異様に太った全裸の女たちが、4段腹をブルブル揺らせて踊るシーンで始まる。スーザン(エイミー・アダムス)が企画したエクスポジションだ。
ギャラリーを経営するスーザンは、実は仕事に情熱をなくし、私生活に疲れていた:美男で金持ちの夫は彼女をほっぽらかし、仕事や女で忙しい。眠れない夜が続いていた。

『メッセージ』(仏タイトル『Premier contact』がよかったエイミー・アダムス。この作品ではちょっとワンパターン。

トム・フォード『Nocturnal Animals』

ある日、スーザンは小包を受け取る。19年会っていない前夫エドワード(ジェイク・ギレンホール)が送ってきた著書だった。
『夜行性動物』と題された小説は、彼女に献辞されている。
眠れないひとりの夜、スーザンは本を開く:妻と娘と車でどこかへ向かっていたトニーが、いかがわしい2人組に絡まれ、悪夢のような出来事に発展していくというヴァイオレントなスリラー。

トム・フォード『Nocturnal Animals』

臆病だ、現実を直視しないとスーザンが批判していたエドワードと、作中のトニーが重なり、彼女の脳裏に結婚当時の場面が蘇る。

『Noctuenal Animals』夜行性動物。日本語タイトルは『美しきスリラー』とか。

トム・フォード『Nocturnal Animals』

トム・フォードの1作目『シングルマン』(2009)はひたすら耽美的で(コリン・ファースの完璧ファッション、エル・メゾンに出てきそうな家・・・)お話は現実味がなく(スタイリッシュ過ぎ。あんなに生活感なくて生活できるわけがないでしょ)退廃的。鬱になるプロモーションヴィデオを観たような印象だった。

2作目はシナリオがしっかりしているし(オースティン・ライトの『ミステリ原稿』が原作)、全然ファッショナブルじゃない人も出てくるし、俳優がいい(ジェイク・ギレンホールと刑事役マイケル・シャノン!)。小説と現実のダブり方も、ちょっと機械的だけど、よくできている。

トム・フォードはご存知のように、プレタ、コスメ、メガネまでやっていて、売れているのか知らないけど、とにかく高い。息子がメガネを選ぶとき、値段を見ずに「これ、いいね」と言ったらトム・フォードで、後悔したときは既に遅しだった。
とにかく多才な方のようで、1作目よりは随分いい。今週1本観るならこれかな。

Nocturnal Animals

トム・フォード監督作品
主演:エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン
1時間56分
フランスで公開中

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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