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映画ザッピング:『En guerre/戦争中』

アジャンにあるPerrin Industrieの工場。3年前から工員たちは35時間分の給料で週40時間働き、赤字解消に貢献してきた。
その代わり5年間はリストラなし、という条件で。昨年、黒字に転じ少なからぬ利益をだしたのに、幹部は工場閉鎖を決める。
約束不履行。ローランを頭に1100人の工員たちは、この一方的決断に反対。仕事ボイコット、交渉、工場占拠・・・戦争状態になる。
ステファン・ブリゼ監督の『En guerre/戦争中』。今年のカンヌのコンペティション参加作品。
ムショ帰り、失業者などの役をやるうち、目が座ってきたヴァンサン・ランドン主演

ステファン・ブリゼ『En guerre/戦争中』

同監督の『La loi du marché/ティエリー・ドグルドーの憂鬱』で、やはり主役のヴァンサン・ランドンがカンヌ最優秀男優賞を取ったのは2年前と思ったら2015年。時の経つのは早い。
自分の能力に合った再就職先が見つからず、やむなく大スーパーの警備員になるティエリー。ハンディキャップのある息子を抱え、職を得なければ最後の砦、アパルトマンも手放さなくてはならない。スーパーでお客の万引きを取り締まるうち、ティエリーの価値観と仕事の必要性のバランスが崩れていく様が見事に描かれていた。

そのブリゼ&ランドンコンビの、やはり社会派作品。カンヌ試写でスタンディングオベーションと聞いたけど、そうなの?
株主たちへの配当を良くしようと利益の少ない部署を切り捨てようとする経営陣と、仕事を死守しようとする社員たちの戦いは珍しくなく、ドキュメンタリーを観ているようだ。

こういうシーンばっかり

ステファン・ブリゼ『En guerre/戦争中』

ステファン・ブリゼ『En guerre/戦争中』
photos:allociné

「経営側も工員側もない、私たちはみな同じ船に乗っている」と工場長が言えば、
「同じ船だとしたら我々はネズミのいる船底、あんたたちは上の船室だ」と工員。
やり取りはリアルだけど(出演者の多くは俳優ではなく労組員)、なんの感動も産まないのだ。
労組もイデオロギーの違いでいくつかあるので(CGT、CFDT、 CGT-FO・・・)工員たちの中で分裂も起こる。テンション上がる話し合いは出口が見えない。

ステファヌ・ブリゼの作品では、スイスで安楽死を選ぶ母とムショ帰りの息子(ヴァンサン・ランドン!)の話『Quelques heures de printemps/母の身終い』も、とてもよかったのに。

En Guerre
ステファヌ・ブリゼ監督作品
主演:ヴァンサン・ランドン、メラニー・ロヴァー
1時間53分
フランスで上映中

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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