アラン・ドロンとロミー・シュナイダーの物語『こんなに愛し合っていたのに』の中で、何ページにも渡って登場する映画が『太陽が知っている』(原題はLa piscine=プール)だ。2人の再会のきっかけになった1968年の映画。
監督のジャック・ドレイは、ドロンの相手役にモニカ・ヴィッティを考えていたが、ドロンがどうしてもロミー・シュナイダーを押し、既に大スターだった彼が「ロミーじゃなければ役を降りる」とまで言い出したので、監督が折れた、というエピソード。
撮りだしてみると、かつての恋人たちが演じるラブシーンや、嫉妬の場面などがすごく官能的で、封切りと同時に大ヒットになり、カルト的映画になった・・・といわれれば、観ないわけにいかない。
「ないに決まってる」と思いつつ、近くの中古DVD屋に入ったら、ドイツ製のDVD があるではないか。「ドイツ語バージョンだけじゃないでしょうね」と念を押すと「まさか。この映画、滅多に見つからないんだけど、あなたラッキーだよ」と言われて、17ユーロと中古にしては高いけど買ってしまった。

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夏のバカンスに南仏サン・トロペのプールつきヴィラを借りたマリアンヌ(ロミー)とジャン=ポール(ドロン)は、泳いで食べて飲んで愛し合うという日々を送っている。
そこへ、マリアンヌの元彼(モーリス・ロネ)が、18歳の娘(デビュー仕立てのジェーン・バーキン)を連れて立ち寄る。
「しばらく泊まっていったら?」「じゃ、そうするか」と4人暮らしが始まる。

マリアンヌと元彼の、まんざらでもない雰囲気に嫉妬するジャン=ポール。同時に彼は、ミステリアスな娘に惹かれてもいる。太陽と青いプールのヴィラに不穏な空気が漂い出す。

わりとシンプルなストーリーのサスペンスだけど、俳優たちがそれぞれのキャラを鮮やかに演じて、人間ドラマとしての魅力がある:優しい恋人に見えながら、エゴでインモラルな性格を秘めるドロン、熟れた美しさに溢れながら、陰のあるロミー、娘を溺愛する気のいいプレイボーイ、モーリス・ロネ、少女と女の中間の危うい魅力を発散するジェーン・バーキン・・・

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このロケの間、ドロンとロミーは恋人同士だった頃のような親密さを見せるが、ロケの終わりに、ドロンはミレイユ・ダルクと恋に落ちるのだ。

そういえば『太陽がいっぱい』(le plein soleil、原題に忠実な訳)、『太陽はひとりぼっち』(原題はeclisse=木片)と、この『太陽が知っている』・・・アラン・ドロンの映画の日本語タイトルは太陽シリーズだ。太陽の男だったのね。

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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