ル・モンド紙によると、1986年、雑誌Egoïste/エゴイストがヌイイーの邸宅でリリアン・ベタンクールにインタヴューした。
記事のタイトルは『財産が一定の数字を超えると、人はおかしくなる』(同感!数字を読むほうもおかしくなる)。
ベタンクール夫人を撮影したカメラマンはフランソワ=マリー・バニエ。彼女65歳、彼40歳。

バニエ氏は大富豪の邸宅を訪れるようになり、2人の関係が始まった。と言っても“ブリジット&エマニュエル・マクロンの先駆者”だったわけでは全然ない。バニエ氏はゲイで、いわば「芸術擁護者とアーティスト」の関係だった。

1991年からベタンクール夫人は”贈り物”を始め、ブラック、マティス、ピカソ、レジェ、ムンク・・・などのタブロー、生命保険、現金など計9億9300万ユーロをバニエ氏は受け取った。
これが芸術擁護 ?? 彼女の頭ははっきりしていたのか?バニエ氏に強いられたのでは?・・・まあ誰でもそう思うだろうけど、一番危険を感じたのはベタンクール夫人の一人娘だ。

2010年6月、Paris Matchの表紙になった2人(写真は2006年のもの)、タイトルは『特殊な友情』

リリアンヌ・ベタンクール&フランソワ=マリー・バニエ

2009年、ル・モンド紙の質問にフランソワ=マリー・バニエは、
「この贈与は完璧に明晰な女性からもらったものだ。私がゆすったという噂は実にくだらない」と断言。

その翌年、リリアンヌ・ベタンクールはル・モンドの記者の質問に答えた。
-バニエ氏はあなたにお金を強要したんですか?
いいえ、私は自覚をもって、財産の一部を彼にあげました。私は物質的なものに執着しないんです。
-彼はしょっちゅうお金を要求しましたか?
“しょっちゅう”ってどの位のこと?1年に一度?まぁそんなもんでしょう。フランソワ=マリーはとても説得力があって知識が広く、モノに情熱がある人。断るには意志の力が必要です。私はその力がありました。

ということは断る力がなかったら、贈与はもっと巨額になっていたということ?これは知的ゆすりと言えないだろうか。

バニエ氏はその15年間の間、ベタンクール夫人に手紙を送り続け、夫人はそれを大切にアルバムに保存する。彼女から時々出す返事はバニエ氏を創作に駆り立てようとするものだった。
「私の望みはあなたが認められること。でもそれはあなたのためです」

19歳で最初の小説を書き、フランソワ・モーリアックに奨励され、ルイ・アラゴンが「これ以上、度はずれた人物には出会えない」と称したフランソワ=マリー・バニエに、大富豪夫人はすっかり魅了されたのだ。


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コメント
気になる内容だったので、続報嬉しいです!
バニエ氏、やった事はとても悪どいですが、話術も巧みで優しくてユーモアもあったんでしょうねえ…。
本当にバニエ氏がいろいろ連れて行ってくれたり、家に来てくれたり…が楽しかったんだろうなあと思います。
それにしても15年間で約10億ユーロ…
金額もすごいですが、バニエ氏のかける年数がすごいです。
Re: ひよこ様
最初にいただいたコメントで言われていた「お金や島は返さなくていいのか」に「たしかに!」と思い、あちこちの記事を読んだら、その理由がみつかりました。次回書きますね。
ひよこさんが言われるように、バニエは頭が切れ、話が面白くて魅力のある人間のようです。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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