娘2人を学校に迎えに行き、うちに帰りつくと、宿題、お風呂、晩ごはん、お話を読んで寝かせるまで、マリーの夕刻は慌ただしい(子供が小さかった頃、私もこうだった!)夕食の支度をしながら、宿題のノートを広げさせたとこへ、奥からのっそり現れる父親のボリス。マリーの表情が強張る。
「何してるの?」
「早く帰ったから・・・」
「今日は私の番よ。約束は守って」
この夫婦、別れることになっているけど事情があって、同じ屋根の下に住んでいることが、この最初のシーンでわかる。

映画『Economie du couple』

事情とは、他所にアパルトマンを借りるお金がボリスにはないこと。今、4人が住むこのアパルトマンはマリーが買ったものだ。
でも大掛かりな改装工事をやったのはボリスなので、
「改装して家の価値が上がったから、見積額の50%を払ってくれたら出ていく」
「あなたは一銭も出していないのに、そんなに払えない」
そこから『l'Economie du couple/このカップルの経済』という味もそっけもないタイトル。もう少しマシなタイトルにできなかったものか?
2人の口論はいつも平行線。愛情が冷めた上、お金が絡むと最悪だ。
その上2人の娘(双子)。彼女たちは口論が絶えない両親を心配し、動揺し、“聞き分けが悪い”ことでそれを表現する(父親と一緒のときは『ママンに会いたい!』、逆も同じ)

映画『Economie du couple』

映画『Economie du couple』

会話がすごくリアルで、観ているほうがしんどくなる。身につまされる。別れる予定があるわけではないけど、夫婦喧嘩のメカニズムは一緒だ。長年一緒に暮らした2人は、どうしたら相手を傷つけるかよく知っている。

不況のせいで、別れたいけど一緒に住んでいるカップルが増えている現実を描いた作品。無理して一緒にいると、少し残っていた愛情やいい思い出まで台無しにしてしまう。何より子供が被害者だ。

監督のジョアキム・ラフォースはベルギー人。前作は、孤児を助けるためにソマリアにやってきたNGOグループの話『Les chevaliers blancs/白い騎士たち』(2015)だった。

余談ですが、ベレニス・ベジョの服装-シンプルな白いシャツや紺のプルオーヴァー-に注目。白いシャツって難しいのに、とても素敵。

l'Economie du couple
ジョアキム・ラフォース監督作品
主演:べレニス・べジョ、セドリック・カン、マルト・ケラー
1時間40分
フランスで公開中

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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