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メトロで効率よく稼ぐには・・・

前回の続きです。
時間帯:路線だけでなく、時間帯も大事。サラリーマンの帰宅時間が一番の稼ぎ時だ。以前は路上で仕事をしていたアクセルは、「何時間かねばっても5~10ユーロにしかならなかった」
メトロのラッシュ時だと、一度に大勢をターゲットにできるので、路上よりずっと採算が取れるとか。その反面、大勢の前でしゃべるから、最初はビビる。

スピーチ:「“スピーチ”は何度も練習したのに、最初はしばらく言葉が出てこなかった」とアクセル。
メトロに乗っていて、「この人、“演説”を始めるな」とわかることがある。“よし、行くぞ”という気合みたいなもの。けっこう勇気のいるものなんだとわかった。
スピーチを改良するのも売り上げに繋がる。タイル貼り、倉庫係、蹄鉄工、馬丁などの仕事を経験したアクセルは、そのボヘミアンな遍歴を“散文的”に語り、「・・・何もいただけないなら、微笑んでもらえるだけで満足します」と締めくくる。この改良版スピーチから自信が持てるようになったとか。
「我々と同じようにちゃんと仕事をしろ」とか、お説教をする乗客。「・・・今夜、寝る場所を・・・」というセリフに、「だったらテントを買え!」とか。こういう時、腹を立てて言い返してはダメ。次回からの収入に影響する。忍耐力が必要。
一番応えるのは、子供時代の友達に出会ったとき。「見て見ぬふりをされると辛い」

ドレス・コード:ジーンズやトレーナーは擦り切れていようとも、清潔さは大事。彼らは定期的にシャワーを浴び(市営プールとか?)、歯を磨く。地下鉄職員や警察に目をつけられないためにも、“一見、そうは見えない”のがコツ。

法律は寛容:物乞いは法律で禁止されているのにこの数。それはRATP(パリ地下鉄公団)の職員が大目に見ているから。
「出くわすと車両から降りるように言う。でもソコ止まり、罰金は取らない。大抵は僕たちの姿を見ると、向こうから降りる」とRATP職員。警察官も然りで、見ると避ける。

暗黙の決まり:先客の物乞いやミュージシャンがいたら、その車両はパスする、が諍いなく仕事をするための“決まり”。そう言われてみると、2人一緒に現れる、という光景には出会わない。

・・・つまり、他の仕事とあまり変わらないってことだ。


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メトロで稼ぐホームレスたち

「乗客の皆様、お邪魔してすみません。私は失業中、住居不定のエリック、35歳です。小銭かレストラン・チケット*をいただければ、食事にありつき、清潔を保つことができます・・・」
メトロに乗ればほとんど必ず出会う“物乞い”。(*レストラン・チケット/ticket restaurantとは企業が社員に出す食券で、レストランやお店で使える。平均7ユーロなんで、小銭からかなり飛躍がある。)

この“演説”が聞こえると、大抵の人は、読んでいる雑誌や本に深く顔を埋めるか、ヘッドホンの音楽で聞こえないふりをするか・・・メトロを職場にしている人たちは一体一日いくら稼いでいるんだろう?と思っていたら、リベラシオンに物乞いのインタビュー記事が載っていた。

「僕はヤニック、25歳です。今晩の宿のために6ユーロ足りないので、皆様の援助をお願いします」この時、ヤニックのポケットには既に100ユーロとレストラン・チケット3枚が入っていた!
「最初は冗談のつもりで始めたら、意外と儲かるんでやめられなくなった。月~金、毎日8時から16時まで、調子がいいと20時まで残業することもある。公務員と同じ。平均して一日100ユーロ稼ぐ。宿泊に50ユーロ、タバコ、食料、洗濯に20-30ユーロ・・・」
でも以前は一日200ユーロに達することもあったとか。この職業にも不況の影響。

仕事場、つまりメトロ路線の選び方も稼ぎ高に大きく影響する。ヤニックは3番線専門。パリ西のリッチな住宅街を横切るこの線には気前のいい乗客が多く、同業者から1位の人気を得ている。2番線も人気のライン:新車両で車両間に仕切りがないので、一々降りることなく“効率よく仕事ができる”。
ヤニックはこの職業の“成功者”の例で、平均値は一日50ユーロ。
「6ユーロ足りない」と具体的な数字を出すのが成功の鍵なのでは?

でも毎日宿泊に50ユーロ払っているなら、一ヶ月で1500ユーロ。300~400ユーロで屋根裏部屋が借りれるのに!・・・と思いますよね。でも賃貸契約には定職(賃金証明)があるのが条件、頭金も必要だ。かつてヤクの密売などやっていて家族から勘当されたヤニックが職を見つけるのは一朝一夕にはいかない。当面、こういう仕事になるのだ。(続く)


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バカンス:また来年・・・

朝は10時頃起きる。もう日差しの強いキッチンで朝ごはんを食べる。娘たちを起こす。
12時頃、バスタオルとサンスクリーンと本を持って海岸に出かける。徒歩2分!
この時間は人があまりいない。寝転がって本を読み、暑くなると海に飛び込む。その繰り返し。

重力に逆らえなかった胸。それでも水着になるのはエライ。写真撮って失礼!
コートダジュール海岸

戻って遅いお昼を食べる。夫は昼寝、私と娘たちはまた海岸に出かける。
ニースの空港がすぐ近くなので、海の上を飛行機が行ったり来たりしている。海と空の風景は見飽きない。
夕方5時頃になると、鐘を鳴らしながらピーナツ売りのお兄さんがやってくる。ピーナツかアーモンドに砂糖衣をかけたヤツで一袋3ユーロ。お兄さんは海岸に寝そべる人全員に、一粒ずつ味見させる。娘たちは一日置きに買う。「けっこうハンサムじゃない」と言うと、クスクス笑う。お兄さんは長い海岸線の端まで売りに行き、1時間後に戻ってくる。ピーナツ袋がまだ残っていることもある。

6時か7時頃アパルトマンに戻る。シャワーの順序で争う。スーパーに買い物に行き、ご飯を作る。

うっすら靄のかかった夜の海岸。釣りをしている人、バーベキューしている人、海岸に寝泊りしている人もいる。

コートダジュール海岸2

ご飯の後は、テレビでバカ番組を観たり、ポーカーをする。ラスベガスでは勝った私が徹底的に負けた。
毎日がこの繰り返し。よく飽きないわね?!と言われそうだけど、全然飽きない。頭が空っぽになり、強い日差しと汗をかく暑さを一年分充電する-私たちは北の住人だと実感。
熱帯と化した日本でこそ、避暑の休暇と昼寝を実施したらいいと思うけど、されないでしょうね。

最後の日は、アパルトマンを綺麗に掃除する、冷蔵庫を空にする。10日間自分のウチのように散らかっていたのが、無表情な場所になる。エージェントの人が来てざっと点検して、空港まで送ってくれる。
娘の友達が「パリに帰るのね、悲しい」とポツリ。バカンスの終わりは夏の終わり。6ヶ月続いた冬の後で、夏はあっと言う間だ。
毎日眺めていた飛行機の乗客になり、一時間後には埃っぽくくすんだパリに降り立った。また来年!

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バカンス:住みたくなる場所

カーニュ・シュル・メールにはサン・ポール・ド・ヴァンスのように鷹巣村があり、14世紀初頭のお城がある。先日のカルチャーに失敗した私たちは、そこに出かけてみることにした。

サン・ポール・ド・ヴァンスとは違い、道には人っ子一人いない。南仏らしい家が並んでいるけど、ひっそり静まり返っている。昼寝の時間には早すぎるし、住民たちは一体何をしているんだろう?

コート・ダジュール カーニュ・シュル・メール3

カーニュの町が一望。娘の頭から垂れ下がっているのはAtébas/アテバと呼ばれるメッシュ。アフリカの何とかいう歌手が流行らせたもので、毛糸を何色か組み合わせて編む。親が何か頼むと「時間がない」と言うくせに、こういうことには時間があるのね・・・
コート・ダジュール カーニュ・シュル・メール2

話は戻って、このル・オー・ド・カーニュと呼ばれるこの鷹巣村は、サン・ポールより遥かに美しかった。観光地はちょっと有名になると、チープなお土産屋や不味くて高いレストランが林立して、どこも似たようになってしまう。サン・ポール・ド・ヴァンスが有名になったのは、シャガールが一時住んだり、イヴ・モンタン&シモーニュ・シニョレの家があったり、30年代からアーティストが好んだ城壁入り口のレストラン、ラ・コロンブ・ドール/La Colombe d’or(金の鳩)・・・などなどのせい。
この眺め、この気候・・・こんな場所に住みたい!と思うけど・・・当たりにはパン屋すらない。

コート・ダジュール カーニュ・シュル・メール

「ここに住んだら車が必要だよね?」
「ゼッタイ」と夫。
ということは免許を取るのから始めないと・・・私は日本の教習所で毎回車をぶつけ、教官から「アンタ、表に出たら一日1人轢くか撥ねるかするよ」と言われて即ヤメタ、という苦い経験がある。アクセルとブレーキを間違えるんで、足元を見て運転していたからだ。「アンタの横に乗るのは恐かった」という教官の最後のセリフで、決して誇張ではないのがわかった。
”こんなとこに住みたい”夢はたちまち消えた。


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バカンス:食べて、泳いで、寝て・・・

コート・ダジュールは変わらぬ人気のバカンス地、「コートに行く」というと「ナンダ、お前もか」という顔をされる。
老後をここで暮らす人も多いので、娘たちは「年寄りの町」と呼ぶ。何と言われようと、気候温暖、食べ物も美味しい、空の色や太陽の光が違う。
Baie des Anges/天使の入り江(ジャンヌ・モロー主演の映画のタイトルにもなった)、 Beaulieu sur Mer/海の上の美しい場所・・・とか地名も魅力的。画家じゃなくても惹かれる場所だ。

ここに来ると、食べて、海岸に行って、また食べて、寝て・・・という頭空っぽの生活。少しカルチャーもしたほうがいいかと。
サン・ポール・ド・ヴァンスにあるマーグ財団美術館は、マルグリット&エメ・マーグが半世紀前に造った近代・現代アート美術館。ミロ、カルダー、ブラック、ジャコメッティ、レジェなどのコレクションと、広大な庭園が有名だ。
カーニュ・シュル・メールから内陸に向かって、迷っても20分、だけど駐車場に空きを見つけるのに同じくらい時間がかかった。
鷹の巣村、サン・ポール・ド・ヴァンスはいつ見ても美しい姿。
サン・ポール・ド・ヴァンス

村の中は旅行客で溢れ、悪趣味のモダンアート・ギャラリーやお土産屋が並んでいる。
サン・ポール・ド・ヴァンス2

さてマーグ財団美術館。作品があちこちに置かれた庭。
マーグ財団美術館

夏季のエクスポ、『Les Aventures et la Vérité/アヴァンチュールと真実』が開催中。哲学者ベルナール・アンリ・レヴィの企画で、哲学とアートの関係を古今の作品で表現したもの、だそうだけど、ぺダンチックでスノッブで、並んでいる作品は、ナニコレ?と言いたくなるようなものばかり。
例えばコレ。
マーグ財団美術館 エクスポ

その中にポツンポツンとマチスやジャコメッティ、ボナールのタブローやデッサンがあるけど、悪趣味の中に埋もれて見落としがち。
BHLと呼ばれるベルナール・アンリ・レヴィは、奥さんのアリエル・ドンバルとともにメディア露出が好き。
まぁいい男であるかもしれないけど、私は好きじゃない。いつも白いシャツに黒いスーツというスタイルで、胸のボタンを大きく開けている。一度だけ会ったときも、おヘソの辺りまでボタンを開けていた。

ベルナール・アンリ・レヴィ

27年前、学生をしていた時、アヴィニヨン、アルル、エクス・アン・プロヴァンス、マルセイユ、ニースをひとりで旅行した。その時この美術館にも来て、すごくよかった記憶があるのに。ミロやジャコメッティは、この訳のわからないエクスポのために隠されたか、貸し出されたか・・・
私と夫はガッカリ、娘たちは「入場料返せ!海岸に行ったほうが100倍よかった」とむくれて、カルチャーな試みは終わったのである。

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バカンス:53%は海を目指す

・・・とニュースで言っていた。14%が山。残りは海でも山でもない田舎や外国。
つまり過半数が、太陽と海の夏らしい夏を求めて出かけるというわけ。“避暑”ではなくて・・・求暑?
冷たい雨が続いた6月、「今年の夏は冷夏」と気象庁は自信を持っていっていたけど、見事に外れて、平均より暑い夏になった。フランス人は大喜び。

私たちもその過半数で、南仏のCagne sur Mer/カーニュ・シュル・メールという海辺にいる。ニースから5kmの町で、長い海岸が続き、その前にレストランとアイスクリーム屋が並んでいる。
レストランの上はバカンス客のために建てられた、美しくはないけど機能的なアパルトマン。私と夫、娘、娘の友達でそのアパルトマンのひとつを10日間借りた。南仏でもクーラーはないから、かなり暑い。でも暑ければ海に飛び込めばいい!

シミ、シワ、肌の老化、皮膚がんの原因と騒がれても、日焼けしたがる人の数は全然減っていないみたい。泳いでいる人より、マグロのように海岸に横たわっている人のほうが遥かに多い。年季入りの日焼けで、象のような肌のオバサンに出会う。

コートダジュール海岸2

トップレスのお母さんと赤ちゃん用の“メゾン”
コートダジュール海岸1

こちらは有料ビーチ。寝椅子+マットレスが一日15ユーロ・・・殆ど人がいない。
コートダジュール ビーチ

ニュースでは7月組(ジュイエティスト)と8月組(ウーシアン)の違いも統計にしていた。
7月組は会社員が多く活動的。8月組は労働者、自由業が多く怠惰。
予算は7月組が1人570ユーロ、8月は742ユーロ。これは8月組のほうがリッチだからではなく、交通費も貸しアパルトマンも8月のほうが高いせいだ。
バカンスの平均日数を出していないのが片手落ちだけど、地元の不動産業者に聞くと2週間が多いとか。つまり4人で2週間バカンスに出たら、交通費・宿泊費・食費など全部含めて約3000ユーロ、39万円。日本で避暑にでかけたら、何日間でなくなるだろうか・・・?


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5日、Yahoo.fr で一番叩かれているキーワード・トップ10の2位がFukushimaだった。
また何があったの?慌てて見に行ったら、
「福島第一原発から高い放射能度の汚染水が海に流れ出していることが5日判明した。Tepco(東電)は、この緊急事態を収拾できない模様」とル・モンド誌。

福島原発汚で染水の流出

記事を要約すると、
「原子力規制委員会は『流れだした汚染水で水位が上がり、海水の放射能の規定値を超えている。東電の処置は、一時的なものでしかないので、東電だけに事態収拾を任せておくわけにはいかない』と発表した。
東電は8月4日、2011年3月11日から2013年7月の間に太平洋に流れ出た放射能の推定値を公表:20 000 000 000 000~40 000 000 000 000 ベクレル(フランス語では“20 et 40 mille milliards”。日本語では20兆~40兆でいいのだろうか?ゼロの数を間違えるのが得意なんで・・・)東電がこの推定値を発表するのは、2011年3月11日から初めてのこと」
記事はこの数字が何を意味するか、規定値よりどのくらい多いのか説明していない。とにかくすごく多い、ということがわかる。日本のネットではこの数字は見つからなかった。
さらに、
「東電は、トリチウム、ストロンチウム、セシウムなどを多量に含んだ地下水が、彼らが予告したように地中に溜まっていず、海に流れ出したことを報告しなかった。このことで、避難の的になっている。目下、約3000人が地下水くみ上げ作業に当たっている」

チェルノブイリから25年経って、フランスでまだ汚染されたキノコが生える。
福島原発事故の汚染の大きさはまだ計り知れない、ということだ・・・


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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