ワインは“私たちを繋ぐもの”

父危篤の知らせを受けて、ジャンはオーストラリアからブルゴーニュの実家に帰ってきた。
ワンマンな父親に反抗して、ワイン造りの実家を飛び出してから10年。妹のジュリエットは再会を喜ぶけど、弟のジェレミーは怒りを隠せない。
「僕たちがあくせくワインを造っている間、どこで何してたんだ?お母さんが亡くなったときも帰ってこないで!」

ジャンの帰りを待っていたかのように父親は亡くなり、若い3人の子供は重大な決断を迫られる:相続税を払うためにはブドウ畑の一部か、家を売らなければならない。

真ん中の俳優は副業(本業?)がブドウ栽培

セドリック・クラピッシュ『Back to Burgundy』

奥から、ジェレミー(フランソワ・シヴィル)、ジャン(ピオ・マルメイ)、ジュリエット(アナ・ジラルドー)の3兄妹

セドリック・クラピッシュ『Back to Burgundy』

大体、3人は家業を継いでいけるのか? ブドウ畑は600万ユーロの価値がある。全部売って新しいことを始める?ジャンはオーストラリアに妻と息子とブドウ畑が待っている。いずれ帰らなくてはならない・・・妹と弟は、ジャンも決して能天気な放浪生活をしていたのではないのを知る。

3人は話し合い、喧嘩になり、気を取り直してまた話し合い、決断は二転三転。
その間にブドウ収穫が始まり、広大なブドウ畑の上で季節が変わっていく。

セドリック・クラピッシュ『Back to Burgundy』

セドリック・クラピッシュの新作『Ce qui nous lie/私たちを繋ぐもの』(lieはワインの滓の意味もあって、かけている)。この作品は日本でかかりそうだ。タイトルは『Back to Burgundy』?

セドリック・クラピッシュ『Back to Burgundy』
photos: allociné

ストーリーが“読めてしまう”嫌いはあるけど、ワイン製造者の価値観がよく描かれている:彼らにとって土地(ワイン畑)は何よりの財産、一等級の畑は何にも代えられない。
シャンパン造りをしていた従弟は、ブドウ畑オーナーの娘と結婚させられそうになり、それを蹴って村のミス・コンテスト(!)で優勝した美人と結婚した。2人の娘が家業を継がなかったのを最後まで悔やんでいた。
クラピッシュは、大勢でワイワイというシーンが上手い。ブドウ収穫が終わった日の打ち上げは、何度か収穫に駆り出された息子が話していた通りだ。
これまでバルセロナやパリの大都会を舞台にした作品が多かったけど、今度は見渡す限りの田舎。クラピッシュの撮るワイン畑の表情は美しく、家族を繋いでいるようだ。
シャンパーニュの田舎の風景を思い出し、3か月前に亡くなった従弟が、映画のお父さんに重なった。

Ce qui bous lie
セドリック・クラピッシュ監督作品
主演:ピオ・マルメイ、アナ・ジラルドー、フランソワ・シヴィル
1時間54分
フランスで公開中


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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