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ダースベイダーのマスク

病院から帰って、昼から何も食べていなかった私は急にお腹が空いて、冷凍食品を解凍して食べた。
入眠剤を飲んで寝たのは午前3時すぎ。8時には病院からの電話でたたき起こされる。
「ご主人が、携帯電話が見つからないって」と看護婦さん。
「ズボンのポケットの中じゃないですか?」
「・・・あ、ありました!ありがとう、これで救われました!」
これを聞いて娘は大笑い。
「携帯のありかがわからなくて、あなたに電話してくるわけ!」

夕方、娘と2人でPitié Salpêtrière/ピティエ・サルペトゥリエール病院に行き、その広大さにびっくりした。
昨日は救急車で着き、タクシーで帰ったのでわからなかったけど、敷地内に医学部があり、あらゆる科(歯科まで)の建物、教会、託児所、公園があり、道路が通っている病院都市。
確か、97年にダイアナ妃が運ばれたのがこの病院。

ピティエ・サルペトゥリエール病院

夫が移されたEoleという建物まで歩いて10分はかかる。
病室にたどり着いてまたびっくり。宇宙ステーションのように最新機器が並び、夫はダースベイダーみたいなマスク(ただし透明)をつけて寝ていた。
なんでも私が帰ってしばらくしてから超呼吸不全になり、急遽この集中治療室に運ばれた。
肺に水が溜まりすぎたせい、と聞いて鳥肌が立った。
私は高校生のとき肋膜で、肺に少し水が溜まった。呼吸が苦しくなったときの恐怖は今でもトラウマになっている。
夫はどんなにパニックになっただろう・・・そんなことは露知らず、私はご飯を食べていたのだ。
それに、もし救急車を呼ばなかったら、うちでその状態になっていた、ということだ。ゾッとする。

間もなく部屋に入ってきた女医さんが、
「(ダースベイダーの)マスクの圧力と、利尿剤の点滴で“水が掃け”、もう心配ありませんよ。明日は集中治療室から出れます」
朝は携帯を探す余裕があったから、落ち着いてきたんだろう。

この超呼吸不全をdétresse respiratoireと呼ぶ。détresseは、苦境、遭難という意味。

入院の前日、夫を診てくれた先生に、救急車を1時間以上待ったことを話し、
「もしウチでなってたら、どうなったかと思うと・・・」と言うと、
「大丈夫。détresse respiratoireと言えば飛んできます」
なるほど。“開けゴマ”の言葉。覚えておかなくちゃ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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