
カンヌ映画祭の公式参加映画で、キャストの顔ぶれからも期待されていたニコル・ガルシアの最新作「Selon Charlie」(シャルリーによると)を見た。フランスの海辺の町を舞台に、町長(ピエール・バクリ)、もと優秀な研究者で、今は高校の先生(ブノア・マジメル)、タラソテラピーの職員(ヴァンサン・リンドン)、コソ泥(ブノア・プルヴォルド)、将来を期待されるテニス選手(見たことのない俳優)の日常が平行して描かれる。大きな事件やヤマはないけど、一人一人の個性と人生が交差し織り交じり、共感を呼ぶストーリーというのはフランス映画のお得意のひとつだが、残念ながらこれは失敗作、と私は思う。前半、シーンを細かく切りすぎてなかなかお話の中に入っていけないし、キャラクターの設定もいまひとつあいまいで説得力に欠ける。それとこれだけいい役者をそろえておきながら、彼らが固定イメージ通りだ:皮肉屋でセンチメンタルなバクリ、まじめでナイーヴな青年マジメル、一見ワイルドに見えてデリケートなリンドン・・・と「あ、またバクリがバクリを演じてる」と思ってしまう。フランス語の表現にあるla mayyonaise n’est pas montée.=材料は揃っていたけど、混ぜ合わせたところうまくマヨネーズになりませんでした、というヤツだ。ニコル・ガルシアはご存知の通りモト女優だけど、カメラの逆側に回るというのは難しいんでしょうね。
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