フィヨン圧勝:この政策でなぜ?

右派大統領選前選挙で70%を獲得して、アラン・ジュペに圧勝したフランソワ・フィヨン。左派まで投票してサルコジ潰しに躍起になっていたら、“第三の男”フィヨンがスルスルと勝ってしまった。

マダムのペネロープ。もしかしたら彼女がファーストレディ?

フランソワ・フィヨン夫妻

彼の政策は:
-就業時間、週35時間から39時間へ。
-公務員ポスト50万削減。
-TVA(付加価値税)20%から22%へ。
-代理母出産合法化しない。
-同性カップルの特別養子縁組、人工授精認めない。
-中絶の合法、同性の結婚合法は「法律改正はしないけど賛成できない」

50年前のフランスに逆戻りの、伝統的カトリック右派がなぜこんなに支持される?
オランド政権に権威がなかったからその反動?昔の道徳観と規律へのノスタルジー?

だってよく考えると、今だって学校教師や看護人や公共サービスの人員が不足しているのに、50万人も削減してどうなるんだろう?(すでに労組から抗議されている)
もうひとつ賛成できないのは社会保険。現在、医療費はまずSécurité Sociale/社会保険が払い戻し、不足分を民間のMutuelle/相互保険が、契約に応じてカバーする。
フィヨンの政策は、病気を《大きな危険(重病、治療に長くかかる病気》《小さな危険(その他大勢)》に分け、社会保険は《大きな危険》だけ負担、相互保険が“その他大勢”を負担する。
しかし。私たちは-ありがたいことに-小さな危険の病気に頻繁にかかる。第一《小さい》《大きい》の判断は難しい。気管支炎でも《大きい危険》という人が続出しそうだ。フランス人だものね。
これには現厚生相マリソル・トゥーレーヌがすぐ「待った!」をかけた:フィヨンの政策でいくと、一家庭の年間医療費が+3200ユーロになる。
どうやって算出したのかは知らないけど、個人の医療負担が増えるのは歴然だ。

・・・などなど「えっ ?!」という政策が少なくないけど、フィヨンさんのメリットがひとつ。彼はジュッペより、マリーヌ・ルペンに対抗できそうだ。デフォルトでマリーヌを選んでいた人たち、「同性の結婚」に反対してデモを繰り返していた伝統カトリックの人たちはフィヨンに投票するだろうから。これは大きなメリットだ。


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コメント
はじめまして

フィヨンの政策について、メディアが簡潔にし過ぎて誤解を招いている部分があるようなので、ちょっと指摘させてください。

まず、労働時間の35時間から39時間についてですが、これは35時間制を廃止して、公務員は39時間に延長する(戻す)と言っています。つまり、民間の労働時間は各企業や個人に任せるということです。

それから、一部の報道では“給料据え置き”なんてことも言われていますが、給料はもちろん労働時間の増加に伴い、引き上げられます。
現在SMICは約1400ユーロですが、手取りは1100ユーロ程度なので、もっと働いてもっと稼ぎたい人はいくらでもいるでしょう。

そして、公務員ポスト50万人削減については、確かに教師や医療関係者は不足していますが、Rectorat(大学区の本部)などで暇を持て余しているひとはいくらでもいますし、公共サービスの人員も都会では不足していても田舎では余っていたりします。要は、地域や職によってはいくらでも人員削減が可能なのです。実際にフィヨンが大統領になったときにそれが効率よくできるかどうかは蓋を開けてみなければわかりませんんが。

それから、「中絶」や「同性婚」について個人的な意見を述べただけで、法律は絶対に変えないと言っているのに、なぜ“政策”と捉えられているのでしょうか?

また、フィヨンが支持された最大の理由の一つは、「テロ対策」や「移民政策」にもあると思います。これまで極右しか言ってこなかったことを言いつつ、極右のようなフランス人至上主義や差別主義に陥らない政策を掲げていることを頼もしく思ったフランス人は少なくないと思います。

最後に、私もフィヨンで極右を阻止できるかもしれないことに、希望を感じました。フランスの民主主義がいつまでも続くことを願っています。
Re: Ryoka様
ご指摘ありがとうございます。
言われるように、フィヨンの政策は、多くの項目に渡って長々と説明されていますが、その中から反論されているもの、私の注意を引いたものを取り上げました。説明していただいてよかったです。
公務員ポストは、暇を持て余している人たちは辞めていただいても、決定的に不足している医療、教育を補充して、50万ポスト削減が可能なのか不安です。
同性婚、妊娠中絶については、前者に反対しているのはフィヨンだけではありませんが、1975年に合法化された妊娠中絶まで言及しているところに、フィヨンの伝統カトリックな考え方が表れていると思います。
右とか左とか
私自身、LGBT当事者として社会の流れに注目して生活しています。性的マイノリティの認知度が高くなったことは良いことと思っていますし、あらゆる根拠を差し置いても基本的に人権が最優先されるべきと考えています。しかし、みんなに平等であることが必ずしも正しいとも思っていません。以前、別の記事でコメントさせていただきましたが、<グレーゾーンを尊重するフランス>に期待しています。
ブルキナファソの和さん
こんにちは。ブルキナファソの和さんです。ブルキナファソもフランスの動きと切ってはきれず。この記事をざっと目を通すことができてよかったです。
またおじゃまします。
Re: ブルキナファソの和さん
こんばんは。
ブルキナファソは今、乾燥季ですか?
もうニュースでご存知でしょうが、今日は、マニュエル・ヴァルスが大統領選立候補を宣言しました。
左派はバラバラな感じです。
Re: アレックス様
同感です。それだけにフィヨンの伝統カトリックには不安を感じます。マリーヌ・ルペンよりはいいとしても。
お元気で。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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