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2013.09.22 | カテゴリー:パリ雑記
この夏にラジオでよくかかった『Formidable』
「素晴らしい、素晴らしい。
君は素晴らしかった。そして僕はすごく惨めだった。
僕たちは素晴らしかった。
ベベ、ごめん、マドモアゼル
あなたをくどこうとは思わなかった、誓って本当だ・・・」
“Formidable/素晴らしい”と“for minable/すごく惨め”をかけたリフレイン、女にフラれた男の歌。
Rを強く発音する太い声に、中年のフランス人歌手の顔を思い浮かべた。そしたら、27歳のヒップホップ・エレクトロの歌手。ベルギー人で名前はストロマエ。カフェオレ色の肌に果てしなく細長いボディの・・・ベルギー人?実は父親はルワンダ人、彼が小さいときに出て行って、1994年のルワンダ虐殺で死亡する。ベルギー人の母親は1人で5人の子供を育てた。
11歳から音楽に興味を持って、Académie Musicale de Jetteでソルフェージュと打楽器を習い、15歳でラップを始める。ファーストフードQuickで働きながら学費を稼ぎ、音響エンジニアの勉強をした。
・・・という経歴。
『Formidable』のヴィデオクリップは、真昼間、ブリュッセルの繁華街で泥酔した男(ストロマエ)がヨレヨレになっているのを隠しカメラで撮ったもの。
「このクリップで僕は落ち込んで今にもぶっ倒れそうだ。でも声をかけてくれたのは2人だけで、他の人たちは眺めるか、見てみぬふりをしていた。僕だって彼らの立場だったら無関心を装ったと思う。でも絶望や涙は僕たち人間の一部で、かえって美しいものだ思う。シワやたるみと一緒。困難を生きてきた価値だ」スバラシイ!
歌詞は、
「ちょっと坊や、
世の中には悪人も善人もいないんだよ。
ママンがうるさいのはおばあちゃんになるのが恐いから。
パパが浮気するのはママンが年とったから・・・」
と続く。27歳の青年がこういう詞を書くとは・・・
このクリップはネットに出て3日間で300万人が観た。
「でも教訓じゃない。自分にも他人にも教訓を与えるのはいやだ」とストロマエ。
この歌には『ceci n’est pas une leçon/これは教訓ではない』というサブタイトルがついている。
彼の初めてのヒットになった2010年の『Alors on danse/じゃ踊ろうか』はラップっぽい。
ふざけた名前(ストロマエはマエストロの倒語)、ポップなルックスに、諦めのある暗い歌詞、一時代前のシャンソン歌手(ジャック・ブレルが引き合いに出される)のような歌い方。このミスマッチが、今の時代の心境に合い、相対化できるのか、とにかく人気の人。彼の歌は「異世代を近づけた」とも言われる。
その通り。最初、子供たちが聴いているのを「ナニコレ?」と思ったけど、聴くうちにすっかり深みにはまっていた。
彼の顔、誰かに似てる、と考えていたら・・・

スカーレット・ヨハンソン!

と子供たちに言ったら、スカーレット・ヨハンソンが一番好きな女優の息子は「一緒にしないでくれ」とむくれ、ストロマエを美しいと思う私は「ゼッタイ、似てるって」・・・
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「素晴らしい、素晴らしい。
君は素晴らしかった。そして僕はすごく惨めだった。
僕たちは素晴らしかった。
ベベ、ごめん、マドモアゼル
あなたをくどこうとは思わなかった、誓って本当だ・・・」
“Formidable/素晴らしい”と“for minable/すごく惨め”をかけたリフレイン、女にフラれた男の歌。
Rを強く発音する太い声に、中年のフランス人歌手の顔を思い浮かべた。そしたら、27歳のヒップホップ・エレクトロの歌手。ベルギー人で名前はストロマエ。カフェオレ色の肌に果てしなく細長いボディの・・・ベルギー人?実は父親はルワンダ人、彼が小さいときに出て行って、1994年のルワンダ虐殺で死亡する。ベルギー人の母親は1人で5人の子供を育てた。
11歳から音楽に興味を持って、Académie Musicale de Jetteでソルフェージュと打楽器を習い、15歳でラップを始める。ファーストフードQuickで働きながら学費を稼ぎ、音響エンジニアの勉強をした。
・・・という経歴。
『Formidable』のヴィデオクリップは、真昼間、ブリュッセルの繁華街で泥酔した男(ストロマエ)がヨレヨレになっているのを隠しカメラで撮ったもの。
「このクリップで僕は落ち込んで今にもぶっ倒れそうだ。でも声をかけてくれたのは2人だけで、他の人たちは眺めるか、見てみぬふりをしていた。僕だって彼らの立場だったら無関心を装ったと思う。でも絶望や涙は僕たち人間の一部で、かえって美しいものだ思う。シワやたるみと一緒。困難を生きてきた価値だ」スバラシイ!
歌詞は、
「ちょっと坊や、
世の中には悪人も善人もいないんだよ。
ママンがうるさいのはおばあちゃんになるのが恐いから。
パパが浮気するのはママンが年とったから・・・」
と続く。27歳の青年がこういう詞を書くとは・・・
このクリップはネットに出て3日間で300万人が観た。
「でも教訓じゃない。自分にも他人にも教訓を与えるのはいやだ」とストロマエ。
この歌には『ceci n’est pas une leçon/これは教訓ではない』というサブタイトルがついている。
彼の初めてのヒットになった2010年の『Alors on danse/じゃ踊ろうか』はラップっぽい。
ふざけた名前(ストロマエはマエストロの倒語)、ポップなルックスに、諦めのある暗い歌詞、一時代前のシャンソン歌手(ジャック・ブレルが引き合いに出される)のような歌い方。このミスマッチが、今の時代の心境に合い、相対化できるのか、とにかく人気の人。彼の歌は「異世代を近づけた」とも言われる。
その通り。最初、子供たちが聴いているのを「ナニコレ?」と思ったけど、聴くうちにすっかり深みにはまっていた。
彼の顔、誰かに似てる、と考えていたら・・・

スカーレット・ヨハンソン!

と子供たちに言ったら、スカーレット・ヨハンソンが一番好きな女優の息子は「一緒にしないでくれ」とむくれ、ストロマエを美しいと思う私は「ゼッタイ、似てるって」・・・
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