日本VSフランス:ニュースの扱い方

日曜の夕刻から仏メディアは「パラダイス文書」で持ち切り。国営のニュース専門ラジオ局、フランス・アンフォは特別番組にしていた。
「パラダイス文書」は、2016年末、南ドイツ新聞Süddeutsche Zeitungに匿名で漏らされた(これ、パナマ文書と同じ)電子文書を皮切りに、国際調査報道ジャーナリスト連合(世界の96メディア、400人のジャーナリストのネットワーク)が1350万に上る文書を分析すること11カ月。フランスではル・モンドとラジオ・フランスが調査に加わった。

パラダイス文書

その結果、エリザベス女王、トランプ大統領の側近(商務長官のウィルバー・ロス、国務長官レックス・ティラーソン・・・)、カナダの若い首相ジャスティン・トルドー(写真右)・・・が、ケイマン諸島やバミューダ諸島のタックス・ヘイヴンを利用していた。

パラダイス文書

これは日本でも既に報道されているけど、フランスでは、600万ユーロ以上をケイマン諸島に投資していたエリザベス女王の名前が筆頭に出された。「エリザベスよ、お前もか」。
フランスの政治家(二コラ・サルコジとか)出そうだが、出ていない。

この暴露はフランスで(政府にも)喝采されている。世界のジャーナリストのネットワークの快挙!世界人口の1%が所有する富が、残り99%の富を間もなく超える、という恐るべき不均衡・不平等に歯止めになる。

パラダイス文書によると、ロス商務長官は、就任後も株を保有するケイマン諸島の法人を通じて、ロシアの海運会社の利益を得ていた。大統領選時、ロシアの干渉疑惑が強まっているだけ、トランプ大統領にとってまたヤバい暴露。

そのトランプ大統領、テキサスのバプテスト教会乱射事件について、
「犯人の精神状態が問題で、武器の所持とは関係ない」「銃を持った目撃者が撃たなかったら、もっと重大なことになっていただろう」という発言がフランスでは繰り返して報道された。
ラスベガスの銃乱射での全米ライフル協会の言い分「法を遵守するアメリカ人が銃を所持する権利を、一人の狂人の行動に基づいて禁止しても襲撃事件がなくなるわけではない」と一緒じゃない。ライフル協会のほうが語彙は豊富だ。
武器を買うとき精神鑑定をするわけではないし、武器を持っていなければ無差別殺人など思いつけない、と単純に思うけど。

テキサス銃乱射に対し日本のメディアの多くは、トランプ大統領の「言葉にできないほどの痛みや悲しみを感じている」を報じていた。
安倍首相と仲良くゴルフをしたし、北朝鮮への対応は「完全に一致」したし、米大統領への空気は違うだろう。

フランス人の9割近くはトランプ大統領に「悪いイメージ」というし、第一お金持ちが好きじゃない。米大統領選中は、「億万長者ドナルド・トランプ」と枕詞が必ずついていた。


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コメント
安倍さんとトランプさんとマクロンさん
「全世界で得た収益を居住国で申告」が基本でしょうから脱税していなければ問題にならないでしょう。タックスヘイブンを利用することが違法ではないので。
「金持ちは嫌い」という感覚は日本人には特にないと思います。「本人が努力した人」か「家柄がいい人」ぐらいの感想ですかね。欧州より貧富の差がないからか。むしろ「人を妬むことは卑しい「自分は自分、人は人」と徹底的に教育された記憶があります。
日米の関係は欧州の人には理解できないでしょう。3・11を境に自虐日本人は日本人を見直しました(東北の方が立派だったのですが)。自衛隊、米軍についても、自分の命が危うくなるほど、これほど身を粉にして助けてくれる存在だったのかと見直しました。
トランプ大統領に関しては米国マスメディアと提携してる日本のメディアがほとんどですから基本懐疑的批判的CNNの翻訳です。しかしネットがありますから米国保守系メディアのニュースも見ています。ロシア疑惑には「トランプのロシア疑惑」と「ヒラリーのロシア疑惑」があることも知っています。米国メディアは双方偏り過ぎていて両方見なければわかりませんね。
トランプ大統領になってから法人税減税・中間層の所得税減税法案、「国境の壁」発言だけで不法入国者激減、株価好調、失業率低下、何が文句あるのか私には理解できません。「反トランプ」だけで有効な対案も出せない民主党の支持も伸びていないと聞きます。リベラルの皮を被ったワインスタイン&ハリウッドショックもありましたし。
北朝鮮核開発にしても欧州から見れば遠いアジアの問題で関心が低いのは当然です。これまでの歴代米国政権もそうでした。日米のマスコミがバッシングしようとトランプ大統領は、初めて北朝鮮の日本に向けた度重なるミサイル、核開発問題や日本人拉致問題にさえ本気で取り組んでくれる大統領だと思っている日本人が多いと思います。この感覚は春から(実際はそれ以前から)ミサイルを飛ばされ空襲警報を聞く準戦時下の日本居住者でなければ理解できないと思います。また欧州での見え方は違うと思いますが中国も北朝鮮以上の脅威で、日本は共産主義国に囲まれている特異な状況にあります。
北朝鮮問題に関してドイツ首相の無関心に対してマクロン大統領が心に掛けてくれていることは日本にも伝わっています。マクロン大統領については日本から見ると「よくやってるのになあ」と思います。
富裕税減税で支持率下がったのですか?でも富裕税なんて他国にはないですよね。組合が強すぎるのもフランス経済停滞の要因と他国では報道されていますがフランス人の受け止め方は違うのでしょうね。どの国でも、その国の歴史に基づいた「バカの壁」がありますね、アメリカ(銃規制とか)にも日本にもあります。
メランションが「リッチな大統領」と揶揄したんでしたっけ?「リッチ」が揶揄の言葉だったとは思い至りませんでした。金持ちを国外に逃避させずに国内でうまく金を落とさせて経済は回ると思うのですが、どの国でも責任政党でない党首は好きなこと言えますね。非常事態宣言解除の代わりの措置が人権団体に避難されているとか。どの国にも面倒くさい人たちがいますね。EUでは頼みの綱のドイツの政治状況が不透明ですが、国内では反対勢力の意見もうまく取り込み乗り越える知恵がマクロン大統領にはある、と日本からは見えます。
Re: 安倍さんとトランプさんとマクロンさん
すごく勉強になりました。ありがとうございます。

言われる通り、パラダイス文書で暴かれたケースの殆どは合法で、モラルの問題です。それだけに厄介ですね。
エマニュエル・マクロンは支持率は落ちたものの、選挙戦時の公約を次々(労働法改正、富裕税は不動産のみ、小学校少人数制・・・)実行に移していきます。右派、極右、左派は批判したりチャチを入れ続けますが(ま、どの国でもそれが野党のお仕事)先日メランションが「マクロンに1本取られたことを認めないわけにはいかない」と発言して「えっマクロン叩きの第一人者が!」とびっくりさせました。
http://www.french-code.com/news-10-29-2017

マクロンは「これまでと全く違う」「左派・右派の亀裂を和らげた」大統領と言えるのでは。

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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