水曜日に、恒例通り哲学から始まったバカロレア試験。
今年の受験生は、サッカー欧州選手権という巨大な誘惑と戦わなければならない。かわいそう・・・

バカロレア2016
photo:lexpresse

さて哲学。Bac S(理系)の問題に、『より少なく働くことは、よりよく生きることか?』というのがあった。

フランスと日本で答えがすごく違いそうだ。で、どういう答えが可能か、ご丁寧にサイトに載っていた:
「もし仕事が私の自由を奪うのであれば、幸福になるために仕事を減らすべきではないか?」と提示する。この問いは、「果たして私たちに仕事を減らす権限があるだろうか?」さらに「“よりよい人生”を可能にする条件とはなんだろうか?」という問いを導く(なるほど。こういう風に展開するのね・・・)
しかし、いくらフランスでも「よりよく生きたいので、仕事の時間を減らすことにしました」なんて上司に言えない。

もうひとつのアプローチは、「仕事を減らしたら、私を幸せにし得るものを入手できなくならないだろうか?」と提示し、「しかし、逆にもっと働いたら、自分の幸せを享受する時間があるだろうか?」
これは多くの日本人が持つ疑問ではない?収入が減れば、今の生活水準が保てなくなる。それで幸せか?一方、収入はあっても、それを使う時間がない、休みも取れず旅行にも行けない・・・つまり、“お金=幸せ”か?

ニコラ・サルコジの「より多く稼ぐためにより多く働く」というスローガンがあった。この行間には「よりお金を稼ぐ=よりよく生きる」という価値観が見える。それを実践してサルコジはリッチな生活を誇示し、不正な選挙資金、ニセ領収書などで警察の事情聴取まで受けている。

試験会場から出てきた学生にラジオがインタビューしていた。
「より仕事をしない=よりよく生きる」で展開した女子は、「仕事だけが人生じゃない。もっと大切なことがあるから」

仕事と人間の幸せの関係、その兼ね合い・・・一生考えるテーマを18歳か19歳で取り組むのは、この国の教育制度のいいところだ。

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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