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風刺の自由 “時と場合と相手”

中学教師サミュエル・パティ追悼の辞で、エマニュエル・マクロンが「フランスは宗教的カリカチュアをやめない」と言ったことで、トルコ、リビア、アルジェリア、バングラデシュ、パキスタン・・・のムスリム国から激しい抗議が上がり、デモやフランス製品ボイコットが起きている。
皮切りはトルコのエルドアン大統領の、
「マクロンの精神状態はおかしい。診てもらったほうがいい」!! 
最近、トランプを筆頭に、首脳の発言が子供の喧嘩レベルになってません?
ブリジット・マクロンの年齢と容姿を暗にからかったブラジル大統領ボルソナロのは最低だった。

話を戻し、カリカチュアが政治問題になり、大統領が国民をたきつけることに怖さを感じていた、その矢先。
シャルリーエブドが凝りもせず、そのエルドガンをからかう表紙。

「エルドアン、私生活ではとっても面白い人」

シャルリーエブド

こういうのを油に火を注ぐ、じゃなかった、火に油を注ぐと言わない?
その上、女性蔑視も感じる。

今、フランスでテロが起こったら、まずトルコが疑われそうだ、と思っていたところへ、ニースのテロ。
犯人は21歳のチュニジア人だ。やはりムスリム国。
9月25日、シャルリーエブドの旧オフィス前で起きたテロ、サミュエル・パティ斬首テロもシャルリーエブドが9月1日、裁判の始まる前日に発行したムハンマド風刺画が引き金になっている。1か月で3回目。
表現、風刺の自由は大切だとしても、時と場合と相手を選べないものか。

ラジオのニュース番組で、サミュエル・パティの犯人を支持するツィートをした人が禁錮刑(確か4か月)になったことを挙げ、
「シャルリーエブドの表紙とどう違うんですか?」という質問をしてくれたジャーナリストがいた。
テロ犯人を支持するのはレベルが違うというでしょう、という答えだったけど、焚きつけるのと支持する、その境界は微妙な気がする。
再びロックダウンになる前日にテロ・・・フランスは長い冬ごもりになるのだろうか。


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人命と経済、どっちを救う?

という二者択一を、エマニュエル・マクロンは迫られている、という。
どっちも救うのが難しい状況、ということか。

でもフランスだけではない。ヨーロッパのあちこちの国が第二波に襲われていて、
アイルランド:全国的外出禁止。
ドイツ:局地的外出禁止(これまで優等生だったドイツでも急速に感染拡大)
スペイン:夜間外出禁止、夜11時から朝6時(夕食が遅いから。11時からの外出禁止はフランスの9時に相当する)
イタリア:映画館、劇場、スポーツクラブ、プール閉鎖。夜6時から外出禁止。

フランス主要都市は10日前から夜9時以降外出禁止。

パリ夜間外出禁止
photo:parismatch

マクロン大統領のコロナ政策は「先読みができていない」「隔離解禁が早すぎた」「春の第一派の教訓が全く生かされていない」「経済を救うことを選んだ」・・・と国民の支持は落ち、野党からは叩かれる。
しかしアンタたち、叩くしか能がないの?
100年に一度起こるパンデミック、80年に一度という経済危機、おまけにテロ、の三重苦に直面した大統領はこれまで例がない。
サルコジもオランドも内心「自分じゃなくてよかった」と思っているはず。
政府が叫ぶように、こういう時こそ「足を引っ張らず団結すべき」ではない?
第一、叩くだけで代替案は出てこないのだ。

医療関係者の意見をもとに、火曜と水曜に各党の党首や労組を呼び出して話し合ったマクロン大統領は、今日28日の夜8時に「制限強化」を発表する。
昨日の晩「確かなソース!」と、電話を切った夫が興奮していた。知人のパリ近郊市長の助役によると、
「夜7時からの夜間外出禁止+週末の外出禁止」
「確かなの?」
「市長たちは前もって知らされるから確かだろう」

ところが翌朝のニュースでは「一か月の全国的外出禁止になるであろう」というニュースが、かなり自信を持って伝えられていた。
市長助役の早とちり? 夜の間に対策が変わった?
“重い制限”の噂を流して、実はもっと軽かった、という心理的作戦か・・・は考え過ぎかしら。

感染拡大はもちろん心配だけど、外出禁止は気が滅入る。
春の外出禁止のときはお天気が良かったし、ヴァカンスと同義語である夏が来ることがわかっていた。
毎日灰色の空で、5カ月の長い冬に立ち向かう今、コンフィヌマン(隔離)という言葉は重い。誰にとっても。
8時のニュースまでドキドキ・・・

追伸:マクロンの演説前、モノプリのトイレットペーパーの棚が既に空っぽ!

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日本がますます遠くなる

「土曜日から日曜日の夜中に冬時間に変わります。今夜は1時間多く眠れるということです」とニュース。
「1時間遅れるのか早まるのか?」と夫が年2回、お決まりの質問をする。自分で考えなさい。

午前3時が2時になり、日本との時差が8時間になった。
冬時間へ
コロナ以来行きにくくなった日本が、さらに1時間、遠くなった気がする。

息子が日本に発って1年。来年の2月まではIT会社の仕事を続けるそうだ。
フランスの、特に若者の就職難は深刻なので、それは正しいけど、彼がいるうちに夫と行くつもりだったのが不可能になりつつある。フランスは「入国拒否対象地域」に入っているから仏国籍の夫は入国できないものね。

息子は「じゃクリスマスに帰りたい」。でも感染拡大真っ最中のヨーロッパに今来るのは危ない。日本に戻って2週間外出禁止になるのを、会社が何と言うか?・・・
「日本は大好きだけど遠すぎる。友達から、家族から(この順番だった)、すべてから遠すぎる。パリも恋しい」
ごもっとも。
わたしだけ日本に行く、という手もあるけど、2週間外出禁止、友達も会いたがらないに違いない・・・

雨降りで出かける気もしない日曜日、「ちょっと見るだけ」とパリ-東京便を調べてみる。
9月に戻ってきた友人は「格安便はすぐキャンセルになるから大手を選んだほうがいい」と言っていたからAir Franceを見て・・・あら、700ユーロ台であるじゃない、と喜んだのも束の間。“詳細”を見たら「42時間!!」
パリ-アムステルダム-大阪-東京成田で、なんとアムスでの乗り継ぎが19時間。19時間ロビーに座ってるの?
42時間かけて成田に着いて、検査で6-7時間待たされる、という話。合計丸二日じゃない。
外出禁止にしなくたって疲れ果てて寝込んで外に出られない。

もうひとつ、夫が“危険人物”なのも忘れてはいけない。高血圧、心不全、肥満、高齢・・・と危険要因のカタログのような人なのだ。わたしがあちこち動いてうつしたら大変なことになる。

だから「ちょっと見るだけでした」と、”パリ-東京便”のページを閉じたのでした。


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映画の話ではありません。
久しぶりに会ったマリーの開口一番。
彼女とジャン=ルイのカップルとは長年の友人で、よく一緒に年越しをした。
3年前も大晦日に誘ったら「身体の調子が悪くて今年は行けない」とジャン=ルイ。
「疲れて疲れてしょうがない。一日中寝てたいくらいだ」
「じゃ具合良くなったら電話して。日本酒、とっておくから」
ジャン=ルイは日本酒が好きで、前の年は料理用のお酒まで飲んでいた。

でも良くなるどころか、年が明けて白血病とわかり、すぐ入院し、お見舞いに行く間もなくジャン=ルイは亡くなった。
一番気が合っていた男友達を失くして大きなショックだったけど、マリーの喪失感は巨大だった。
2人には子供がなく、すごく仲のいい夫婦だったから。
そのマリーを支えたのがパックだ。2人が子供のように可愛がっていたスコッチテリア。

借りてきた写真だけどパックに似ている。Puckは『真夏の夜の夢』に出てくる妖精の名前。

スコッチテリア
animal-zukan.jp

ああ、パックには長生きしてほしい。
「何歳なの?」
「15歳」
「歳よりずっと若く見える」
「みんなにそう言われるの」

そのパックが今年の5月末、心臓疾患で亡くなってしまった。
「すごく暑いのに散歩に行くって言うから連れていったら、公園の階段の前で動けなくなったの。いつもは駆け上がるのに。だから抱いてうちに帰ったの。獣医さんに診せたら『この犬、蒼白だ』って言うのよ。黒い犬のどこが蒼白なのよ!と思ったら、歯茎でわかるんだって。歯茎が白いと血液の循環が悪い証拠なんだって」
パックは獣医さんのところから帰る車の中で亡くなった。
「ちゃんと呼吸できないみたいで、獣医さんのとこに戻ろうとしたの。そしたらパックが突然顔を上げて、わたしの目をじっと見て、遠吠えみたいな声を出して、そして死んじゃったの」
「動物って人間より、自分の死ぬ時がわかるんだろうね」とわたし。

わたしの黒猫アナイスは、子宮がんが肺に転移して安楽死を選ぶしかなかった。
獣医さんのところに連れていこうとしたとき、籠に入りたがらなかった。わたしの決心もついていなかった。
数週間後、息子が「これ以上苦しむのは可哀そう」と言い出し、決心がついたとき、アナイスは大人しく籠に入った。
彼女も、もうダメだと感じたんだろう。

マリーは、こういうことを話して泣いたり笑ったりできる友人。夫には通じない。猫が寝ていると背中をなでるくらい“進歩”したけど、アナイスが死んだとき、わたしが大泣きしたんで「びっくり仰天した」だって。全く。

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Facebookで始まりTwitterで完了した、と言われるこのテロ。

“先生が授業中にムハンマドの風刺画をみんなに見せた”、と娘に聞いた父親が、サミュエル・パティ先生を告発するメッセージをFacebookに投稿した。自分の電話番号まで載せて。でも暴力行為を呼びかける言葉はなかった。
このメッセージが犯人(18歳)の目に止まり、10月9日から13日の間、ふたりはメッセージと電話で何度も連絡を取り合っている。

ソーシャルネットワークには独自の検閲があり、罵り、脅迫や暴行の示唆は検閲に引っかかるけど、要求や告発、感情的なものは-ヘイト系も-許されるそうだ。
ふたりのやり取りに暴行の「ぼ」の字もなかったのだ。
テロの疑いがある情報、メッセージを、DGSI(国内治安総局) に流すことになっているプラットフォームPharosも反応しなかった。
過激派は検閲をくぐり抜ける術を知っているんだろう。
せめてサミュエル・パティの個人情報(名前や勤めている学校・・・)はブロックできなかったものか。

犯人は学校に赴き、中学生に「パティ先生の特徴」を尋ね、2人の生徒がお金(300ユーロと350ユーロ)と引き換えに教えた。
そして犯行を終えた犯人は、被害者をヴィデオに撮りTwitterに流した。

21日夜、ソルボンヌ大学での、サミュエル・パティ追悼式

中学教師斬首テロ

「モスケや刑務所でなく、ソーシャルネットワークでイスラム過激派になる若者が少なくない」と内務省、市民権担当相のマルレーヌ・シアパ。
シアパさん、Facebook、Twitter、YouTube、10代に人気のTiktok、Snapchat、Twitchなどの代表を集め、検閲を厳しくするように要請したというけど、膨大な数のメッセージやヴィデオ、「はい、そうします」と言えることじゃない。
第一、これらのソーシャルネットワークはスペースを提供するプラットフォームで、編集者ではないのだ。
Facebookのフランス代表は「そういうことは政府か司法にやっていただきたい」
検閲と表現の自由の境界も難しそうだ。

この事件が、中学生が図らずも“テロの直接の共犯者”になってしまったことが、抑止力になってくれることを願うばかり。


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表現と夜間外出、2つの自由

フランス各地で、「表現の自由を擁護」し「サミュエル・パティを称える」集会が行われている。
サミュエル・パティ。表現の自由を説明しようとムハンマドの風刺画を授業で見せたために、イスラム過激派に斬首されてしまった歴史教師 。

サミュエル・パティを称える集会
-教師団を擁護
-自由を護り
-恐怖に反対して

中学教師斬首テロ
photo:huffingtonpost.fr

パリの集会はレピュブリック広場

中学教師斬首テロ
photo:europe1.fr

この教師の行為を、生徒の父親ひとりと、イスラム過激派としてマークされているアブデルハキム・セフリウィが、学校側に訴えたそうだ。
「その時、上がちゃんと対処していたら防げた事件かもしれない」という声もあり、確かにこの事件で一番震えあがったのは教師たちだ。
首を刎ねられたらたまらない、と教師たちが“自己規制”して『表現の自由』について語らなくなる恐れがある。

「Je suis Samuel/わたしはサミュエル」や風刺画のプラカードを掲げて集まるのは一体感は得られるかもしれない。でもその後が大切、教師たちが恐がらずに教えられる態勢を作るのが大切だと思う。言うは易し、だけど。

夜間外出禁止、夜9時以降出歩く自由がなくなって2日目。
フランスでレストランが賑やかになるのは夜8時以降だ。
パリとリヨンにレストランを持つ有名シェフ、イヴ・カンドゥボルドはラジオで、Comptoir du Relais
「夜8時~8時半に閉めろというのは、店を閉めろと言うのと同義だ」と怒っている。
わたしたちが行きつけのレストランも「11時過ぎまで残っているお客さんが多い」と言っていた。
夜10時からお客が入り始めるバーは閉めるしかない。
既に2か月以上の「隔離」で収入ゼロを被ったレストラン/バー。6週間持ちこたえられるのは何割だろうか。

さて夜間外出禁止はフランス語でCouvre-feu。Couvre=覆い、feu=火。なぜ火覆いが外出禁止なの?と気になりだして調べたら、語源は中世13世紀に遡る。
その頃、建物は殆ど木造(今もトロア、ルーアン、ディジョンなどに残っている)で、暖房は暖炉の火だけだった(もうわかったでしょ!)。つまり火事を出さないように、寝る前に暖炉の火を灰で覆って消していた。Couvre-feuを呼びかける鐘が鳴っていたそうだ。
なるほど。中世の火事防止が、今はコロナ感染防止に使われているわけね。ああ、すっきり。
「あなたってあまり役に立たないことを知ってるんだね」と時々からかわれるわけだ。


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夫の浮気、さらに深刻編

フランソワとノエミは、ジュラで家業の製材所を仕切っている夫婦。フランソワは森の木々の年齢や健康状態を自分の子供のように知り尽くしている。
子供・・・夫婦はずっと子供に恵まれず、何度か試みた体外受精も上手く行かない。
ノエミ(メラニー・ドゥテイ)は養子を取ることを決めるが、フランソワ(ジャリル・レスペール)はもうひとつ踏み切れないでいる。

映画『l'enfant reve』

ある日、地元に越してきた夫婦が、テラスを作る木材を選びに来る。彼らには小さい女の子が2人。「子供がいる母親を見ると殴りたくなるのよ」とノエミ。その母親、パトリシア(ルイーズ・ブルゴアン)とフランソワは強く惹かれ合い、森の中で逢引を重ねるようになる。

enfant reve2

間もなくパトリシアが妊娠を告げる。「あなたの子供よ」
あれほど望んでできなかった子供だ。「堕ろさないでくれ」
「夫と別れるから、あなたもノエミに言って」とパトリシア。

フランソワは引き裂かれる。妻であり、仕事の相棒であり、不妊と戦ってきたノエミにそんな残酷なことはできない。
一方で、材木に囲まれた自分の家を牢獄のように、森を見渡すノエミの家は未来へ開けているように感じるのだ。
「明日はきっと話す」と繰り返すうちに時間切れ。
お腹の膨らみを隠せなくなったパトリシアは“夫の子供”として妊娠を告げる。

次にフランソワがパトリシアに会うのは産院だ。“自分の子供”を抱いたときの、今までにない喜びと愛情にフランソワは驚くのだ。

『L'Enfant rêvé /夢に見た子供』

映画『l'enfant reve』
photos:allociné

不可能な二者択一を迫られたフランソワの苦悩は、サスペンスへ転じていく。

「ふたりの女を持つ者は魂を失い、ふたつの家を持つ者は理性を失う」
エリック・ロメールが映画『満月の夜』のテーマにした格言だ。
『二兎追う者一兎を得ず』というのもあったわね。でもこれは女に限らない。
ふたりの女、ふたつの家を持った男の話が、ハッピーエンドで終わる訳がない。

この映画で特に印象に残ったのは“木”だ。森の光景だけでなく、切り倒された木が板になっていく過程が珍しく、美しい。
製材所を舞台にしたフランス映画は片手で数えられるそうだ。

L’Enfant rêvé
ラファエル・ジャクロ監督作品
主演:ジャリル・レスペール、ルイーズ・ブルゴアン、メラニー・ドゥテイ
1時間47分
フランスで公開中


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夫の浮気、深刻編

ニュースの90%はコロナ関係。特に今夜はエマニュエル・マクロンが“新たな制限”を発表するので、政治家や医療専門家が一日中予想したり、批判したり、他国の政策と比べたりしている。
有力説は『夜間外出禁止令』。いや、再び一日中外出禁止だ、という人もいて、果たしてどうなることか。

現実を離れて映画の話をしましょう。
舞台はウィーンのハイソなフランス駐在員とその妻たちの世界。エーヴの夫のアンリは有名なオーケストラ指揮者、彼女は仏メディアセンターの責任者+小学生の息子がひとり。
他の駐在員夫婦たちの子供も同じインターナショナルスクールに通い、ことあるごとに夕食に呼び合い(ああ、コロナ以前の世界!)優雅な外国生活を送っている。

駐在員妻のヘアスタイルが全く同じ、というのが芸が細かい。

映画『Les Apparences』

夫の肩書、エステや美容院の回数、カシミアのコートにエルメスのスカーフ・・・外見が大切な世界だ。

だからタイトルは『Les Apparences/外見』
エーヴ(カリン・ヴィアール)とアンリ(バンジャマン・ビオレ)

映画『Les Apparences』

ある日、エーヴは夫の浮気を知って動揺する。相手は息子の学校の先生だ(よくあるパターン)。
彼女がまず考えたのは外見をつくろうこと、つまり何事もなかったように振る舞う。
そして復讐だ。相手の女が夫に送ったメールを、宛名は隠して親たちのグループに送りつけ(IPアドレスで誰が送ったかバレるじゃない)、夫がやるならアタシだって、とバーで若者を引っかける。

映画『Les Apparences』
photos:allociné

・・・と、ここまではそう珍しくもないけど、夫の浮気相手も、エーヴが誘惑した青年も“脛に傷持つ身”だったので、話はサスペンスになっていく。

傑作ではないけど観て後悔しない。二面性ある女を演じたら抜群のカリン・ヴィアール、茫洋としていてセクシーなバンジャマン・ビオレがよく、ブルジョアジーな書き割り世界を風刺しているのが小気味いい。
映画館は気の毒なほどガラガラなので安心して行っている。

Les Apparences
マルク・フィトゥシィ監督作品
主演:カリン・ヴィアール、バンジャマン・ビオレ
1時間50分
フランスで公開中


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ネコ社会の弱肉強食

週末、友達と一杯飲んで帰りかけると、
「何してるの!?早く帰ってきなさい」
と娘からメッセージ。
なんでアンタに言われなきゃいけないの?・・・あ、そうか。ネコ見張りがあったんだ。

タマが捻挫してから、リュリュが時々、襲いかかるようになった。
アナイスが病気で弱ったとき、タマも同じことをしていた。弱肉強食。
それで娘とわたしが交代で“見張り”をしている。
「すぐ横でネコたちが死闘を繰り広げていても気づかないだろう」夫は見張りから除外されている。

元気な時は仲睦まじかったのに・・・

タマ&リュリュ

タマが恐れてか?ソーシャル・ディスタンスかも。

タマ&リュリュ

うちに帰ると、娘の友達がもう来ていて、バトンタッチで出かけていった。

タマの捻挫は「本来なら手術するとこだけど、タマの歳(11歳)を考えると危険だ。リハビリに長く時間がかかり、筋肉が落ちて弱る可能性が大きい。わたしのネコだったら手術はしない」と言われ、即賛成した。
一日置きに消炎剤を飲み(ムース状のキャッツフードに混ぜると喜んで“飲む”)1週間に1度、歩き方をヴィデオに撮って送ることになった。
「太り気味なんで体重を落とすこと。重いと治りが遅くなる。うちのネコにはズッキーニと白身魚のピュレをあげてますよ」と獣医さん。
タマはそういうヌーヴェルキュイジーヌは好まないので、鶏の胸肉でつくねを作る。

週末には階段を駆け下りたり、窓から中庭に飛び降りたりするようになったけど、脚の引きずり方は変わらない。一喜一憂。
リュリュはいつも一緒に遊んでいた相棒が弱って「つまらない」のと、タマが大事にされるんで嫉妬もあるんでしょうね。

ネコでこれだけ大変なんだから、子供を持つのは躊躇われる、と娘が言い出した。
わたしは取り合わず「ふんふん」と聞いている。
この調子だと「早く帰ってきて」とか「またチビ、預かってね」と言われそうだしね・・・


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タマの負傷

夜遅く娘が呼ぶので行ってみると、タマがテーブルの下にうずくまっている。どっかから落ちたらしい。
「脚が折れたんじゃない!?」と娘。
脚に触ってみるけど何も言わない。ちょっと歩いてごらん、と立ち上がらせると(すごく聞き分けのいい猫だ)脚を引きずりながら歩く。
「折れてないと思う。折れてたら足を地面につけられないよ」
脚を折ったとき、間違ってつま先を地につけると脳天まで突き抜ける痛みだった。

一夜明けても容態は同じ。お腹は空くらしくキッチンにたどり着こうとするけど、えらく時間がかかる。可哀そう。
娘が獣医さんに連れて行った。
どこも折れていなくて、消炎剤をもらって帰ってきた。
レントゲンと診察料で、
「185ユーロ!?」
どういう計算になっているのか知らないけど、人間のより高いじゃない。
しかもレントゲンは腰まで見える角度で撮れなかったので、
「もう一度連れてきなさいって。でも2回目はレントゲンはタダだって」
そりゃそうだ。

「イタイイタイなのね、かわいそうにモン・べべ・・・」
と、娘はタマにかかりっきりで、本棚から画集や百科事典を取り出してベッドまでの階段を作り(果たしてタマは利用しているか?)。

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レントゲンのため夜9時以降何も食べてはいけないので、9時以降は、
「タマが欲しがるから」とわたしたちまで何も食べられなくなり、
わたしがTVシリーズを観ていると、
「タマが眠ってるから静かに!」

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タマでこれだから、赤ちゃんができたらどうなるんでしょう・・・

2度目のレントゲンで“深刻な捻挫”と判明。全治1か月だそうで、つまり後1か月タマ中心の生活が続くわけだ。

*先日8日発売の女性セブンにわたしのインタビューが載っています。『新・われらの時代に』というコーナーで、長谷川町子の生き方について。立ち読みでもしてください。
わたしの手元に掲載誌が届くのは10日後?くらいでしょうか。12日にネット配信になるそうです。


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バーとレストランの微妙な線引き

今日火曜日から2週間、バーは閉店を言い渡され、レストランは免れた。
飲食店が危ないとされる根拠は「レストランでの感染率は他所の2.8倍。バーは3.9倍」というアメリカの調査。
食べるとき、飲むときは(当然)マスクをしていない。バーは立ち飲みの人たちがくっつき合い、音楽がかかっていることが多いので大声で話す・・・なるほど。

しかしバーとレストランの区別はどうするのか?
バーだけど食べ物も出している店は?ブラッスリーは?ブラッスリーとは“ビールを醸造する場所”という意味だ。
パリ警察(そう、この布告は健康省、警察、パリ市長、さらにパリ&イル・ド・フランスホテル業組合も絡んでいる)のお答えは、
「バーは、主にアルコール飲料を出している店舗。レストランは主に食事を出し、食事に付随してアルコールも出す店舗」

これはバーですね。

パリのバー閉店

この線引き、曖昧だ。“主に”ということはアルコール飲料が50%以上ならバーってこと?
答えは、お酒のつまみにポテトチップスやサラミだけを出すバーはダメ。充実したメニューを用意しているバー&ブラッスリーはOK。
「じゃクロックムッシューやサラダを出す店はどうなんだ?」と「自家製フライドポテトは?」と細かい話になってくる。
開店許可をゲットするために突然食べ物を出し始めるバーも出てきそうだ。
「食事を出すにはちゃんとした厨房や料理人が必要だから、一朝一夕には変身できない」
まぁたしかに。

一方、営業を続けられるレストランにも、
-必ず座って食べ、椅子の間隔1m
-最初の食べ物(オードブル)が出るまでマスクを取らない。オードブルとメインの間は再びマスク。
-帰る時、名前と連絡先を残す・・・
など新しい決まり。
うちの通りには“どう見てもバー”が2店ある。今夜、ちゃんと閉めているか偵察に行こう。


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パリのレストラン&バー閉まるか?

で戦々恐々としているこの週末。

まずマルセイユとエックスのレストラン&バーに2週間閉店布告が出て、マルセイユ市長や議員、レストラン業者が怒りだした。
せっかくお客が戻り始めた矢先に大打撃だ、はわかるけど、
「なぜパリは閉めないでウチが閉める?」
「不当な罰だ」

「閉店、ヴェロンさん(健康相)、マクロンさんにNON」だって・・・

マルセイユ レストラン閉店 コロナ
photo:estrepublicain.fr

わからないでもない。
マルセイユはフランス第二の都市で、何かとパリと張り合う、というかパリが好きではない。
まぁパリが好きじゃない都市は多数あるけど。
マルセイユ&エックスは閉店反対の訴願を行政裁判所に出し、30日に却下された。
従って怒りは倍増。

マルセイユ レストラン閉店 コロナ
photo:lePoint.fr

その翌日、健康相オリヴィエ・ヴェロンが、
パリでも感染者が増えて病院が立て込んできている(本当?)。今後の“制限”については週明けに明らかにする、という意味ありげな発表。
それでレストラン&バー、だけでなくお客たちも「来週から閉めるんじゃないか」と言い出した。

3月初めのレストラン&バー閉鎖は「今夜午前零時に閉めろ」というギリギリの布告で、次の週の材料まで仕入れていた店が多く「突然すぎ」「全部捨てるハメになった」と抗議が続出。
そのため今回は木曜日に仄めかして「3日間猶予があるから準備しなさい」ということ?
マルセイユの怒りを鎮めるにはパリも閉めるしかない、と思ったのか?

パリも今週から「バー22時閉店」。バーの書き入れ時は23時から午前2時だそうで、
「22時に閉めてお客が大人しく帰ると思いますか?その後、誰かのウチに行って飲み続けるに決まっている。そのほうがよっぽど危ない」とバー経営者。
そりゃそうだ。昨日も階上のアパルトマンに10人近い人が集まって騒ぎ「なるほど、このようにしてクラスターは作られる」と思ったものだ。
「“最後に”カワモトで食べたい・・・」
夫が地球最後の日みたいなことを言い出した。


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クレジットカードのウソのような話

夜、バッグを見たら「 !?」お財布がない。
最後にお金を払ったのはパン屋・・・あそこに忘れた?
見かけによらずわたしはモノをなくさない。一日おきに定期がない、カードがない、お財布ごとない、と探す夫とは大違い、と自負していたのに。しかもお財布にには健康保険証、会社のクレジットカード、UGC(映画館チェーン)カード・・・など一切合切入っていた。
ああ、ドジ。

失くした(盗まれた)パスポート、健康保険証、運転免許証・・・を作ってくれるサービスを見つけた。ちょっとヤバそう・・・

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とにかくカードを止めよう、と銀行のopposition(差し止め)サービスに電話した。
「新しいカードは3日~5日間で届きます」
そしたら2日後、お財布が見つかった。パン屋の前に買った文房具の間に挟まっていたのだ。わたしは深く安堵した。カードは止めれば安全だけど、健康保険証の再発行は面倒で、しかもコロナがあるから恐ろしく時間がかかるはず。
後は新しいカードを待つだけ、と待っていたが7日経っても届かない。銀行のカードサービスに電話したら「間もなく届くはずですが、もしかしたら支店に送られたかもしれないので聞いてみてください」
自宅に送ってっていったでしょう・・・
そこで支店に行って、こうこうこういういきさつで、おたくに届いていないだろうか?と受付女性に聞くと、彼女はパソコンを叩いて、
「差し止めたカードの最後4桁は8986ですか?」
「いえ、それは昔のカードで、止めたのは1250です」
と“差し止めた後に見つかったカード”を見ながらわたし。
「1250は生きてますけど・・・ちょっとそこのキャッシュディスペンサーで試してください」
そんな!と思いながら試したら、リッパに使えるではない!
ということは、もしうちで見つかっていなかったら大変なことになっていた、かもしれない。しかも“新しいカード”が送られた形跡がない。
「どうしてこんなことに??」と聞くと、
「多分、一行、間違えたんでしょう」と受付嬢はあっさり言うけど、巨大なミスじゃない!
帰ってすぐカードサービスに電話し「どういうことなんです!?」と追及したのは言うまでもない。電話の向こうの若そうな男は、あまりすまなくなさそうな声で「すみません」と繰り返す。日本なら担当者がお菓子折を持ってお詫びにくるところではない?それ以前にこんなミスはしないだろう。
それだけじゃない。“若そうな男”がしたことは「生きているカード」を差し止めたのだ。
「誰もそんなこと頼んでないじゃない!?」
「カード所有者が一度差し止めを頼んだカードは、遅れても差し止めなければならない決まりなんです」
そんな決まり知るか!頼んだときしなきゃ意味ないでしょ!
「新しいカードは3日~5日間で届きます」
「・・・・」
その結果、わたしは2週間カードなしで暮らすことになる。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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