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かっての健康相ベルナール・クシュネールの娘で、法学部助教授のカミーユ・クシュネールが著した本
『Familia Grande/ファミリア・グランデ』は、彼女の双子の弟が13~15歳のとき、義父に受けた性的暴力を暴いている。

kouchner.jpg
image:viabooks.fr

と聞いて、理解するのに少し時間がかかった。
まず、双子は同性とか限らないことを思い出し、次に「義父」とは、実父ベルナール・クシュネールと実母エヴリーヌ・ピジエ(故人)が離婚後、エヴリーヌが再婚した相手のことだと。

その義父、オリヴィエ・デュアメルは憲法&政治学者でFondation Nationale Science Politique /国立政治学基金のプレジデントという権威のある有名人。
女学生をくどきそうな雰囲気は大いにある。

duhamel.jpg
photo:francetvinfo.fr

『ファミリア・グランデ』(大家族?)は、デュアメルが自分の取り巻きの知的エリートグループにつけた名前だ。
デュアメルと母親エヴリーヌは南仏の別荘に友人たちをよび夏を過ごしていた。ポスト68の進歩主義に傾倒する人たちで、“自由”を尊重するというと聞こえはいいけど、別荘はヌーディストクラブと化し、デュアメルは大人子供の裸の写真を撮り、壁に張り巡らしていた。
近親相姦も強姦も「自由」や「解放」というスローガンで片付けられていた、とんでもない世界。
被害者ヴィクトール(仮名)はずっと本の刊行に反対してきたが、カミーユ(44歳)も2児の母になり、黙っていられなくなった。デュアメルだけでなく、知っていて口をつぐんでいた母親や大学関係者を訴えるために。
本が起こした雪崩は大きい。
今まで何年も何十年も秘密を押さえ込んでいた蓋が開いたように、被害者たちが口を開いた。
デュアメルは全職を辞任し、“見て見ぬふりをしていた”側近たちも次々に辞職。
キリスト教教会関係者のペドフィリアも、蓋が開くまで長い時間がかかった。
性的暴行が権力と結びつき、イヤと言えない。家族(加害者でない)に話しても信じてもらえない。その結果、重い塊を何十年も抱えることになるのだ。
日本にも言えないでいる被害者が多くいるはずだ。沈黙を破るきっかけになる著書なり告白の功績は大きい。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(単純計算しても歳は出ません!)
訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とヴィンテージの服、デビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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