床の穴、眠れぬ夜

金塊はなかったけど、より現実的な希望は残っている:ここにマンホールがあるんで床を壊さなくてもいいのでは?
「それはワタシラにはわかんない」と建具屋さん。ごもっとも。
後でマンホールを見に来た工事主任は、いや、やっぱり床を壊さないとダメだね、とすげないお返事。2つ目の希望もはかなく消えた。
間もなく、ドリルの騒音とともに床壊しが始まる。音だけじゃなく、埃もすごかったわね。周囲の家具や本は巨大ビニールの覆いがかけられ、工事の人たちはマスクをしていたけど、してないこっちはゴホゴホ。台所まで薄っすらと埃で覆われた。

・・・音が鎮まったときは、こういうことになっていた。

travaux.jpg

その夜。どこからかカサカサ、シューシューという音。夫のイビキじゃない。
気のせい?いや聞こえる。発信地はどこ?・・・と考えるうち恐ろしい事実に気がついた:うちの中に開けられた穴は、中庭の穴と繋がっている。外にドブネズミが出たからには、同じ道を通って、より暖かく食べ物の匂いがするうちの方にやってくるのではないか?ネズミの身になって考えればいかにもやりそう・・・鳥肌が立ってくる。
唯一の安心材料は足元に寝ているタマが反応しないこと。リュリュが興奮して走り回っている気配もない。
私は階下に降りる勇気もなく、ネズミは階段を上がってはこないだろう、食べ物は台所だし。もし出たらタマとリュリュが何とかするだろう・・・と言い聞かせながら、そのうち眠ってしまった。

翌朝、職人さんたちに「ネズミに出会いませんでした?」
「 ??」
「中庭を掘り返したとき、2匹も出たんですよ、このくらいのドブネズミ」と私は両手を30㎝くらいに広げる。
職人さんたちはゲラゲラ笑いだし( ?!)、
「マダム、そりゃネズミじゃなくてウサギじゃないですか?ゲラゲラ」
「マジで、ほんとにいなかった?」
「マジでいなかったね」
ああ、今夜は安らかに眠れる。


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コメント
ネズミ
初めてコメント致します。
10年前に住んでいたアパートで、ある日、換気扇が閉じられておらず、そこから、夜にネズミが侵入しました。ウトウトし始めたころ、床を移動するチチチチチチチ?なんともいえないネズミの足音。。あー鳥肌が立ちます。ネズミに、長谷川さんがバッタリ会わないことをお祈りするばかりです。。。

私、40歳後半の2年前に初めてパリを訪れまして、それから何かと「パリ」「フランス」というキーワードで検索してしまう日々。。そんな中、長谷川さんのブログに出会い、本も購入させていただき、毎日通勤電車で読みふけっております。長谷川さんの文章は、リズム感があって、でも、ただ流れる文章ではなくて、ポイントはしっかり突いておられ、「なるほど、そういうことか」と気づかされることが沢山あり、日々、勉強になることばかりです。
政治ネタも大好き!マクロンの動向が気になりますね。
 今後も、ブログの更新を楽しみにしております。
 
Re: ネズミ
オワリ様
本も読んでいただいて嬉しいです。
ネズミの通り道は無事ふさがりました。
今、フランスの政治界は波乱で不穏で、連続新聞小説のようです。
誰がマリーヌ・ルペンを押さえられるか?が問題です。
またパリにいらしてください!
ネズミ
東京の恵比寿で働いていますが、けっこうネズミ見ますよ!大きいのだと15センチくらい?(尻尾を入れると30センチ!)
でも、動いているネズミより怖いのは道端で死んでいるネズミです!可哀想ですが…全身に鳥肌が立ちます(t_t)
Re: ネズミ
nana様
ハツカネズミはネコが時々おみやげに持ってきて、怖がるのが恥ずかしいくらい小さいです。
溝から出てきたのは灰色でデカくて(尻尾抜きで20㎝はありました)別の生き物でした。
東京でも出るんですね・・・
報告:東京都心・丸の内にて鼠獲り籠の設置情況を目撃
長谷川さま
 本日の記述内容をジックリと熟読しました。
 「現実の鼠」を目撃せずとも、それがガサガサと立てる騒音を聞かずとも、「鼠」と云う言葉やその姿を想像しただけでも、身体全体に戦慄が走る「鼠恐怖症」に取り憑かれていらっしゃる模様ですね。
 御愁傷様です。幾分なりとも同病を病む者として、衷心より同情申し上げます。m(_ _)m

 先達の読者からの投稿にも、鼠の目撃報告や被害体験談が寄せられている模様なので、私の数少ない「目撃情報」を報告します。以下は全て事実であり、私の体験であります。

以下より、事実の報告です。
*********
 それは今から41年も前、私が東京都心の丸の内界隈に在る某・保険会社の本社に勤務し始めた頃の出来事です。
 或る晴れた朝、何時もの如く、某・巨大ビルの前を通過して会社まで急いでいたところ、そのビルの一階にある「著名な某・鰻屋」のショーウィンドウに、見掛けない珍しいシロモノを発見したのです。
 それは何と、長谷川さん、鉄の針金で作られた「よく遣い込まれた鼠獲りの籠」だったのです!!確実に捕獲する手段ではあったのでしょうが、当時にしても、それは既に旧式な時代遅れの害獣駆除の方式だったでありましょう。
 「珍しいモノを見掛けた」と云うのが、偽らざる実感でありました。

 しかも、その陳列窓には通常、上部に店名を表記した額が掲示されて居る他には、何も陳列されていなかったので、その「鼠獲りの籠」は真新しい展示物であり、場所柄から云っても意外な展示物であっただけに、殊更に印象に残ったのであります。
 そして、肝腎の籠の中身でありますが、中には何も入っておらず、「何だ!カラじゃぁないか!」と聊か拍子抜けしたものです。「きっと前夜遅く、店内を清掃した際に設置した籠を従業員が仕舞い忘れただけなのだろう----」と考えつつも、会社での始業時刻に間に合う様にと道を急ぐ裡に、その籠のことなぞスッカリと忘れて仕舞いました。
***********
以上で、事実報告の終了です。

 しかし後年、東京都内で、或いは別の地で、汎ゆる鰻屋の看板や展示窓を見掛ける度に、ついつい、その「著名な鰻屋の展示窓に取り残された籠」を想い出し、「鰻の調理過程や調理室内の実情」を想像しては、背筋がジンワリと硬直したのも、一度やに二度ではありません。
 凡そ鰻屋に限らず、外食店全般に対し、私が何とは無しに淡い不審の念を抱き始めたのは、多分、その目撃した時点からでありましょう。

 御自宅の床下に発見された「秘密の床穴」から、如何なる害虫や害獣も侵入して来ないように、地球の反対側よりヒッソリと願っております。お元気で。 
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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