
そうするうちに私は下の娘を産み、しばらくウチにいた。
郊外に住んでいる「管理人のおばさん」は10時に出勤してきて、夕方6時頃まで立っている。
息子が指摘するように、いつも黒い網タイツ、ぴったりしたミニスカート、冬は毛皮のコートと典型的な娼婦スタイルだ。
窓から観察していると時々お客と一緒に階段を上っていく。年齢層は20歳から同年代と広く、常連もいるみたい。60歳ですごいなあ。
ところが、ある朝、おばさんの後から、夫が上っていくのが見えた。出産直後の妻の鼻の先でナンテこと!私が硬直していると、息子が「パパ、待って!僕も見る!」と階段を駆け上がっていく。僕も見る・・・・?!
幸い、息子はすぐ駆け下りてきて「ママン、すごくちっちゃいんだよ」「ちっちゃいって何が?」「管理人のおばさんのウチ」「・・・・」
そこで判明したのは、さすがに仕事がしんどくなってきた娼婦は、近々引退することに決め、仕事場にしていたスチュディオを売ろうとしている。好奇心(?)から、夫がそのスチュディオを見にいったというわけだ。誤解を招くようなこと、しないで欲しい!
「これからは自分のうちの近くで老人の世話をする」と彼女は間もなく去っていった。
ずっと男性の世話をして、今度はご老人の世話・・・世話好きな人なのね。エライなあ。
彼女がいなくなってから、門の前はなにか物足りなく、うちは2度泥棒に入られた。
ほらね、やっぱり管理人のおばさんだったでしょ?
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