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もっともっと見たかった樹木希林さん

「この映画、すごく退屈か、すごくいいか、どっちだろうね」
メトロのポスターを見た友達。
「日日是好日」。
フランス語タイトルは『Dans un jardin qu’on dirait eternel/まるで永遠のような庭で』

日日是好日ポスター

結果は素晴らしいの一言。
日本では2018年10月公開なのに、字幕の仏語訳(難しそうだ)+コロナで遅れ、8月末に公開になった。

将来何をしたいか見えない典子(左)、20歳。従姉の美智子と、“なんとなく”武田先生の茶道教室に通い始めた。

日日是好日2

それから20年以上のお茶との付き合いを描いたお話。
殆どのシーンはお茶室の中で、カメラは、袱紗をたたむ手、柄杓を持つ角度、茶筅を置く場所、掛け軸、お茶菓子、見守る武田先生の顔、緊張する生徒さんの表情・・・を行ったり来たりする。
つまり何事も起こらない。
主人公典子の人生(家族、恋、仕事・・・)も最小限にしか語られない。
だけど、その一挙一動、表情が多くを語り、一瞬も退屈しなかった。

そして樹木希林さん、こんなに綺麗だったの?! 
これまで演技派、独特のユーモア、存在感・・・で大好きな女優さんだけど、”美しい”という形容詞が浮かんだのは初めて(樹木さん、ごめんなさい)。
着物の着こなし、お茶をたてる手元、厳しくて柔和な表情。

日日是好日
photo:allocine

ピチピチした輝きはなくても、手にはシワやシミがあっても、積み重ねなければ出てこない美しさ。
美しさは、造形的なものでなく、生き方とか挙動の総合的なものだ、という誰かのセリフを思い出す。
ああ、樹木希林さんはもっともっと観たかった。

そして四季の庭の表情、お茶菓子、掛け軸・・・の伝統的様式美。
というと、観光協会の日本アピール映画みたいだけど、表面的な美しさだけではない。
すぐに買える、短時間でマスター、何でも時間をかけずに、という時代に、何年も何十年もかけて覚え、磨き、熟させていくアート。
忘れていたものの価値を思い出させてくれる作品だ。

アクション映画が好きな夫に「退屈しなかった?」と聞いたら、
「まさか。全然。素晴らしい。マニフィック」
この映画は上映館が少ないけど、評判はすごくいい。絶対のお奨め。公開になって2週間以上経つので、お早めに。

Dans un jardin qu’on dirait eternel
主演:樹木希林、黒木華、多部未華子
1時間40分
フランスで公開中


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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