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4位:トップ3の常連だった伝統料理、子牛のブランケット/Blanquette de veau

子牛のブランケット

マッシュルームと小玉ねぎ入りクリームシチューだ。最後にレモンで風味をつけ、ソースに濃度をつけるため卵黄を混ぜる。わりと手間がかかる。付け合せはご飯。ご飯を野菜と信じているフランス人がまだ少なくない。

4位に並ぶのが(でた!フランス人国民食)ステーク・フリット/Steak frites
ステーク・フリット

サラリーマン/労働者(日本語では聞かなくなった言葉)カテゴリーでは1位。100g中20-25gのたんぱく質、ビタミンBが豊富・・・なんて、フランス人はそんなこと考えて食べてないよね。確かに飽きがこなくて、カフェで食べても外れが少ない。

飛んで10位に魚料理、生鮭のソテー/Pavé de saumon

サーモンのソテー

女子の投票では2位。鮭、サバ、イワシなど脂ののった魚は「太る」と思われていたが、ようやく近年「魚の脂肪は善玉コレステロールを作り、心臓・循環器系病気を防ぐ」ことが叫ばれ始めた。
それにしてもこの写真のサーモン、他の料理に比べて量も少なくて、身体のラインを気にする女子が選びそう。食べ終わったあと「じゃ、マクドナルドに行こうか」と言いたくなる。もともとカトリック国で金曜日に魚を食べるのは「素食をする」という意味だものね。

12位:エンダイヴとハムのグラタン/Endives au jambon

ハムとエンダイヴのグラタン
photos:Yahoo pour elles

これも2位のムール・フリットと同じく、ベルギーから北フランスに渡った料理。人気の理由は「簡単に作れて経済的」、でも決して簡単ではない。
まずエンダイヴ(ベルギーではシコン)のお尻の芯を取って、蒸すか茹でる。ベシャメル・ソースを作る。エンダイヴにハムを巻きつけてグラタン皿に並べ、ベシャメルをかけてオーブンへ。見かけは美しいが、「エンダイヴ好きじゃない」人がいると(かなり多い)この手間が一挙に水泡に帰す。過去に1回作ったら、子供たちが嫌いで、2日間残り物を食べるハメになった。以来作っていない。
ブリュッセルのビストロでは、これに山盛りのフリットが添えられ、ベルギー人はそれにケチャップとマヨネーズをかけて食していた!

・・・ランキングから、不況のせいで「経済的」料理の台頭と、健康やバランスを考えて食べる人が増えてきたのが伺える。そういう時代ですよね・・・

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18歳以上のフランス人1000人に、41の料理から「一番好きなのはどれですか?」とアンケートした結果はかなり意外。
1位:(確か前回も1位だったような)鴨のマグレ/Magret de canard
鴨のマグレ

鴨の胸肉を薄切りにしてロゼにソテーし、グリーンペッパーのソースやパパイヤ、オレンジを添えた南西フランス料理。南西仏では、機械で口から食べ物を押し込まれる鴨のフォア・グラ(脂ののった肝臓)や、脚のコンフィ(脂漬け)が有名。脂肪の少ないマグレ(胸肉)のレシピは1965年に地元のシェフ、アンドレ・ダガンが“発明”した、わりと新しいもの。
南西仏では脂っこいものを食べているのに、心臓・循環器系の病気が少ないので、「フレンチ・パラドックス」と呼ばれている。その理由に“鴨の肉自体が善玉”説が有力らしい。
1位と言っても、この料理をフランス人がよくうちで食べているとは信じられず、「レストランではこれを注文する」「友達をよんだ時作る」のでは?

2位:ムール・フリット/Moules frites(何が悲しくて・・・)
と言いたくなる2位の料理(といえるか?)この写真はお上品だけど、ふつう、洗面器一杯のワイン蒸ムール貝(7割は貝殻だけど)とボール一杯のフライドポテトがデンと置かれる。

ムール&フリット

食べ方は両手にひとつずつムール貝を持ち、右手の貝で左手の身を摘まんで食べ、フリットをパクリ・・・これを果てしなく繰り返す。種類の違うものを色々食べる日本人はすぐ飽きるはず。廉価だから不況向きメニューではあるけど。
「健康のため1週間に2回は海産物を食べましょう」と厚生省がおっしゃる通り、ムール貝は脂肪分がなく、良質たんぱく質とオリゴ・エレメントの宝庫。でもそれだけじゃお腹にたまらないので、山盛りフリットを一緒に食べたら(ベルギーの発案)あんまり意味がないような・・・

ちなみに東部フランスの2位はシュークルート/Choucroute。ドイツ料理じゃない・・・
シュークルート

3位:(賛成!)クスクス/Couscous

クスクス

炊いた小麦+グリルした鶏、羊の肉、メルゲス(牛肉の腸詰)に野菜(人参、ズッキーニ、蕪、トマト・・・)の煮込みをぶっかけた北アフリカ料理クスクスは、太陽の香りがする一皿料理。
「クスクス食べに行かない?」と誘うと、必ず「あれは重い」「もたれる」という人がいるけど、そういうヤツに限って、2度も3度もお代わりする。もたれないほうがおかしい。元来はバランスの取れたレシピ。この「鶏のクスクス」レシピで時々作る、と書いていたら食べたくなった。

・・・すなわち。グルメ大国フランスの国民が好きなのは、1位を除いて他所の国の料理、という結果。ま、日本でやってもハンバーグ、カレー、スパゲッティ・・・が上位になるだろうから同じか。

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そのアヴァンチュールの時間

アリックスは地方の舞台に出演している売れていない女優。オーディションがあって早朝、パリに戻らなければならないが、ついてない:キャッシュディスペンサーにカードを入れると、口座が赤字でお金が出せない。携帯電話のバッテリーがない・・・
アリックスは同じ車両にひとり座っている中年過ぎの男性に注意を引かれ、チラチラと見る。彼女の視線に気付いて、男も見返す。視線の遊び。
パリに着くと、男が英語で話しかける。「○×教会に行くにはどのメトロに乗ったらいいでしょう?」アリックスがメトロ地図を頭に浮かべている間、他の乗客が代わりに答える(こういうお節介、必ずいる)。
一緒に暮らす恋人に電話するが留守電。まったくついてない。
オーディションが終わってからも、中年男のことが頭から離れないアリックス。○×教会まで出かけていき、葬儀に参列している男を見つける・・・

le temps de l'aventure/そのアヴァンチュールの時間

タイトル『Le Temps de l’aventure/そのアヴァンチュールの時間』から想像できるように、一日のアヴァンチュールのお話、と言うと「なーんだ」と思われるだろうけど、ただのアヴァンチュールとは違う。
まず主役のエマニュエル・ドゥヴォスがすごくいい。恥も外聞もなく、自分の欲望に突き進んでいく彼女の一挙一動をカメラが追いかける。彼女の歩き方はふわふわと軽やか(インタビューで「2ヶ月コーチについて歩き方を練習した」と言っていた。「普段はドタドタ歩くのよ」)で、「ここまでやるか?」という一途さと不思議なコントラスト。
一方、男のほうはアイルランド出身の見たことがない俳優。行きずりの女と寝たりしなそうな、品と教養のあるジェントルマンだ。
エマニュエル・ドゥヴォス。美人というわけではないけど、独特の魅力と存在感。好きな女優だ。
le temps de l'aventure/そのアヴァンチュールの時間2

お金がない、携帯がない、恋人は捕まらない・・・という、普通なら「うちに帰って寝よう」という状況で、自分のときめきを見極めようとする。そして情事の終わりに、彼女は男の名前すら知らなかったことに気付く・・・なんか納得できてしまう。シナリオもいいってことだ。
2人がベッドでする会話にこんなのがあった。
「君は女優なのか・・・じゃ嘘つきだね」
「ううん、あなたのほうが嘘つきよ」
「?」
「だって男だもの」(このやり取り、女の勝ち!)

映画館にはひとりで観にきている女性がけっこういた。彼女達が「なるほど、次回はこのテで迫ろう」と思っているような気がしないでもなく・・・やりかねないものね。

Le Temps de l’aventure
ジェローム・ボネル監督作品
エマニュエル・ドゥヴォス
ガブリエル・バーン
1時間45分
公開中

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リセ日記5:ソワレ惨事例

実家に行っている夫が「被害状況は?」と電話してきた。
10代の”ソワレ”の実態を聞いているんで、心配になったらしい(ちなみにブームとかフェットはガキのやることで、高校生はソワレと呼ぶんだと)。

ボルドーに住んでいる友達夫婦は、高校生の娘が誕生パーティをしたいというので家(一軒家)を明け渡した。午前零時頃、暇を持て余していて近所をウロウロしていた男子グループが、賑やかな声や音楽を聞きつけ「お、なんか楽しそう!」と庭伝いに入ってきた。
「ちょっとアンタたち、なによ」「よんでないでしょ!」という抵抗も空しく、歳も身体も大きい男子たちは飲んで食べて、騒ぎ始めた。友達夫婦は(不幸にも!)いいワインのコレクターで、地下のカーヴにはボルドー一級ワインがゴロゴロしている。飲むものがなくなった彼らは、カーヴに降り、名ワインを次々開け、紙コップじゃうまくねえ、とクリスタルのグラスで飲み始める。正式のお客と喧嘩になり、テーブルをひっくり返す、お皿やグラスが割れる。土足でソファに上がり、踊りだす。酔っ払って倒れて、窓ガラスが割れる・・・
翌朝親たちが帰ってきたとき、家具は倒れ、床はガラスの破片だらけ、壁はワインの赤いしぶきが飛び散り、娘は寝込み・・・「もう悪夢の世界」だったとか。
娘さんはすごく責任を感じて、それ以来、ソワレとかフェットと聞いただけで気分が悪くなるそうだ。でも複数で押し入ってこられたら、不可抗力だものね。

もう一件は娘の友達で、Facebookに「来週の週末、ソワレをやるのよー」と予告し、ご丁寧に「こんな料理を作るの」と写真まで載せた。Facebookは友達しか見ない、と信じていたんでしょうね。
ところが、他の高校の見たこともない男子グループがちゃんとチェックして、乗り込んできた。
幸いこのときは両親がいて(15歳の娘にうちを明け渡すのが躊躇われ、どっかに潜んでいた)招かれざる客達を撃退。みんなが楽しみにしていたソワレは、始まって間もなくお開きになってしまった。

・・・という話を友達にしたら、
「そういう被害例があるのに、あなたよくやらせたわね」とあきれる。「うちの息子がそんなバカ騒ぎをやりたいって言い出したらどーしよう !? 絶対やらせないわ!」
その“うちの息子”は1歳になったばかりでオムツをつけて這い回っている。

でもね、禁止するのが利口なテとも思えない。親が厳しかった私は、隠れて悪いことをしていたもの。
アルコールをガンガン飲んで、急激に酔うという流行は危いけど、大学生のとき、私たちの多くが経験したこと。一過性の若気の至りだ。その代わり、うちで正しいお酒の楽しみ方-食事のとき、食事に合ったワイン・・・-を教えるのは大事だと思う。

うちの子供たちはソワレの惨事例や片付けの大変さを知っているようなので、まぁ信用してやらせてあげよう、と。今のところは・・・


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「16歳は節目なのよ」と、3月末に16になった娘。
「節目?」
「そう、もう子供じゃないっていう」はあ、少女から女になるってこと?
「で?」
「盛大なソワレをしようと思うの」
「ふん。で?」
「親がいちゃ困るのよ」
「お安いご用。映画に行ってどっかでご飯食べて、夜中に帰ってくればいい?」
「だめ。午前2時まで宴たけなわ。うちに泊まる子も沢山いるし」
・・・というわけで親は追い出されることになった。夫はうまいこと、田舎の実家の用事と組み合わせたけど、一晩のことに500km往復するのはごめんだ。私は友達のうちに転がりこむにした。

若い子の“ソワレ”とは、アルコールと音楽。かなり滅茶苦茶なことになるのは知っていたけど、当日の朝、その道の経験豊かな息子が、
「壁の額や花瓶や大事なグラスは全部どっかに隠す、本はビニールシートでカバーする、猫たちは閉じ込めること・・・」と言いだし、はあ、そこまでやるんだ。
“嵐の前”のような準備が始まった。
その後、娘と買出しに行く。買い物に私が必要なのは、未成年にアルコールは売ってくれないからだ。
「何人よんだの?」
「20人くらい」
「食べ物は?」
「いらない。みんなその前に食べてくるの」
ひたすら飲んで踊るということらしい。
「あなたはソワレの女主人なんだから、ぶっ倒れたたらダメよ。ウォッカとかテキーラを混ぜたら悪酔いするからアルコールは混ぜたらだめ。飲みだす前にしっかり食べること。酔ったと思ったら水をがぶがぶ飲んで中和させること。誰かが急性アル中になったら何時でも電話するのよ」
これが16歳の娘に与える忠告か・・・と疑問に思いつつ。私たちが酔いつぶれていた大学1年生のコンパが、5年早く自宅で行われるということなんだ。
「出て行ってくれてありがとう」という訳のわからないお礼を言われてうちを出た。

私は友達とライヴをやっているカフェに行き、ワインを2杯飲んでラザーニャを食べ、ロックを聴いた。可愛いもんだ・・・

翌日12時頃帰ってみると、娘と女の子の友達が4-5人、ぐったりとソファにくずれている。二日酔いかと思ったら、掃除疲れだそう。「酒とタバコの匂いを消すため」うち中の窓は開け放たれ、午前2時の状態は「ママンが見たら、同じうちとは思わなかったわよ」
見たかったような、見ないでよかったような・・・
ちょうど2時頃に帰ってきた息子(彼は帰宅を許されていた)の“顔が引き攣って”「すぐ掃除を始めろ」と命令したらしい。
おかげで、うちの中はほぼまともな状態。バスルームには家中の洗剤が林立していた。
「飲みすぎて具合が悪くなった子は?」
「2人ほど」
と言うけど、トイレの掃除に一番時間がかかったというから押して知るべし。被害は割れたコップ、電球・・・
「なんで電球が壊れるの?」
「背の高い男の子が酔って飛びあがったら壊れたの」
「・・・・」
「すごく楽しかった。でも次は18歳になったときでいい」
私もそれがいいと思います。


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・・・を読んだ。最近、これを食べると老化防止になるとか、苦労せずに痩せられるとかいう記事によく出会うけど、この効用が本当なら、やってみる価値がありそうだ。

La poudre de curry/カレーパウダー
カレーの原料のひとつ、ウコン(ターメリック)に含まれているクルクミンには強い抗炎症効果があり、とくに乳がん細胞を抑える働きがある。大腸がんも抑制するという研究結果もある。
食べ方:肉や魚をオーブンに入れる前にカレーパウダーを振り掛ける。スープやソースに入れる(というインド人もビックリのアバウトな説明・・・)

ターメリック

Le romarin/ローズマリー
肉や魚を焦がすと発生するヘテロサイクリック・アミンには発ガン性があることは知られている。ローズマリーを入れたソースでマリネすると、このヘテロサイクリック・アミンの生成を84%まで抑えるそうだ(焦がさないように注意したほうが早くない?)
食べ方:オリーヴオイル大匙2、レモンジュース、カップ1/2、つぶしたニンニク1かけ、ローズマリー大匙1のソースに漬け込む。

L’origan/オレガノ
小匙1杯のオレガノには6ミクログラムのヴィタミンKが含まれていて、骨を強化する働きがある。抗酸化作用もあるとか。
食べ方:スープに小匙半分加える。サラダのソースに加える。

オレガノは葉を乾燥させて、香辛料やお茶にする。
オレガノ

La cannelle/シナモン
シナモンの抗酸化物質は血液中の糖の増加と減少を予測し、細胞がグルコースを代謝する働きを改善する(なんだか、よくわからん・・・)。一日小匙半分のシナモンは糖尿病と循環系の病気を防ぐ。
食べ方:シナモンパウダーかスティックを料理やスープに使う(もう少し頭を使った食べ方は書けないものか?)

Le gingembre/ショウガ
胃痛を和らげ、筋肉痛にも効く。記憶力改善にもいいという研究結果もある(身体を暖める作用もなかったっけ)
食べ方:しょうがの粉をクレープやゴーフルに入れる。リンゴのコンポートにふりかける(胃が痛いとき、クレープが食べられるか?)

La noix de muscade/ナツメグ
虫歯予防。歯の穴のばい菌を殺し、50%まで虫歯を減らす。抗癌作用もあり。
食べ方:ナツメグの粉をコーヒーの粉に混ぜる。

粉末じゃなくて、実ごと売っているのもある。すりおろして使う。
ナツメグ

Le cumin/クミン
大匙1杯のクミンは、一日に必要な鉄分の22%をもたらす。免疫組織を改善し、エネルギーを与える。脳の働きを活発にするという説も(テストの前にはクミン!)
食べ方:人参、ご飯と好相性。ご飯を炊くとき、小匙半分を加える。

クミン・シードはチリやカレーに入れる。やっと自分がよく使うスパイスが出てきてホッ!
クミン


ところで『Globe Cooker/グローブ・クッカー』という世界中飛びまわって現地の人と料理を作る料理人の番組がある。この前はスリランカでカレーを作っていた。この国の人は、野菜でも肉でも魚でもとにかく全部カレーにしてしまって、ご飯と混ぜ混ぜして手で食べる。そのカレーソースに、なんと、ここに出ているスパイスの殆ど(ローズマリー以外)が入っていた。彼らはスパイス類を全部すり鉢に入れてよくすりまぜ、油で炒める。香りが出るんだと。
昔からの調理法なんだろうけど、ずいぶん身体にいいものを食べているわけだ。
それにしても、自分が作っていた牛肉カレーとか茄子カレーが、本場のカレーとは似ても似つかないものと知って、しばし愕然とした。


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映画『11.6』が公開になって、3年前の現金輸送車横領事件を思い出した人は多いはず。
11月6日か6月11日に起こった事件ではなく、盗まれた金額が11.6ミリオンユーロだった。

2009年11月、現金輸送車を運転していたトニ・ミュズランが、札束とともに走り去った、というニュースを聞いたとき「やってくれる!」と思った人が少なくなかった。一滴の血も流さず、11.6ミリオンユーロ(約14億円)を掠め取った快挙。

ところが犯人トニ・ミュズランはもっと屈折した男だった。
1970年生まれのユーゴスラヴィア人で22歳で移民としてフランスにくる。電気技師をしていたけど、LOOMISという現金輸送会社に入社。マジメな社員(概して、犯人はマジメで感じのいい人が多い)。事件は入社10年目に起こった。

こちら、実物のトニ・ミュズラン
犯人のミュズラン

フランソワ・クルーゼが演じるミュズラン
フランソワ・クルーゼ

11月5日、フランス銀行で現金を積み込み、次の現金回収場所で同僚が降りた2-3分の間にミュズランは輸送車を発車させていなくなった。積んであった11.6ミリオンユーロはすべて番号を控えていない新札だった。
間もなく、空っぽの現金輸送車が乗り捨ててあるのが見つかり、2日後、彼が偽名で借りていたガレージで、9.1ミリオンユーロが見つかった。
差額2.5ミリオンユーロを持ってミュズランはどこに逃げたのか?重すぎて全部は持ちきれなかったの?

また彼が赤いフェラーリを持っていたこと、犯行の直前に13万7000ユーロの預金を全部下ろしていたことがわかった。月給1700ユーロの彼にどうしてそんなお金があったんだろう?

2ヶ月後の11月16日にミュズランはモナコの警察に自主して、翌日フランス警察に引き渡される。差額の2.5ミリオンを着服したことは否定し続けた。

暴力なしの単純窃盗で禁固3年の刑(そんなに軽いんだ)。ところがフェラーリを盗まれたといって保険金を騙し取っていたことがバレて5年に延びた。他の受刑者が、2.5ミリオンの行方を知ろうと圧力をかけるのを避けるため、独房に入れられている。
盗んだお金の殆どはすぐ見つかる場所に“隠し”、自首して出る・・・じゃ何のためにやったんだろう?差額はどこに消えたのか?
映画は事実に忠実で謎はそのまま残し、ミュズランは自虐的な、マゾっぽい性格じゃないか、と仄めかすのに留めている。

ところで、見つからないまま時効になった1968年の三億円事件(知らない人、多いでしょ)、今日の貨幣価値で換算するとこの事件とほぼ同額になるのでは?
白バイに変装したあの犯人は今、どうしているでしょうね・・・


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お奨めしない映画2本!

『The Artist』で世界的スターになり、ポルノチックな駄作『Les Infidères』に主演したあと、スクリーンで見なかったジャン・デュジャルダン、相手役に“今までになくセクシーな”セシル・ドゥ・フランス、“庭のジャン”と“フランスのセシル”の スパイ物『Möbius/モビウス』!、観ないわけにはいかない。

ジャン・デュジャルダン「モビウス」

ロシアの秘密警察のグレゴリーは、ミッションを受けてモナコにやってくる。そのミッションには、株式業界の超デキル女、アリスがゲスト・スパイとして抜擢されて加わった。アリスの裏切りを疑ったグレゴリーは、規則を犯して彼女に近づき・・・忽ち2人とも激しい恋に落ちる。
まずプロットがよくわからん。(観終わって「スパイされてたのは結局、誰だったの?」「・・・」)ジャン・デュジャルダンは、確かにイイ男なんだけど『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』のイメージが強くて、マジな役なのに突然ギャハハと笑い出しそうな気がする。
セシル・ドゥ・フランス、確かにいつもよりフェミニンでカッコいいけど、男を弄ぶセクシー女のイメージに合わない。彼女はやっぱり“頼りになる隣のお姉さん”がピッタリくる。悪いけど・・・

そして話題になったセックスシーン
ジャン・デュジャルダン「モビウス」2

「今までで観た中で一番美しい」という人(ひと握り)と「同じような喘ぎばっかり続いて退屈」(その他大勢)の2つに分かれた。
『Möbius』
エリック・ロシャン監督

次のがっかりは、アルモドヴァールの新作『les Amants Passagers』。
タイトルを素直に訳すと『通りすがりの愛人たち』だけど『機上の愛人たち』のほうが嵌るかも。スチュアート3人がポインター・シスターズの『I’m so excited』を歌って踊る予告編がすごく可笑しかったんで、観ないわけにはいかない。

アルモドヴァール新作

メキシコ行きの飛行機が(人為ミスで)車輪がひとつブロックされたまま飛び立った。ビジネスクラスには、詐欺行為がバレたばかりの大企業社長、愛人の1人と別れようとしているドンファン、“縛り”の女王、最後の“仕事”に向かうプロの殺し屋、どうしても処女を捨てたいと願う40女(35かも)は自称“未来を読む能力”の持ち主・・・が乗っている。スチュアート3人はゲイで、その1人は妻子のある機長の愛人でアル中。

ビジネスクラスの集合写真
アルモドヴァール新作2

すぐ機体の異常に気付いた機長はなんとか解決法を見つけようと苦労し、スチュワート3人は乗客たちの気を紛らわせようと苦労する・・・と、筋は面白そうでしょ。それに面白いキャラが揃っているんだけど、なぜか笑えない。すべてのエピソードがセックスと死に(力ずくで)まつわるもので、無理があって重い。会場からも殆ど笑いが起こらなかった。

なんだ、がっかり、と出るとき、字幕の音楽にハタと。Metronomyの 『The Look』!



この歌、好き!音楽だけが印象に残るなんで、アルモドヴァールさん、ダメじゃない・・・


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『Koh-Lanta/コー・ランタ』という冒険サバイバル番組-子供たちに付き合って観たら、はまりそうになった-のロケの初日に、参加者の1人が急死した。
まず『コー・ランタ』とは何か?
公募で選ばれた14~20人の参加者が、無人島で40日間生活する。最初に米が少し支給されるだけで、あとは自給自足。魚や草木を食べ、火を絶やさないようにし、雨や嵐をしのぎ・・・のサバイバルに加えて“試練”が用意されている。芋虫(生きている)や泥の試食、いかだ競争、ジャングルで宝探し(と書くと楽しそうだけど実は過酷)、杭の上に何時間も立っている、というのもあった。サドマゾの世界。

2002年から司会のドゥニ・ブロニアール。なんか人間味に欠けて好きじゃない。
rendez-vous-la-semaine-prochaine-pour-la.jpg

日が経つにつれて参加者は日焼けし、やせ細り、原住民のようになってくる。参加メンバーの投票で、ひとり、またひとりと脱落していき、最後に残った勝利者が10万ユーロの賞金を獲得する、というもの。TF1で2001年に始まり、高い視聴率のロングラン番組だ。

3月22日、カンボジアの無人島で2014年版のロケが始まった。

l-emission-koh-lanta-reviendra-t-elle-un.jpg

その日、参加者の1人ジェラルド・ババン(25歳)が「心臓麻痺を起こし、すぐに蘇生措置をしてヘリコプターで近くの町に運んだが、病院に着いてから死亡」というのが、プロダクションの公式発表だった。
参加者たちは健康診断、体力テストを経て選ばれるが「若いのに・・・でもそういうことってあるよねぇ」とみんな思ったものだ。
ところが、ロケ現場にいた人からそれを覆す証言:ジェラルドは200m泳いだあと、息切れし、脚が攣った、と砂浜に横たわった。でも撮影は中断されなかった。間もなく彼が『医者を呼んでくれ!』と叫んだので、コー・ランタ専属の救急医が呼ばれたが、カメラは回り続け“医者の登場の仕方がよくなかった”と撮り直しになった。医師は応急措置をして、ヘリコプターで近くの町に運ぶことになったが、電話がすぐに通じなくて時間が経った・・・

もっと早く処置をしていたら助かったかも・・・という証言が報道されてからプロダクションは非難攻撃の的になる。当然、撮影は中止になり、プロダクションはこの証言者を名誉毀損で訴えると言い出した。

そしたら10日後の4月1日、専属の救急医がカンボジアで自殺したことが報道された。
「ここ数日、私の名前はメディアに汚され、不当な非難や推測が浴びせられた・・・医師になって20年間の努力が、嘘の証言で消滅してしまった・・・」という遺書が残された。
攻撃の的は、“人気番組の撮影が、人命救助より優先した”プロダクションから、“行きすぎた攻撃で自殺に追い込んだ”メディアに変わる・・・
FacebookやTwitterで雪だるま式に大きくなるネットワークの力は、いい結果ももたらすけど、時には凶器にもなる両刃の剣だ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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