11月1日は諸聖人の祝日(Toussaint)、2日は死者の祝日。
毎年、この時期は陰鬱な天気で、自動車事故が一年中で一番多い週末でもある・・・深く考えると怖くなる話だけど、とにかく今年もまた雨降り。こんな日は映画を観に行くしかない。

『メアリーとマックス』はアダム・エリオットの人形アニメ。大人のアニメ、というと勘違いされそうだけど、深いテーマの物語。1ヶ月前に封切りになってから宮崎駿なみの評判だ。

mary et max_affiche

オーストラリアの田舎町に住むメアリーは8歳。
「目は泥んこ色、顔のシミはウンコ色」と友達にバカにされている。

mary.jpg

お父さんは、工場で一日中ティーバッグを作り、お母さんは一日中タバコを吸い、アル中だ。

haha.jpg

マックスはニューヨークの喧騒の中に住む44歳のユダヤ人。超肥満で、アスペルガー症候群で、落ち込むとチョコレート・ホットドッグをやけ食いする。
アスペルガー症候群とは、『興味・関心やコミュニケションにおいて特異であるものの、知的障害が見られない発達障害』。マックスは、知的には人並みなのに、人間関係が極度に苦手で、人と同じ興味が持てない、したがって友達がいない。

max.jpg

ひょんなことからこの2人の間で文通が始まる。
一見何の接点もないメアリーとマックスには“孤独”という大きな共通点があったのだ。
そしてチョコレートが大好き・・・

いつかアール・グレイという名の男性と結婚するのを夢見ながら、メアリーは成長していく。友達のいない隙間を、タイプ打ちのマックスの手紙が埋めてくれる。

メアリーの手紙で、ユダヤ人だからといじめられた子供時代や、女性との苦い体験が蘇り、それに苦しみながらも、手紙に支えられるマックス。

20年に渡って手紙が育てた友情を、モノクロのような暗い背景とユーモラスな人形たちが綴る。

ラジオの映画評で、簡単には感動しそうにない評論家が2人「泣いた」というのを聞いて、「ほぉ・・・」と思っていたら、果たしてポロポロ涙が出た。

人間は人の間と書くように、ひとりでは生きていけない生き物。心の繋がりの大切さ、忘れていた手紙という伝達手段の大切さも教えてくれる、観終わったあと、またすぐ観たくなる作品だ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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