
ブシュロンの『貴重な一瞬』コンクール受賞作で、私が一番好きだったのは『希望/Hope』と題された次の作品。訳してみました。どうでしょう?
『私は40歳。気持ちは20歳だけど、残念ながらそうではない。
夫なし。子供なし。自分の選択を悪くないと思える日が多い。でも、つらい日もある。
先週、スーパーマーケットで、小さな男の子が駆けてきた。頭を下げて走ってくると、「ママン」と叫び、いきなり私の膝に抱きついた。長い間そのままの姿勢でいて、ふと顔を上げ、私が「ママン」でないことに気がつき、わっと泣き出した。私も泣きたくなった。
年月が経つのにまかせていた。私はもう誰かの「ママン」になることはないだろう。
ラッシュのメトロの中で、私は女性の手を見ている。本のページをめくる、携帯を持つ、髪をいじる手。私は指輪を見る。結婚指輪。ひとつずつ違うけど、繊細なカーヴに睦まじさが宿る。
何もない自分の手を見つめる。そして何故?と思うのだ。
先週、バスティーユ広場で男性を待っていた。一緒にカフェに行くのだと思っていた。道の向かい側に飛び跳ねるように現れた彼は、ひらひらと何かを振ってみせる。それはオペラ座のチケット、びっくりした。私に?本当?本当なの?
劇場の中で、私は、波が数多くの失望を洗い流すように、荘厳な場所に洗われるように感じている。暗がりの中で彼が私の手に触れる。指が絡み合い、彼は強く握る。私は思わず手を見つめた。壁の割れ目から漏れたのか、細い光が横切っている。その指に。
金色にそれは輝く。指輪のように。』
バスティーユで待ち合わせしているからパリ在住のアメリカ人かイギリス人?暗がりで手を握り合ったあとどうなったか気になるところ。
上の写真のリングを渡すときに、その後の経過を聞いてみよう!ということになった。
ピンク、イエロー、ホワイト、チョコレートの4つのゴールドを重ねたこのリングは男性にも似合う。私の隣に座っていた社長さんの右手薬指にも渋く光っていた。
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