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『白いリボン』(2009)『愛、アムール』(2012)でカンヌ映画祭パルムドールを2回取ったミヒャエル・ハネケ。
今年のカンヌ・コンペティション作品『Happy end』は何も取らなかったけど、相変わらず辛辣で、重くて、暗い。ハネケのファンはみんなマゾかと言われる所以。そういう私も、決して楽しい映画ではないと知りつつ観に行った。

中心人物のアンヌ(イザベル・ユペール)は会社社長で家族も仕切り、常に前進しようとするキャラ。でも何のために?

ミヒャエル・ハネケ『Happy end』

母親の期待に押しつぶされた息子はアルコールに浸り、父親(ジャン=ルイ・トランティニアン)は自殺に失敗し、次の機会を狙っている。

皮肉っぽく厭世的なおじいちゃん、トランティニアンによく似合う。

ミヒャエル・ハネケ『Happy end』

そこへ弟のトマ夫婦とその娘が一緒に住むようになる。娘エヴは、前妻との間の子供で、母親と住んでいたが、彼女が急死したので父親トマに引き取られることになった。トマ(マチュー・カソヴィッツ)は一緒に暮らしだした娘に気を遣い、一見まともに見えるけど、ウラでは愛人ときわどいメッセージを交わし、それを娘に見つかっている。

ミヒャエル・ハネケ『Happy end』

娘エヴ(ファンティーヌ・アルドゥイン)。子供は概して大人より鋭い・・・

ミヒャエル・ハネケ『Happy end』

この大ブルジョア家族が、使用人家族も住みこませて、大きな屋敷に暮らしていて、その関係やキャラを把握するのだって簡単じゃない。それが、パズルが少しずつ埋まって形が見えてくるように描かれる。ストーリーを読んでいなかった私は、途中で、これ、『愛・アムール』の家族なのね!とわかる。重かろうと暗かろうと、ハネケは才能のある監督だ。

イザベル・ユペールがいくら頑張って“幸せな3世代家族”を演じても、内部の亀裂はひどくなるばかり。皮肉な“ハッピー・エンド”に向かっていく。

ミヒャエル・ハネケ『Happy end』

息子の人生を決めようとする母親、娘の訴えに気づかない父親、諦めの中で”生かされている”祖父・・・でも社会的には裕福で立派な家族。作品ではヨーロッパのブルジョワジーがモデルになっているけど、日本でも同じような構図があるように思った。

Happy end
ミヒャエル・ハネケ監督作品
主演:イザベル・ユペール、ジャン=ルイ・トランティニアン、マチュー・カソヴィッツ
1時間48分
フランスで上映中

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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