11月13日が近づいて、連続同時テロ一周年記念番組がいくつか放映されている。
撃たれて生き残った人たちのインタビューは娘と観ていて二人で泣いた。
バタクランで床に伏せていて、気がつくと隣の恋人が動かなくなっていたという若い女性。
「彼を置いていくなんて信じられない、自分は鬼のようだ、と思いながら逃げた」彼女は背中を撃たれていた。
「一緒に子供を作って・・・私の将来は彼なしでは考えられなかったのに」

『Cellule de crise(危機対策室)』は、2人のジャーナリストが、警官や人質になった人の証言、パトロール車と指令室の会話をもとに、スタッド・ド・フランスからバタクランまでを再現している。
ニュースで何度も伝えられたこともあるけど、知らなかった事実もあった。

例えば、スタッド・ド・フランスに着いた3人のカミカゼ。自爆ベルトをつけた3人は競技場内に入ろうとするけど警備が厳しくて入れない。侵入方法を探すうち、一人の自爆ベルトは周りに誰もいないところで爆発した。不幸中の幸い。どうやら操作ミスだったらしい。

仏VS独のサッカー友好試合が“何事もなかったかのように”続けられたのは、7万人の観客がパニックになって出口に殺到したら大変なことになるから(確かにそうだ)。そして警備の警察官たちは、犯人は競技場内に入っていないという確信があり、中にいたほうが安全と読んだから。

警察や救助隊がショック状態になるのはこの後だ。パリ10区、11区の、人がたくさん入っているカフェ6軒にカラシニコフを持った犯人たちが現れる。
パリ警察の指令室には3000件の通告電話がかかり、応対するのは6人!
救助隊がすぐ来なくて、カフェのひとつでは、近所に住むリタイアした医師が救助を始めた。
もう一軒のカフェでは、誰が誰に発砲したのかわからず、とにかく倒れている人に人工呼吸を始める。実はそれが犯人だった。

自宅にいた警官も総動員(警察署で武器を持って現場に向かうので時間がかかる)で、点在するカフェに駆けつける。
すると今度はバタクランだ。パトロール警官が指令部に、
「こっちでもテロだ、人を送ってくれ」と通報すると
「全部出払って車がない!」
番組は決して糾弾口調ではなく、前代未聞の出来事に直面した彼らのパニックを伝える。
そして、事件直後には話せなかった人たちが初めて口を開く。

11日、スタッド・ド・フランスでのフランス・スウェーデン戦も、
バタクランのスティングのコンサートも無事に終わった。

スティング、バタクラン・コンサート

「今夜、私たちは、この歴史的な場所で、命を亡くした方たちを思い出し、人生と音楽を称えるという2つの務めを両立させなければいけない」というスティングのメッセージ。

そういえば「(テロ後の)フランスはもうフランスじゃない」と言った人が、次の米大統領になるんだ・・・

ランキングに参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村



スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
カテゴリー
おすすめ書籍
RSSフィード
おすすめコスメ
フランスに行くなら
プロヴァンスの田舎町をまわる1日
アーカイブ