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隔離日記:(続)いかに歩かせるか

「シャンゼリゼ通りのイリュミネーションが見たい!」
メトロで凱旋門まで行って、一駅か二駅歩いて、またメトロで帰ってくればいい。
歩かせる口実ではなく、本当に見たかったのだ。
そしたら夫も四の五の言わず「一緒に行く」
コートを着て、マスクもして出かけようというとき、夫が、
「でも1㎞以上ある」と言い出した(今日28日から突然20㎞に延長されたけど、それまでは“自宅から1㎞が限界だった)。
いくらパリが小さいとは言え、バスティーユから凱旋門までは6㎞近い。
「もうすぐ解除になるのに、今コントロールに出くわして罰金を払うのはバカらしい」
たしかに・・・
夫はもっともな反対理由を見つけて、なんだか元気になったようだった。

でもせっかくコートを着ていたので、「河本さんが開いているか見に行こう」と言ったら乗り気になった。
数日前から「河本のお弁当」とうわごとのように言っていたのだ。
ロケット通りの小さなお店には明かりがつき、河本夫妻が忙しげ。テーブルの上には出来上ったお弁当が並んでいる。わたしたちは翌日のお弁当を予約した。

「河本」の定番、茄子の味噌田楽、鮭の照り焼き、インゲンの胡麻和え、白身魚のフライと鶏から揚げ。そしてお寿司!17ユーロ

IMG_20201117_203955.jpg

目的-しかも美味しい目的-があると歩くのね。
でも2m置きに立ち止まってウィンドウを眺めるので-わたしも一緒に立ち止まるので-なかなか進まない。
前にお医者さんから「何かスポーツはしてますか?」と聞かれ、
「ダンス(コンフィヌマン以来クラブが閉まっている)・・・あと毎日1時間くらい歩きます」と答えると、
「歩くのは大変よろしい。でも早足で歩いています?ウィンドウで立ち止まったりしてません?」
どうして知ってるの !?と言いそうになり、「道によります。ハハハ」と答えておいた。

一人の時は音楽を聞きながら歩くので比較的スタスタしている(つもり)。
夫と一緒の歩き方は「歩かないよりマシ」という程度であろうと。


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コロナ時代の子供たちの将来は

1980-2000年に生まれた子供は《ジェネレーションY》、2000年以降生まれは《ジェネレーションZ》と呼ばれる。
このネーミングの発端は、ダグラス・クープランドというカナダ人作家の著作『ジェネレーションX』。
ベビーブームの直後の豊かな社会に生まれ、経済危機を体験した人たちの精神構造を描いた本で大ヒットし(読んでいない)、タイトルはこの世代(1960-1980年生まれ)の代名詞になった。

コロナ禍中に生まれた子供はジェネレーションCovidかと思ったら、《Coronnials/コロニアルズ》という一昔前のロックグループみたいな名前がついているそうだ。

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photo:Fobes

未来学者や心理学者によると、パンデミックは「世界大戦と同じくらい強烈な体験」で、この間に生まれた子供がどう成長するかは、2通り考えられる。
-この経験のおかげで、逆境に立ち向かう力と生きることへの渇望が特色
-この経験のせいで、外界への恐怖、自分を取り巻く人間への警戒心が特色
子供の性格にもよるし、どちらが大勢を占めるかは未来が教えてくれる。

一方、必ず来ると言われる現象は:
出生率の低下。伝染病の恐怖で「今、作るべきじゃない」と判断するのは自然で、その上、パンデミックと経済危機はセットになっている。以前の出生率が戻るには数年かかるという予想(これ以上、日本の出生率が減ったら大変!)

世代断絶。戦争や革命と同じく、その前の世代の人たちと断絶し、「2度とコロナ以前には戻れない」という意識がある。

「でも、いい意味で“コロナ前とは違う”かもしれない」という神経精神学者もいる。
「この危機のあと、人間同士の絆にもっと重きをおくようになり、それが日常の言動を変えるだろう」
なるほど。日本では東日本大震災の後から「絆」という言葉が多く使われるようになった。
暗いニュースが多いから、“コロナのお陰”とか“いい意味で変わる”ことを探してみたくなるけど・・・かなりきびしい。


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隔離日記:マスクの弊害

「今年、生まれてくる赤ちゃんは“マスクをしてる顔”しか見ないってこと」
「そう、マスクも顔の一部と思うだろうね」
と友達と話し・・・でもよく考えると問題はもっと深い。
赤ちゃんは周囲の大人の表情を読んで感情を理解するわけだから、マスクの顔だとその“判読”が困難だ。

前に読んだ「なぜ欧米人はマスクが苦手か」という日本の心理学教授の記事を思い出した。
“アメリカ人と日本人が“顔のどのパーツから感情を読み取っているか?”という比較研究があり、日本人は目元で、アメリカ人は口元で読み取る傾向があるのがわかった。
顔の中で感情が最も現れるのは口元で、感情を偽りにくいのが目と言われている(なるほど)。
感情を表に出す(のが好きな)欧米人は、口元を見て相手の感情を読み取る。感情を表さない日本人は目を見て読み取る。“

つまりマスクで口元が隠れていると、欧米人は相手の感情が読み取れず、居心地悪くてマスクに慣れることができない。
目元で読み取る日本人にとっては、マスクよりサングラスのほうが居心地悪いということ。うーん納得。

話を戻し、大人を真似て成長する赤ちゃんたちは、長じて自分の感情も表しにくくなるのでは、という懸念があるという。
そこで透明マスクをしたり、

透明マスク
photo:faire face.fr

子供に話しかけるときはオーバーに目を動かすこと、だそうだけど・・・コロナの影響は計り知れない。
影響といえば、今年は口紅を1本も買っていない、ファンデーションすら買っていない。その代わりアイラインは2本買った。


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隔離日記:いかに歩かせるか

夫は、バス一駅の距離(徒歩7分弱)を歩くのがいやで、10分バスを待つような人だ。
昔からそうだった、と言うけど、いやいや、年々歩かなくなっている。
テレワークで会社の往復もないから、一日に《書斎からキッチンまでの距離x3回》しか歩かない。
これではいけない!と夕方、散歩に連れ出そうとするけど、誘い方が難しい。
「少し歩かなくちゃダメ」とストレートに言うと却下される。

「アルスナル港に船を見に行かない?」は成功。彼は船が好き。
住居になっている船と、ただ停泊している船が半々くらい。船で暮らすのは陸で暮らすより安い、と思われているけど、船(状態の良い中古)は長さ15mで大体5万ユーロから。に加えて、年間停泊料(地方、港によって違う)、住居税、保険・・・そんなに安くないようだ。

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遠くにバスティーユ駅の明かりと7月革命の記念塔

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「お茶、買いたがってなかった?お茶屋さんが開いてるよ」も上手くいった。彼は買い物が好き、特に飲食品の買い物だと元気になる。
探しているのはラプサン・スーチョンという、彼曰く「前によく飲んでいたポピュラーな中国の燻茶」。「聞いたことない」というと、まるでわたしが常識欠如みたいにびっくりした。しかし常識欠如はわたしだけでなく、モノプリにもパレ・デ・テにも置いていないのだ。
いくらなんでもダマン・フレールにはあるだろうと。だってこの品数!

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ところが「ラプサン・スーチョンは3年前からヨーロッパで発売禁止になっております」と店員さん。
えっどーして?
「発ガン性物質が含まれていたことがわかりまして。それに似た燻茶に日本の富士山スーチョン、桜スーチョンがあります」
日本にもスーチョンを名乗るお茶があったの!
「ただしお値段が高くて・・・」
「?」
「100g36ユーロ(約4500円)」と聞いて、夫はスーチョン系を諦め、全然関係ない200g9ユーロのお茶を買って喜んでいた。

開いている店が少ないから、“買い物で釣る”のも限りがある。
普段は「ほら、あそこまで行ったら何か飲もう」というテもあるけど、カフェは全部閉まっている。
毎日、“上手な連れ出し方”を見つけるのはなかなか大変なのだ。


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暇つぶしフランス語

春の隔離の時、フランス語綴りのオンラインレッスンに登録して、アララ、間違って覚えていた綴りがこんなにあったのね、とびっくり。毎日送られてくる問題に回答して送ると、すぐ点数と正解が送り返されてきて、9割はできている、と思っても現実は厳しく、前日よりいい点取りたくてちょっとズルしたり・・・と楽しかった。

そのサイトの番外編で、フランス語の(突拍子もない)イディオム解読というのがあった。
例えば:
Se prendre un râteau
Râteauは熊手。文字通り訳すと「熊手を受ける」、本当の意味は「口説こうとして失敗する、ふられる」。知らなかった。
起源を調べてみたら、庭師が運悪く熊手の上を歩き、立ち上がった柄で殴られる、というギャグがモトという説。ちょっと苦しくない?

Poser un lapin

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これはよく使われる。暮らし始めた当時は文字通り「ウサギを置いていく」と取って、「で、そのウサギ食べたの?」と聞いて笑われた。意味は「約束をすっぽかす、待ちぼうけを食わせる。」

Etre fauché comme les blés
Etre fauchéは「文無し」という意味で日常使われるけど、comme les blés(麦みたいに)がつくと、一文無し、すっからかん、という意味になるそうだ。
これは起源がわかりやすい:文無しの人と、麦がすっかり刈り取られて何もない畑のメタファーですって。

Courir sur le haricot

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インゲン豆の上を走る→ウンザリさせる、困らせる。
19世紀、Courir(走る)には“うるさがらせる”という意味があり、haricotは足の指の俗語だったそうだ。・・・という全然納得できない起源説。
インゲン豆の表現では「C’est la fin des haricots=万事休す、世界の終わり」がよく使われる。
一世紀前、寄宿舎で食料がないとき、生徒たちにインゲン豆を配っていた(ほんとに?)。
そのインゲン豆さえ底をついた=万事休す、が起源。これは納得。

また“知らなくてもいいこと”を調べて、時間が経ってしまった・・・


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反ワクチン派の(屁)理屈

フランスはガボンと並んで、世界で最も予防ワクチンに懐疑的な国である、の図。
日本は5-10%

反ワクチン派の国

なんでそうなるか?

理由1:ワクチン接種は重病を引き起こす危険がある。
1990年以来、B型肝炎やヒトパピローマウイルスなど、数々の予防ワクチンが「神経病や自己免疫疾患を引き起こす」と告発された。
しかし、“ワクチン接種をした人”と“しない人”のグループを比較したところ、前者に自己免疫疾患が多いという結果は出ていない。でも“悪い印象”は残った。

理由2:ワクチンの副作用は数多いにも関わらず過小評価されている。
「何百万人という人達が予防ワクチン接種を受けている。その多くは何の副作用も訴えていない」と細菌学専門医。接種の“反応”は多くの場合、注射した箇所の痛みと発熱に限られる。これは免疫システムが作動し始めた証拠。ワクチン接種をしないで伝染病に罹るほうがずっと危険」
おっしゃる通り。

理由3:ワクチンに入っているアルミニウムが有害
筋肉神経病の専門医が著書に「ワクチンの補助成分として使われるアルミニウム塩は、神経病や慢性疲労の原因になり得る」と書き、反ワクチン派を喜ばせた。
この説は2013年に公共衛生評議会で否定される。
「今日の科学データでは、アルミニウムを含むワクチンに害があるとは言えない」どころか「免疫生産を刺激するのに最も有効な補助剤」

理由4:ワクチンは薬品研究所を富ませる
わー出た!コロナ陰謀説のひとつに「大薬品ラボラトリーが仕掛けた」というのがある。
ひとつのワクチンを開発・商品化には1千万~2千万ユーロかかるそうだ。それが高いのか妥当なのか・・・判断する知識はゼロだけど、これまでワクチン開発には8年~10年の月日が必要だったのを考えると高くつくであろうと。
そう、陰謀説派と反ワクチン派はかぶっている。

理由5:乳児の身体は11種の予防ワクチンを受けるには脆弱すぎる
8種のワクチンが生後2か月から18カ月の間に義務付けられている:ジフテリア、破傷風は生後2~4か月、麻疹・風疹・オタフク風邪は12~18カ月と散らばっている。赤ちゃんは脆弱だからこそ、予防接種をせずにこれらの病気になったら遥かに危険ではない?

いつの世の中にも屁理屈を言う人はいるけど、もしコロナの予防接種をする人が人口の半分だけだと、
「集団免疫になりませんから、説得するのが大変です」
と免疫学の専門医が言っていた。前途多難・・・


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ワクチンレース始まる

先週、アメリカの大薬品グループPfizer/ファイザー&ドイツのBioNteck/ビオンテックのコンビが「ワクチンが出来た!」と発表し、コロナの未来に希望の光。90%という予防率は素晴らしいけど、マイナス60度で保存しなければならないのが欠点。

間もなくロシアのインスティテュートGamaleyaも「ワクチンが出来た」。92%の成功率と張り合う。

16日にはアメリカのModerna/モデルナというバイオテックが4週間間隔で2回の投与のワクチン。94.5%の予防率。
なんだかセリみたいになってき。
ファイザー&ビオンテックがマイナス60度保存だったのが、モデルナ製はマイナス20度で運搬、その後は冷蔵庫(2~6度)で30日間保存できるのが強み。
フランスは超大型冷凍庫を何十台も購入したらしいが、もう少し待てば常温保存が現れるかもしれない。

モデルナはアメリカ政府から25憶ドルの支援を受け、その代わり1億個のワクチンを約束している(日本の報道とは数字がちょっと違う)。アメリカ以外では、カナダ、スイス、日本、イスラエル、カタールと契約を交わしていて、EU諸国とは交渉中(出遅れた?)

順調に行けば、Modernaのワクチンは「今年12月にアメリカ市場に出せる」。
これは前代未聞の速さで、これまでワクチンの開発・承認には平均8年かかっているそうだ。

新型コロナ ワクチン
photo:AFP

フランス市場へは来年の1月、という話だけど、喜ぶのは早い。
11月12日のアンケートによると、フランス人の2人に1人が「コロナのワクチン接種はしない」。
絶対する:14%
多分する:36%
多分しない:29%
絶対しない:21%
と見事に真っ二つ。
「絶対しない」人たちの15%は「あらゆるワクチン接種に反対」だ。
マスクや密着禁止など“お達し”に反抗するのが得意な国民ではあるけど、コロナに関しては「勝手にしろ」では済まされない。半数しか接種しなかったらワクチンの意味がないじゃない・・・


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ヨーロッパで薬屋が一番多いのがフランス、というのはは知っていた。全国平均で人口3500人当たり1件。
パリでは2500人に1件、どこに住んでいても徒歩6分以内に1件だそう。うちなんか徒歩2分の距離に2件あるものね。

「1年の薬消費量は1人当たり36箱、これには処方箋なしで買える薬、スーパーで売っている薬、サプリメントは含まれません」とINC(国立消費インスティテュート)の人がラジオで言っていた。この処方箋なしで買える薬(頭痛薬、風邪薬・・・)の中に、効かないどころか有害なものが少なくない、と。
「例えばDolirhume Pro(ドリリュムプロ)は心臓循環器に有害で心筋梗塞を引き起こす危険もあります」
「!?」
この風邪薬は“徒歩2分”の薬局に薦められたことがあるのだ。

国立消費インスティテュートは『6000万人の消費者』という雑誌を出していて、今月の特別号が『処方箋なしで買える薬のテスト』と聞いて、さっそくキオスク(徒歩5分)で買った。

60millions médocs

それによると、
前出のDolirhume Proにはプソイドエフェドリンという覚せい剤の原料が含まれている。アメリカでは1人2箱までに限られているそうだ。

喉が痛い、咳が出るというとき夫が買いたがる(食べたがる)ドロップStrepsils(ストレップスィル)は、リドカインの麻酔作用で「効いてる」感じを与えるが、プラシーボ効果のみ。だけでなく、飲み過ぎると痙攣やひきつけの危険もある(!?)。

お馴染みすぎて頭痛薬の代名詞みたいになっているアスピリンUPSAの副作用はアレルギー(喘息持ちの人の10%)と出血(鼻血とか)。さらに一錠に460㎎のソディウム(食塩1g分)含有なので、心臓疾患のある人はやめたほうがいい。

眠れないとき時々飲むEuphytose(ユフィトーズ)。Phyto(植物)だから大丈夫だろう(あまり効かないし)と思っていたら、飲みすぎると胃腸障害、皮膚アレルギー、肝臓障害の危険もあるだって。植物成分だからと安心してはいけない。

・・・などなど60種の薬がテスト&分析され、「お奨め」「仕方ない」「禁止」のアイコンがついているので、薬品の成分がよくわからなくても役に立つ。
60種の中で飲んだことがあるのは1割くらいで、その1割の中に「禁止」が半分あった。

消費インスティテュートの女性によると春のコンフィヌマン以来(予想通り)、精神安定剤、抗鬱剤の消費が増えている。でもまだ数字は出ていない。

そういえば今、ミッシェル・ウェルベックの『セロトニン』を読んでいる。主人公フロランの彼女は、パリの日本文化会館に勤めているYuzuという日本人、一日平均6時間バスルームに籠り、毎日18種のクリーム&ローションを使っている。
タイトル(セロトニンは抗鬱剤の成分)に反してユーモラス、深夜にひとり笑いしている。


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外出許可証のズル60%

10月30日以来、わたしたちは許可証が許可する以下の場合しか外出できない、ことになっている。

-自宅と仕事場、学校、研修場所の往復。テレワークではできない業務上の移動や試験。
-業務上、または日常生活に最低限必要なものの購入
-医療検査、診察、薬の購入
-病弱、不安定な家族に付き添うため、子供の世話のためのやむを得ない移動
-ハンディキャップのある人の移動、その付き添い
-一日1時間、1㎞内の個人的運動。動物の散歩。
-司法、行政上の呼び出し
―行政機関の要請で公共利益のミッションに参加
―子供の学校の送り迎え

アンケートによると2週間の間に、“少なくとも1回、許可証違反をした”人は60%。
違反の内容は、許可以外の用事で外出した(26%):4人に1人!
1時間以上出かけた(17%):これは誰でもやってない?
家族・親戚に会いに行った(23%、1回目に比べて8ポイント増)
友達に会いに行った(20%)
そして9%がセックスフレンドに会いに行った、で前回より3ポイント増。
アンケートに正直に答えた人がこれだけなら、実数はもっとあるはず。

今回はまだコントロールに出会っていない。

フランス ロックダウン

その原因のひとつとして、今回の方が国民のモラルを低下させていること。52%が「隔離のニュースを聞いてから鬱っぽい」
一日中不機嫌な顔で、ご飯を食べる時とテレビシリーズを観る時だけ機嫌が良くなる夫がその例。
昨日電話した田舎の従妹も「今度の方がシンドイ。抗うつ剤を飲むときもある」
3年前に未亡人になった彼女は、よく村の団体旅行に参加し、姪っ子の子供たちを預かったり、精力的に孤独を紛らわせていた。今は人に会えず、大きな家にひとり。彼女が落ち込むのは夫より理解できる。

ひとつは季節のせいでしょうね。陽気がよくなり、夏(=バカンス)が近づいてくる春と、長い冬に向かう今ではモラルが違って当然。冬の唯一の(?)お楽しみであるクリスマスや大晦日のどんちゃん騒ぎもできるかどうかわからない。
さらに春は「2か月大人しく閉じこもっていれば、夏にはコロナがなくなる」という期待があった。
コンフィヌマンという初めての体験はあまりに非日常的で、SF映画の中にいるような感覚さえあった。
今は、閉じこもればなくなる、とは誰も思わない。ワクチンが行き渡るまで、隔離と解除が交互に来るのでは、という暗い予感。
そして1回目コンフィヌマンの驚きもない。だから落ち込む・・・なんて落ち込みを正当化してはいけない。
田舎で籠っている娘も、東京の息子も、不機嫌な夫も、2匹のネコも元気でありがたい。
会いたい友達にせっせと電話しよう。
今夜はポトフ―の煮汁でロールキャベツを作ろう・・・ロールキャベツが”前向きな”メニューであるかどうか議論の余地があるけど。


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隔離料理:ポトフ―

大鍋に肉の塊と野菜を入れて火にかけておけばポトフ―ができる、と思っていたのは間違いだった。
肉は柔らかくならず、野菜は煮えすぎという結果になる。

まず肉選びが大切。ポトフ―に使うのは赤い矢印の部分
後ろ足のGîte(ジット)
前足のMacreuse(マクルーズ)、 Paleron(パルロン)、 Basse côte(バスコット)
そしてJeu de bœuf頬肉

牛肉の部位

値段は頬肉が約19€/kg、それ以外は15-16€/kg。煮込み用の牛肉は高くない。

この中でMacreuse(マクルーズ)はブッフ・ブルギニヨンやチリコンカルネには向いているけど、ポトフ―にするとちょっとパサつく。ので、わたしはそれ以外の部分と頬肉(外れがない)を半々にする。
他の煮込み同様、ポトフ―も翌日、翌々日がより美味しいので多めに買う。

材料(3-4人分で2回分):今回はPaleron(パルロン)と頬肉、計1.2㎏
ポワロ葱4本
ニンジン(太目)6本
カブ6個(フランスのカブはBoule d’orがホッコリ美味しい)
ジャガイモ(シャルロット、ローズヴァルトなど煮くずれしにくい種)
ビーフブイヨン1.5個、塩

①煮込み鍋(クルーゼとか)に肉の塊、ヒタヒタの水、ブイヨン、葱の青い部分、(あれば)タイムを入れ、中火にかけること約2時間。

②火を止めてからしばらく置くと、表面に白い脂が浮く(暖房が効きすぎていると白くならないので、冷蔵庫に入れる手もある)。この脂、取りたくない人は取らなくてもいいけど、夫が体重過剰なので、わたしは7割くらい取る。

③野菜の皮をむく。鍋にまずニンジンを入れて30-40分煮続ける。ニンジンは肉を柔らかくするそうです。
次にポワロ葱を入れ、さらに30-40分(野菜の個人差があるので、時間は目安。楊枝を刺してアルデンテで止める)

④このあたりで鍋が満員になるので、ニンジン、葱を取り出し、スープの味を見て、塩を足し、カブ、ジャガイモを入れる。煮え方が均一なように同じくらいの大きさに切る。カブ、ジャガイモは煮え方が早い。

⑤ニンジン、葱を鍋に戻し、足りなければ水を足し、20分くらい火にかけて止める。そのまま一夜置く。

⑥翌日食べる前に30分くらい火にかける。

わたしのポトフ―に一番似ている、借りてきた写真

ポトフ―
photo:kilometre0

・・・と、料理も人間関係と同じく、手間をかけると美味しくなる。
ポトフ―の煮汁が残ったら冷凍しておいて、ポタージュやロールキャベツに入れると美味。
外出禁止の今こそ作りたい料理、お試しください!


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「おっ!コートと同じ色のマスク!」と肉屋のオジサン。
「マスクを先に見つけて、それに合うコートを買ったのよ」
「ほんとに!?」
「ほんとのわけないでしょ」
でもオジサン、目ざといわね。元アパレルに勤めてたとか?
そういえば髪を切っても気づかない夫が「お揃いのマスクか」
フランス男はマスクに敏感なの?

春のコンフィヌマンが解除になったとき、通りかかったCOSで全商品50%オフをやっていた。大好きな空色のコートが87.5ユーロ(約一万円)!買うしかない。

manteau COS450

つまり“コロナのお陰”でゲットしたコート。後日、モノプリで同じ色のマスクを見つけ、迷わず買った。

モノプリのマスクはプリントの2枚組9.99ユーロ

フランスのマスク

オーガニックコットンの無地バージョン2枚組4.99ユーロ

フランスのマスク

値段のせいか(なぜプリント地が2倍もする?)無地が早くなくなり、コーディネートが難しい赤や黄色が残る。
日本では白い正統派マスクが多いようだけど、パリでは色物が多く、自家製の人もいる。
今探しているのはモノクロのプリント。マスク選びが密かな愉しみになった。

さて、小売店と公平を保つため、スーパーの“不必需品”の売り場は閉めろ、というお達し。
必需品と不必需品の線引きが難しい上、両者が混然としているモノプリではどう対応するであろう?と思っていたら、

書籍コーナーは板とガムテープで“壁”を作っている。

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服やアクセサリーは犯罪現場のようにテープで囲んだだけ。

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手を伸ばせば取れそうだ。今度やってみようかな。このアバウトな閉め方がモノプリの狙いなのかも。


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隔離日記:会っておいてよかった

第六感か、ただの偶然か(後者でしょうね)外出禁止令が出る前の週、ずっと会っていなかった人と次々に再会した。
そのひとりは日本から帰ってきたナタン君、日本語の最初の生徒さんだ。去年の11月、東京で会ってから1年ぶり。

パリ郊外、『リラの門』という美しい名前のメトロ駅に現れた彼は、なんかオタクっぽさが薄れ、社会人らしくなっている。
日本語を始めたのが21歳だから、今は24歳か。
聞けば「池袋近くの大きな中華レストランでずっとバイトしてました」
「へぇ、ウェーター?ネクタイしてたの?」
「ネクタイにエプロン。いつも残った料理持って帰って、お金が助かった」
歩きながら話し「ところでどこに行こうとしてるの?」
「ぼくのうち。家族は田舎の家に行っているから。ぼくは今日帰ってきた」
「わたしに会うためにわざわざ帰ってきたの!?」
「そう、帰りたかったから。とてもいい理由です」
なるほど。1年以上ひとり暮らしをした後で、両親と一緒に暮らすのは鬱陶しいであろう。

家に着くと、タマによく似た猫が、わたしを見るとどこかに走り去った。

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「フランスに帰ろうと思ったのはなぜ?」
「VISAが切れたから。それと親が一度帰れって」
それだけでなく、ちょっと冷めた感じが言葉の端々に伺える。
発つ前は日本の全てが好きだったナタン。一年半住んで欠点も見えてきたということか。恋愛第二期。
でも、成田のパスポートコントロールで、「もう日本に戻ってくる予定はないのか?」と聞かれ「いいえ」と答えた時、今、出国したら戻れないのを実感。
「係員がぼくのVISAをハサミで切っちゃった。ちょっとショック」

ガラガラの飛行機でロワシー空港に着くと、検査も何もなく、
「ただ、どこから来たか?と聞くだけ。東京と言うと『OK、通って』」
それだけ?
「アメリカから来たって言ったら検査かもしれない」
試しに言ってみればよかったね。
フランスの空港が“あっけなく通す”ことは何度か聞いたけど。だから感染者が減らないのよ。
その日は、1週間後に外出禁止になるとは予想もしなかった。会っておいてよかった。

マリーと再会したときも感じたけど、電話もメールも、フィジカルに会うのに取って代わることはできない。
別れるとき、肩を抱いてキスができないもどかしさ(できなくてホッとする相手もいるけど)。
気持ちが伝わる接触を、コロナは禁じてしまう。


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本は“生活必需品”か?

10月30日から生活必需品以外の小売店-衣料品店、本屋、花屋、化粧品屋・・・-はすべて閉まった。
花屋は死者の祝日用に大量の菊を仕入れていたので、数日の執行猶予になる。

一年に一度、お墓は菊で埋め尽くされる。

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怒りだしたのは本屋だ。
3月-5月のコンフィヌマンでも本屋は閉まり、Amazonと書籍コーナーを持つ大スーパーの2人勝ちになった(Amazon Franceは3月以来、売り上げが2倍以上)。
「本は精神の糧、必需品だ」「外出禁止の時こそ本が必要」「本屋が総倒れになる」・・・おっしゃる通り。
本屋だけでなく、出版社、作家の生計もかかっている。
「ワイン&アルコール店が開いているのになぜ?」という声もあった。
タバコやアルコールのアディクション系を閉めると国民の一部がキレるからでしょうね。
市長たちも「店内の人数、間隔を護るから本屋を開けてくれ」と言い出し、署名運動が始まり、カステックス首相が“決断”を下すことになった。
「衛生問題ではなく“公正さ”が問題になっている。そこで、スーパーの書籍、衣料品、化粧品、花の販売も禁止することにする」
ガーン!最悪。出版社をやっている夫は頭を抱える。
不公平ではないかもしれないけど、本の購入方法が恐ろしく限られ、業界の損失は大きい。
それにAmazonの一人勝ちってこと。Amazonが嫌いなわたしはどこで本を買う?

必需品じゃないものを隠すのに、スーパーには明日まで猶予が与えられた。
田舎にいる娘たちに言っとかなくちゃ。ま、田舎のスーパーで服を買うとは思わないけど。
「ハロウィーンでメイク買ったからもう大丈夫」と娘。

すごい!力作!不自由な隔離でも楽しめるのは”若さ”でしょうね。

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村の子供たちにあげようとキャンディーやチョコを買ったのに、
「誰も来ないから、自分たちで食べた」
この村でハロウィーンは流行らないのか、それともパリから来た人間を恐れているのか・・・?


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隔離日記:田舎編

コンフィヌマンも2回目となると、みなさん行動が早くて、マクロンさんの発表前からスーパーからトイレットペーパーが消え、オペラの京子食品は“空前の人出”だったそうだ。

うちは「どっちが田舎に行く?」
“危険人物”の夫は、娘やその彼が出たり入ったりするのを怖がるので、離れたほうがいい。
夫の実家があるシャンパーニュ地方は冬寒く、個人的にはあまり行きたくない。
その上、運転ができないわたしは田舎では(でも?)あまり役に立たない。
というわけで、娘が、彼はもちろん、ひとり暮らしの友達を引き連れて田舎に発っていった。

着いた翌朝「ソーシスがやってきた!」

saucisse come back (2)

3月-5月の隔離も田舎にいた娘は、時々家の前に現れる野良雌猫を少しずつ手懐け、ソーシス(saucisse =ソーセージ、女性名詞)と名付けた。
隔離の最後の方で、ソーシスはお腹が膨らんできて、
「ご飯のやりすぎで太ったんじゃない?」と写真を見たわたし。
「それとも妊娠?」と娘。
「!?」
ソーシスには歯が殆どない、と聞いていたわたしは、彼女がかなりの年齢と思っていた。子供を産むたびに歯をなくしたんじゃないかと。
実はまだ若いのかも。あるいは猫にメノポーズはないの?

果たして6月に夫が田舎に行ったら、ソーシスが子猫を連れて挨拶に来た。

saucisse bebe2 (2)

子猫ってこんなに可愛かったの!
父親が誰か知らないけど、お母さんのミニチュア版みたいによく似ている。

bebe saucisson2

ふつうは何匹かまとめて産むのに、他の子猫はどうしたの?生き延びたのはこの子だけ?

でも今回は子連れではなくひとりでやってきた、と娘。
「死んじゃったのかなぁ」
「誰かにもらわれたのかも」と慰める。
実は、子猫が親離れしたら“誘拐”しようかと思っていた・・・

間もなく犬までやってきて

chien (2)

田舎の家は、動物愛護協会・スポア(村の名前)支部みたいになってきた。
やっぱり田舎の方が良かった、なんてもう遅い。こっちにはタマとリュリュがいるし。
タマはお陰様で、ほぼふつうに歩けるようになりました。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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