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喧騒エマージェンシー

URGENCES/救急部に入ると、まず看護婦さんが症状や病歴を質問、つまり救急隊がしたのと同じことなんだけど、それでボックスと呼ばれる病室が割り当てられた。
ベッドが足りないため、酸素マスクや点滴の必要ない急患は廊下の担架に寝かされている。
ボックス13という番号に引っかかるけど、そんなこと言っている場合じゃない。

次に若いインターンが入ってきて、看護婦さんより詳しい病歴を-ステントを入れたのはいつか?どこの病院か?不整脈はいつから起こったか?その他の大きな病気は?-を聞き、データにしていく。
夫は酸素マスクでよくしゃべれないので、私が答えたんだけど、羅列するとこの人はけっこう病気をしているんだ。
五月革命世代の彼は、タバコ吸い放題(一日2箱吸っていた)、お酒飲み放題(すごく強い)、エイズの心配もなかった。今の若い子に比べてやりたい放題で育ち、そのツケが回ってきている。
インターン医師が質問している間に看護婦さんは採血をしたり、点滴の準備に忙しい。

50代半ばの救急部のシェフ医師が現れたのは、到着してから1時間半以上経った11時過ぎ。
インターン医師のデータに目を通し「ふむふむ」。
心不全+気管支炎で、心臓ポンプがよく機能せず、肺に水が溜まったので呼吸困難になった、ということらしい。

シェフ医師が出て行ってから、かなり待った。
廊下では「助けてくれぇ!お願いだ!」と叫び続ける患者がいて、「うるせぇ!黙れ!」と怒鳴り返す患者がいて、看護婦さんたちはそんなこと日常茶飯事と走り回っている。

pitie salpetriere urgence
photo:challenges.fr

人出不足、ベッド不足、予算不足。公立病院救急部の訴えはその通りだ。
夫はウトウトし始めた。
「この点滴が終わったら、部屋に行けますよ」と看護婦さんが入ってきたのは午前1時過ぎ。もう帰って大丈夫、と言われ帰ることにした。
心臓、呼吸器は命に関わるからパニックになった。水が溜まり続けたらどうなっていたか、と思うと、病院に連れてきてほんとによかった。これだけお医者さん、看護婦さんに囲まれていれば安心だ。

・・・・そんなわけで元日も病院で過ごし、新年のご挨拶が遅くなってしまいました。
健康が一番大事、と思い知った年明け。みなさまがご健康で、幸せな出来事や素敵な出会いの多い年になりますようにお祈りしています。
今年もよろしくお願いいたします。


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ジェットコースター救急車

心不全の持病がある夫は息切れしやすい。その上気管支炎になったのか、座っても横になっても呼吸困難になっていた。
年末でかかりつけのお医者さんはみんな休暇。しかも土曜日。
Doctolibでやっと開いている開業医を見つけ、連れていくと“すぐに肺のレントゲンを撮れ”。
「遠くてもすぐに予約が取れるとこに行きなさい」
という言葉で、グズグズしていられない状態であるのがわかる。

でも「すぐに」と言ったって、12月30日に病院以外でレントゲンを撮れるとこ・・・またDoctolibで探して月曜の朝の11時に予約できるところを見つける。ひと安心。
Doctolibはお医者さんの予約アプリ。専門医、地区を選ぶと予約可能な時間帯が出て便利だ。

ところが呼吸困難はひどくなるばかり。枕を4つ重ねても息苦しい。
「レントゲンを撮ってから・・・」という夫を押し切って、日曜の夜、SAMU(15番)に電話した。
症状や病歴を詳しく聞かれる。大したことがないのに救急に電話する人が多いのと、人手不足で用心深くなっている。
やっと「救急車を送ります。40分くらいかかります」
私は急いで健康保険証、ミュチュエル(相互保険)カードや洗面ポーチをリュックに入れた。

救急車がやってきたのは1時間半後。若い隊員2人、ひとりは医学知識があり、もうひとりが運転手だ。
症状や病歴を聞き、メモし、どこかに電話し、血圧や脈を測りまた電話し・・・動作がのんびりしていて、「URGENCE=急患」って知ってる?と言いたくなる。一方で、そんなに急を要する状態じゃないのか、と安心したり。
40分ほど経って行先が決まる。
「Saint-Antoine病院じゃないんですか?」
そこが一番近くて、メトロがストでも歩いて行ける。
「ぼくもそう思ったけど、心臓疾患の設備が最先端のSalpêtrière Pitiéに運べという指示です」
なるほど。
酸素マスクで呼吸が少しラクになった夫は救急車に乗せられた。
「マダムは前にお乗りなさい」と言われて、助手席に乗る。

ambulanciers.jpg

サイレンを鳴らして走り始めた救急車は、まるでジェットコースター。
渋滞している道を飛ばし「前の車にぶつかる!」間際で、車たちが申し合わせたように左右に割れて道を作る。
赤信号は当然無視。急患を乗せた救急車が事故ったら話にならないから、運転手の腕は信頼できるんだろうけど、すごいスリル。あっと言う間に病院に着いた。
うちに着いてからのゆっくりさと対照的な速さであった。

夫は別の担架に乗せられ、看護婦さんが迎えに来るのを待つ。
救急車のお兄さんたちに「これからまだお仕事?」と聞くと「これが今日最初で、朝8時まで」とニッコリ。
レントゲンや血液検査がすぐできる病院の手に委ね、緊張が少し緩んだ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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