1989年に、Act Up New Yorkをモデルに発足したAct Up Parisは、
『エイズ患者を援助するアソシエーションではなく、エイズに侵された人々の権利を護るための行動主義者の集まり』
メンバーにはエイズウィルス陽性者、既に侵されている人もいれば、感染してしまった血友病患者もいる。
社会の、政府の、ラボラトリーの無知と、現実を見ようとしない態度に怒り、ラボラトリーの壁に作り物の血の袋を投げつけたり、高校の授業中にコンドームを配ったりの活動を繰り返す。
病気の症状や恐怖と戦いながら、犠牲者を増やすまいとする人たち。

Act Upのミーティング

120 battements par minute 一分間に120回の鼓動

グループの中で特に攻撃的なショーンはウィルス陽性だけど、自分が“宣告されている”と感じていた。
でも、彼は、彼らは病気への恐怖の中に閉じこもってはいない。グループで出会ったショーンとナタン(↓)は、恋をし、快楽を求め、生きようとする。

120 battements

映画は、この病気の実態がよく知られていなかった1990年代(陽性の人に触れば感染すると思っていた人が少なくない)を背景に、無関心と偏見を取り除こうとするAct Upの活動と、ショーンとナタンの強い繋がりを描く。
カンヌ映画祭でパルム・ドールを取った『120 battements par minute/1分間に120回の鼓動』(安静時の平均心拍数は60~70だそう)

ショーン役のナウエル・ペレズ・ビスカヤールはアルゼンチンの俳優。小柄な身体に強烈なインパクト。

120 battements par minute 一分間に120回の鼓動

試写でアルモドバルが泣いたというけど、誰だって泣かずにはいられない。決して“泣かせよう”という作品ではなく、むしろ淡々と描かれているのに、最後の方は涙が止まらない。隣の女性もバッグをかき回してティッシュを探していた。

30年近く前に始まったAct Up Parisの活動について(ゲイパレードくらいしか知らなかった)多くを教えられる作品、お奨めです。

120 battements par minute
ロバン・カンピオ監督作品
主演:ナウエル・ペレズ・ビスカヤール、アルノー・ヴァロア、アデル・エネル
2時間20分
フランスで公開中


ランキングに参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村



スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最近の記事
カテゴリー
おすすめ書籍
RSSフィード
おすすめコスメ
フランスに行くなら
プロヴァンスの田舎町をまわる1日
アーカイブ