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マクロン支持率落下、5つの理由

43%。就任当時は62%だったから、確かに落ちた。
最初は期待が大きく、3か月も経つと現実とのギャップに国民が失望するのは過去の大統領でも似たり寄ったり。でも同じ時期、二コラ・サルコジは55%、フランソワ・オランドでさえ46%を確保していたから、やっぱり深刻に落下したことになる。

マクロン大統領、支持率落下

人気失墜は法外なメイク代のせいではなく、理由は政策にあり:

嬉しくない措置、しかも説明不十分

まず2017年最後の四半期からAPL(住居手当)を5ユーロ削減(学生たちとその親が怒る)、続いて軍事費と地方自治体の予算も削減すると発表。
一番最近では2018年1月1日からCSG(社会保障への源泉徴収)の値上げ。この代償として負担額を減らすというけど、それは2回に分けてで、2018年末に完全に施行される。つまり何か月かは代償ナシの値上げ。

労働法の改正
8月31日発表になった改正案。その内容が事前に殆ど知らされず、不安や批判が高まった。
フィリップ総理が発表した内容は、中でも労働裁判での賠償金の上限が定められたことが中手企業の経営者にウケた。不当な解雇などを理由に社員が労働裁判所に訴え、払えない額の賠償金を請求され倒産する会社もあったから。上限は月給20か月分。
それでも一部の労組は9月12日に、メランション率いるLa France Insoumise/屈しないフランス党は、23日に改正反対のデモを予定している。つまり改正案を知らないうちから、既に“反対”は決まっていたということ。ま、それが野党のお仕事だけど。

議員の過半数は未経験者
6月の総選挙で当選したLa République en marche/共和国前進党の議員の過半数は、民間企業出身で政治経験ゼロ。最初はそれが新鮮に見えたけど、実際に議会が始まってみると彼らのシロウトぶりが歴然(案件を間違って却下してしまう、手一杯で議会進行についていけない・・・)
メディア露出が少なすぎる(プロの政治家のように“出たがり”じゃない)のは、大統領も非難した。

国民から遠い大統領

就任以来、声明をできるだけ発表しない、メディアに出ない、という方針をとってきたマクロン。随行する記者をエリゼ宮が選ぶ、と言い出した時はさすがに論争になった(ジュピター式は今の社会に通用しないのよ)。大統領がどこで何をしているか見えず、国民と距離ができる。
マルセイユでのバカンス中、ヴィラ内に侵入したパパラッチを訴えたときは記者たちから非難が相次いだ。
そこで方針の修正:エリゼ宮は8月末に「今後、大統領はもっと頻繁に発言します」と発表し、東ヨーロッパ訪問の際は、記者を専用飛行機に乗せた。

ド・ヴィリエ事件、失墜の始まり
ピエール・ド・ヴィリエ大将(かっての幕僚長)が軍事費削減に反対したとき、大統領は怒り、公の場でド・ヴィリエ大将の“遠慮を欠いた発言”を非難。その権威的な態度にみんなびっくり(7月13日)。結果、ド・ヴィリエ大将は辞任することに。この後で支持率が10ポイント落ちた。

何しろまだ3か月。マクロン本人も“長い目で見た変革を”と言っているし、もう少し観察してあげたほうがいいとも思うし。マクロンに投票した人たちの一部が、決して政策のためではなく、“マリーヌ・ルペンを大統領にさせないため”だったのを思い出すと心配にもなる。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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