉杖で歩いていると、なぜか鼻の頭がかゆくなる。立ち止まって、松葉杖をどこかに立てかけて搔かなければならない。
鏡で見ると、虫に刺された気配もないので、なぜだろう?
“松葉杖と鼻の頭の関係”について考えるうち、もしかして両手が塞がっているせいではないか?と思い当たった。
トイレがないと聞くと急にトイレに行きたくなる、あの心理だ。
リハビリの先生に話したら、
「そういえば、両手でマッサージしているとよく顔を搔きたくなる」そうだ。
私の推理正しいかも。
1週間前から松葉杖が1本になった(進歩!)。そしたら、鼻のかゆいのがウソのようになくなった。やっぱり!

バスに乗った。松葉杖1本はインパクトがないらしくて、誰も席を譲ってくれない。
バスはメトロよりご老人の数が多く、1人、2人、3人・・・杖を持っている人が3人もいるので、珍しくないんだ。
2本持ってくるんだった・・・と思いながら、立っていると「触らないでよ!」と叫ぶ声。
みんな一斉にそっちのほうを見ると、中年(かなり)過ぎの女性が、隣の若い黒人の青年に文句を言っている。
「オレ?オレがアンタに触った?!」
その青年は、こんなにびっくりしたことはないという声で言い返す。
「触るわけないじゃん!」
その女性は強面で色気なんかない、すなわち誰も触ろうと思わないタイプなので、乗客からクスクス笑いが漏れる。私なんか真っ先に吹き出した。
形勢不利と察した女性は、
「触ったって言ってるんじゃないの。あなたが場所を取りすぎてるって言ってるのよ」
「オレ、大柄だし、アンタだって細くないから、しょうがないじゃん。それに、ほら、境界線はココ、オレこの線、出てないだろ」
言いだしっぺの女性は結局、形勢を立て直すことができなかった。

帰りのバスで、シルバーシートにいたおじいさんが「お座りになりますか?」と立とうとした。
そしたら向かいに座っていた奥さんが、
「立つことないわよ!この女(私のこと)のほうがずっと元気そうじゃない」。
おじいさんはそれを無視して立ち上がったので、有難く座らせてもらう。奥さんは不満そうに
「立つことなかったのに・・・あそこの席、空いてないの?」とブツブツ言っていたが(私は甚だ居心地が悪い)、ついに、
「私のほうがずっと若いんだから、あなた、座りなさい。私はあなたの膝の上に乗るわ」と言い出した。実は、彼女のほうが10歳は年上、90歳くらいに見えた。
居たたまれなくなった私が、「すぐ降りますから」と席を立つと、おじいさんはほっとしたように座りなおした。

彼女は、夫が席を譲ったのが我慢できなかったのか、それとも自分のほうがずっと若いことを宣伝したかったのか・・・?
性格の悪さが年齢とともに増強した、こういうイジワルばあさんには時々お目にかかる。

バスに一人で乗れるのも私にとっては画期的だが、こういうエピソードに出会うと、外に出れるようになってよかった、と思うのだ。


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“地中海”でブイヤベース

オデオンからリュクサンブール公園に至る坂道を私たちは歩いている。
どこに行くんだろう?
私の誕生日に夫がレストランを予約して、どこかは内緒。ヒントは画家や作家がよく来る歴史あるお店。
「ポリドール?」
「ノン」
オデオン広場にたどり着いた。
「ラ・メディテラネ!」当たり!

1944年、ジャン・コクトーの友達で、芸術家の知り合いが多かったジャン・シュブルナが開いたレストラン。
メニューの表紙はコクトーのデッサン(↓)、壁の絵はベラール(Bérard) とヴェルテス(Vertès)とアートな雰囲気。

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ブルーに塗られた外観や日当たりのいいテラスは、南仏のレストランのようだ。
あの青木定治さんもこのレストランで修行していたことがある。一時落ち目になったけど、12年前にオーナーが代わり再浮上。平日というのに満員だ。今でも作家や映画俳優、歌手など有名人が来るらしい。

メニューは“地中海”という名前の通り、魚料理がお得意。アントレには、マグロのタルタル、小サバのトマトマリネ、インゲンとからすみのサラダ、スズキのカルパッチョ、からしソース・・・メインは名物のブイヤベース、スズキのオーブン焼き、鯛のトマトと蜂蜜照り焼きなど。
アントレに選んだ小サバのマリネ、香草入りトマトのソースの分量も程よく上品。メインに子供たちはスズキさん、皮がパリッと焼け、細かく切ったナスやズッキーニに松の実が入った変形ラタトゥイユが付け合せ。
バッグにちゃんとカメラが入っていたのに、それを思い出したのは、娘が「あーもう動けない」とつぶやいたデザートの後。
私は2つのことを同時にできない人間らしく、食べることに専念していた。残念というかアホというか・・・

私と夫は当店名物のブイヤベース。ブイヤベースってザリガニとかカニの足が殻ごと入って鍋で出てくるダイナミックなのを想像していたら、ご覧のように(レストランガイドから借りた写真)上品な盛り付けでちょっとがっかり。
でも濃厚な魚のスープに、煮加減がちょうどいい鱈やひめじ、味はなかなか。

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地味な色調の壁画にライトがあたって浮かび上がる。

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チョコレートムースを食べ終わって「ふー、食った食った」
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記帳にサインしていった有名人たち。ボテロ(1998年)

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ジェーン・バーキン(2005年)
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そしてミック・ジャガー。カーラ・ブリューニと一緒だったりして!
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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