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1989年に、Act Up New Yorkをモデルに発足したAct Up Parisは、
『エイズ患者を援助するアソシエーションではなく、エイズに侵された人々の権利を護るための行動主義者の集まり』
メンバーにはエイズウィルス陽性者、既に侵されている人もいれば、感染してしまった血友病患者もいる。
社会の、政府の、ラボラトリーの無知と、現実を見ようとしない態度に怒り、ラボラトリーの壁に作り物の血の袋を投げつけたり、高校の授業中にコンドームを配ったりの活動を繰り返す。
病気の症状や恐怖と戦いながら、犠牲者を増やすまいとする人たち。

Act Upのミーティング

120 battements par minute 一分間に120回の鼓動

グループの中で特に攻撃的なショーンはウィルス陽性だけど、自分が“宣告されている”と感じていた。
でも、彼は、彼らは病気への恐怖の中に閉じこもってはいない。グループで出会ったショーンとナタン(↓)は、恋をし、快楽を求め、生きようとする。

120 battements

映画は、この病気の実態がよく知られていなかった1990年代(陽性の人に触れば感染すると思っていた人が少なくない)を背景に、無関心と偏見を取り除こうとするAct Upの活動と、ショーンとナタンの強い繋がりを描く。
カンヌ映画祭でパルム・ドールを取った『120 battements par minute/1分間に120回の鼓動』(安静時の平均心拍数は60~70だそう)

ショーン役のナウエル・ペレズ・ビスカヤールはアルゼンチンの俳優。小柄な身体に強烈なインパクト。

120 battements par minute 一分間に120回の鼓動

試写でアルモドバルが泣いたというけど、誰だって泣かずにはいられない。決して“泣かせよう”という作品ではなく、むしろ淡々と描かれているのに、最後の方は涙が止まらない。隣の女性もバッグをかき回してティッシュを探していた。

30年近く前に始まったAct Up Parisの活動について(ゲイパレードくらいしか知らなかった)多くを教えられる作品、お奨めです。

120 battements par minute
ロバン・カンピオ監督作品
主演:ナウエル・ペレズ・ビスカヤール、アルノー・ヴァロア、アデル・エネル
2時間20分
フランスで公開中


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5月14日に就任してからの3か月分のメイク代として、2万6000ユーロ(約338万円)の請求書がエリゼ宮に送られた、とすっぱ抜いたのはPoint誌。

マクロン大統領のメイク代

エリゼ宮の側近は、「メイク係は、記者会見やTV出演や地方・外国訪問など色々な機会に大統領に同行する」
つまり頻繁にメイク直しやヘアの乱れ直しのため、大統領にくっついているので、移動&拘束時間が長く、この金額になるということ。金額を下げるため、今後、雇用契約を結んで給料制にする予定である、と。
「確かに高額、でも前任者たちより安いです」

オランド大統領はフルタイムのメイク係を月手取り6000ユーロ(約78万円)で雇っていた。それに税金、社会保障負担額を加えると、雇い主には3ケ月3万ユーロかかる。
そういえばオランドのお抱え理容師の給料が問題になったっけ。9895ユーロ!
この時もエリゼ宮の言い訳は“常時詰めていて、ヘアを整える”だったけど、「何を整える?」「大臣の給料と同じ!」と物議をかもした。
しかし・・・残り少ない髪をこのように均等に配分する作業であれば、けっこう技術を要するかも。

オランド元大統領のヘアメイク代

ニコラ・サルコジは外注のメイク係に月8000ユーロ(約104万円)払っていて、会計検査院から“待った”がかかった。
メイク前と後でどのくらい違うか(違わないか)見てみたいもんだ。

プロのメイクアーティストに言わせると「私たちの給料平均からみると、確かに高い。でもメイク直しのためずーっと付き添っているなら、この値段ありかも」
つまり、大統領たちは特別高価なファンデーションやコンシーラーを使っているわけでなく、外国や地方出張、拘束時間の長さでこの額になるってこと。
マクロンなら「お金を払ってでも付き添いたい」という女性がいるかもしれない。

「これだけしょっちゅう写真を撮られ世界中に流される。コミュニケーションが大事な今日には避けられない出費」というのは、『L’argent caché de l’Elysée/エリゼ宮の隠れたお金』の著者で社会党議員のルネ・ドジエール。

エマニュエル・マクロンの爽やかでフォトジェニックな顔にはお金がかかっていたのね・・・


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田舎の週末:夫の“緑の手”

義父は田舎の家でよく庭仕事をしていた。子供が庭でサッカーまがいのことをしていると、「芝生が傷む」「薔薇の枝が折れる」とうるさかったもんだ。
夫にも庭仕事を教えようとしたけど、
「親父の教え方が威圧的で全然やる気にならなかった」(義父は大学の先生だった)。

ところが義父が亡くなったとたん庭仕事に目覚めた。長すぎた反抗期に終止符。
そういえば夫の妹は、父親に「魚を残すな」と言われてから、一切魚介類を拒絶。お義父さんが亡くなった後も反抗は続いている。
とにかく。夫は、薔薇を植え、リンゴの木を害虫から護り、従弟に倣って菜園まで作り、一挙にavoir la main verte(緑の手を持っている=庭仕事が上手い)になった。

トマト、イタリアンパセリ、シブレット、ミント、タイム・・・
庭の菜園の香草を摘んできて料理する従妹を羨ましいと思っていたら、それも夢ではない。
あまり期待しないでトマトを齧ったら、びっくりするほど美味しい。朝市で買う1㎏6ユーロいくらのより美味しいくらい。

田舎の庭

見かけはtomate grappeに似ているけど味は遥かにいい。

田舎の庭

「なんていう種類を植えたの?」
「知らない・・・種の袋を捨てちゃった」

左はオゼイユ(スカンポ)。酸味と苦みがクリームとよく合って、一昔前サーモンのオゼイユソースはビストロの定番だった。
オムレツに入れても美味しい。右は異常繁殖したミント。

田舎の庭

右の隅に見える小屋は昔のトイレ。「子供時代、夜トイレに行くのが怖かった」と夫。そりゃそうだ。

田舎の庭

「コスモス(手前の花)って秋に咲くんじゃなかった?」
「え、何?この花の名前?」
“花の名前を知らない男たち”の例にもれず、夫も薔薇とチューリップしか知らない。
あと桜・・・日本の桜に魅せられて、庭の隅に桜の木を植えると言い出した。
「村はずれの花屋にもう注文してある」
「なんて種類の桜?」
「“日本の桜”」
「・・・・」

ジャン=ピエールが春に亡くなって未亡人になったマリー・フランス。時々電話をしているけど、意外と落ち込んでいない。
庭仕事、家の中の整理は限りなく、ブドウ畑の手伝いに駆り出され、家族や近所の人とご飯によんだりよばれたり。
「田舎の人ってそうなんだよ。悲しんでぼーっとしてたら畑は枯れるし、生きていかなくちゃいけない」
それに村の住人たちの連帯は都会よりずっと強い。
数カ月ぶりに会ったマリー・フランスは日に焼けて元気そうだった。


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田舎の週末:お墓巡り

「新学期が近づいてきました」「マクロン大統領はバカンスを早めに切り上げパリに戻ってきました」とニュース。
急かせないでよ、まだ10日間あるでしょ。

金曜日の夜、シャンパーニュ地方の田舎に行く電車に乗った。ほぼ満員。
パリは午前中土砂降りだったけど、駅に着くころはうっすら夕焼けが広がっている。果たして翌日は太陽が顔を出した。

夫と花屋さんで鉢植えの花を2つ買い、義父と、春に亡くなった従弟のお墓詣り。墓地はうちから歩いて3分の教会だ。
人口200人足らずの村の真ん中にある墓地だからいつも花いっぱい。

フランス田舎の教会墓地

これは造花。村の花屋さんには一目でわかる造花がたくさん売られている。
それが汚れてくると「ないほうがまだマシ」という状態に。

フランス田舎の教会墓地

おお、メッセージが並ぶ人気のお墓。村の名士一家だそう。

フランス田舎の教会墓地

その名士の先祖のお墓は19世紀のもの。ラテン語で書かれている。

cemetiere4.jpg

ベビーサークルのような囲いの中に雑草がぼうぼう。
「夏草や、兵どもが夢の跡」が浮かんだ。え、意味が全然違う?そうですね。

フランス田舎の教会墓地

墓石も墓碑銘もなく、知る人ぞ知るというオリジナル・バージョン。

フランス田舎の教会墓地

“放棄されたお墓”。委譲されてから30年以上経ち、最後の埋葬から10年以上経ち、誰も手入れに来ないお墓は“放棄”とみなされ、他の人に譲渡される。こんな目に遭ったら浮かばれない・・・

フランス田舎の教会墓地

ジャン=ピエールのお墓は曲線がニューウェーブ。埋葬は3月の終わりだったのに墓石が届いたのは数日前。
右端にちょこっと見える黄色い花が私たちから。

フランス田舎の教会墓地

ジャン=ピエールが村にもういないことがまだ信じられない。今にも、けたたましい音のトラクターに乗って一杯やりに来そうな気がする。彼の幽霊なら歓迎だ。



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「大統領夫人になって以来初めて、ブリジット・マクロンのインタビューが明日発売のELLEに載ります」
とラジオのニュースが伝えている。おお!買わないわけにはいかない。翌日、キオスクに行くと問題のELLEは最後の2冊。「お前もか」という目で見るオジサンにお金を払う。

10ページ(写真も入れて)に渡るロングインタビュー。

ブリジット・マクロン

準備された“お利口さん”の答えの中に、地が見えるような箇所がある:

ELLE:あなたは世界中のアイコンになりましたね。ハッシュタグ ilestamriéavecunefemmequia24ansdeplusquelui(彼は24歳年上の女性と結婚している)はWeibo(中国のTwitter)で600万回使われました。シンボルなったと感じませんか?
ブリジット:全然。だってエマニュエルの唯一の欠点は私より若いこと。これ、私たちの間のジョークなんです。年齢差を意識して暮らしていないし、かって自分より若い男性に惹かれたこともなかったわ。第一、エマニュエルの担任になったことは一度もありません。私が彼の宿題や詩を読んでいたという記事があったけど、あれはウソです。
ELLE:でもあなたは彼の演劇の先生だったんでしょう?
ブリジット:ええ、でもそれは演劇のアトリエで、一緒に戯曲を書きました、対等の立場で。
ELLE:その関係が変わる、と感じたのはいつですか?
ブリジット:エドゥアルト・デ・フィリッポ(イタリアの劇作家・監督・演出家)の戯曲をもとに一緒に書いていたとき。金曜日の夜2人で書いていたんですけど、土曜日から次の金曜日を待ち焦がれるようになりました・・・自分でも訳がわからなかった、だってあんまり非常識なことなんで。
ELLE:抵抗しようとしましたか?
ブリジット:ええ、エマニュエルにパリの高校に行くように言ったのは私です(注:エマニュエルの両親が2人を引き離そうとパリに追いやった、という説あり)。彼のためにそのほうがいいと思ったから。その時、私たちの間にはまだ何もなかったんだけど、噂は広まっていました。私は自分の3人の子供のことで頭が一杯でした。

エマニュエル&ブリジット・マクロン

ELLE:あなたとエマニュエル・マクロンは一晩も別々に寝たくない、と噂されますが、本当ですか?
ブリジット:エマニュエルが横にいると安心します。彼がどう思っていえるか代弁はできないけど、きっと同じだと思う。
ずっとそうでした。出会ったときから、意見が同じだったり、違ったり、口論したり、仲直りしたり・・・でも心配したことはない。
私はもともと不安な人だったけど、彼と出会ってから変わりました。なぜか説明できないけど、それは“彼だったから。私だったから”という感じ。プラトン主義が言うように、自分のもう半分を探していて、相手がそれにぴったり一致した。私たちの場合、年齢差のせいでその一致が難しかったけど、できました。
私たちカップルについて書かれた記事を読むとき、他人のことを読んでいる気がします。他にもたくさんある、ふつうの話なのに。
・・・・・・
でも、そんなにピッタリ合う、補足的な伴侶に出会えたなんて、そんなにふつうじゃない。
24歳の年齢差にかかわらず一緒になり、20年以上続いているのはもっとふつうじゃない・・・

ブリジットの孫たちを寝かせるとき、マクロンは自分の作ったお話を聞かせるんだそう。でも孫より先に眠ってしまうので、孫たちが揺り起こして続きをせがむ、という可愛いエピソードもあった。

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8月はリバイバル

東京から戻ると、パリは天気が悪く、寒く、閉まっているお店が多く、夜歩くと、明かりのついていないアパルトマンばかり。
風通しがいいのは確かだけど、この街の短い夏は終わっちゃったのね ・・・

映画も8月はろくなのをやっていない。その代わり、昔の名作のリバイバルがお奨め。
ポンピドーセンター近くのMK2 Beaubourgではルイス・ブニュエル特集をやっている。
『ブルジョワジーの密かな愉しみ』
“密かな愉しみ”なんて言われると、ほんとに密かなことを想像してしまうけど、全然そうではない。

『ブルジョワジーの密かな愉しみ』ルイス・ブニュエル

友人宅に夕食に招待された男女4人が運転手つきの車で到着する。屋敷に入ると暖炉に火はなく、テーブルセッティングもできていない。間もなく現れた女主人は、
「あらご招待は明日の晩よ」「そんなはずはない、明日の晩、私は約束がある」「今夜は夫がいないから間違えるはずがないわ」
というやりとりの後、「この近く(屋敷があるのは人里離れた田舎)にホテル兼レストランがあるからそこへ行こう」
ところがその店でも食事ができない。
着飾って連れだって食事にでかけては、ことごとく邪魔が入って延期になるブルジョワ6人。
自分たちの小さい世界とその価値観しか見えないブルジョワジーをユーモラスに揶揄していて、その間に挟まれる彼らの悪夢や、兵士の物語る逸話はシュールだ。1972年の作品は少しも古びていない。
『去年マリエンバードで』のデルフィーヌ・セイリグ、『バベットの晩餐会』のステファーヌ・オードラン(クロード・シャブロルの前妻)がとっかえひっかえ着るドレスも見もの。
『Le charme discret de la bourgeoisie』
1時間42分

他に『昼顔』『欲望のあいまいな対象』などなど上映中。

同じMK2 Beaubourgで北野武特集。娘と『HANA-BI』を観に行く。

「物悲しく可笑しく、暴力的で瞑想的」というキャッチ、まさにその通り。

『Hana bi』北野武

腕のいい刑事、西(ビートたけし)。コンビを組んでいた同僚の堀部が撃たれ、車椅子の生活になってしまう。西はその犯人を追い詰めるが、部下が殺される。西は犯人を撃ち殺し、死体に何発も打ち続けた。
西には、余命いくばくもない妻(岸本加代子)がいて、入院費や何やらでヤクザに借金をしていた。妻に最後の旅行をさせようと計画する・・・

殆どしゃべらず、無表情な西。死にかけている妻、半身不随になり妻子に去られた同僚、借金返済につきまとうヤクザ・・・とお先真っ暗の中、ちょっとズレたギャグがポンポンと挟まれる。もう何年も見ていなかった北野の映画の強い個性。
『菊次郎の夏』『キッズ・リターン』もかかっている。

帰り道、娘が、
「たけしって魅力的」
「すごい存在感」
「セクシーだわ」
「 ?!」
たけしは美男とは程遠いし、黙って座っていればちょっとヤバそうなふつうのオジサン。
彼にセクシーという形容詞をつけるとは、なかなか男を見る目があるじゃない・・・


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8月15日:天国の門 VS 地獄の蓋

8月15日。Le quinze août/ル・キャンズ・ウットで思い浮かぶのは、バカンスのピーク、既に人口の減っていたパリが一番空っぽになる日(12-13日の週末は、パリを出る車の恐ろしい渋滞が続いた)、そして「ああ夏も終わりに近づいた」とため息をつく。
つまり、この日がなんで祝日なのか忘れている人(あたしだって)が多い。

聖母マリアの被昇天:マリアが肉体と霊魂を伴って天国に昇ったのを記念するカトリックの祝日なのだ。

聖母の被昇天
Philippe de Champaigne (1602-1674)

聖母マリアを祭るルルド、ラ・サレット、ロカマドゥールなどの聖地では盛大なお祝いが行われるそうだ。

15日のルルド。

聖母の被昇天
photo: Nord Littoral

日本では終戦記念日。でもなぜか休日ではない。そしてお盆。東京の人口が減って風通しが良くなる。
空港に行くタクシーが見つからずに焦ったとき、友人たちは口々に「お盆だから・・・」と言った。「迎え火(13日)から送り火(16日)までの4日間をお盆休みにするのが一般的」だそうで、さらに「山の日」ができたので11日から6連休も夢ではない。

祖先の霊が子孫に会いに帰ってくるという、怪談のインスピレーションになりそうなお盆。日本の夏らしい風情がある慣習だ。

お盆
『日本の礼儀と習慣のスケッチ』より幕末期の日本-wikipedia

子供の頃は、箱根の大文字の送り火(本家、京都の五山の送り火と違い花火大会だ)を観に行くくらいでよく知らなかったので、ウィキペディアを読んでいたら、「一日が「釜蓋朔日」で一般的にこの日からお盆」と書いてあった。
カマブタツイタチ?この日に地獄の蓋が開くんだって!先祖の霊たちが出てくるってこと?つまり、みんな地獄にいることになってるの?ウソ・・・
いえ、うちの先祖は極楽にいるはずです、というような文句は出なかったんだろうか。

日本でもフランスでも、8月15日は“夏の休暇”の同義語のようになっているけど、一方ではマリアを迎える天国の門が開き、他方では地獄の蓋が開く・・・なんという違い。


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美味しかった&不味かった

「まだラーメン食べてない!」
東京でラーメンを食べないのは“罪”のように娘が騒ぐ。
から揚げは毎日のように食べてる彼女、ジーンズをはきながら「縮んだ!」
洗ってないのに縮むわけないだろ。
友人い聞いたら「ラーメンは荻窪が美味しい」
荻窪は割と近いし、教えてもらった店が「下町っぽいいい感じの通りにある」と聞いて出かけて行った。
2時すぎなのにまだ外に行列ができている。でも10分も待たずに入れた。
しょうゆと塩の2種類だけ。チャーシューや茶タマゴのトッピングが追加できる。
娘は塩。

ねいろ屋

私は季節メニューの汁なし麵。鶏の挽肉とバクチ。どちらも丁寧に作られたあっさり味、美味しい。

ねいろ屋

ここの名物がラーメンより高い(1000円)かき氷。イチゴの粒々の入った自家製ソースで、そこいらのかき氷とはまったく違う。

ねいろ屋

米澤よう子さんに連れていってもらった六本木の魚信。ビルの狭間にバラックみたいな造りのお店。

六本木 魚信

お造り、焼き物、揚げ物(この日はカジキの洋風ソテー)、いくら・ウニ・マグロのお寿司の魚ずくしコースが美味しかった。六本木が”庭”のよう子さんならではの店選び。

さて”不味かった”一位は(実は一位しかいないけど)、熱海で買った駅弁『よくばり弁当』

お弁当

鶏肉のそぼろと炒り卵はお菓子のように甘く、醤油に漬け込んだという牛肉は辛すぎ、桜エビはつぶらな黒い目が気になり、半分くらい残した。欲張ってはいけないのだ。

こちらは羽田。朝8時半。
5時起きで何も食べていなかったからさすがに腹が減り、娘は「去年ここで食べたハンバーガー」を探すが売り切れ。
「朝発つ人がみんなハンバーガーを食べたってこと?」
「いや、ここ24時間営業なんで昨夜から売り切れなんす」とお店の人。
そこでハンバーグステーキ。

羽田 レストラン

いくらお腹が空いていても朝から肉は・・・のあたしはツナのスパイシーロール&アヴォカドとサーモンのサラダ。特別美味しくもなく不味くもなく、ふつう。

羽田 レストラン

日本人VS半分フランス人。胃袋の差が浮き彫りになるチョイスであった。


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出発:ミッション・ポッシブル

飛行機が10時半ってことは8時半に羽田に着かないといけない、ってことは?
「タクシーなら1時間・・・7時半に出ればいい?」
「いやぁ・・・朝は環八が混むから1時間半見たほうがいい」と友人M。

出発の2日前、タクシーを7時に予約しようと電話したら、最初の3社が「空車、ありません」
その後の1時間、かたっぱしから電話して、10社以上かけたけど全部満車。中には10日まで空車なしもあった。ボーゼン。
なんで ?! お盆はまだ先でしょ!
「台風のせいじゃない?」
台風が来ると電車が止まることを心配して、タクシーを予約するってこと?
大きいスーツケース2個+機内持ち込み1個があるからタクシーにしたかったけど。
宅急便で空港に荷物を送るのは、今からでは遅すぎる。
じゃリムジン?
品川から京急に乗る案も出たけど、この荷物で乗り換え2回はねぇ。
「それに渋谷から山手線の内回りは乗り換えが面倒なのよ。リムジンはマークシティの5階から出るから、井の頭線から簡単に行ける」と友人N。
羽田行きリムジンは予約ができず「先着順」なので、もし万が一乗れなかったら、急遽、京急空港線に変えればいい。

飛行機に乗り忘れ(数人の友人から「飛行機、間違えてない?」の注意あり)、乗り遅れ(1か月前)の前科があるので、
「綿密な時間割を作ってほしい」と娘。
そこで、
5時45分 出発
6時06分 浜田山発
6時26分 渋谷着
6時55分のリムジン
7時46分 羽田着
が出来上がった。混雑期だから早めに着いたほうがいい。文句あるか?

前日、友人Nと渋谷で会ったとき、予行演習までやる。
「このエレベーターで4階まで行って、その後エスカレーターよ、わかった?」
持つべきものは友達だ。
帰って、掃除機をかけ、お風呂場を洗い、残り物で親子どんぶりと野菜炒めを作り、キッチンを綺麗にし、スーツケースの重さを測り、「寝ないほうがいい」という意見もあったけど、1時過ぎから少し寝て、私は4時半に起きた。

すべて予定通り進み、渋谷到着。
改札を出て左、予習済みのエレベーターに赴くと・・・動いていない!下には行けるけど上に行けない。
改札に駆け戻って駅員さんに聞くと、
「あ、あれ早朝は動いてないっすよ」
「じゃどうすればリムジンまで行けるんですか?」
「右の階段を降りて、戻る感じで建物をぐるっと回ると、エレベーターがあります」
カイダン ?!この荷物で、それだけは避けたかったのよ・・・

周到に準備した・・・例えば銀行強盗も、こういう予期せぬ出来事でしくじるんじゃないか、と思ったのは推理小説の読みすぎ。
一番大きいスーツケースを持った逞しい娘に3m遅れて続こうとすると、アングロサクソン系の男子が2人現れ、手伝ってくれた。

たどり着いた発着所

空港リムジン

ちゃんとリムジンに乗れたか心配してメールしてくれたNに、エレベーターのハプニングを説明し、
「でも無事に6時55分のに乗った」
「Tout est bien qui finit bien(終わりよければすべて良し)ね」とN。
まったく。
反対車線は渋滞しているけど、リムジンはするすると走っていく。
あれだけ出払っていたタクシーたちは一体どこに向かったんだろう?
台風一過の熱気で霞む東京の街が窓を過ぎていく。


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また魚でご飯を食べにこよう!

今井浜には何もないんで、この日も河津まで晩御飯を食べに行く。
駅のすぐ近く、『さかなでご飯』(魚で?逆撫で?)という、よくわからないダジャレのようなお店が開いていた。
お客は私たちだけ。

中には生け簀があって、魚や大きなエビが食べられるのを待っている。

河津 さかなでご飯

私たちは、エビ、牡蠣、鯵のフライ盛り合わせ定食という、またファミリーレストランみたいなメニューを選んだ。
写真は撮るまでもなく(実は撮り忘れなんだけど)。

「女性が日に焼きたくないっていうんで海水浴客が減っちゃって」とご主人。
「女が来ないと男も来ない」
はぁ、なるほど。
「それで民宿が何軒もつぶれちゃった」
「でも河津の桜は有名ですよね」と私。昨日、仕入れたばかりの知識。
「そりゃすごいですよ。人口8000人の町に80万人来ちゃうんだから。でも昼だけ。午後3時になるとみんな帰っちゃう」
宿泊設備がないからだそうだ。

でもこのご主人といい、ホテルのオーナーといい、お客がいないのを嘆くでもなく、イラつくでもなく、サービスはとても温かい。
ホテルのマダムは、
「もう年だし、ボチボチやってればいいの」と笑っていた。
都会と違うリズムがあり、価値観があるという感じ。

食べ終わって(ふつうの3倍くらいある海老フライがプリプリと美味しかった)お勘定を頼むと、
「どこまで帰るの?今井浜?じゃ、話しながら送っていきますよ。ちょっと待ってて」
「え?ほんと?そんな・・・」
とびっくりしていると、車とともにすぐに戻ってきた。
昨日、街灯のない夜道がちょっと怖かった私たちは大感謝。
「お店に鍵かけないでいいんですか?」
「今から来るのは地元の人だから、中に入って待ってるよ。鍵かけたら入れないから」

エール・フランスのパーサーが、時々ひとりで来て“魚で”ご飯を食べていくそうだ。
「もう3~4年来るかな」
通な人なのね。
電車で2分の距離は、車でもすぐ。もっとドライブしていたかったけど。
「また来てくださいね」
と白いバンは暗い坂を降りていった。
「ほんとに、また行こうね!約束よ」と娘。


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今井浜海岸:波、波、砂、砂

波と砂の今井浜海岸
朝、7時半。熟睡しているとこへ電話が鳴り、
「朝食バスケットをお届けしました」
わたしはドアの前に置かれた可愛いバスケットを取り、ベッドに戻り、目が覚めると10時!バスケットは10時までにフロントに戻すように言われていた。
娘を叩き起こし、中身をテーブルに並べると、さすがこのホテルの名物。
コーヒー、リンゴジュース、サンドイッチ2種、ゆで卵、オレンジ、ヨーグルト(市販のじゃなくて)、サラダ&自家製ドレッシング

プチホテル・トゥインクル朝食バスケット

お昼ご飯にもなりそうなすごい朝ごはんに感激し、半分はお昼のお弁当にして海岸に降りる。
お天気だから人が多い。けど、私が日本にいたころの海岸とは光景がずいぶん違う。
テントがたくさん。ちょっと覗くと椅子やアイスボックス、浮輪、砂遊び道具一式などが揃っていて“おうち”になっている。

今井浜海岸

「あたしたち、SDF(住居不定者)じゃない」
砂浜にビーチタオルを敷きながら娘。
女性の多くが長袖、スパッツ。長袖の子供も少なくない。
「イスラムの海岸みたい」
娘はビキニになるのを躊躇っている。

今井浜海岸

一日中、パラソルなし日に焼くフランス人も無謀すぎるけど、ここまでガードするのもねぇ。
若い層にビタミンD不足が問題になっていると後で聞いた。
大学の友達とコート・ダジュールの海岸に行ったとき、彼らがビキニの女性に目を輝かせていたはずだ。

台風はそれたけど風が強くて、波が高い。だから泳ぐのは無理で、みんな波に乗ったり、押し流されたりして遊んでいる。
娘は最前線まで進んで高い波と戯れ、私は臆病に3mくらい離れたとこにいたけど、それでも数回なぎ倒された。

夕方5時近く、さすがに疲れて寝転がって本を読んでいたら、満ち潮の上、突然高い波が来て、あっと言う間もなく私たちはびしょ濡れ。
本もバスタオルも服もずぶ濡れで、携帯はなんとか無事。
私たちは最初ゲラゲラ笑っていたけど、砂と水をたっぷり吸ったビーチタオルの重さに笑いもひきつる。
ホテルまでの坂道を、何度か休みながら登った。
ホテルに着いたら女主人が、そんなものを持って、中に入らないで欲しい(ごもっとも)。
「外のシャワーで砂を取ってください」
気持ちはわかるけど、濡れた細かい砂が簡単に落ちてくれるはずもなく。ビーチタオルを外に干して少し乾くのを待つことに。

コート・ダジュールの海岸は小石で、歩いても寝転がっても痛く、砂浜にあこがれていたけど、こういうデメリットもあったのね。


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海に行きたい

と娘が言い出した時、すぐに“今井浜”が浮かんだ。
夏は箱根と決まっていて山にウンザリしていた私を海に連れて行ってくれたのは祖父。それが今井浜海岸だった。

東京駅からこだまで熱海に出て、そこから各駅停車の伊豆急で2時間。
たどり着いた今井浜海岸の駅は、駅前のカフェとカラオケ喫茶はシャッターが閉まり、周囲にはコンビニもない。台風はそれたと聞いたのに、今にも降り出しそうな空。2日間こんなだったらヤバい・・・

今井壮や東急ホテルの“大型”があまり好きじゃないので、プチホテル・トゥインクルというのを予約していた。
言われた通り、急な坂道を上がっていくと、うっそうと茂る緑の中に白い建物が現れる。メルヘンっぽいという形容詞が似合いそうだ。

今井浜 プチホテル・トゥインクル

「お風呂は何時になさいますか?」とオーナーの女性。
メルヘンホテルには、岩風呂、露天風呂、釜風呂(!)と温泉が3つもある。
ちょっと考えていると、
「まあ、貸し切りですから」
「は?」
このホテル、今日のお客は私たち2人だけなのだ。まさに書き入れ時だというのに・・・

夕方、海岸に降りていくと見渡す限りの美しい砂浜。波はけっこう荒く、誰もいない(ま、この天気、この時間帯だもの)

今井浜海岸

娘は裸足になって波打ち際を歩き、私は岩の上に座って、小さい時来たのはこの海岸だったのかしら?
名前は憶えているのに、情景は記憶にない。

今井浜には食事処が1件しかなく、そこも夜7時には閉めてしまうそうで、隣町の河津まで行った。電車で2分、でも電車は45分おき。
海鮮どんぶりや活き作り専門のお店で娘が頼んだのは「鶏のから揚げとフライドポテト」(これだから旅館には行けないのだ)。
フライドポテトはなかなか出てこない。
「隣町のマクドナルドまで買いにいったんじゃない」と言っていると、ほんとにマクドナルドとそっくりのポテトが運ばれてきた。

伊豆の踊子の銅像の前でデザート

河津



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東京にて:前代未聞のレストラン

友人夫婦と夕食の約束。待ち合わせ場所の新代田の駅を出ると、そこは環七。車がビュンビュン通り、向かいにファミリーマートがあるだけ。レストランなんかあるの?

「機嫌が悪いと、感じ悪い主人ですけど、誰にもそうなので気にしないで」と友人夫。
5分くらいで古びた木造の建物があり、狭い階段を上ると、国籍のよくわからないオブジェがひしめく暗い店。

新代田、日の丸軒

8時で、他のお客は誰もいない。ゴチャゴチャと暗い雰囲気によく似合う、初老の主人が迎えてくれた。
長めの白髪、樹木希林の男性ヴァージョンみたいな彼が、オーナー兼シェフ兼ウェイター。
「特別にメニューを作りましたので:ターメイヤ、茄子のサルサヴェルテ、カルパッチョ、ピザ、タンドリー・チキン、子羊のケバブ・・・」
思わず、わーたくさん!と言ったら、急に怖い顔になり、
「そんなら省きますよ」
いえいえ!素晴らしいです。

料理が次々に運ばれてくる。
煮た野菜をナッツ類の衣で揚げたエジプト料理、ターメイヤ。ここの名物みたい。美味。

新代田、日の丸軒

タコのトマト煮はイタリア、何日も煮込んだ雰囲気。トウガラシが効いている。

新代田、日の丸軒

エジプト、イタリア、フランス、インド、モロッコ・・・盆とクリスマスと正月が一度に来たようなメニューは“ユーラシア料理”。
それで名前が日の丸軒。
お客は相変わらず私たちだけ。

1年ぶりの積もる話に食べるスピードが落ちていると、ご主人がやってきて、
「ホラ、自分の皿に取って!下げるものは下げたいんです。そんなの当たり前でしょ」
シーン。
だんだん機嫌が悪くなってきた雰囲気。

タンドリーチキンあたりから、もう、お腹いっぱい。そこへケバブが運ばれてくる。

新代田、日の丸軒

「ちょっと多かったね」と友人妻。
ケバブを持て余していると、ご主人が現れ、
「早く取ってくださいよ」
「あの、これドギーバッグにしていただけますか?」と私。
「ドギーなんとかって何です?」
「いえ、その持ち帰りたいと・・・」直訳なんかしたら大変なことになる。
「そんなことできません。食べちゃいなさい。待ちますから」
パリでも感じの悪いレストランはあるけど、ここまでは出会ったことがない。しかもここは日本。
無事に店を出られるか不安になってきた。

10時ごろ、「飲み物だけもOKです」の看板を見たらしいカップルが入ってきて、既に機嫌が悪いご主人に邪見に扱われている。
携帯が鳴って、少し離れた席で話していると、
「そこで電話しないでください。あっちです」
と追いやられた。
結局、友人夫妻の健闘によりケバブも平らげ、お勘定を頼むと、飲み物のカップルも「こっちもお勘定!」と叫んでいた。
料理の組み合わせといい、雰囲気といい、何よりご主人のキャラ。生まれて初めての経験でした。楽しかった!
友人ご夫妻、ありがとう。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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