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リヨン郊外の団地に娘2人と暮しているモロッコ出身のファティマ。離婚した彼女は、娘2人に教育を受けさせようと、毎日、会社の清掃やお手伝いさんをしてせっせと働いている。教育がなくフランス語がしゃべれず“他人の汚れものを洗う”しかない彼女は、娘たちにはこういう思いをさせたくない。長女は医科を目指し、15歳の次女は反抗的で勉強しない。
朝まだ暗いうちにバスに乗り会社清掃に行く。お手伝いさんをする家では、彼女の“誠実度”を試すため、現金を目につく場所に置いたり、彼女を信用せず鍵を渡さないブルジョアの主人たち・・・移民たちが毎日のように出会う“差別”と、マリーヌ・ルペンに投票する人たちだ。
3年前の『La Désintégration/崩壊』では、自分たちが育った社会から拒絶されたと感じる若いアラブ人が、狂信的イスラムやテロリズムに走る様を描いたフィリップ・フォーコン。「これが、フランス社会に溶け込めない移民たちの運命なのか?」という問いに、この作品『Fatima/ファティマ』で、「いや、そればかりではない」と答えている。

映画『Fatima/ファティマ』

孤独なファティマは娘たちに持てるだけの愛情を注ぎ、その将来だけを生きがいに戦う。娘たちは母親への感謝と屈辱(母親の職業が恥ずかしい)に引き裂かれる。とてもリアル。でもそこに悲壮感はなく、ユーモアさえある。

母親の努力に応えようとする長女

映画『Fatima/ファティマ』

「お母さんの仕事はメルドよ!」と父親に訴える次女

映画『Fatima/ファティマ』

封切りになったときから観たかった作品は、地味ながら、教えられることが多く、柔和なファティマの顔が残る。
12月16日にルイ・デリュック賞を取った。去年はオリヴィエ・アサヤス『Sils Maria』、2013年は『アデル、ブルーは熱い色』アブデラティフ・ケシシュが取っている。

フランスの移民の受け入れ方、不十分なフォローや“愚かな人たち”の差別が「自分の育った社会に溶け込めない」人間を作り出している。努力して自分の生き方を見つけるか、狂信的、暴力的な生き方を選ぶか、二手に分かれるところだ。移民=テロリストという混同も誤りだし、恐ろしい。

2015年は大変な年でした。いつもは楽しみなクリスマスシーズンも、全然その気になれない自分がいました。
新しい年の新しいページになっても“危険”や“問題”は変わりません。でも生きていることが幸せで、人生を楽しみたいと思い続けます。

今年も読んでくださった方たち、心からありがとうございます。
平穏な年、幸せなときがたくさんある年になりますように願っています。


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さてツリーは1週間前に、息子とを買いにいった。花屋の前にできたツリーの林。一列目に見本があって、その背後にネットに包まれたツリーが並んでいる。

今年のツリー

「この大きさで、葉がもっと豊かなのあります?」というとバイトの男子が選んで持ってきてくれた。でもネットに包まれていてはよくわからん。「脱がせてみてくれる?」と頼むと「いいっすよ」とネットを取ってくれた。
隣で小さい子供とツリーを選んでいたお父さんが目を輝かせて「僕も!脱がせて!」
49ユーロの葉の落ちにくいNordman、ワタシ、払う人、息子、担ぐ人。

クリスマス休暇になって子供たちは遊ぶのに忙しい。仕方なく深夜、猫たちと音楽を聞きながらひとりで飾りつけ。この通り!

今年のツリー

そしてイヴの夜。3通りのメニューでイラついたけど、メインの子羊ナヴァランは、今回は今までで一番美味しくできた(と思っただけでなく、ベジタリアン以外のほぼ全員に言われた)ので、レシピをご紹介。

[材料]
子羊の肩肉または脚1.2kg:煮込みにする、というと肉屋さんが適当に切ってくれる。フランス人の時は1人200g見当。煮返すとより美味しいので多めに作るといいです。
玉葱大1個、
ニンニク2かけ
人参(carotte de sable)蕪(boule d’or)、ジャガイモ(Charlotte)それぞれ500gくらい
青み(インゲンかグリンピース)300~500g:冷凍で十分。
濃縮トマト(缶詰)100g
ビーフブイヨン
タイム、クスクス用スパイス、ブーケガルニ

① クルーゼなどの煮込み鍋で、ざく切りにした玉葱をオリーヴオイル少々で炒める。そこへ肉を入れ、色づくまで炒める。
② タイム、クスクス用スパイス、小麦粉大匙2をふりかけ、肉に絡めるように2-3分炒め続ける。あらかじめビーフブイヨン2個を溶かしたお湯を、ヒタヒタにいれる。
③ ニンニクを包丁の側面で潰して加え、中火で1時間煮込む(ここまで前日にやっておくと精神的にラク)
④ 火を止めてから数時間立つと(急いでいるときは荒熱が取れてから鍋ごと冷蔵庫に入れる)表面に薄氷のように脂の膜ができる。これを少なくとも半分くらい取る(スプーンで“薄氷”を取り除く作業は、けっこう面白い)。こうするとソースがギトギトせず色も綺麗にできる、と誰かが教えてくれた(私はここまで前日にやったので、安らかに眠れた)。
⑤ 人参は砂地で栽培したcarotte de sable、蕪は皮がオレンジ色がかったboule d’orがほっこりして美味しい(Bouleは玉、orは金の意味なので買うたびに赤面する)。人参は長さ5cmくらい、縦2つ切りに。蕪は大きさによって2つか4つに切る。ジャガイモは縦2つ切り。
⑥ 濃縮トマトを加え、人参を最初に入れ約20分煮込み、蕪とジャガイモを加え40分~1時間煮込む。
⑦ 塩加減を見て、最後に別に茹でたインゲンかグリーンピースを加えて出来上がり。

写真を撮ったら、すごく不味そうで、これでは誰も試したくならないだろう、と。実物にかなり近かった写真です。

navarin-d-agneau2.jpg
photo:le monde

ちょっと時間がかかるので度々はできないけど、ご馳走に見えて美味しいです。お試しあれ!

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プレゼント、クリスマスのメニュー、ああ疲れた・・・
プレゼントが済まなくて、何を買ったらいいのか決まらなくて、混雑のBHVを娘とウロウロ。目につくのは自分たちの欲しいものばかりで、バッグ売り場をひやかしたり、口紅を試したり、結局手ぶらで出てきた。
まったく女って!

明日の料理でまた頭が痛い。26歳の甥っ子が最近ベジタリアンになった。アレルギーとかではなく、ある日突然「肉も魚も食べない」と決めたそうだ。
最初は一緒に作った料理の野菜だけ食べていたのが、肉と一緒に煮込んだものは食べないと言いだした(まぁそうなるよね)。
自分のうちでは鍋まで一緒にしないとか。夫は「インゲンのサラダでいい」と言うけどクリスマスだもの・・・ベジタリアン用メニューを作らなくてはならない。

その母親-夫の妹-は、魚介類を一切食べない。これもアレルギーじゃなくて、反抗期のとき父親に魚を食べろと強いられ、一生食べないと決めたそうだ。生牡蠣、スモークサーモンはダメなので、肉オードヴルを作らなくてはならない。彼女のうちでは魚がテーブルに現われることはないし、アペリティフのプチフールに「魚パウダーとか入ってない?」 アレルギーじゃないだろ、と言いたくなる。

ベジタリアンの甥の弟は、まあ何でも食べるけど、一度に一種類のものしか食べない。例えばステーキにインゲンとジャガイモの付け合せの場合、まず肉だけ食べ、次にインゲンを食べ、最後にジャガイモを食べる。ラタトゥイユのときは、ナス、ズッキーニ、ピーマンをきちんと分類して、順々に食べる。そんな風に食べたら美味しいわけない!うちの子供たちは素晴らしい(と思うのはこんな時くらいだけど)。
極めつけは、義妹が内科医で、しかも摂食障害専門。ギャグのような話だ。

メインは実家の風習に従って子羊。人参や蕪、ジャガイモと煮込んだナヴァランを作る。

子羊のナヴァラン

各自、2種類のオードヴルにありつくように、スモークサーモンとフォアグラとグリーンアスパラのサラダ。ベジタリアンには野菜のキッシュ(買ってくる!)とメインに野菜カレーを作ってあげよう。
・・・というわけで頭痛がする。気難しかった義父とのクリスマスが懐かしくなるくらい。

みなさん、どうぞ楽しいクリスマスをお過ごしください!


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2015年『最も嫌われた人トップ5』

雑誌VOICIと調査会社Harris Interactiveのアンケート調査で、この人が堂々“最も嫌われた人”に選ばれたのはスバラシイ。

1位:ナビラ/Nabilla

2015年『最も嫌われた人トップ5』ナビラ

2011年からtéléréalité/リアリティ番組に登場、2013年『リアリティ番組の天使たち』で一挙に“社会現象”になった。
きっかけは「モシモシ・・・ヤダ、何がモシモシよ!・・・」というセリフ、その(アホな)言い方がネットでバズを起こし、“瞬間的に”有名人に(人間の運命はわからない・・・)。
その後、『モシモシ、ナビラ』をはじめ、自分の番組を持ち、CM にも出演。日本にまで恥をさらしに行った。
豊胸手術をしたようなバスト、タトゥーで描いた眉のバービーみたいな女で、フランス人の趣味を疑ったもんだけど、『フランス版キム・カーダシアン』『成功するためなら何でもする女』・・・という意見も多い。

彼女をさらに有名にしたのは恋人傷害事件:去年の11月、ナビラは恋人のトマ・ヴェルガラが“何者かに刺された”と救急車を呼んだ。警察の事情聴取でつじつまが合わず、「口論の最中にトマが自分で(自分を)刺した」と供述を変え、結局ナビラの犯行とわかり、殺人未遂、傷害罪で禁固刑に。1ヶ月足らずで司法監視つき釈放になり、数ヵ月後にはメディアに復帰した。

2位:デュードネ/Dieudonné

2015年『最も嫌われた人トップ5』

コメディアン、ユモリスト、政治運動家・・・近年のワンマンショーでユダヤ人排斥、ホロコーストの犠牲者を侮辱する発言が多くなり、マニュエル・ヴァルスが「挑発の限界を超える」とキレ、右派も同調。右翼FNは「デュードネに対する政府の態度は《表現の自由》から逸れている」と批判(FNだって反ユダヤだから・・・)。
フランス各地でデュードネのショーは禁止になった。

3位:ニコラ・サルコジ

2015年『最も嫌われた人トップ5』

先日の地方議会首長選挙で、レ・レピュブリカン党首サルコジの方針は「撤退しない、フュージョンもしない」で、期待はずれの結果に(右派連合は7地域、左派連合5地域、右翼ゼロだけど、右派は圧倒的勝利を予想していた)。サルコジは自分の方針を批判したレ・レピュブリカン副党首ナタリー・コシュースコ=モリゼを除名。これは党内からも「除名は何の役にも立たない。政治ファミリーを小さくするだけ」と批判されている。自分の思い通りにならないのに苛立って、最近、写真のような顔になることが多い。

同点3位:ヴァレリー・トリールヴァイレール


2015年『最も嫌われた人トップ5』

フランソワ・オランドのモト彼女。オランド大統領が女優ジュリー・ガイエと付き合っていることがマスコミにばれて、別れることに。その後、暴露&復讐本『あの時をありがとう』を出した。執念深く、やることがキタナイので嫌われて当然。数日前、週刊誌に、
「アタシが指一本動かすだけで、ジャーナリストが書きたてて、こまるわぁー。アタシ、スターじゃないのにぃ・・・」みたいなことを言っていた。オランドさん、別れてよかったね。

5位:エリック・ゼムール

2015年『最も嫌われた人トップ5』
photos:VOICI

作家、エッセイスト、政治ジャーナリスト。
「移民の背景を持つフランス人は警察から検査を受けるべきで、なぜなら麻薬密売人は黒人とアラブ人だからだ」「雇用者は黒人とアラブ人を拒否する権利がある」などなど移民について繰り返し否定的な意見。何度も裁判沙汰に。テレビに多く出演しているけど私はあまり見たことがない。

6位にオランド大統領、8位にカーラ・ブルーニ=サルコジ。その後、テレビ番組の人気司会者やタレントが並ぶ。
その中には『フランス人に愛される人ランキング』の上位常連(ガッド・エルマニ、ジャン・ドゥ・ジャルダン・・・)もいるので、人気があるほど、そしてメディア露出が大きいほど、好き嫌いの対象になるってこと。
それにしても20位までにマリーヌ・ルペンや親父のジャン=マリーが出てこないのは遺憾。無作為に選ばれたという回答者に右翼が多かったとしか思えない・・・


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誰が、何故、右翼FNに投票する?

結局、国民戦線FNは一地方の首長も取れなかった。なのに、マリーヌ・ルペンは、満面の笑顔で支持者たちの前に現れ、FNの得票数を「素晴らしい成功」「否定できない上昇」と自賛、「決然として勇気ある国民のみなさんに感謝」した。

マリーヌ・ルペン
photo:l'Express

これは負け犬の強がりでも誇張でもなく事実だ。
今回のFNの得票数は660万票。2010年の220万票に比べると記録的な大躍進。それでも叔母(マリーヌ)と姪(マリオン)が落選したのは、
① ヴァルス首相が、見込みのない左派候補者を撤退させ、右派に投票するよう呼びかけた“FNバリケード”が功を成した。
② 1回投票で棄権した人たちが、開票結果に驚き、2回目は投票所に行ったから(58%という投票率)。

最悪の事態は免れたけど、FNの恐ろしい躍進の理由はなんだろう?

国民戦線FNが労働者、商店経営の階級に支持者が多いことはご存知の通り。前回の大統領選では、バカロレアを持っていない人の30%がマリーヌ・ルペンに投票した。マリーヌは、この支持層にとってわかりやすい、一面的な演説をする:
失業率が高いのも、治安が悪いのも移民のせいだ→合法移民数の大幅削減、出生地主義(出生した地の国籍が与えられる)廃止。シェンゲン圏から撤退してヨーロッパの“放任主義”と決別。
フランスの経済についてドイツやベルギーから口を挟まれたくない→ユーロ圏から撤退。
自由貿易反対→「あなたたちはホルモン剤投与の牛と、アメリカのGMO(遺伝子組み換え生物)ばっかり食べることになるわよ!」
つまりひたすら孤立する政策。
近年、この労働者の基本支持層が会社員、公務員にも広がってきている。左派政権に失望した人たち。また、これまで右翼支持は圧倒的に男性が多かったのに、女性も増えているという。

不安なのは、18~24歳でFNに投票した人が増えていること。「なぜ?」という質問に答えた学生の、
「これまで右派(レ・レピュブリカン)に投票していたけど、現在の社会問題:失業、治安、世界紛争への介入などに何の解決ももたらしてくれないから」が代表的な理由。
右派を“左派”に置き換えても同じことが言える。つまり、右派左派が政権をとっても何も変わらない。一度も政権を取ったことがない極右FNに“賭けてみる”・・・

一度マリーヌ・ルペンに政権を取らせ(うまく行くはずはないから)支持者が失望するのが一番いいのかもしれない、なんて思うけどそれは危なすぎる。既に今回の選挙結果はヨーロッパを心配させているし・・・でもこのままでは躍進を続けそうだ。
左派と右派、しっかりしろ!

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父親の転勤でボンベイにやってきたルイーズ。親子3人は引っ越し先が決まるまで、高級ホテル、タージ マハル・パレスのスィートに泊まっている。
ある晩、両親は夕食に出かけ、ルイーズはひとりホテルに残った-18歳、親と別行動を取りたい年頃だ。DVDを観ていると、館内で銃声のような音。彼女はホテルがテロ襲撃に遭ったことを知る。部屋から出られない。外界との唯一の繋がりは携帯電話。ルイーズはバスルームに隠れ、なんとかして彼女を助け出そうとする父親と連絡を取りながら、ひたすら待つ・・・

ニコラ・サーダ監督の『Taj Mahal/タージマハル』

映画 『タージマハル』

2008年11月26日、ボンベイは連続テロの的になった。2人のテロリストはタージマハル・パレスのお客15人を人質に取り、その他のお客は部屋に隠れ襲撃が終わるのを待った。なんと3日間。ニコラ・サーダは、ひとりで部屋に閉じ込められていた18歳の女子の話を聞き、この長編を撮ることに。

映画は襲撃者や銃撃戦の場面を一切見せない。バスルームに隠れるルイーズと彼女が聞く音-銃声、叫び声、爆発音-だけ。
それは襲撃を見せられるより遥かに怖い。カメラは密室の中で、ルイーズの変化を追う:最初、外で何が起きているか知りたいと思い(廊下に出たり、窓から見たり)、間もなくパニックになり膝を抱えてバスルームの隅にうずくまる。

映画 『タージマハル』

ほかになす術がなく頻繁に電話するが、父親の励ましは別世界のセリフに聞こえる。

映画 『タージマハル』

時間が経つうち、生き延びたいという本能が目覚める・・・

11月13日の同時テロの後、プロデューサーや配給会社は相談した結果、予定通り公開することに決めた。
「今、世界で何が起こっているかを見せるために」「それを話し合うことのきっかけを作るため」・・・

「生きるか死ぬかの恐怖を体験した人にとって、それを何度も他人に話したり反芻することがカタルシスになる」同時テロ後に何人かの精神科医や分析医が語っていた。
“自分もその場に居合わせたかもしれない”と思う(私のような)住民たちにとっては、その場にいた人たちの恐怖を少しでも理解する助けになる。
両者の運命を隔てるのは些細なことだったりする。あの晩、娘は11区のカフェで友達と飲む約束があったけど「あまりピンとこない顔ぶれ」とウチにいた。友達は明け方までカフェに閉じ込められた。
フランス語の表現にあるように「悪い時に悪い場所にいた」・・・運命論者になるしかない。

Taj Mahal
ニコラ・サーダ監督作品
主演:ステイシー・マルタン、ルイ=ド・ドゥ・ランクザン
1時間31分
フランスで公開中

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極右派FNが圧勝した地方議会選挙第一回投票。北仏のノール・パ・ドゥ・カレでは叔母(マリーヌ・ル ペン)、南仏のプロヴァンス・アルプ・コート・ダジュールでは姪(マリオン・マレシャル=ル ペン)が40%を取って余裕のトップ。忌々しい事態だ。

その翌日TF1、20時のニュースに現れたマニュエル・ヴァルスは、ノール・パ・ドゥ・カレ、アルザス・ロレーヌ・シャンパーニュ・アルデーヌ2地方で、左派候補者に撤退を呼びかけ“第二回投票では、左派支持者は右派に投票するように”。FNの当選を阻止する策略だ。

マニュエル・ヴァルス 地方議会選挙
photo:l'express

「共和国の問題であるとき、私欲は忘れなければならない。迷うことなく共和党(レ・レピュブリカン)に投票するように呼びかける」

そのレ・レピュブリカン党首ニコラ・サルコジは、同じ夜、France2のニュースに出ていた。

ニコラ・サルコジ 地方議会選挙
phoro:toutelatele

キャスターがヴァルスの発言を受けて、「社会党にお礼を言いますか?」と質問したところ、
「レ・レピュブリカンと社会党の間に意見の一致はない。だから協力はない。・・・・“サラダ菜をくれ、その代わりルバーブをあげよう”というわけにはいかない」
このセリフは、忽ちTwitterでからかいネタになった。
「トップシェフ(料理を競う番組)では絶対優勝しないね」
「サラダはあるけど、誰かルバーブをくれる?」
「ホラ(仏俗語でsalades)はやめてくれ」

これは“〇×してあげるから、その代わり×〇してくれ”という古い表現だそうで、サルコジが広報担当にインパクトのあるセリフを探させたに違いない。正しくは、
Passez-moi la rhubarbe, je vous passerai le séné/ルバーブをください。代わりにセンナをあげます。
センナがあまり知られていないので一般的なサラダ菜に置き換えたらしい。あるいは、センナは下剤に用いる植物なのでまずいと思ったのか?正しい表現を知らなかっただけか・・・
サルコジは“撤退もフュージョンもしない。FNに対抗できるのは自分の党だけ”と強気で、党内にも反対者が出ている。

選挙前、地方の支持者ミーティングで、彼はこういう発言もした:
「ネットでぺドフィリア(児童性愛)の画像を見る人はペドフィルだ、ジハーディストの画像を見る人はジハーディストだ!」
これもソーシャルネットワークでウケて、
「子猫の画像を見る人は子猫だ」
「サルコジの画像を見る人はサルコジだ」・・・

広報担当者を変えたほうがいいかも。

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実は、カンヌ映画祭の審査委員の多くはこの作品にパルム・ドールをあげたかった。でも毎回取り逃がしている(ミヒャエル・ハヌケのせいで)ジャック・オーディアールの『ディーパン/Dheepan』に、これまでの功績への賞としてあげることに決めた、という裏話。

ナンニ・モレッティはオートフィクション(自伝とフィクションが一緒になったジャンル)が得意な監督で、脚本・監督・主演を一手に引き受けることが多いけど、この作品『Mia madre/わたしの母』では自分の分身(女性!)を立てた。

女性監督マルゲリータは、解雇に反対して工場を占拠した工員たちを描いた作品を撮っている。撮影は思うように進まず。その上、入院している母親は余命いくばくもない。

そこへ、工場経営者を演じる“有名な”アメリカ俳優が到着。実はこの役者、プロ精神に欠けた、気まぐれなほら吹きで、セリフもまともに覚えられないことが判明。マルゲリータのストレスは募るばかり(でも観ているほうはすごく可笑しい)。

バリー(ジョン・タトゥーロ)のNGの連続にヒステリーを起こすマルゲリータ

ナンニ・モレッティ『Mia madre』

夜は疲れ果てて病院にたどり着き、母親の枕元でひとときを過ごす。
母親役ジュリア・ラザリニは有名な舞台女優。なるほどの貫禄。

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マルゲリータは自分の仕事にも私生活にも迷いと疑いを感じている:撮影が上手くいかないのは私のせい?自分がどうしたいのかよくわからず、いつもピリピリしているから?ひとり娘に好きな人がいたことを、死にかけている“おばあちゃん”から教えられるなんて。なんで母親の私が気づかなかったの?・・・

ナンニ・モレッティ『Mia madre』


ナンニ・モレッティはマルゲリータの兄役。控えめでしっかりしていて・・・こんな兄貴が欲しかった。

ナンニ・モレッティ『Mia madre』

映画は、母親が元気だった頃のフラッシュバックを挟みながら、撮影現場と病室を行ったり来たりする。その中から、今、人生を終えようとしている母、人生半ばで疑問を感じているマルゲリータ、これから大人の世界に漕ぎ出していこうとしている娘、の3世代が浮き彫りになる。
可笑しくて哀しい(でもメロにならず)傑作。私はハンカチを取り出し、隣の女性もグスンと言っていた。
恐ろしい事件が重なった2015年の終わりに、家族の絆と人が死ぬことの重みが染み入ってくる。是非観て下さい!

Mia Madre
ナンニ・モレッティ監督作品
主演:マルゲリータ・ビュイ、ジョン・タトゥーロ、ナンニ・モレッティ
1時間47分
フランスで上映中

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話題になったディナーの翌日、Canal+のジャーナリストがレストラン、アンブロワジーに取材に行った。
アンブロワジーは1986年に、ベルナール&ダニエル・パコ夫妻がヴォージュ広場に開店した。

“貴族の館の食堂”をイメージしたネオ18世紀スタイル、

レストラン、アンブロワジー

夫ベルナールがシェフで、妻ダニエルが女主人役。ミシュラン3つ星の料理は、“季節の素材を使い限りなく完璧に近い軽めの伝統フレンチ”。

ダニエル・パコと給仕長

レストラン、アンブロワジー

その30日(月)、レストラン定休日の朝、
「“エリゼ宮”から電話があったとき、イタズラ電話だと思いました」とダニエル。
ところが間もなく30人の視察団がやってきて、ヴォージュ広場から店までの安全確認、警官、機動隊の配置・・・狙撃手がどうやって屋根に上るかまでチェック。その後、警察犬-アメリカ整とフランス整-がやってきた。

サービス係は、エリゼ宮から3人、アンブロワジーの給仕長+2人。粗相がないようにリハーサルが行われた。
大統領が2人、どちらからサーブするかで頭を痛めそうだが、6人がかりだったので同時にサーブできたそう。その他の出席者は、マニュエル・ヴァルス首相、外務相ローラン・ファビウス、環境・エコロジー相セゴレーヌ・ロワイヤル、米国務長官ジョン・ケリーなど計14人。
客人たちが料理に満足していたか?の質問に
「オランド大統領はご満足の様子、ヴァルス首相は大喜び、オバマ大統領は最後、すごく陽気でした。ハシシを吸ったわけでもないから、お気に召したんだと思います」格式あるレストランの気取った女主人風でなく、気さくでユーモラス。

オランド大統領は帰る時、ダニエルにキスしたそうで、「ええ!大統領がキス!?」と驚くジャーナリストに、
「それは感じが良くて素敵な方。稀に見るインテリだし・・・あの方はもっと長所を見せるべきだわ」
そんなこと言ったら、オランドさん、またスクーターで通っちゃうわよ!

気になる「誰が払った?」は、「請求書はエリゼ宮に送ります。でもこれだけ世界中に宣伝していただいたんだから、正規のお値段(300ユーロx14)ではなくて、ほんのおしるしだけ・・・」

別のジャーナリストがオバマ大統領に、
「ニコラ・サルコジとフランソワ・オランドとどっちが好きですか?」と、答えられそうもない質問をしていた。
「2人はとても違うから」
「どこが違いますか?」
オバマさんはうつむいてしばし考え、
「オランド大統領はメガネをかけているけど、ニコラ・サルコジはかけていない!」
こういうユーモア、大好き・・・


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夜7時半頃、うちに向かっていたら、ヴォージュ広場に向かう道にCRS(機動隊)のバンが何台も停まっている。ヤダ、また何かあったの?でも機動隊員たちに緊迫した様子はなく、車の中で腹ごしらえなどしている。
うちに帰ってニュースをつけたら、COP21で来ているオバマ大統領とオランド大統領が、ヴォージュ広場のミシュラン3つ星レストラン、Ambroisie/アンブロワジーで夕食、そのための物々しい警戒だそうだ。わー!もっと近くまで行ってみればよかった!

オバマ&オランド大統領の夕食

朝のニュースでは、「オバマ大統領はパリの星つきレストランで夕食をする」だけで、安全のため名前は伏せていた。アンブロワジーは当日の朝知らされ-しかも月曜定休-シェフは喜びとパニックに引き裂かれたとか。
メニューは、
アントレ:イル・フロッタントにセップ茸のエマルジョン
メイン:ブルターニュの天然魚(誰?)のローズマリー風味、ノワールムティエのジャガイモの甲殻類ソース・コンフィ
チーズのプレート
デザート:カカオのサブレ生地タルト(オバマさんの好物)
と、最近のメニューは軽めだ。お値段は重め 、ワインも入れて1人300ユーロ(約4万円)。
「誰が払うんでしょう?」とキャスター(招待国に決まってない?)。

COP21では、環境・エコロジー相のセゴレーヌ・ロワイヤルがファーストレディのように目立っている。モト彼女の復活?

オバマ&オランド大統領の夕食
photo:AFP

COP21 (Conférence de Paris sur le changement climatique/気候変動枠組み条約の締約国会議)。150カ国の首脳を集めて、史上最大の規模、史上最大の警戒で11日まで続く。
初日のオープニング昼食は、5人の有名シェフ、ヤニック・アレノ(le Pavillon Ledoyen)、アレクサンドル・ゴティエ(La Grenouillère)、ニコラ・マス(La Grand'Vigne)、マルク・ヴェラ( La Maison des bois à Manigot)、クリステル・ブリュア(Pré catelanのシェフ・パティシエ)が明け方から準備したという「環境と持続可能な開発を尊重した季節の素材を使った4皿」
フレンチ・ガストロミーを世界に宣伝するチャンスだものね。

ヤニック・アレノのアントレは蕪のスープに帆立貝。蕪を丸ごと使い、ムダがなくてエコロジー・・・

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photo:Le Point

150人に毎回シェフ総出の食事は出さないだろうけど、会議中の食事は、絶滅の危険がちょっとでもある魚、遺伝子組み換え生物・植物禁止、オーガニック、ラベル(品質保証)つき、フェアトレードの食材のみと制約があって大変らしい。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから20年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書2冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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