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シャンパンの一年間の消費量の40%がクリスマスから新年に飲まれるそうだ。私は・・・まだ3回しか飲んでない。

フランスで一番高いシャンパンSalonの社長さんがラジオで話していた。
これまで飲んだシャンパンのうち一番高級なのはKRUG 、次がDEUTZ 。特に前者は泡の繊細が格段で最高峰と思っていたら、上には上があった:Champagne Salon。
1920年、ユージェーヌ=エメ・サロンが作ったシャンパン・メゾン。1988年からLaurent Perrierの傘下に入った。
平均価格540ユーロ。日本では約10万円。幻のシャンパンと呼ばれているらしい。

シャンパン・サロン

なぜそんなに高いのか?
-シャンパンは通常シャルドネ、ピノ・ブラン、ピノ・グリなどの寄せ集め/assemblageで作られる。サロンのシャンパンはシャルドネ100%。
-ミレジメの年しかシャンパンを作らない(平均3年に一度) 。
21世紀のミレジメは2002、2004、2006、2007。10年以上シャンパンを作ってないってこと?(その間、何してるんだろう?)

サロンはわずか20㌶のブドウ畑で、ミレジメ毎に約6万本作る。つまり希少価値のお値段なのだ。
一方モエ・エ・シャンドンは1190㌶で2280万本(Ruinard とDon Pérignonを含む2011年の数字)。

モエ・エ・シャンドンは中国人が飲むようになって更に生産量を増やし、義父の持っているブドウ畑はモエに貸している。
おかげで毎年12月にシャンパン1本が送られてくる。

さてサロン・シャンパン6万本の95%は輸出される。フランス人は質より量だものね。
輸出国一位は日本。
「どうして日本なんですか?」とアナウンサー。
「日本人はいいものの価値がわかり、その愉しみ方を知っているからです」
「!!」
お風呂に入りながらこのインタビューを聞いていた私は、自分が褒められたようにいい気分になった。

今年も一年、小ブログを読んでいただき、コメント、ご意見、メールをお寄せいただき、心からありがとうございます。
この時期になると、日本の師走の雰囲気を懐かしく思い出します。
どうぞ良いお年を!


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宗教&文化ミックスの国で

「いいクリスマスを過ごした?」
会社の経理のセルジュにお決まりのセリフを言って、しまった!と思ったけど遅い。
「わたしたちはクリスマスを祝わない」
彼は敬虔なユダヤ教徒。ユダヤ教では12月にハヌカーを祝うけど、これはマカバイ戦争時(紀元前)のエルサレム神殿奪回記念日で、クリスマスとは全く関係ない。

これがハヌカーのシンボル

ハヌカー

セルジュはShabatt(安息日)も必ず守り、金曜日の日没から土曜日の日没まで仕事をしない。日が一番短い今の季節、金曜日は午後4時過ぎに仕事を止める。料理も日没前に作っておいて、土曜日は何もしない。
電気のスイッチに触ってはいけないので、ロウソクで暮らす。電話もTVもパソコンも禁止。
「で、何をするの?」
「家族みんなで話し合う。素晴らしい時間だ」
そりぁお父さんにとっては素晴らしくても、子供たちはどうなんだろう?

彼の娘さんの結婚式に呼ばれ、シナゴーグに初めて入り、一番後ろの席に座ったら、たくさんの視線を感じた。
あなたたち、アジア人見たことないの?と思ったら、前のオジサンが「あなたの席はあっちです」
男女の席が真っ二つに分かれていたのだ。無知でした・・・

セルジュのあと、近所の服の直し屋さんに行ったら、前のお客がクリスマスをノルマンディで祝った、と話していた。
「私たちには関係ないよ」と仕立て屋のオジサン。彼はムスリムだ。
「クリスマスなんて消費文化のお祭りだ」
たしかに。でも離れて暮らす家族が集まる機会だ。日本のお正月みたいに。
「大体、イエズスの誕生日なんてでっちあげだし、コーランにそういうウソはない」
私は答えず「じゃスカートお願いね」と店を出る。

この国で宗教と政治の話題は-一般論を除いて-避けた方が賢明だ。
うちのクリスマスでも、甥っ子が「ジレ・ジョーヌは・・・」いいかけたら、「その話はやめよう!」とほぼ全員が叫んだ。

そういえば明日の土曜日、またジレ・ジョーヌがデモを予定しているらしい・・・


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「えっ!こんなとこで野菜を買うの?」
ディジョンの駅に迎えに来た夫が帰り道、アラブスーパーに入っていく。遅くまで空いているので緊急の時のみ利用する人が多い店。値段は2割くらい高く、野菜はしなびている。
「まったく、イザベル(彼の妹)は年々ひどくなる」

義妹は料理が嫌い(したがって下手)、しかも魚介類を一切食べないので、肉のローストしか作らない。
つまり鶏、牛、豚のローテーションで暮らしているので、甥っ子たちはうちに来ると魚を食べたがる。
ローストは時間さえ守ればまず失敗しないけど、付け合わせの量が極端に少ない。2年前のクリスマスは“生煮えのインゲンひとり5本”。しかも自分はよく食べる。

今回は羊のローストの付け合わせに”ズッキーニが4本だけ”(全部で9人!)という事実が夕方判明。離れたスーパーまで行く時間がなく、アラブスーパーでリンゴのように固いトマトと、冷凍ピーマンひと袋を買い、“ナスなしラタトゥイユ”を作ることに。

クリスマスはうちと1年交代なんだけど、義妹宅でやるときはオードヴルは作って持っていく。今回は現地でも作るハメになった。
テリーヌ、美味しかったのでレシピを書きますね。

鶏とピーマンのテリーヌ
材料(12㎝x18㎝のテリーヌ型、約6人分)
鶏の胸肉2切れ(約300g)
タマゴ3個
½赤ピーマン
½黄ピーマン
½オレンジピーマン
½フレッシュ・シェーヴルチーズ(Petit Billy、下方に写真あり)
エストラゴンの葉、5枝分
イタリアンパセリ適宜
プロヴァンス・ハーブ適宜
エスプレット(トウガラシ)小匙1
小麦粉 大匙1

①鶏1切れは1-2センチ角に切る。鶏、卵、小麦粉、チーズを大きなボールに入れ塩コショウし、ハンドミキサーにかける。もう一切れの鶏は細切りにしておく。

②ピーマンは1センチ角に、エストラゴン、パセリの葉はハサミで切る。全部を①に加え、よく混ぜる。
(テリーヌは出来上がってみないと味-特に塩加減-がわからない、という不安がある。このレシピは「タネをスプーン一杯、フライパンで軽く焼いて味見をして調整しろ」。画期的!・・・と言うか、もっと早く気づくべきであった)

③テリーヌ型にクッキングシートを敷き、材料の半分を流しいれる。鶏の細切りを並べ、残りの材料を流す。

④最後にプロヴァンスハーブを散らし、180度のオーヴンで30分。
左がスモークサーモン&生鮭のテリーヌ。同じ写真でごめんなさい。

terrines_20181224232458eb8.jpg

フランスではプチ・ビリー/Petit Billyが有名なフレッシュ・シェーヴル。シェーヴルが嫌いな人はクリームチーズで代用できそう。
プチ・ビリー

レシピではマジョラムを入れろ、と書いてあったけど見つからず、エストラゴンを入れたらなかなかの相性だった。
お試しください!


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個人的クリスマス風景

日頃、頭の隅に押しやっていた家族の問題が浮上するクリスマス。うちも然り。義弟と義妹は仲たがいしていて、義弟は今年もクリスマスに来ない。
「どっちも歩み寄らないから・・・困ったもんだ」と夫はため息。

子供(大共?)たちは少ない予算でプレゼント探しに奔走してけっこう楽しそうだ。
たしかにプレゼントは選ぶほうが楽しい。

ラッピングはセルフだったり、してくれない店もあるので、手先の器用な娘が一手に引き受ける。
「この子は色々使い道がある」と夫。
「デパートのラッピング係?でも一年に一度よ」

クリスマス2018

左は目下うちに住んでいる娘の友達。彼女の両親は離婚し、父親はその後2回結婚し子供(各一人)を作り離婚し、今3回目をやっている。再々々構成家族なんでプレゼントも大変だ。

「食べるものはなさそうだ・・・」

クリスマス2018

片付けなさい!

クリスマス2018

日曜日。私は朝市へ。人出は少ない。

クリスマス2018

クリスマス時期、朝市は不況ってご存知でした?理由は、地方の実家に帰る人が多いから。お盆の東京と同じだ。

今年は義妹の住むディジョンで祝うので、私はアントレ係。テリーヌ2品を作った。
定番となった2種サーモンのテリーヌ。魚介類の嫌いな義妹のために鶏と赤&黄ピーマンのテリーヌ(左)。

terrines_20181224232458eb8.jpg

後者は初めて作ったからちょっと心配だけど。レシピの写真は断然美味しそうで、こういう断面になるはず。

クリスマス2018


どうぞ楽しいクリスマスを!


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家族と“愛する”ことの関係

クリスマス。街中がイリュミネーションで輝き「Joyeuses fêtes!/楽しいお祝いを」の挨拶が交わされる。
家族が集って祝う日が近づくと、いつもにまして孤独を感じる人、逆に家族に会うのが憂鬱で「家族ってなんだ?」と問う人が増える・・・というタイミングで封切りになった是枝さんの『万引き家族』。
待たれたカンヌ映画祭パルムドール受賞作の公開。仏語タイトルは『Une affaire de famille/家族の問題』

万引き家族/Une affaire de famille

スーパーで息の合った共同作戦で万引きする父と息子。

万引き家族/Une affaire de famille

コロッケを買って寒い寒い!と帰りを急いでいると、小さい女の子がベランダにひとり。
コロッケ食べる?と話しかけ、結局連れてきてしまう。
帰り着いた長屋には、ほぼ17歳から70歳の女性3人が折り重なっていた。

工事現場で働き万引きを副業とするお父さん、工場勤めのお母さん、風俗で働く娘、12歳の息子は押し入れで暮らしている。そしてわずかな年金をもらっているおばあちゃん。

最後の映画になってしまった樹木希林さん。彼女は現れただけでスクリーンを占領した。

万引き家族/Une affaire de famille

一見、貧しくても仲のいい家族。

万引き家族/Une affaire de famille
photos:allociné

次第に彼らの繋がりはもっと複雑であることがわかってくる。

気が付くのが遅いけど、是枝さんはずっと「家族とは?血の繋がりとは?」をテーマにしてきた:
母親が突然出て行き、残された子供5人が生き延びようとする『誰も知らない』。
『海岸dialy』は父親が再再婚で作った娘を引き取る3人姉妹の話。

この作品ではそのテーマが更に掘り下げられた感じだ。
血が繋がっていても愛せず、捨てたり暴力をふるう親たち。一方、愛する対象が欲しくて“盗んで”しまう人たち。
同時に、社会から忘れられ、社会保障からはみ出し、法に触れながらなんとか生きている人たちの存在を明るみに出している。
是枝氏はよく「小津安二郎を思わせる」と言われるけど、インタビューで「小津よりケン・ローチに同類を感じる」と語っていた。

日本政府が「国の恥・・・」とこの作品の成功に眉をひそめたことも、ル・モンドはじめメディアが触れていたけど、これは現実でしょ。国は“建前”だけじゃない。

とにかく。ジレ・ジョーヌが購買力のなさを訴え、一方で人々がヒステリックにプレゼントを買いまくる季節、孤独や家族の問題が浮き彫りになる季節に、この作品はいくつもの波紋を投げかける。その波紋はけっして暗くない。
パルムドールに値する素晴らしい作品。

Une Affaire de famille
是枝裕和監督作品
主演:安藤サクラ、リリー・フランキー、樹木希林、松岡茉優、城桧吏・・・
2時間
フランスで公開中


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キックスケーターに惹かれたけど

夜道を友達とキックスケーターで走っている娘。そのヴィデオを観て猛烈にやりたくなった。
車の少ない深夜の道なら安全だし、気持ちよさそう!
自転車、スクーターに続いてパリ市が始めたセルフサービスの電動キックスケーターLime。
道に乗り捨てられているのを見かけたことがあるでしょう?

パリ市の電動キックスケーター

「危なくない?スピード出ない?」
「ハンドルで調節できるから大丈夫」

話は変わって、娘の友達がうちに居候している。親は地方に住んでいて、パリでアパルトマンを探しているけど、なかなか見つからず、うちに住んで2か月になる。
その子がびっこを引きながら帰ってきた。ジーンズの膝が大きく破れ、包帯に血がにじんでいる。
娘のヴィデオを観てやりたくなったのは私だけではなかった。
「いきなりスピードが出て100mで投げ出された」

傷を見せると薬局のお姉さんが目を丸くし口に手を当てて、
「すぐお医者にいかなくちゃダメよ!」
でも近所のお医者はどこも予約できず、消毒薬や包帯を買った。35ユーロ
夕方ようやく予約なしのお医者が見つかっていくと、
「君、破傷風の予防注射はしてる?」
「記憶にないです」
処方箋を持って近くの薬局でワクチンを買い注射してもらう。24ユーロ

さらに、キックスケーターを乗り捨てたときロックするのを忘れ、ほかの人(たち)が(タダで)使ったので、50ユーロの請求がきた。
キックスクーターの使用料は1ユーロ+15サンチーム/1分。
「つまり2分間の体験が100ユーロ以上かかったってこと 」

それはまさに私が辿るはずの運命・・・即キックスケーターを諦めたのは言うまでもない。
こんな感じ、やりたかったんだけど・・・夢で終わった。

パリ市の電動キックスケーター


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キュートな傘修理おじいさん

パリは、特に秋の終わりに雨が多い。それなのに傘が進歩しない。高いくせに壊れやすく、風が吹くとひっくり返る。
雨の日が続くのに私の傘は2本とも壊れている:ブルーのは持ち手をどこかで落とし、赤い傘は開いたときカチッと止まってくれず、ひっきりなしに開き直さないといけない。

また買うのも腹立たしいので修理屋さんを探したら、エティエンヌ・マルセルの近くにあった。
細いパッサージュにある小さな店に、初老のおじいさんがひとり。

パリの傘修理屋さん

フランス唯一の傘修理屋さんPEP'S、ご主人はテレビにも出た有名人らしい。

パリの傘修理屋さん
photo:bfmtv

赤い傘を見るなり、
「これは中国製、すごく質が悪い」
「でもメジャーなメーカー(Isotoner)ですよね。どのメーカーを買えばいいんですか」
「どのメーカーも90%は質が悪いの。これなんか10ユーロでも高いくらいだ」
たしか30か35ユーロした。
おじいさんが傘を開くと、なんとカチッと止まるではないか。
「ウソ!なんであなたがやるとちゃんと開くの!」
「わたしにはバカなことはできんと傘がわかってるから。主人はこっちなんだ、とわからせなければいけない」

パソコンの調子が悪くてアフターサービスの人に来てもらったとき、その人が触ると問題なく動いたのと同じだ。
傘にもパソコンにも嘗められている。
ブルーの傘は触っただけで「これは日本のホネだね。しっかりしてる」
お見事!
「これに合う持ち手ね、見つかるかね・・・1週間後に取りに来て。はい、22ユーロ」
見つける前に値段がわかるの?持ち手だけで22ユーロ?と言いそうになって呑み込んだ。一律料金なんでしょうね。
「赤いほうは?」
「壊れていない。誰が主人かってことをはっきりさせればよろしい」
「・・・」

現金かチェックというので、チェックで払うと、
「このチェックが引き落とされるの来年の2月になるけど心配しないで。引継ぎがあってゴタゴタしてるから」
「リタイアされるんですか?」
「もう64歳なんでね。みんなはそう見えないって言うけど」
私は言ってないけど。
じゃ、1週間後に、と外に出ると、通りかかったアメリカ人のカップルが「So cute !」とお店の写真を撮っていた。
私も撮ったけど、頑固で自分の仕事を知り尽くした職人おじいさんこそキュートに思えた。

PEP'S
223 rue Saint Martin
Paris 75003
TEL:01 42 78 11 67


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卑劣なストラスブルグ・テロ陰謀説

11日、ストラスブルグのマルシェ・ド・ノエルで銃撃テロ(3人死亡、5人重傷)があった直後、

ストラスブルグ・テロ
photo:le point

ジレ・ジョーヌのFacebookで始まった陰謀説(théories de complot):
「マクロンと政府は故意にテロを起こし、緊急事態を発動してジレ・ジョーヌの革命を阻止しようとしている」
「政府が計画したことはみんな知っている」
「タイミング良すぎ。マクロンにとっては有難いテロ」

アンタたち正気?
デモを阻止するため、政府がテロを自作自演したっていうの?
死者まで出して?

テロがある度に陰謀説は出る(9.11まで!)。
“陰謀説家”は「すべてを疑ってかかるのが好き。証拠が少ないほど陰謀説の可能性が出る」そうだけど、ジレ・ジョーヌから、テロ直後に出たのは悪質。犠牲者への配慮がなさすぎ。

教育相は「卑劣な行為がある度、それに加わろうとする卑劣な人間がいる」「犠牲者の家族のことを、フランスと世界にとって重大なことが起きたということを考えろ」

「媒体は何であれ、間違った、または嘘のニュースを公開、流布、転載し、国家秩序を乱す」は犯罪になっていて、45.000ユーロ(約620万円)の罰金刑。
卑劣で無責任な陰謀説を流した奴らを取り締まって、罰金を払わせたい、と思うけど、FacebookやTwitterは仮名が多いし捕まえるのは難しそうだ。

テロの後、土曜日のデモを取りやめるように政府は促している。テロの犯人は捕まっていないので、警官、CRS(国家機動隊)、軍隊まで駆り出されている。治安部隊の人数だって限りがあるからデモの警備は人出不足になる(と書いた後で犯人は見つかり銃殺されたと)。
それでもジレ・ジョーヌは「予定通りやる」(ストラスブルグのみ中止)。
月曜のマクロン大統領の“歩み寄り“も「不十分」。

ジレ・ジョーヌさんたち、ちょっと考えてみてよ:フランスだって不景気で失業者数は多い。すでに3回の土曜日ストでデパートやブティックは大損害。レストランやホテルの観光業にも被害が出ている。ストを続ければ、リストラや倒産が出て、経済はもっと厳しくなり、国民の生活はもっとラクじゃなくなる。自分たちの脚を引っ張るようなことしてると思わない?


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ずっと沈黙を守っていたエマニュエル・マクロンが20時のニュースでついに口を開く。
既に来年1月1日に決まっていた燃料税引き上げは取りやめ(約40憶ユーロの“儲けそこない”)、それでも鎮まらないジレ・ジョーヌにどんな条件を出してくるか?と週末から待ちに待たれていた。

マクロン、ジレ・ジョーヌ

13分間の演説で:
〇SMIC(最低賃金)受給者に月額+100ユーロ
〇残業手当を無課税に。
〇2000ユーロ以下の年金受給者にCSG(国民保険と失業保険に融資するための源泉徴収)免除。
・・・とかなりの歩み寄り。

一方、ジレ・ジョーヌの要求していたISF(富裕者税)の回復はノン。
理由は、富裕者が税率の低い国に引っ越すのを食い止め(有名どころではLVMH社長ベルナール・アルノー、ジェラール・ドパルデュー、ちょうど1年前に亡くなったジョニー・アリデー・・・)彼らが国内で投資するのを促そう、というもの。
理屈はわかるけど、外国に逃げ出そうとする大金持ちに「税金安くするから行かないで」というのもヘンな気がする。
個人的には燃料税取り消し分をISF回復でチャラにしたら?と思ったんですが。

マクロンの演説を聞いたジレ・ジョーヌたちの反応は「前進だ」「不十分」に別れる。
とくに《SMIC受給者に毎月+100ユーロ》は、「SMIC(最低賃金)よりちょっと高いサラリーをもらってるけど生活が苦しい人はどうなる?」
インタビュアーにマイクを向けられたジレ・ジョーヌは「不十分」派が多かったけど、ニュースの切り取り方を鵜呑みにはできない。

でもこれらの提案を3週間前にしていたらデモを鎮められていたし、お店壊し、車に放火も避けられたのではと思ってしまう。
なんでもっと早く言わなかったの、マクロンさん。
演説の中で「私の言葉が傷つけたこともある」と反省の色も見せた。

上の3つの“歩み寄り”は来年初めから実施され、ざっと見積もっても80~100憶ユーロかかるという。
ラジオに出てきた右派の議員は「一体そのお金はどこから出てくるんでしょうか?」
私もまったく同じ疑問。どっかを削らないと捻出できないのではない?
フランス語で「ピエールを脱がせてポールに着せる」という表現があるけど、脱がされるのは誰か?


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養子縁組が決まるまで

陣痛にあえぎながら病院にたどり着いた女性は男の子を出産した。何か月も妊娠にすら気づかなかったという母親は学生で、赤ん坊を抱くこともせず退院していく。
赤ちゃんは一時的にテオと名付けられ、養子縁組担当の民生委員の手に託される。
彼らのうち2人は、赤ちゃんの世話をし(ひとりは自分のうちで育てる)残りは適切な養母を探し始める。

養母候補者の中にアリス(エロディ・ブシェーズ)がいた。彼女は10年前、夫と養子を探し始めるが、数年後、結婚が破綻。離婚後は精神的に不安定、シングルマザーというハンディで待たされていた。

映画『Pupille/瞳』

担当の民生委員はアリスと面接を繰り返し、彼女が“準備ができている”と判断し、テオの養母候補者として推薦する。養母の年齢制限は43歳、アリスは41歳になっていた。

テオが新しいお母さんと出会うまでを描いた『Pupille/瞳』

映画『Pupille/瞳』

ひとりの赤ちゃんに関わる人数、養父母の審査の厳しさ-本人たちの性格、仕事、収入、彼らの育ち方、両親の性格、養子を取ったときどのくらい休暇が取れるか-に驚く。
そして民生委員たちの人間味溢れる対応に:ジャン(ジル・ルルーシュ)は養父母が決まるまでテオを自宅に引き取り、母親のようにつきっきりで話しかけ、抱き、オムツを代え、夜中に起きてミルクをあげる。

映画『Pupille/瞳』

離婚したばかりのカリーヌ(サンドリーヌ・キベルラン、右)はストレス安定のためドロップを食べ続ける。

映画『Pupille/瞳』
photos:allociné

リディは養母候補を傷つけないため、自分が妊娠していることを隠して面接する。
赤ちゃんの眼を見ること(タイトルの所以?)、話しかけること、抱くことの大切さもよくわかる(遅すぎる!)。

「あれだけ厳しい審査があるのに、なぜマダム〇▽はロベールを養子にできたんだろう?」
と私。〇▽はヒステリックで専横で、他の養母に出会っていたらロベールの人生は違っていただろう、と。
「まったく。しかもシングルマザー」と夫。

PUPILLE
監督:ジャンヌ・エリー
主演:サンドリーヌ・キベルラン、ジル・ルルーシュ、エロディ・ブシェーズ
1時間47分
フランスで公開中


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ジレ・ジョーヌの抗議の強さに、政府は5日、燃料税引き上げの“モラトリアム”を発表した:1月1日に予定されていた引き上げを6カ月延ばす。
これを聞いて、ジレ・ジョーヌの多くはせせら笑った。6か月の執行猶予があるだけで結果は同じじゃないか。

彼らの怒りが鎮まらないのは、マクロン大統領が出てこないせいもある。
12月1日、マクロンはブエノスアイレスのG20に出席していて、催涙弾で霞んだシャンゼリゼの光景をテレビで観た。
「あなた、国が大変なことになっているのに、ここにいていいんですか?」と言われたかとどうか知らないけど。

国に戻ったマクロンは月曜朝、主要大臣を招集して、この“6カ月のモラトリアム”が決められたが、矢面に立って発表したのは首相のエデュアール・フィリップだ。

トレードマーク「2日の無精ひげ」が4日くらいになってない?無理もない・・・

エデュアール・フィリップ首相
photo:Ouest France

デモ隊が叫ぶのは「マクロン辞めろ!」
マクロンの表情も険しくなってきた。

マクロン、ジレ・ジョーヌ
photo:Ouest France

庶民には「上から目線」で、金持ちを優遇するマクロン政策が抗議の的になっているのだ。
「マクロンはクラスの優等生しか対象にしていない。でもクラスにはふつうの生徒もいるし、落第生もいる」とジレ・ジョーヌの代表者のひとり。マクロンは富める者と富めない者(大多数)の溝を深くしてしまった、ということ。
右派中道のフランソワ・バイルーは「国民の反対を押し切って統治することはできない」
元首相フランソワ・カズヌーヴ(社会党)は「国民の声を聞くことは、弱体化することではない」

これらの忠告に、そしてモラトリアムでは鎮まらないジレ・ジョーヌに、6日、政府はついに燃料税引き上げ取り消しを決める。
この取り消しは、国にとって約40億ユーロ(約6500億円!)の“儲けそこない”になるという。

ISF(Impôt de solidalité sur la fortune=富裕者の財産にかかる税)廃止も、源泉徴収導入も決行したマクロンが初めて折れた。
それでもジレ・ジョーヌは8日のストを諦めない。
折れるのが遅すぎた。矢面に立って、ジレ・ジョーヌの抗議に直面すべきだった。グズグズしている間に怒りは沸点に達してしまった。

フィリップ首相は「例外的な警戒態勢にする」と言っているけど・・・デモは「表現の自由」で認められている権利だ。
問題はアグレッシヴな極右派、極左派、常習犯の“壊し屋”。彼らがデモを利用して猛威を振るうのを、何とか阻止できないもんだろうか?


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ブランドショップのウィンドウを壊してなだれ込む壊し屋たち、凱旋門には落書き、中の博物館滅茶苦茶に・・・12月1日のジレ・ジョーヌの暴れ方はどこかの国の内戦の光景を見るようだ。11月17日の一回目デモから激しさを増すばかりの抗議集団に、驚愕、怒り、恥を感じた人は多いはず。主張は何であれ、あの暴力は許せない。

落書きは洗えば落ちるけど、洗う人だって大変だ。

ジレ・ジョーヌ、シャンゼリゼ

博物館のマリアンヌ像は無残な顔に。

ジレ・ジョーヌ、シャンゼリゼ

ところが週明けに出たアンケート結果は意外:72%の国民がジレ・ジョーヌを(まだ)支持している。
ただし支持者の81%が暴力はいけない、19%が暴力を認める。
アンケート回答者全体では85%が暴力反対。
回答者の90%が「政府はこの抗議に対処する能力がなかった」
と答えている。

ジレ・ジョーヌに火をつけた燃料税の引き上げは、環境政策の一環だ。「これ以上税金を上げられたら月が越せない」という彼らの言い分に、マクロンは「環境汚染をいかに食い止めるか」で答えている。
「月の終わりが問題なんだ、地球の終わりの話をしていない」「エコノミーの訴えなのにエコロジーで答えるな」とジレ・ジョーヌは更に怒る。
サルコジでもオランドでも生活は変わらず積もった不満が、マクロンで爆発したのは、彼が“富裕層の大統領”、更に“都会派”のイメージだからだ。
サルコジだって富裕層が好きだった?確かに。でも政治家が長い彼は「社会保障にすげえお金を使ってる」とか、失業者の青年に「道を渡れば仕事が見つかる」なんて“失言”をしなかった。

労働者が中心のジレ・ジョーヌの怒りが富裕層に向かっているのはデモコースの選び方でも明らかだ。
これまで労働組合のデモはレピュブリック広場→バスティーユ広場が定番だったのに、今回はシャンゼリゼ、クレベール、リヴォリ通り・・・つまりフランス版モノポリーで高い道ばっかり選んでいる。

400人近い逮捕者の平均的プロフィルは30歳から45歳、地方在住者。
車がなくては仕事にならずパンも買いに行けない田舎に住む人たちにとって、燃料費値上げがどれほど切実か「アンタ達にはわかっていない」というパリへのメッセージ(パリはフランスじゃないと言われる所以)、「エリートで銀行家だったアンタには永久にわからない、辞任しろ」というマクロンへのメッセージなのだ。

ジレ・ジョーヌは今週の土曜日にもデモを予定している。政府が燃料税の引き上げを諦めるとは思えないけど、何か歩み寄りを見せないと怒りは収まりそうにない。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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