FC2ブログ
Archive
人気映画スター、ジョニー・マルコはロサンジェルスのホテル・デュ・シャトー・マルモンに“住んで”いて、部屋にストリップティーズを呼んだり、目に留まった“いい女”と片っ端から寝たり、BMWのスポーツカーを当てもなく走らせたり・・・と放恣な生活を送っている。そこへ思いがけなく、別れた妻と暮らしている娘が送り込まれてきた。
「しばらくどこかに行くから臨海学校が始まるまで預かってほしい」。

ジョニーは11歳のクレオと、Wiiで遊び、プールで泳ぎ、ハンバーガーを食べ、映画のプロモーションにも連れて行く。女とベッドインもままならぬベビーシッターな日々。

ジョニーの空虚だった心が満たされるような、見失っていたものを取り戻しつつあるような感覚。でも臨海学校への出発は近づいてくる・・・

somewhere4.jpg

ソフィア・コッポラ『Somewhere』

要約するとこれだけの物語で、本当に何も起こらない。

なのに、この映画からは、父と娘の孤独が痛いほど伝わってくる:「母親はいつ帰ってくるかわからない、父親は一緒にいてくれる時間がない」というクレオの寂しさ。人気スターでチヤホヤされても、お金はうなるほどあっても、埋められないジョニーの孤独・・・

クレオは11歳のソフィア・コッポラで、ジョニーはフランシス・フォード・コッポラだ。

といっても、人間の本質的な孤独な繋がり、感情移入できる。

『ロスト・イン・トランスレーション』も、周囲とズレを感じて孤独な2人の、束の間の出会いを描いた作品で私は大好き。
この『Somewhere』も孤独を-違う切り口で-描いていて、最後にジーンと目が潤んだ。

お父さんコッポラは殺し合ったり、馬の生首がベッドに投げ込まれていたりのアクションが得意。娘ソフィアは正反対の映画を作る。
ソフィア・コッポラ

舞台になっているホテル・デュ・シャトー・マルモンはサンセット・ブルヴァードにあり、ロワール川沿い、アンボワーズ城をモデルに1929年建てられたもの。

これがアンボワーズ城がモデル?背景が違うと印象も大いに違う。

ホテル・デュ・シャトー・マルモン

ジェームス・ディーン、ジム・モリソン、レッド・ツェッペリン、ロバート・デニーロ、ロビン・ウィリアムスなど映画・音楽界のスターが滞在した(する)ので有名。ブルース・ブラザースのジョン・ベルーシはこのホテルでドラッグのオーバードーズで死亡し、写真家ヘルムト・ニュートンはホテルに続く道で壁に車をぶちあて死亡している。
デニーロがよく泊まるホテル内のペントハウスは、バスルーム2つ、キングサイズベッドの寝室に巨大なリビング、ダイニングルーム、フル装備のキッチン、仕事部屋、テラス、ハリウッドを見渡す眺めつきで一泊3700ドルから。
人間、こういう場所にいると余計孤独に感じるのかもしれない。
泊まれない値段でよかったね・・・


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
↑ランキングに参加しています。お気に召したらクリックしてください
スポンサーサイト



プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

カレンダー
12 | 2011/01 | 02
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最近の記事
カテゴリー
おすすめ書籍
RSSフィード
おすすめコスメ
フランスに行くなら
プロヴァンスの田舎町をまわる1日
アーカイブ