結局、映画館を出ちゃった・・・

黒沢清監督の『Creepy/クリーピー偽りの隣人』がフランスで公開に。最近、コレという映画がないのですぐ観に行ったら、なかなか面白かった。

フランスのポスターには主役(西島秀俊)がいない!

クリーピー偽りの隣人

フランスの批評で『日本社会を風刺している』というのがあった。
「どこが風刺なんだ?」と夫。
「だって奥さんほっぽらかしにして」
「あ、そう・・・」
「心に空洞があるからあんな男について行っちゃうんじゃない」
「なるほど」
あなた、居眠りしてなかった?

翌日、日曜日。夫は田舎にトンボ帰りするという(「この暑さ、庭の花やトマトが心配だ」)。何をするにも暑すぎるので、私はひとりで『Nothingwood」というアフガニスタン&フランス合作作品を観に行く。110本の映画を撮った監督&俳優&プロデューサーが111本目を撮るために、ぶっとんだ俳優たちを連れてカブールにやってきた、というナンセンスコメディ。

「ハリウッドじゃない、ボリウッドでもない、ナッシングウッド」

Nothingwood

ところが座るなり、コンタクトレンズを入れ忘れたことに気づいた。私は片目はけっこう視力があるので、例えばパソコンの前ではコンタクトが必要ない。でも出かけるときに入れ忘れるってどうかしてない?これじゃ字幕が読めない。暑さのせい?それとも・・・

CM&予告編は約15分なんで、走って帰れば戻ってこれる、と席を立とうとしたとき、隣に座っていた男子が、
「あのぉ 僕、すぐ戻ってきますから・・・」
反射神経が欠落している私はとっさに「私も出るんですが」と言えず、その男子を見返すと、
「ほんとにすぐ戻ってきますから」とリュックを置いて出て行った。ヤダ、今出ないと間に合わないのに、荷物番するはめに・・・まったくドジ。
予告編は進み、残り時間は減ってくるのに、男性は戻って来ない。隣のリュックが気になりだした。
ふつう「荷物見ててください」というのに、彼は「すぐ戻ってくる」を繰り返した。リュックが怪しいものではない、と言いたかったから?そんなこと強調するのは、逆に・・・
そこまで考えて、私は立ち上がって映画館を出た。通路でもリュックの男性とはすれ違わなかった。
外を歩きながら、考えすぎ、パラノイア・・・でも前はこんなこと考えなかった。

ベルリンのクリスマス市のテロの直後、日本から来た友達が、
「ご老人の運転する車が歩道走ったり、病院の玄関に突っ込んだりして死者や怪我人が出るんだよ。テロより頻繁。前は歩いてて怖いなんて思わなかったのに」
そして、人間、どこにいても死ぬときは死ぬんだね、今を楽しまなくちゃ、という結論に。
映画館を出るべきじゃなかった。それ以前にコンタクトを忘れるべきではなかったのだ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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