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1983年。エリオは、北イタリアの小さな村の別荘で両親と夏を過ごしている。
お父さんは考古学の著名な教授、アメリカ人。美人で優しいお母さんは翻訳家、フランス人。
17歳のエリオは、ピアノはプロ並みに上手く、ひとりで本を読むのが好きで“何についてでもよく知っている”。相手によって英語、フランス語、イタリア語を自然に使い分ける・・・インテリ両親のひとり息子らしい、知的にマセた少年だ。

そこへ、お父さんの教え子のアメリカ人、オリヴァーがやってくる。博士論文を書くためにしばらく滞在するオリヴァーは、エリオの隣の部屋を使うことになる。エリオは、オリヴァーをそれとなく観察する。最初はフィジカルで奔放なアメリカ人が気に障り、次第に惹かれていく。最初は面倒を避けたい、と逃げ腰のオリヴァーも、エリオのアンバランスな魅力に抗しきれない・・・

『君の名前で僕を呼んで』


ルカ・グァダニーノ監督の『Call me by your name/君の名前で僕を呼んで』

『君の名前で僕を呼んで』

「なーんだ」と思われる方、まあ最後まで聞いて!
たしかに“ア・ボーイ・ミーツ・ア・ボーイ”なんだけど、それがテーマではない(私的にはね)。
知的には成熟していてもオクテのエリオにとって初めての感情。初めての恋。その一途さ、不器用さ、コントロールできない感情を、ティモシー・シャラメが感動的に表現する。

『君の名前で僕を呼んで』
photos:allociné

アカデミー賞最優秀男優にノミネートされていた、あの白いタキシードの青年だ。
オリヴァー(アーミー・ハマー)の美しさもハンパじゃない。ただ、“大学院生”のはずの彼は30くらいに見え、エリオが体つきも少年っぽく15歳くらいに見える。
この映画、主人公たちとイタリアの夏は美しすぎ、エリオの両親は優しすぎ、理解がありすぎで、現実離れしているんだけど、それでも感動したのは、誰もが経験する“初めて”を思い出したから:歓喜と涙が背中合わせなことを知り、長くは続かないのに一生忘れない。

そして他の登場人物が霞むエリオの存在感。マセでうぶで、シニカルで一途な少年に、すっかり魅了された。
2時間10分を少しも感じず、エリオの表情だけを捉える最後のシーン、その横に字幕が出て、他の観客が帰り支度を始めても、見続けた。最後の一滴まで!

Call me by your name/君の名前で僕を呼んで
監督:ルカ・グァダニーノ
主演:ティモシー・シャラメ、アーミー・ハマー、マイケル・スタールバーグ、アミラ・カザール
2時間10分
フランスで公開中。
日本公開は4月27日


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コメント
2017年私の一番好きな映画です
たかこさん、こんにちは。New YorkのAkikoです。"Call Me by Your Name"は、私も去年見た中でベストです!ちなみに2位は"Phantom Thread"、3位は"Three Billboards"です。オスカーを取った"Shape of Water"はちょっとメルヘンすぎで、あまり印象には残りませんでした...。"Call Me by Your Name"は瑞々しくて素晴らしいです!お父さん役が素敵でした。同じ俳優を使って続編が制作されるそうです。原作に、その後の二人の話があるらしいです。
Re: 2017年私の一番好きな映画です
わーい!2位も3位も一緒です!
『Phantom Thread』はダニエル・デイ=ルイスが年とっても美しくてセクシーで見とれました。
『Shape of Water』の感想も同様:それなりによかったけど(サリー・ホーキンズが大適役)アカデミーを総なめにするほどかなぁ、と。『Call me by your name』はフランスでは2週間前に封切りになったので、私にとっては早くも2018年の一番です。
私も見ました!
オリバーのディスコ?でのオジさんぽいダンスで思わず吹き出してしまいました!
エリオがオリバーのパンツを頭に被るところも可愛い!gayかどうかで全然悩んでいなくて切ない夏の恋愛ストーリーですね。
思い出してもウルウルします。
Re: 春さま
ですよね!オリヴァー、美男だけどオジサンっぽい。大学院生という設定が苦しいです。
エリオが泣きながらお母さんに「迎えに来て」と電話するとこも可愛かったです。
やっと見れました!
いつも楽しく拝見させていただいてます!
こちらのブログでお勧めされてたのを読んで「見たい!」と思い2ヶ月・・・やっと日本公開の最終週で見ることができました。ホントに最高でした。ただただ美しいものを見せてくれる、宝物みたいな映画で、エリオの儚さと危うさに飲み込まれてしまいました。音楽もすごく良かったです。館内には5人くらいしか観客はいなかったんですが、誰一人エンドロールが終わるまで席を立ちませんでした。この映画を知るきっかけを与えて下さって感謝です。
また素敵な映画を紹介して下さいね!楽しみにしています。
Re: fuku様
ありがとうございます。
言われるように、エリオ&オリヴァーも、イタリアの田舎も、音楽も、すべてが初めての恋の煌めきと儚さのシンボルみたい。
実は2度見ました。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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