
パリのアパルトマンには伝統的に、コンシエルジュ(管理人)のおばさん(おじさんのことも)がいて、その多くは移民のポルトガル人だ。入り口に一番近いアパルトマンに住んでいて、そのお仕事は、
郵便物を受け取って、各アパルトマンに配る、
門の前や中庭や廊下をそうじする、
ゴミ箱を出す、
そして一番時間がかかるのが、通りかかる近所の人とおしゃべりすることだ。
管理人が“ちゃんと見張っていると”空き巣が少ない、ともいわれる。
概して太っていて、概して同じ柄のエプロンかワンピース姿なのですぐわかる。パリの風景のひとつになっているこの管理人が消滅しかかっている、と今朝ラジオでいっていた。
彼らのサラリーは、建物の住人が出し合って払うが、それを節約するために管理人を置かず、管理会社に頼んで、週に1-2回、お掃除にきてもらい、暗証コードやインターフォンで安全を守るアパルトマンが増えているからだ。
すごく信頼がおけて、住人の面倒を見てくれるアタリの管理人もいれば、捨てたゴミを好奇心から覗いたり、たずねてきた人に感じが悪かったりするハズレも少なくない。いたほうがいい、というわけじゃないけど、伝統的職業が時代に合わなくなって消えていく、というわけだ。日本の切符切りみたいに。
私たちが今のアパルトマンに越してきた12年前、建物の前には娼婦が立っていた。
うちに向かいのスチュディオ(ワンルームのアパルトマン)が彼女の仕事場だったのだ。
ミッシェルという名前の、60近い娼婦は、一日中外に立っていて近所のみんなとおしゃべりし、驚くべきことに、見回りにくる警官ともお友達だった。警官に近所の情報を流す代わりに見逃してもらっていたんだと思う。
私もすぐ仲良くなり立ち話するようになった。
6歳になったばかりの息子が「あの人、誰?」と聞くので、とりあえず「管理人よ」と言っておいた。管理人はいなかったのでちょうど良かった。
でも、子供の目は節穴ではない。すぐに「あのおばさん、なぜ掃除しないの?」「網のタイツはいてる管理人ってめずらしいね」などと、なかなか鋭いことをいうようになった。
ああ、長くなりそう・・・この続きはまた次回!
| ホーム |

