ある日突然変わる子供たち

小さいときに大好きで暗記するくらい何度も読んだ本に『メアリー・ポピンズ』がある。
バンクス家の2人の子供、ジェーンとマイケルのベビーシッターとして、ある日、風に乗ってやってきたメアリー・ポピンズ。ミステリアスで、厳しくて無愛想だけど、子供たちに不思議な冒険をたくさんさせてくれる。

岩波から出ている。レトロなイラストもいいでしょ。

mary_poppins1.jpg

ディズニーで映画化されたとき、ジュリー・アンドリュースが演じる、やたら快活で、歌ったり踊ったりするメアリー・ポピンズにひどくがっかりしたものだ。私のイメージと違いすぎた。

初めての実写とアニメの混合も見事に失敗していた。

marypoppins23.jpg

1巻目『風に乗ってきたメアリー・ポピンズ』の中に、『ジョンとバーバラの物語』というエピソードがあった。

ジェーンとマイケルの下の双子、ジョンとバーバラは赤ちゃんで、動物の言葉がわかり、窓辺に遊びにくる鳥たちとおしゃべりする。メアリー・ポピンズは魔女だから、当然、動物の言葉がわかる。
常連のカラス(たしかカラスだった)は窓辺にきて、双子や魔女とおしゃべりをするのを毎日のお楽しみにしている。ところがある日、双子に話しかけると「バブバブ」という言葉が返ってくる。
動物の言葉がわかる時期が過ぎて、双子は普通の子供になってしまったのだ。
「こうなることわかってたでしょう」と冷たく言うメアリー・ポピンズに、「そりゃわかっていたけど・・・」とカラスはしょんぼりする。
うろ覚えだけど、こんなストーリーだ。

フランスにもこんなお話がある。赤ちゃんはお腹にいる間、お母さんやお父さんの話すことが全部わかっている。月が満ちていよいよ生まれるというとき、天使がしーっと指を赤ちゃんの口に当てると、それまで聞いたことも言葉も忘れてしまう。唇の上にある筋は、天使の指の跡・・・
誰が考えたかしらないけど、すごくポエティックな話でしょう?

なぜそんなことを思い出したかというと、娘のカミーユが突然“子供じゃなくなった”と感じたからだ。何かあるとうるさいくらい電話してきて、仕事場にまでついてきて隣で絵を描いたりしていた娘が、ふっと変わっていく。
次の時代に移行してしまったのだ。
それもジョンとバーバラや、天使の指のように、一瞬にして。
成長して当然なんだけど、変わらないと困るんだけど、やっぱりちょっと寂しく感じる。

今日の私は窓辺のカラスの心境だ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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