“オープンスペース”のオフィスは珍しくなくなった。私もやった。仕切りのないスペースを3つの(小さな)会社が共有していた。
最近の新傾向はオフィスに“自分の机がない”。大きいスペースに机が並んでいて、一番早く来た人が好きな机を獲得する。
Danone、AXA(保険会社)、Bouyguesなど大企業がこのシステムを導入していて、日本にも支社があるSanofi/サノフィの例がラジオでレポートされていた。
パリ郊外にあるモダンな新本社ビル。

Sanofi/サノフィの本社ビル

社員は毎朝、自分のロッカーに入れておいたパソコンや書類を抱え、机取りに奔走する。遅く来た人は空いている机がなくて、カフェテリアに行ったり、うちに帰ったり(!)。上司も平社員も研修生も同じ条件。

Sanofi/サノフィの本社ビル

なぜそんなことをするのかと言うと、
メリットその1:場所の節約
“出張や休暇や外回りで、通常60%のポストしか使われていない”という現状が発想の源。これはスペースの無駄である、とサノフィでは10人につき8つの机しか置かず、節約したスペースは他の用途に使われる。大コンサルティング会社accentureに至っては4000人に1000の机、しかない。
「毎朝、プールみたいにロッカーに取りに行って、自分の場所をゲットするのに10分はかかる」とサノフィ社員のひとり。帰る時も机には何ひとつ残してはいけない。飛ぶ鳥、跡を残さず・・・
メリットその2:協調精神を養う(フランス人は個人主義だからね)。
メリットその3:順応性を培う。

こちらはaccentureのオフィス。人に聞かれたくない電話の時はこの箱に入る!

accenture_dans_une_bulle_de_confidentialite.jpg
photo: radio france

外回りの多い社員や若い社員はこのシステムを面白がる。
「ヒエラルキーが薄れて、話しやすくなる。敷居の高かった上司が隣に座ってたり、他の課の人から思いがけないアドバイスをもらえることもある」
「集中できない」「落ち着かない」と愚痴るのは外に出ない社員と年配。ほら、フランス人ってオフィスに子供の写真とか絵を飾ってカスタマイズするのが好きでしょ。それもできないってこと。
会議室も同様で早い者勝ち。なのでコートやカバンを置く“お取り置き”テクを使う人も。
「取るか取られるかの緊張感、領土争いの西部劇の中にいるみたいだ」と社員。
確かにプラスαのストレスになる、と労働基準監督官は警告しているとか。早い者勝ちだから、より早く出勤しようという、という傾向はないみたい。そこまでして机取らなくても・・・ということらしい。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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