完璧に間違っている?テロ対策

テロ対策についての、Richard Rechtmanという人の意見が面白い、と聞いた。
リシャール・レクトマン?精神科医で人類学者。知らなかったけど、私が知らなかっただけかも。
「政府やメディアの態度は、ISの策略に貢献している」というタイトルだ。

「テロリストの目的は、カオスを起こして社会を分裂させることだ。そのために彼らは大規模な“広告宣伝”が必要だが、ネットワークはあるものの、欧米の宣伝力は持ち合わせていない。自分たちの犯罪、大量殺人を世界に宣伝するため、ダーイシュ(IS)は、欧米のメディア力が必要だ。それは新たな兵士のリクルートに繋がる・・・」

ニース、サンテティエンヌ教会のテロの直後、ニュースの大半はそれに割かれた。ニュースチャンネルFrance Infoは“特別番組”と称して、テロのことしか報道しなかった。今でも、 犯人の名前や、生い立ちや、どうやって過激派になったかを一日中報じている。

“社会を分裂”は、すでに目的を果たしている。与党・野党は責任のなすり合いばかり、教会テロの後、フランス人のムスリムに対する懐疑心は高まっている。多くのふつうのムスリムはいい迷惑だ。

つまり、欧米のメディアと政治家がしていることは、まさにダーイシュの思うつぼってこと。彼らの思惑通り対立し、世界中に宣伝してあげているということだ。戦士たちは、負のヒーローとして世界的有名人になっている。

ではどうすればいいかというと、
「ISの兵士たちは、無名で死に、完全に忘れられる、ということを、声を大にして言わなくてはいけない。“名誉の死を遂げたヒーローになる”という志願者たちの期待を打ち破らなくてはいけない」
卑劣な無名の犯罪者として忘れ去られれれば、志願者たちも「?」と立ち止まるだろう。

では、なぜ政治家たちはこの策を取らなかったのか?
「彼らは、ISの危険がどこに存在するのか掴めなかったから。今でも、殺人者たちの過去やモチベーションを理解すれば、テロが防げると思っている。事態はもっと複雑。
殺人者が、今日の社会問題の産物だ、と思うのは大きな間違いだ。ISの呼びかけに応えて発っていく人たちは、あらゆる地区に住み、以前からの信奉者もいれば、急速になった人もいるし、精神的に不安定な人も安定している人もいる。最小の手段で最大限の殺戮をし、自分も死ぬ。その代償として『1週間、メディアで名誉あるヒーローとして扱われる』という条件に応じた人たちだ」
言われてみると、なるほど!と思う。どうしてそんなことに気づかなかったんだろう?

でも一方で、政府とメディアが突然態度を変えて、犯人のことを一切報道しない、名前すら明かさない、なんて可能だろうか?難しい・・・

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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