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写真が語る2016年

4月28日:シリア、アレッポの殺戮

シリア、アレッポの殺戮
Photo : Ameer Alhalbi/AFP

「人口数十人のこの一画に近づくと、血の匂いが充満していた。廃墟の真ん中に、奇跡的に生き延びた青年が大声で助けを求めていた。恐怖でひきつった彼の表情を収めたかった」とカメラマン。

4月29日:Nuit debout/眠らない夜、パリ、レピュブリック広場

パリ、抗議集会 Nuit debout

Photo :Philippe Lopez/AFP

居住権を主張してデモに来たプロのミュージシャンたちが、地下鉄の入り口に降りていくところ。
労働法改正に反対デモから始まったNuit debout(参加者たちが一晩中レピュブリック広場に陣取る)は、政治形態や経済システムなどへの抗議集会に広がっていく。
ミュージシャンを取り囲む人たちでわかるように、参加者は若い人、若くない人が混じり、世代を超えた抗議集会になった。

6月28日:ロンドン子の60%は《Remain》に投票したのに・・・


ブレキシット
Photo :Juitin Tallis/AFP

雨の中、国民投票の結果に抗議してトラファルガー広場に集まった人たち。《Leave》の勝利が“まさか”“信じられない”ロンドン子たち。欧州の国旗をマント代わりに群衆を離れて歩き出す青年。

7月10日:サッカー欧州選手権、優勝を決めたポルトガルのゴールの瞬間・・・

サッカー欧州選手権、決勝戦
Photo :Nicolas Tucat/AFP

ずっと0-0だったとこへ最後にポルトガルが。ボルドーのファンゾーンで、息を呑むトリコロールのサポーターたち(やっぱりカメラマンは綺麗な子を選ぶのね・・・)

7月15日:トルコ、クーデター未遂事件

トルコ・クーデター未遂
Photo :Gurcan Ozturk

イスラム化政策を推し進めるエルドアン大統領に反対したトルコ軍の一部が、ボスボラス海峡にかかる2つの橋(そのひとつはニースのテロ後、トリコロールの光で照らされていた)を封鎖し、発砲を始めた。
未遂に終わったものの、この写真は「人々の自由への願望は、戦車、戦闘機、武器よりも強い」ことを表現している、と撮ったカメラマン。

7月17日:「人々は寡黙で毅然としていた」

ニース・テロ
Photo :Anne-Christine Poujoulat/AFP

ニース、プロムナード・デ・ザングレ。テロ後、2度目の黙禱に集まる人たち。

10月24日:カレーの難民キャンプ“ジャングル”の解体


カレーの難民ジャングル
Photo :Denis Charlet/AFP

難民キャンプを隔てる壁には『London calling』『 Welcome to jungle』
取り壊した途端に別の“ジャングル”ができるに違いない・・・とカメラマン。

11月9日:午前2時、勝利を発表するドナルド・トランプ。みんな動転した雰囲気だった


まさかのトランプ
Photo :Saul Loeb/AFP

「開票結果を待つ長い夜は、選挙運動中と同様に、局面を変えつつ”ありえない”結果に終わった」とカメラマン。
”まさか”のトランプ、”信じられない”トランプ・・・

12月1日:「国民は沈黙の中に沈んでいた」

フィデロ・カストロの死
Photo :Ronaldo Schemidt/AFP

「フィデル・カストロの位牌、キューバ横断の一日目。葬儀車が革命広場を出発した15分後の写真。2時間以上前から待っている人たちもいた。」

フィガロに載った「カメラマンが語る2016年」から抜粋です。
こうやって見ると激動の年。戦争、内戦、テロ、反乱・・・あちこちで血が流れ命が失われた一年でした。

2017年がもう少し穏やかな年でありますように。
どうぞよいお年をお迎えください。

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“まだ嫌いじゃない”クリスマス

「胃は重いけど、家族との集まり(クリスマス)は終わりました。すでに過去のことです!あとは友達と騒ぐ年越しを待つばかり・・・」と26日のラジオ。
クリスマスが憂鬱な人がそんなに多いってこと。お正月が憂鬱な日本人も実は多いかもしれない。
その理由の圧倒的一位は“家族”。
家族のいない人、断絶している人は、家族が集うこのお祝いに孤独感を募らせ、
家族で集まると、思い出したくないことが浮上して口論になったり、落ち込んだりと言う人は多数。
それぞれ親が離婚して別のパートナーと暮らしているカップルは、計4回クリスマスをする羽目になり、胃が持たない・・・

先週会った友達は「姉貴と会うのが気が重い。言われたくないことをグサッと言う人なんだ」
「例えば?」
「息子が就職決まって喜んでいたら『もっとマシな職につけなかったの?』とか、僕には『そんな体型でよく我慢できるわね』(彼は小太り)とか・・・」
“姉貴”は2度離婚して今はひとり、2人の息子は遥かかなたの外国に住んでいて、クリスマスにも帰ってこない、というから“原因と結果”が明らかだ。
うちは、今年はディジョンの義妹の家で祝う番。義妹は料理が嫌いで(夫と私でするしかない)、魚は一切食べず、息子の一人はベジタリアン(メニューが難しい)。
一泊だからパジャマと歯ブラシだけ、と思ったら、料理の一部や、プレゼントを持って行かなくちゃいけないのに気づいて、けっこう大荷物になった。
リヨン駅(パリの)はクリスマス帰省で人が多い。
「ここでテロに遭いたくない」と娘。
「どこだって遭いたくないわよ」
「プレゼント開ける前に遭いたくないってこと!」

プレゼントを待ちかねる子供たちがいる限り、クリスマスを好きでいられる・・・

image1(1).jpg

7人で交換するとこの数になる・・・

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12人を轢き殺したトラックの運転手、ヨーロッパ指名手配になっていたアニス・アムリ。23日午前3時にミラノで、警官の職務質問に、身分証明書の代わりに武器を取り出し、射殺された。

ベルリン・テロ容疑者 アニス・アムリ
photo:HO/BKA

24歳、チュニジア人のアムリは、実はドイツで“最も危険な人物550人”のリストに入っていて、今年初めから電話が盗聴されていた。危険な理由は、大規模な押し込み強盗を計画していること、そのお金でテロ行為の武器を調達しようとしていた(おお!)。
盗聴を続けるうち、警察は彼がベルリンのKreuzbergの公園でドラッグを売っていることがわかる。ドラッグ密売で有名な地区だそう。
4月、アムリはエジプト人としてドイツ政府に難民申請。でも彼のアラブ語が“エジプト人らしくなく”、政治的亡命と言っているのにエジプトの政情をよく知らないので却下。
その1か月後、今度はイタリア人(!)として難民申請。担当者がウソを見破るのに時間はかからなかった。
担当者はチュニジア政府に、在外自国人として承認を頼み、アムリを留置。6カ月まで留置できるのに、なぜか2日後に釈放された。
その後、アムリが強盗を実行に移す気配がないので、盗聴は9月に打ち切られた。
チュニジア政府から在外自国人の確認が来たのは、ベルリン・テロの2日後だった。

ドイツ政府、メルケル首相に対する怒りが高まっている理由だ。
「惨事のあったクリスマス市が再開されたときのメルケル首相の声明-
事態に冷静に対処した方々と、大変プロフェッショナルな捜査官たちの仕事を誇りに思う-
は楽観的で、国民の感情とかけ離れていた。」とル・モンド紙。
右派ポピュリストAfDが既に支持率を伸ばしているというし、メルケルさん窮地だ・・・

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またギリギリでプレゼント選び

「クリスマス、何か欲しいものある?」と義妹に電話すると、
「うーん、よくわかんない(毎年同じ答え!)化粧ポーチとかな・・・」
「化粧ポーチ!そんなのモノプリで15ユーロで買えるじゃない。大体、化粧ポーチなんて自分で選んだほうがいいでしょ」
「そういえばそうね・・・じゃ何か選んで」

もしかしたら画期的なポーチがあるかも、とル・ボン・マルシェに赴いた。

ボン・マルシェ

5年くらい前までこのデパートは面白かったけど、最近「高いものだけ揃えました」という感じで、あまり来なくなった。値段を見るとだんだん腹が立ってくる・・・

果たして化粧ポーチなどという安物は見当たらず、じゃBHVに行くか、とバスに乗る。
ポン・ヌフまで来たら、何の断りもなく「ここで終点です。次のバスをお待ちください」と乗客全員、寒風の中に降ろされた。
次のバスを見ると11分後!歩こうか?でも寒すぎる・・・と迷っていると、停留所前のウィンドウに目が留まった。ここにこんな店あったっけ?
お弁当箱に似ているけど何だろう?

portega.jpg

入って尋ねると、イタリアのPORTEGOというブランドのBoutique éphémère(ポップアップ・ストア)。
お弁当箱に見えたのはジュエリーボックス。蓋が鏡になっている。
義妹へのプレゼントにいいかも!
すぐ甥に電話して「あなたのお母さん、イヤリングたくさん持ってるけど、どこにしまってるか見てきてくれる?」
甥は義妹の部屋に侵入し「あっちこっちにある・・・バラバラ」
「大変よろしい」

団扇の形の鏡も素敵。桜の木で作っているんだと。

portega3.jpg

少し迷ってオレンジのジュエリーボックスに決める。190ユーロ。
お店の人は(当然)イタリア人で、フランス語の混じったイタリア語を話し、
「ここ23日までだし、ノエルだし・・・20%オフにしてあげる」
私はご機嫌でお店を出た。バスが突然止まったおかげでプレゼントをひとつクリア。
いいも悪いも、まったく一寸先のことはわからない・・・

どうぞ楽しいクリスマスを!


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ベルリンの中心街、Breitscheidplatzのマルシェ・ド・ノエルに38トンの大型トラックが突進し、死者12人、負傷者48人。
7月14日、独立記念日の花火に集まった人たちに大型冷凍トラックが突っ込んだニースのテロによく似ている。

ベルリン テロ

ベルリン テロ

犯行のトラックはポーランド運送会社のもので「月曜日から運転手の消息がなかった」と雇い主。
そのポーランド人運転手は、撃たれて死亡しているのが見つかった。
ベルリン警察は、トラックを運転していた疑いのパキスタン人23歳を逮捕。
慎重なドイツ政府はなかなか“テロ”という言葉を使わなかったけど、翌日20日、ISのプロパガンダ・サイトAamaq (アマーク)が「トラックはイスラム国の兵士」と発表。
拘束されていたパキスタン人は証拠がなく釈放され、犯人(複数かも)はまだ逃げ回っている。

ドイツ専門家のバルバラ・クンツは:
2015年パリのテロ以来、ドイツの内務相トマス・ド メジエールはドイツでも危ないと繰り返していたけど、国民の反応は矛盾していた:アンケート調査では3分の4の国民が「テロは怖い」と答える一方、自分の国では起こらない、と信じているように見えた。
持ち主のないスーツケースに騒ぐことはなかった。
2016年7月18日、列車の中でアフガニスタン系の男性が斧で乗客を負傷させた事件、6日後、バヴィエールの音楽フェスティバルで、シリア系の男性が爆弾を仕掛けた事件(予定より早く爆破して結局犯人だけが死亡)も、ドイツ人の態度を変えることはなかった。
と書いている。

このテロで、移民受け入れを支持しているアンジェラ・メルケル首相が窮地に立ち、右翼(すでにバッシングを始めている)が伸びるのは明らかだし・・・FNの№2のフロリアン・フィリポまで便乗してメルケル首相を非難していた。
どこにいても危険はある今日の世界。
宗教の名を借りて愚かな殺戮をする人たちの、頭の中はどうなっているんだろう?
どうしたら止めることができるんだろう?


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アメリカ人モーリーンはパリで、時間のないセレブ女性のためにドレスやジュエリーを借り歩くパーソナル・ショッパーのバイトをしている。好きな仕事ではないけど、ルイスからの“合図”を待っている間の生活費稼ぎだ。

『パーソナル・ショッパー』クリステン・スチュアート

パリで急死した双子の兄、ルイスとモーリーンには霊媒能力があった。兄は、死んだ後、何らかの形で“合図を送る”と彼女に約束したのだ。
兄が恋人と暮らしていた大きな館にひとりで残り、彼女は物音や影に神経を研ぎ澄ます。「ルイス、あなたなの?これが合図?」

出るならさっさと出ろ・・・館のシーンはホラー映画だ。

『パーソナル・ショッパー』クリステン・スチュアート

そのうちモーリーンは「私はあなたを知っている」に始まる不可解なSMSを受け取るようになる。送り主は彼女がどこにいるか知っていて、陰のようにつきまとう。放っておけばいいのに、「これもルイスと関係あるの?」彼女は返事せずにいられない。

オリヴィエ・アサイヤスの最新作『Personal Shopper 』

『パーソナル・ショッパー』クリステン・スチュアート

カメラはひたすらモーリーン(クリステン・スチュワート)を追い続ける。
ガランとして寒々しい(つまり幽霊が出るには理想的な)一軒家と、有名ブランドの華やかなショールーム。2つ世界を行ったり来たりしながら、喪失感、霊の存在への懸念、そして自分のアイデンティティも見失いそうになるモーリーン。

カンヌ映画祭で監督賞をとったものの、試写では拍手とブーイングに分かれたとか。
果たして、夫は「よくわからん」。私は好きだった。この作品の掴みどころのなさが、観る人に判断を委ねているような。それが、「信じているもの、世界は、すべて自分の頭の中?」という作品の問いかけに重なるような気がした。上手く言えないけど。
黒沢清の作品を思わせる、という批評もあった。

とにかく。『アクトレス~女たちの舞台~』でも絶賛されたクリステン・スチュワートがすごく上手い。強さと脆さがリアルに同居し、フォトジェニック。(私は)お奨めです。

Personal Shopper
オリヴィエ・アサイヤス監督作品
主演:クリステン・スチュアート
1時間50分
フランスで上映中


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豚に真珠・・・

友達のグルメ夫婦がうちに来るときは-会って話すのは楽しいけど-何を作ろうかで頭を悩ます。マダムはレストランを開こうと思った、というほどの料理好き。いつも凝った料理を(好きか嫌いかは別として)作り、2人ともワイン通。太刀打ちできるのは日本食しかない。
そこでメニューは鶏ひき肉の和風ロールキャベツ、タラとネギの白みそソース、インゲンの胡麻和え(ぎりぎりまでかかり、写真どこではなかった!)、これならさすがのグルメも喜ぶであろうと。

ところが。2人が美味しいと言ったのは、ピカールのアペリティフ、シェーヴルチーズ、ズッキーニ、トマトのケーキ。
これは美味。飽きない味。

ピカール

「これ、たかこが作ったの?」
「・・・」

それとデザート。ランドメーヌのアプリコットタルト。
皮が薄くて(その名もtarte fine=薄いタルト)、リンゴ、梨、秋はレーヌ・クロード(プラム)などある。

ランドメーヌ

彼らが帰ったあと、
「ちょっと聞いた?私の作ったものには何もいわないで!」
「1995年のメルキュレにも何も言わなかった」と夫。
「でもワインはあなたが作ったんじゃないでしょ」

翌日、ふと「あの夫婦は異国料理が好きじゃないのかも」
田舎の従弟に、初めて日本食を作ったとき「あなりお腹が空いていない」とあまり食べなかった。
いつもよく食べて飲む彼にしては珍しい・・・
ところが2回目も「食欲がない」。もしかして、と後で奥さんに聞いたら、
「夜中にステーキ食べてたわよ」
「 !?」
フランス人に限ったことじゃないけど、自分の守備範囲以外の食べ物は美味しいと思えない人たちなんだ。
そういえば義父は、握り寿司をパンと一緒に食べていた・・・


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失敗の大切さについて

ラジオを聞いていたら、哲学者(名前は忘れた)が“失敗の大切さ”について語っていた。
失敗のスペシャリストである私はナニナニ?と耳を傾ける。
「例を挙げましょう」と哲学者。
「旅行中の妊婦が突然産気づいて、産院に行く暇がなく、近くの納屋に転がり込み、助産婦もなしで家畜の隣で出産しました。男の子です。その男子は長じても定職につけず、結婚もせず、SDF(住居不定者)で、あちこち徘徊し、30歳でひどく残忍なやり方で処刑されました。
これほどまで失敗の連続の人生もないでしょう。ところが男は死後、世界的に有名になり、彼の言葉が語り継がれ、あがめられています。ね、失敗がどんなに大切か・・・」
私は吹き出した。そう!キリストのこと。なるほど、事実関係だけ並べるとキリストの生涯はこうなるんだ。
私のは「知る人もないパリに、ひとりでやってきた無謀なバツイチ日本女子、ブラック(不法)で働くうち、やはりバツイチの仏男性と出会い、子供ができたんで慌てて籍を入れました。間もなく引っ越した家は沼地にあるので家屋が傾いたり、ドブネズミが出没し・・・」ということになる。
キリストと比べて安心するわけじゃないけど。こういう例を出す哲学者もふざけたオジサンだ。

バツイチの2人、昨日が26回目の結婚記念日だった。それを2人とも忘れて友達を食事に呼び、間際で気づいて「君が何も言わないから」「あなただって忘れてたくせに!」とののしり合ったのである。


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フィリピンの肝っ玉お母さん

ローザは夫と4人の子供と、マニラの一画で駄菓子屋を営んでいる。飴やポテトチップスを売るだけでは食べていけないので、実はドラッグの密売もしている。
子供を怒鳴りつけ、なりふり構わず店と家族を仕切っているローザ母さん。

映画『Ma'Rosa』

ある晩、家族が食事をしているところへ、警察の抜き打ち捜査。隠していた白い粉があっさつ見つかり、夫婦に手錠がかけられる。

取調室に連れてこられた夫婦に、警官たちは“取引き”を持ちかける:ブタ箱にぶちこまれたくなかったら5万ペソ(約11万円)用意しろ。そして鶏の丸焼きとビールで前祝を始めるのだ。

翌日、心配した子供たちは警察署にやってくる。両親の逮捕は記録もされていない(ゆすりが目的だったってこと)。ローザは3人の子供(4人目は小さすぎる)にお金の集め方を指示する。

映画『Ma'Rosa』


罵られる親戚に頭を下げ、重いクーラーを抱えて売りに歩き、親には言えない手段も使って、子供たちは金策に奔走する。
フィリピン映画『Ma' Rosa』

映画『Ma'Rosa』

ドキュメンタリーのような撮り方から伝わってくる暑さ、湿気、貧しさ。そして腐敗しきった警察。
何があっても動じない、毅然としたローザ母さん。ひとりで抱えていた感情が一瞬ほとばしり出る最後のシーンが印象的。逞しく、哀しい。

ローザ役のジャクリーヌ・ジョゼは今年のカンヌ映画祭で、最優秀女優賞とった。こういう地味な映画を評価して、彼女に賞を与えたのはエライ。
知らない国の生活や戦いが垣間見れる名作。お奨めです。

Ma’Rosa
ブリアント・メンドーザ監督作品
1時間50分
フランスで公開中


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12月1日、オランド大統領が立候補を断念を発表してから(「任期中唯一の正しい決断」とか「失敗の告白」とか大人げない野党のコメント!)、マニュエル・ヴァルス首相が立候補するまで「おお!」という早さ。まるで、ヨーイドン!の合図を待っていたかのように。
大統領と総理が一緒に左派候補の予備選挙に立候補することはできないとか。

地元イヴリーで立候補宣言をしたヴァルスのキーワードは“和解”:経済相アルノー・モントブール、教育相ブノア・アモンを辞めさせ、法相クリスチャンヌ・トビラ、そして経済相エマニュエル・マクロンは辞任。バラバラになった左派を和解させて、ひとつの力にしよう! 5か月でそんなことが可能だろうか・・・

選挙運動と首相は兼ねられないので、ヴァルス首相は6日朝8時半に辞任届けを出し、オランド大統領は直ちに内務相ベルナール・カズヌーヴを総理に任命した。前予想でも名前が一番に上がっていた人だ。

新首相ベルナール・カズヌーヴ

ヨーロッパ担当相(2012-2013)、予算相(2013-2014)を経て内務相になってから実力を発揮、右派も一目置くカズヌーヴ(最初、“和信”に聞こえた)。夜中でも明け方でも、ビシッと隙のない姿で現れ、決して声を荒げずいつも冷静で、彼が「ノン」というと誰も逆らえないようなオーソリティがあり、国会で自分の身長(の低さ)をネタに冗談をいう(「私に座れと言うなら座りますよ・・・どっち道、座っても立ってもそんなに変わりない。これは利点です」)余裕とユーモアを持ち合わせる53歳。

今年4月、QGマガジンで政界ベストドレッサー1位に選ばれている。フィヨンも仕立ての言いスーツを着ているけど、カズヌーヴさんは自分のスタイルを持っていて、エレガンスとは容姿に関係ないと思わせる・・・誉め言葉になっていないけど。

たった5か月間の首相と支持率たったの4%の大統領のデュオ・・・でもカズヌーヴの就任は、極右を除いて歓迎されている。


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バスティーユ広場からヴォルテールに向かうrue de la Roquette/ロケット通り。
ここには何軒か“Restaurant japonais”を謳っている店があるけど、Fujiyama 、Sakura、 Yakidai(焼鯛!)・・・日本人が絶対つけそうにない名前で、実際、どこかの工場で大量生産された寿司と焼き鳥、塩辛いだけの薄い味噌スープを出している。パス。

ところがある日、この通りを歩いていたら、黒板に日本語の手書きメニュー。シックな店構えで名前は“KAWAMOTO”。
おお、本物の日本レストラン!
一緒にご飯を食べるときは「日本食!」という友人と早速行ってみた。
20席くらいの小さなお店で、奥の厨房に男性がひとり、サービスの女性がひとり。オープンして3か月だそう。
お昼のメニューは前菜盛り合わせ、茄子の味噌田楽。ここまでは一緒で、メインは、鮭、その日のお魚、牛肉の照り焼きか醤油バター焼き、ちらし寿司、握り寿司から選ぶ。
ちらしか握りで迷っていたら、「日本人の方はよくちらしを選ばれます」と聞いて、ではちらし!影響されやすい。

前菜:インゲンの胡麻和え、ワカメとキノコのお浸し、アヴォカドのタマゴマヨネーズ、枝豆、果物はライチでもブドウでもなく、聞くのを忘れたけど美味しかった。
友人は枝豆の皮まで食べていた。

レストラン KAWAMOTO

揚げ茄子に西京味噌の田楽。美味。ちゃんと木のスプーンがついてくる。
「皮も食べられる?」と友人。またか。「試してみたら?」
茄子はトロトロでイタリア茄子?もしかして日本の茄子?と思ったら「ふつうのフランス茄子です」

レストラン KAWAMOTO

浅めのおどんぶりに入ったちらし寿司。金糸タマゴが敷かれ、すし飯も美味しい。

レストラン KAWAMOTO

これにデザートかコーヒーで20ユーロ。
この友人とは、オペラの日本レストランは何軒か行ったけど、特にお昼のメニューはそこそこ。
こんなに丁寧に作られた美味しいお昼は稀だ。果たして彼にこの違いがわかっただろうか?枝豆の皮まで食べちゃって・・・

KAWAMOTO

43-45 rue de la Roquette
75011
火~土、12-14h、19-22h

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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