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雨の日の遊び方

「朝食は8時半からよ」と言われても、ヴァカンス中は9時前には起きないわよ。9時半に行くと、夫婦は庭の景色を眺めながらコーヒーカップの前に座っていた。
その日は珍しい雨で肌寒い。コート・ダジュールの33度から一挙に20度!持っていた服を重ねて着ても寒く、ヴィヴィアンヌの大きすぎるセーターを借りる。
霧に霞んだ山の景色を見ながらおしゃべりし、「さて、シャワーを浴びるとするか」とロランが立ち上がるのは10時過ぎ。
夫は“朝寝”にプティット・メゾンに帰っていく。朝ごはんを食べてまた眠り、昼ごはんの後は昼寝。彼はよく猫に「君たちの生活はなんだ!食っちゃ寝、食っちゃ寝じゃないか」
猫たち、これを見たら「アンタには言われたくない」と言うだろう。

私はコンポ―ト用のリンゴの皮むきを手伝う。
彼らはどう見たってかなりの資産家で、食料もいいものを買うけど、食べ物はひとかけらも無駄にしない。ヴィヴィアンヌは庭に生った、あまり美味しくないリンゴやナシやプラムでコンポートやジャムを作り、ラタトゥイユに入れなかったトマトの種や皮でトマトジュースを作る。残ったパンはプディングになり、生ゴミはより分けられ、林のそばの“コンポスト場”で堆肥になる。

食事のメニュー、時間、町への買い出しはヴィヴィアンヌが決め、何でも-パンの切り方まで-自分でやらないと気が済まない。手伝うことない?と聞いても、私に託されるのは、果物の皮むき、その後、皮をコンポスト場に捨てに行くくらい。

午後は、ロランご自慢の書庫の“ガイド付き見学”があった。
2年前に来た時はがらんどうのモト穀物蔵。「ここを書庫に改造する」と聞いて半信半疑。
「私が彼の年(80歳!)になったら、そんな膨大な計画をするだろうか(しないでしょうね)」と思ったもんだ。

思わず「アッ!」

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いくら建築家に任せたとは言え、財力があったとは言え、そのエネルギーと、この出来上がりに驚くばかり。
本の整理がロランの新しい“オモチャ”。彼らは2人とも精神分析医で、ヴィヴィアンヌの両親は研究者と教師だった。インテリ家族の蔵書は段ボール230個になり、トラックでパリから運ばれた。

ここを訪れた友人たちがよくする”アホな質問”が「これ、全部読んだの?」。
「読んだわけないじゃないか!」とロラン。中央がヴィヴィアンヌ。

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螺旋階段から地下に降りると、

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モト家畜小屋。奥の石にエサが置かれていた。

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本は科学、人文科学、宗教、哲学、歴史、精神分析、美術書・・・そして文学。私が知っている本は・・・文学だけ。
夫と私はあちこちから本を引き抜いてパラパラ読んだり、オーダーメードの樫の本棚や照明装置に見とれ、「これだけの工事、一体ハウマッチ?」という質問を何度も呑み込み、ヴィヴィアンヌが角笛を吹くまで書庫で遊んだ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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