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再び映画館で泣いた

2つのバイトを掛け持ち、ときどき姉の娘(つまり姪っ子)アマンダを学校に迎えに行くダヴィッド。社会人になるのを先延ばしにして気楽に暮らしている。
シングルマザーで英語教師の姉貴サンドリーヌ(右)とアマンダ母子はダヴィッド(左)にとって一番近い家族だ。

映画『AMANDA/アマンダ』

夏の始まり。パリの街には美しい季節の陽気さが漂っていた。
サンドリーヌは友達とヴァンセンヌの森にピクニックに出かける。自転車を飛ばして遅れて着いたダヴィッドが目にしたのは信じられない光景:芝生に血だらけの人たちが倒れている。イスラム過激派の殺戮の直後だった。

サンドリーヌは帰らぬ人になり、ダヴィッドは7歳のアマンダの法定後見人になってしまう。
姉弟の父親は他界し、家庭を捨てた母親とは10年も会っていない。アマンダが母親の次になついているのはダヴィッドなのだ。
能天気に暮らしていたダヴィッドに突然“父親”の役割がのしかかる。でも現実には、ダヴィッドが言うように「アマンダが僕を必要とする以上に、僕が彼女を必要としている」
一番大切な家族を失った2人は支え合って生きていくことになる。

映画『AMANDA/アマンダ』

『AMANDA』

映画『AMANDA/アマンダ』

2009年、『Les Beaux Gosses/イケメンたち』で注目されたタラコ唇のヴァンサン・ラコスト。『ヒポクラテスの子供たち』もよかった。

映画『AMANDA/アマンダ』

これまで頼りない3枚目の役が多かったけど、初めてのシリアスも信憑性がある。
でも目が離せないのは7歳のアマンダ。母の死を知らされたときワーッと泣いたりしない。
私が父を亡くしたのは6歳、この歳では“死んだ”ということがピンとこないのだ(少なくとも私はそうだった)。ほかの誰にも埋められないその空洞を感じたのはずいぶん時間が経ってからだ。
シナリオがいいのか、アマンダ役のが上手いのか。両方だと思うけど、アマンダの反応や泣くタイミングに共感し、彼女の逞しさに感動した。

ヴァンセンヌの森で夕暮れのピクニックを楽しむ人たちがテロの被害者になったシーンは、バタクランのテロに重なる。
バタクランの後、家族や恋人、友人を失った人たちのルポルタージュやインタビューがいくつか放映された。最近では、シャルリー・エブドのテロで生き残った人の体験小説がフェミナ賞を取った。
悲劇の後遺症は続いていて、この映画の内容が、決して非日常ではなくなっているのに気づく。哀しいことに・・・

AMANDA
監督:ミカエル・ハース
主演:ヴァンサン・ラコスト、イゾール・ミュルトゥリエ、ステイシー・マルタン他
1時間47分
フランスで上映中


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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